[ゲームRev] ひぐらしのなく頃に粋

テキスト型アドベンチャーゲーム「ひぐらしのなく頃に粋」のPS Vita版(DL版)をプレイし、とりあえずトロフィーコンプリートしました。
トロコン達成時の総プレイ時間は、およそ140時間でした。

「ひぐらしのなく頃に」の存在自体は、アニメ化された頃から知っていました。
同人ゲームから始まり、その後コンシューマに移植され、アニメ化、コミカライズなどのメディアミックス展開もされたほどなので、自然と耳に入ってきていました。
その頃から興味はあったのですが、移植に次ぐ移植があって、一体どれから手を付ければいいのかわからなくなり、しばらく様子見という名の放置を決めることに。
その後、全シナリオを網羅した集大成「ひぐらしのなく頃に粋」がPS3/PS Vita用に発売されたため、「これをプレイすればいいのか」と思いつつも、またもや放置。
そうこうしているうちにあっという間に月日が経過し、気が付いたらコンシューマー版の発売元が倒産していて、店頭からもPS Storeからも姿を消してしまいました。
そうして「思い立ったうちにプレイしておけば良かった!」と軽く歯噛みする日々が続いたある日のこと。
2017年4月にPS Storeでの再配信が始まったのをキッカケに、ここぞとばかりにDL版に飛びついた次第です。

物語の主な舞台は、昭和58年6月の雛見沢という山間の集落。
その集落で行われる「綿流し」という祭の日に発生する事件、通称「オヤシロ様の祟り」にまつわる物語が、サスペンスタッチで描かれています。
そのため、多数の流血描写や残酷描写があります。
その一方で、それと同じくらいに、結構マニアックなコメディ描写もあります。
また、意外とファンタジー要素も強いです。特に後半。
それらの点を寛容に飲み込める方でないと、プレイ中に拒絶反応が出て疲れるかもしれません。

シナリオ構成は、基本的にオムニバス形式です。
最初に解放される「興宮警察署事件調書」は選択肢によるシナリオ分岐(いわゆる「かまいたちの夜」形式)ですが、他は一つ読み終わると次のシナリオが解放されるような仕組みになっています。
そのため、シナリオによっては選択肢が一つもないものもあります。

だからといって選択肢をないがしろにすると、後で手痛いしっぺ返しを食らったりもします。
序盤のシナリオであるTIPSを回収しておかないと、中盤で解放されるシナリオが必ずBAD ENDに突入するような、そういう罠が仕掛けられていたりもします。
まぁ、その罠に見事にハマって、あっさりと攻略サイトに頼ったのは自分ですが。

序盤で解放される各シナリオは、大体どれも報われない、後味の悪いものばかりです。
ただ、その後味の悪さが終盤に生きてくるので、それが悪いとも言えません。
むしろ、終盤の盛り上がりっぷりを考えると、序盤の後味の悪さは必要なことだったとも思えます。

また、その後味の悪さの中に登場人物たちの業が深く描かれていて、そこはとても興味深かったです。
さらに、序盤でバラまかれた伏線や、一見すると各々に独立していたシナリオが、ゲームを進めていくに従って徐々に絡み合い収束していく展開も、読み進めていて面白かったです。
考察しがいのあるシナリオ展開だと思います。
時間に余裕があれば、シナリオ考察すると楽しいだろうなぁ、と思います。

とはいえ、考察するとなると、テキスト量が半端なく膨大な点がネックになるかと。
シナリオ1本に目を通すだけでも長時間を要し、そう何度もプレイするだけの時間はなかなか取れません。
世界観や登場人物が魅力的なだけに、これはちょっと痛いところ。

それと、冗長な展開や表現が多いところも、それを阻害する一因かもしれません。
似たような展開、必要とは思えない展開が多くて、結果テキスト量が膨大になっていたような気がします。
特に「興宮警察署事件調書」の各シナリオの日常パートは大体どれも似たような展開で。
非日常に急転直下してからの展開は読み応えがありましたが、そこにたどり着くまでがとても長く感じられました。

そのため、基本的にテキストは斜め読み、ボイスはほぼスキップという状態でプレイしていました。
ボイスを最初から最後までしっかり聞いていたら、たぶんプレイ時間が200時間を超えていたと思います。
CVの方々には申し訳ないのですが、さすがにそこまでじっくり聞いていられるほどの時間をかけていられませんでした。

あと、特に後半のシナリオでよく見かけたのですが、スキップできない演出が少々ウザかったです。
見せ場としてスキップさせたくなかったからなのか、プログラムの都合上スキップできなかったからなのかはわかりませんが、ちょっと押しつけがましく感じられました。

というわけで、プレイした結果残った印象は「人を選ぶゲーム」でした。
シナリオは面白いところも多々あったけれど、退屈なところもそこそこあるし。
一通りプレイするには長時間必要だし。
ゲーム性よりシナリオ重視なタイプで考察好きで、さらにサスペンス要素もコメディ要素もファンタジー要素も受け入れられる方ならば、楽しめるかもしれません。

