[GMCD] The Epic of Zektbach -PIANO COLLECTION-

BEMANIシリーズで展開された「The Epic of Zektbach」(ゼクトバッハ叙事詩)のピアノソロ集「The Epic of Zektbach -PIANO COLLECTION-」をゲットしたので、一通り聴いてみました。
全17曲収録で、再生時間は約63分。

ちなみに、BEMANIシリーズはほぼ未プレイです。
ただ、OSTは何作品か借りて聞いたことがあり、その中に収録されていた「Blind Justice」や「Apocalypse」、「Turri -Panta rhei-」が妙に強く琴線に引っかかりました。
それがキッカケで「The Epic of Zektbach」シリーズの曲がどうも好みそうだと直感し、アルバム「Ristaccia」と「Masinowa」も両方入手して聴いたことがあります。
その流れでPIANO COLLECTIONも存在していることは知っていましたが、「Ristaccia」と「Masinowa」で満足してしまっていたこともあり、なかなか手が出ず幾星霜。
そんな時にふと立ち寄ったショップでこのCDを見つけて、気が付いたら手に取ってレジに並んでいました。
衝動買いってこわいわー(棒

そんなすこぶる軽いノリで買った本作ですが、意外と結構ツボな曲が多かったです。
原曲に負けないくらいの迫力ある演奏とアレンジでした。
むしろ、ピアノの音色だからこその煌びやかな力強さと物悲しさ、切なさが感じられて、自分の好みの曲が多数。
格好良さと儚さがあちこちに散りばめられていて、こういう曲大好きです。

それと、「よくこんなに指が動くなぁ」と思うような超絶技巧曲ばかりなところも驚きでした。
トリッキーな動きをする曲があちこちにあったり、一見物静かな曲なのに伴奏部分がなんだかすごい連打になっていたり、なんだかすごいです。
これだけピアノを弾ければ、きっと楽しいだろうなぁ。
というわけで、これ、誰か生で演奏してくれないでしょうか(ヒドい無茶振り

なお、「PIANO COLLECTION」という名前の通り全曲ピアノソロなので、ボーカルや他の楽器音は入っていません。
その点については購入時点から頭では理解していたのですが、どうやら感覚が追い付かなかったらしく、最初に本作を聴いたときは若干の物足りなさを感じました。
原曲が耳に染み付いていたからでしょうか、「あれ、こんな曲だったっけ?」という違和感のようなものがありました。
ただ、何周も聴いているうちに、次第にこれはこれで良いんじゃないかと感じられるようになり。
そのうち「あ、よく聴けば、この曲格好いいじゃん」と感じるまでに至りました。
今では、このCDを聴きながら、ボーカルは脳内補完されています。

収録曲の大半の出典元は「Ristaccia」のようです。
3曲だけ「Ristaccia」未収録曲もありますが、それらはボーナストラック的な立ち位置にあります。
どうやら発売が「Ristaccia」→「PIANO COLLECTION」→「Masinowa」の順だったらしいので、基本軸が「Ristaccia」なのはもっともかと。

わりとどの曲も良かったと思いますが、その中でも特に気に入っている曲は、

・Overture -Ristariccia- 序曲リスタチア
・Shamshir Dance -シャムシールの舞-
・Apocalypse -罪狩りの聖女-
・Turri -Panta rhei- トゥーリと星の民
・L'erisia(Primal Logic) -赤き天使-

あたりでした。
後者3曲は連続で並んでいて、ここの流れは本当に聴き応えがあります。たぎります。

それと、

・Holy Kingdom of Noigllado -傀儡の王国-
・Blind Justice -それぞれの正義-

は、流れが好きです。
明確に2曲で1つの流れになっているというか。
ゼクトバッハ叙事詩で描かれている物語の内容はほぼ把握していないのですが、曲から物語がなんとなくイメージできるところが気に入っています。

ゼクトバッハ叙事詩を知らなくても、BEMANIシリーズを知らなくても、このアルバムだけでも十分に聴ける作品になっています。
とても聴き応えのある良曲ばかりで、このまま埋もれてしまうのは勿体ないと感じるくらいです。
ドラマティックなピアノソロ曲が聴きたい方にはオススメです。

[ゲームRev] ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック

極限脱出アドベンチャーゲーム「ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック」に収録された両作品ともクリアし、トロフィーコンプリートしました。
プレイ時間は、「9時間9人9の扉」(以下、999)が10~15時間程度。「善人シボウデス」がおよそ25時間。
どちらも”詰まったら攻略サイトを見る”という裏技(?)を駆使してそれくらいのプレイ時間だったので、全て自力でプレイしていたらもっとかかっていたと思います。
ちなみに、プレイしたのはPS Vita版です。

極限脱出シリーズ三部作のうち、前の2作品を1つのパッケージに収めた本作。
そもそも、999が3DSで発売された当時から、なんとなく気になっていた作品でした。
ただ、1本あたりのボリュームが少ないという話も耳にしていて、なんとなくプレイする機会を逸していた作品でもありました。
そこへ、999と善人シボウデスのダブルパックが発売されるという一報を入手し、しかも価格がそれほど高くないと知り、ここぞとばかりに購入してプレイした次第です。
予定では、今年(2017年)のGW中にプレイしているはずだったのですが・・・一つ前にプレイしていたゲームに思いの外時間がかかってしまい(以下略

999も善人シボウデスも、どちらもシステム的には似た感じです。
テキストベースで物語が進むノベルパートと、部屋に仕掛けられた謎を解く脱出パートの2パートから成り、それらを交互にプレイすることで物語が進行します。

ノベルパートは、途中の選択肢次第で後のシナリオが分岐する点は、よくあるテキストアドベンチャーを踏襲した感じ。
一方で脱出パートは、まさに謎解きです。
暗号一つとってもパターン数が無数にあり、手あたり次第に入力してみるという手が使えないので、限られた手掛かりをもとにあーでもないこーでもないとかなり頭を使います。
仕事で疲れたあとにプレイすると、余計に疲れて、夜ぐっすり眠れたほどです。

ただ、脱出パートに時間制限はないので、焦らされることなくゆっくりじっくり考えることができます。
ゲーム内では1分以内にパスワードを入力しなければならないような状況であっても、プレイヤーがそれを気にする必要はありません。
登場人物たちにとっては凄まじい極限状態だけど、プレイヤーにとってはそれほどでもないです。
あと、パッと見た印象ほどの怖い要素もあまりなかったような気がします。

シナリオは、999と善人シボウデスで繋がりがあります。
999をプレイせずに善人シボウデスをプレイしても一応問題ないとは思いますが、善人シボウデスの中で999のネタバレが盛大にぶちまけられているので、999からプレイした方が無難です。
ストーリーについては深く触れられませんが、率直に言えば「打越鋼太郎さんっぽさ満載」です。

というわけで、とりあえず999についての感想を。

ボリュームは、確かに少なく感じました。
周回プレイ前提の作りだからなのか、運良く(運悪く?)真エンドまっしぐらなルートを進んでいたら、6, 7時間でクリアしていたかもしれません。
その一方で、周回プレイ前提にしては同じ謎解きを何回もプレイする羽目になったのは、少々苦痛を感じました。
「またあれを一つ一つ解いていかなきゃならないのかよ」と思ったこともしばしば。

ただ、謎解き自体はそれほど難しくなく、自力でもなんとかなります。
手元にメモ帳があったら楽だったと思いますが、暗記でもどうにかなるレベルです。

自力ではどうにもならなかったのは、真エンドへ至るルート選択でした。
組み合わせの問題といえばその通りなのですが、全ての組み合わせを網羅的にプレイしていたら、全網羅する前に心が折れていた気がします。
まぁ、そこはあっさり攻略サイトに頼りましたが。

シナリオや演出のテンポが良くて、話がサクサク進むところは良かったです。
2D絵だったからか過剰な演出もなくて、シナリオを進めていくごとに色々と判明していく様も楽しかったです。

次に、善人シボウデスの感想を。

999の教訓を生かしたためか、ボリュームはかなりありました。
また、フローチャートに工夫が見られて、同じ謎解きを何度もやらなければならない状態も回避されています。
その点は、前作999から上手く改善された点だと思います。