[GMCD] 文豪とアルケミスト 劇伴音樂集

スマホゲーム「文豪とアルケミスト」(以下、文アル)のOSTをゲットし、一通り聴いてみました。
収録曲数は、全18曲(未発表曲4曲、ボーナストラック4曲含む)。
再生時間は、トータルで57分ほどです。

文アルのゲーム自体は未プレイです。
ゲーム系ニュースサイトやTwitterで時々名前を見かけるので存在自体は知っていますが、一体どんなゲームなのかすら知らなかったりします。

そんな自分がこのOSTを買おうと思い至った理由は、主に3つ。
・曲が良いと評判だから。
・作曲が坂本英城さんだから。
・上記2点を踏まえて、なんとなく勢いで。

ゲームを知らなくても曲の評判が良ければOSTを買ってしまうのはゲーム音楽好きの性だから仕方ありません、てことにしておこう。

全体的な曲調は、和風オーケストラ。
管弦楽+ピアノの中に、時々チェンバロか三味線のような音が混じっているような、そんな感じです。
オケ調のゲーム音楽好きにとってはとても聴きやすいし、それでいて聴いていなんだか心が躍ります。

曲の雰囲気は、一言で言い表すならば「ノスタルジック」。
明治~大正時代っぽい、近代化の波に乗った頃の空気感を感じます。
古色蒼然としていて、言葉は悪いのですが、古臭さや黴臭さが音色から感じられるほど。
古い書物から漂ってくる匂いが、音の中から湧き出てくるように感じられました。
その点は、ゲームタイトル名にある「文豪」を反映しているのでしょうか。
名は体を表すを地で驀進している感じがして、腑に落ちる以前に違和感が全くありませんでした。

ノスタルジックと言っても、穏やかな曲ばかりではなく、激しい曲もあります。
そして、激しい曲は大体格好良いです。
ノスタルジックで古色蒼然としているのだけど、スタイリッシュさもあって疾走感があって、要するに格好良い。
「破綻スル齒車」や「開進止メヌ文士タレ」が、個人的には特に好みな曲です。

ボーナストラックは4曲とも、原曲のアレンジ版になります。
内訳は、「文豪とアルケミスト」のピアノソロバージョンとオーケストラバージョン、「憩」の弦楽バージョン、「破綻スル齒車」のオーケストラバージョンの4曲。
その中でも妙に印象に残ったのは、「文豪とアルケミスト」のピアノソロバージョンと、「破綻スル齒車」のオーケストラバージョンです。

「文豪とアルケミスト」のピアノバージョンは、初めて聴いたときは軽くスルーしてしまっていたのですが、何度か聴いているうちに「あ、これ、いいかも」と感じるようになりました。
哀愁すら感じられる主旋律としっとりとした演奏が良い感じに抒情感を醸し出していて、これはこれで好きというか。
あまりキャッチ―なアレンジではありませんが、原曲を聴いた上でこのアレンジ聴くと、なんだかより強く心に響く感じがしました。

「破綻スル齒車」のオーケストラバージョンは、問答無用で格好良いです。
原曲も結構好きですが、それを上回る格好良さがあります。
かなり本気のオーケストラにコーラスまであって、その荘厳さと勇壮さには身悶えするほど。
聴いて一発で「なにこれ超格好良い」と惚れました。
これ、生オケで聴きたいです。
坂本英城さんだから、きっといつか何かの機会に演奏してくれると期待しています。

ゲームを知らずに勢いで購入した文アルのOSTですが、評判に違わないとても良いOSTでした。
オーケストラ調の古色蒼然とした曲が好みの方にはオススメです。
ゲームを知らなくても、結構聴けるOSTだと思います。

[GMEV] コスモスカイオーケストラ 第7回定期演奏会

ゲーム音楽を中心とした劇伴音楽を専門に演奏するオーケストラ楽団「コスモスカイオーケストラ」の第7回定期演奏会が7月9日(日)に開催されたので、行ってきました。
会場は、さいたま市文化センター 大ホール。
開演は17:00で、終演は19:40頃でした。

■今回のテーマは「こころ」
コスモスカイの単独演奏会に足を運ぶのは、2015年10月のリバイバルコンサート以来になります。
定期演奏会に限れば、2014年12月の第6回以来。
前回の定演から、もう2年半以上経つのですか。つい最近のような気がしていたけれど。時間の流れは速いなぁ。