その一方で、演出が鬱陶しく感じられることがしばしばありました。
ドアの開閉や経路進行の演出が、ちょっとウザかったです。

謎解きの難易度は、999よりもアップしていたと思います。
謎解き用の部屋の中には、シナリオ進行上必須のパスワードの他に、シークレット情報を入手するための隠しパスワードも存在するのですが、前者はともかく後者を入手するのが難しかったです。
隠しパスワードは手掛かりが少なくて、必須パスワードを解いた手掛かりから更にもう一歩頭を捻らないといけないところは苦労しました。
まぁ、逆に隠しパスワードの方が先に手に入ったものの必須パスワードがわからなくて先に進めないことも、1, 2回ありましたが。

そんな難しい謎解きでしたが、難易度設定があり、それを下げるとヒントがより多くもらえるそうです。
その代わりに入手できるシークレット情報が減るというデメリットもあります。
シークレット情報の入手率が真エンドルート出現に影響することをあらかじめ知っていて、難易度は一度も下げずにクリアしたため、それをを下げるとどれくらいヒントが増えるのかはわかりませんが。

善人シボウデスの方は、手元にメモ帳と電卓があると重宝します。
タッチパネルでフリー入力可能なメモ機能が実装されているけれど、小さな画面で2ページ分しかなくて足りないと感じることもままありました。
またタッチパネルで文字を書くのが思いの外難しくて、後で見返したときに自分の文字が読めないという事態にもなりました。
気になった単語があったらささっとメモ帳に書いておくと、後で過去の自分に感謝することができるかと。
あと、面倒くさい計算が出てきたりするので、電卓があると便利です。
暗算でも解けなくはないけれど、暗算に自信がないなら電卓を用意した方が無難かと。

シナリオは「囚人のジレンマ」をモチーフにしたものと思われ、999よりも空気感がかなりギスギスしています。
999も結構な極限状態だったけれど、それでも善人シボウデスに比べたらまだ平穏だったなぁ、とプレイ開始早々に思いました。

と、2作品続けてプレイしましたが、まだ解決していない謎が残っているので、第三作目「ZERO ESCAPE 刻のジレンマ」が少し気になっています。
せっかくだし最後までプレイしておきたいような気がするけれど、積みゲーが大量にあるしなぁ。
時間があれば、シリーズ完結作である刻のジレンマもプレイしたいと思います。

[GMEV] シュデンゲンアンサンブル 第7回演奏会

7月29日(土)に、ゲーム音楽を演奏する団体「Melodies of Crystal」(以下、MoC)主催の演奏会「シュデンゲンアンサンブル」の第7回演奏会(東京公演)が開催されたので、行ってきました。
会場は、江戸川区総合文化センター 小ホール。
開演が14:00で、終演が16:30頃でした。

これより下は、今回の演奏会のネタバレを含む感想になります。
8月開催予定の名古屋公演に行かれる方で、ネタバレを見たくない方は、ご注意ください。

■昨年教会演奏会の再演
今回の演奏会は、昨年4月の第3回演奏会「教会で奏でる時空を超える音の調べ」の再演になります。
そのため、演奏タイトルは第3回と同じく「クロノクロス」と「ゼノギアス」でした。
ただし、前回は教会が会場でしたが、今回は通常の音楽ホール。
そのため、音の響きとか会場内の空気感とかが前回とは少し異なる感じがしました。
教会のような厳かな雰囲気もユニークで良かったのですが、今回のホールでの鑑賞は気楽でラフな気分で鑑賞できたかもしれません。
また、会場の作りの違いが要因なのか、同じ曲なのに耳に届く音色もなんとなく違って聴こえた気がします。

でも、時々は教会で演奏会開催してほしいです。
クロノ・クロス、ゼノギアスの楽曲と教会の空気感の相性が良くて、あれはあれで趣があってとても良かったので。

■相変わらずの悶絶レベルの演奏力
編成は、小~中規模のアンサンブル形式。
楽器は、弦楽器、木管楽器、ピアノ、それとパーカッション(クロノ・クロスのみ)という、シンプルな編成。
演奏者の人数が10~11人と中途半端に多いため、息を合わせるのがたいへんそうに見えました。
しかも、その上1つの楽器につき演奏者が1人だけというシンプルさ故に、一人一人の責任が大きくなる編成です。

しかし、そこはMoCの演奏力と表現力。
相変わらずのハイレベルで、とても聴き応えのあるものでした。
演奏技術もレベル高いし、音でゲームの世界を表現する力も半端ないし。
いつも似たようなことしか言えないけれど、とにかく演奏が格好良くて凄くて、鑑賞していてジタバタしたくなりました。
すごい演奏を聴くと途端に語彙力が低下するのはどうしようもないね、とあっさり諦めがつくぐらいに、とにかく凄いです。

ただ一点だけ、今回はクロノ・クロスの序盤で、ちょっと引っ掛かりを感じました。
なんというか、ある楽器の音色とある楽器の音色が、うまく噛み合っていない感じというか。歯車がちょっとずれている感じというか。
弦と管でタイミングを合わせるのは、やっぱりMoCでも難しいのかなと、少し思いました。

■2タイトルともにユニークな構成の編曲
曲の構成は、クロノ・クロスとゼノギアスともに、とてもユニークでした。
ゲームのストーリー進行に沿ったメドレー形式ではなく、ゲーム内時系列に沿って曲を並べた感じです。
ゲームをプレイすると、過去の出来事がシナリオを進めていくに従って少しずつ明らかになって、現在の状況と結びついて一つの大きな流れになる、という感じだったと思います。
それを再構成して、物語のそもそもの発端から描き、過去の出来事を経て現在(ゲーム内時間)に至り、そしてエンディングへと収束するような、そんな流れでした。
他の楽団ではあまり類を見ない、面白い構成だったと思います。
しかも、ゲームで語られていた物語をきちんと把握していないとできない芸当ではないかと。

構成はそのように特徴的なものでしたが、クロノクロスの方の編曲はわりとストレート。
木管+弦楽器+ピアノ+パーカスという限られた音ながら、極力原曲の雰囲気に近い形に落とし込んだような、そんなアレンジでした。
そのため、特に抵抗を感じることなくすんなり聴けたように思います。

その一方でゼノギアスの方は、かなり大胆にアレンジされていました。
むしろ、アクロバティックとも言えるようなアレンジです。
ゲームの世界観と物語を一度粉砕し、見方を変えて再構築、そしてそれを曲で表現したような、そんな印象を受けました。
完全に、スクラップ&ビルドです。
ただ、そうして再構築されたものであってもすごくわかりやすくて入り込みやすくて、それでいてゼノギアスの世界観が奥深く練り込まれていて、脱帽ものでした。
これは本当にすごかった。すごいっていう言葉しか出てきません。

どちらも音でゲームを表現するという方針は変わらず、それを見事に体現していて、もはや感嘆のため息しか出ませんでした。
音という空気の振動だけでゲームの世界を表現しきっているのが、とにかくすごいです。

ちなみに、クロノ・クロスの編曲は前回(第三回演奏会)のときと大きく変わったようには感じなかったのですが、ゼノギアスの方はがっつり変わっています。
再演とかいうレベルを超えています。一からアレンジし直されているレベルです。
そもそも演奏された曲が違うし、編曲の方針すらも変わっています。
前回がゼノギアスの世界を横から見て構成したものとすれば、今回は上から見て再構成し直した感じです。

■感想まとめ
いつもいつも素晴らしい演奏を届けてくれるMoCの演奏会ですが、今回もとても良い演奏会でした。
各タイトルの演奏が終わったときの満足感や灌漑の深さは、ゲームをクリアしたときのそれによく似ていて、ゲームを追体験したような気分になれました。
ゲームをプレイした時や攻略本で設定の深さを知った時の感動や興奮を、演奏が呼び起こしてくれているようで、それがたまらなく気持ち良かったです。

MoCの演奏会では、ゲーム音楽が生演奏で聴ける楽しさだけでなく、自分の思い至らなかった考察も音で表現されていて、それを知るのも楽しみの一つです。
そんな他の演奏会にはない楽しさに、魅了されていつも足を運んでいるような気がします。

ぜひ次回の演奏会でも、面白い演奏を期待しています。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、ゲームタイトルごとの感想になります。

[ゲームRev] ひぐらしのなく頃に粋

テキスト型アドベンチャーゲーム「ひぐらしのなく頃に粋」のPS Vita版(DL版)をプレイし、とりあえずトロフィーコンプリートしました。
トロコン達成時の総プレイ時間は、およそ140時間でした。

「ひぐらしのなく頃に」の存在自体は、アニメ化された頃から知っていました。
同人ゲームから始まり、その後コンシューマに移植され、アニメ化、コミカライズなどのメディアミックス展開もされたほどなので、自然と耳に入ってきていました。
その頃から興味はあったのですが、移植に次ぐ移植があって、一体どれから手を付ければいいのかわからなくなり、しばらく様子見という名の放置を決めることに。
その後、全シナリオを網羅した集大成「ひぐらしのなく頃に粋」がPS3/PS Vita用に発売されたため、「これをプレイすればいいのか」と思いつつも、またもや放置。
そうこうしているうちにあっという間に月日が経過し、気が付いたらコンシューマー版の発売元が倒産していて、店頭からもPS Storeからも姿を消してしまいました。
そうして「思い立ったうちにプレイしておけば良かった!」と軽く歯噛みする日々が続いたある日のこと。
2017年4月にPS Storeでの再配信が始まったのをキッカケに、ここぞとばかりにDL版に飛びついた次第です。

物語の主な舞台は、昭和58年6月の雛見沢という山間の集落。
その集落で行われる「綿流し」という祭の日に発生する事件、通称「オヤシロ様の祟り」にまつわる物語が、サスペンスタッチで描かれています。
そのため、多数の流血描写や残酷描写があります。
その一方で、それと同じくらいに、結構マニアックなコメディ描写もあります。
また、意外とファンタジー要素も強いです。特に後半。
それらの点を寛容に飲み込める方でないと、プレイ中に拒絶反応が出て疲れるかもしれません。

シナリオ構成は、基本的にオムニバス形式です。
最初に解放される「興宮警察署事件調書」は選択肢によるシナリオ分岐(いわゆる「かまいたちの夜」形式)ですが、他は一つ読み終わると次のシナリオが解放されるような仕組みになっています。
そのため、シナリオによっては選択肢が一つもないものもあります。

だからといって選択肢をないがしろにすると、後で手痛いしっぺ返しを食らったりもします。
序盤のシナリオであるTIPSを回収しておかないと、中盤で解放されるシナリオが必ずBAD ENDに突入するような、そういう罠が仕掛けられていたりもします。
まぁ、その罠に見事にハマって、あっさりと攻略サイトに頼ったのは自分ですが。

序盤で解放される各シナリオは、大体どれも報われない、後味の悪いものばかりです。
ただ、その後味の悪さが終盤に生きてくるので、それが悪いとも言えません。
むしろ、終盤の盛り上がりっぷりを考えると、序盤の後味の悪さは必要なことだったとも思えます。

また、その後味の悪さの中に登場人物たちの業が深く描かれていて、そこはとても興味深かったです。
さらに、序盤でバラまかれた伏線や、一見すると各々に独立していたシナリオが、ゲームを進めていくに従って徐々に絡み合い収束していく展開も、読み進めていて面白かったです。
考察しがいのあるシナリオ展開だと思います。
時間に余裕があれば、シナリオ考察すると楽しいだろうなぁ、と思います。

とはいえ、考察するとなると、テキスト量が半端なく膨大な点がネックになるかと。
シナリオ1本に目を通すだけでも長時間を要し、そう何度もプレイするだけの時間はなかなか取れません。
世界観や登場人物が魅力的なだけに、これはちょっと痛いところ。

それと、冗長な展開や表現が多いところも、それを阻害する一因かもしれません。
似たような展開、必要とは思えない展開が多くて、結果テキスト量が膨大になっていたような気がします。
特に「興宮警察署事件調書」の各シナリオの日常パートは大体どれも似たような展開で。
非日常に急転直下してからの展開は読み応えがありましたが、そこにたどり着くまでがとても長く感じられました。

そのため、基本的にテキストは斜め読み、ボイスはほぼスキップという状態でプレイしていました。
ボイスを最初から最後までしっかり聞いていたら、たぶんプレイ時間が200時間を超えていたと思います。
CVの方々には申し訳ないのですが、さすがにそこまでじっくり聞いていられるほどの時間をかけていられませんでした。

あと、特に後半のシナリオでよく見かけたのですが、スキップできない演出が少々ウザかったです。
見せ場としてスキップさせたくなかったからなのか、プログラムの都合上スキップできなかったからなのかはわかりませんが、ちょっと押しつけがましく感じられました。

というわけで、プレイした結果残った印象は「人を選ぶゲーム」でした。
シナリオは面白いところも多々あったけれど、退屈なところもそこそこあるし。
一通りプレイするには長時間必要だし。
ゲーム性よりシナリオ重視なタイプで考察好きで、さらにサスペンス要素もコメディ要素もファンタジー要素も受け入れられる方ならば、楽しめるかもしれません。

[GMCD] 文豪とアルケミスト 劇伴音樂集

スマホゲーム「文豪とアルケミスト」(以下、文アル)のOSTをゲットし、一通り聴いてみました。
収録曲数は、全18曲(未発表曲4曲、ボーナストラック4曲含む)。
再生時間は、トータルで57分ほどです。

文アルのゲーム自体は未プレイです。
ゲーム系ニュースサイトやTwitterで時々名前を見かけるので存在自体は知っていますが、一体どんなゲームなのかすら知らなかったりします。

そんな自分がこのOSTを買おうと思い至った理由は、主に3つ。
・曲が良いと評判だから。
・作曲が坂本英城さんだから。
・上記2点を踏まえて、なんとなく勢いで。

ゲームを知らなくても曲の評判が良ければOSTを買ってしまうのはゲーム音楽好きの性だから仕方ありません、てことにしておこう。

全体的な曲調は、和風オーケストラ。
管弦楽+ピアノの中に、時々チェンバロか三味線のような音が混じっているような、そんな感じです。
オケ調のゲーム音楽好きにとってはとても聴きやすいし、それでいて聴いていなんだか心が躍ります。

曲の雰囲気は、一言で言い表すならば「ノスタルジック」。
明治~大正時代っぽい、近代化の波に乗った頃の空気感を感じます。
古色蒼然としていて、言葉は悪いのですが、古臭さや黴臭さが音色から感じられるほど。
古い書物から漂ってくる匂いが、音の中から湧き出てくるように感じられました。
その点は、ゲームタイトル名にある「文豪」を反映しているのでしょうか。
名は体を表すを地で驀進している感じがして、腑に落ちる以前に違和感が全くありませんでした。

ノスタルジックと言っても、穏やかな曲ばかりではなく、激しい曲もあります。
そして、激しい曲は大体格好良いです。
ノスタルジックで古色蒼然としているのだけど、スタイリッシュさもあって疾走感があって、要するに格好良い。
「破綻スル齒車」や「開進止メヌ文士タレ」が、個人的には特に好みな曲です。

ボーナストラックは4曲とも、原曲のアレンジ版になります。
内訳は、「文豪とアルケミスト」のピアノソロバージョンとオーケストラバージョン、「憩」の弦楽バージョン、「破綻スル齒車」のオーケストラバージョンの4曲。
その中でも妙に印象に残ったのは、「文豪とアルケミスト」のピアノソロバージョンと、「破綻スル齒車」のオーケストラバージョンです。

「文豪とアルケミスト」のピアノバージョンは、初めて聴いたときは軽くスルーしてしまっていたのですが、何度か聴いているうちに「あ、これ、いいかも」と感じるようになりました。
哀愁すら感じられる主旋律としっとりとした演奏が良い感じに抒情感を醸し出していて、これはこれで好きというか。
あまりキャッチ―なアレンジではありませんが、原曲を聴いた上でこのアレンジ聴くと、なんだかより強く心に響く感じがしました。

「破綻スル齒車」のオーケストラバージョンは、問答無用で格好良いです。
原曲も結構好きですが、それを上回る格好良さがあります。
かなり本気のオーケストラにコーラスまであって、その荘厳さと勇壮さには身悶えするほど。
聴いて一発で「なにこれ超格好良い」と惚れました。
これ、生オケで聴きたいです。
坂本英城さんだから、きっといつか何かの機会に演奏してくれると期待しています。

ゲームを知らずに勢いで購入した文アルのOSTですが、評判に違わないとても良いOSTでした。
オーケストラ調の古色蒼然とした曲が好みの方にはオススメです。
ゲームを知らなくても、結構聴けるOSTだと思います。