今回のテーマは「こころ」ということで、心にちなんだセットリスト・・・という感じは、正直なところあまりしませんでした。
コスモスカイの演奏会に足を運ぶのは今回で5回目になるのですが、メジャーどころからマイナーどころまで選曲の幅が広いところはいつも通りというか。
今回のテーマを掲げた上での特別感は、それほど感じませんでした。
パンフレットに掲載された解説を読んで「なるほど」と思うところもあったのですが、演奏を聴いたら解説が吹っ飛んでしまいました。
なんというか、テーマと演奏についてあれこれ推察するのがどうでもよくなるほどの圧倒的な演奏、というか。
むしろ、自分たちの好きな曲を演奏する歓びに満ちた心の叫びが、演奏のあちこちから聞こえてくるようでした。
演奏者の方々やスタッフの方々の心を、曲を媒介にして表現することが、実は真のテーマだったのではないかと思ったくらいです。

■迫力と躍動感のある演奏の数々
演奏は、いつも通りのハイクオリティ。
音が外れたり揺らいだりすることが時々あったけれど、最終的にそれらが霞んで気にならなくなるほどの素晴らしい演奏でした。
その演奏の様を一言で表すなら、「熱い」。
ゲーム音楽(を含む劇伴音楽)に対する情熱、それらを演奏できることの楽しさや歓び、そしてそれらを共有しつつ高見を目指そうという心意気が渾然一体となった熱さを感じました。
どこを切り取っても熱い演奏でした。
この熱さはゲーム音楽好きが揃っているアマチュアの楽団ならではのもので、演奏だけでなく、そのひたむきな熱さにも魅了されたような気がします。

今回の演奏会では、弦楽器が非常に上手いと思いました。
ゲーム音楽は演奏することを前提としていないものも多いため、原曲を忠実に再現しようとすると指の動きが人の限界を突破してしまうことも多いと思います。
そんな中、今回はどの曲でもきちんと運指が追い付けていたところは、心底感心しました。
あまりに速い動きに、なんだかすごい現場に遭遇したような気にもなったほどです。
どれくらい練習したら、あんなに早いパッセージを弾けるようになるのだろうか。

さらに、打楽器隊が揃いも揃ってリズム感良過ぎでした。
「任天堂 春夏秋冬メドレー」の2人のカウベルの連打が、とてもノリ良く音ぴったりだったり。
どの曲か忘れてしまいましたが、2人のドラムが似たようなリズムを刻むところで、音に寸分のズレもなくかっちり一致していたり。
スキルレベルの高いパーカッションが勢揃いで、なんだか凄かったです。
凄過ぎて、凄かったとしか言いようがないくらい、凄かったです。

木管楽器や金管楽器も各々のやるべき演奏を丁寧に果たしていて、演奏に花を添えていたました。
ガッと前面に出てくることは弦楽器に比べると少なかったけれど、主旋律だけが花形ではない、それを支える屋台骨があってこそのオーケストラの調和だ、と言わんばかりの存在感を密かに感じました。
結果、トータルとしては、とても迫力と躍動感のある演奏だったと思います。

■突出して凝っていた第2部
演奏会は全3部構成。
その中でも、第2部はとても手の込んだものになっていました。

まず、第2部限定でコーラスが付いていました。
コーラスは、コール・クリスタル・マナピコピコ―ラスからの賛助参加に有志を加えた今回限りのもの。
即席の団体とは思えないほどハーモニーの豊かなコーラス隊で、コスモスカイオケの演奏に更なる彩りを加えていました。

また、第2部では映像による演出もありました。
ステージ上部の天井付近に投影された映像は、演奏をより効果的に魅せるためのサポート的なものでしたが、どの映像もとても凝ったものでした。
プロの犯行としか思えないほどに美しく、それでいて何か心に訴えかけてくるようなものもあり。
何かを心に刻み込まれたような気がします。

■コスモスカイらしさ全開の編曲
編曲はやや強めな方だったと思います。
原曲重視ではあるけれど、原曲そのままというわけではありません。
今回演奏された全ての曲の原曲を知っているわけではないので、全部が全部そうだとは断定できませんが、知っている曲の多くはかなりアレンジされていました。
時々「あれ、こんな曲だったっけ?」と思うこともありました。

ただ、編曲の意図は納得できるものばかりだったので、特に違和感や不満はありませんでした。
パンフレットに事細かな解説が掲載されていて、そこから意図を汲み取ることができたので、「なるほど、そういう方針でああいうアレンジになったのか」と納得できるものばかり。
また、解説が無くても興味深いという意味で面白い編曲が多くて、聴いていて単純に楽しかったです。
曲に煽られるようにワクワクする気持ちが湧き上がってきました。

メドレー形式の曲が多かったですが、どの曲も基本的に1ループ。
そして、その1ループの中で、ノリの良い曲は徹底的にノリノリに、迫力のある曲は景気よく情熱的に、曲の魅力をギュッと凝縮されたようなアレンジでした。
そのあたりは、コスモスカイらしさ満載だったように思います。

■個人的には非常にありがたかったちょっとした気遣いと、演奏そのものではない部分で気になったこと
演奏から少し離れますが、個人的に非常に有難かった些細なことと、少しだけ気になったことを1点ずつ。

まず有難かった点について。
場内アナウンスで度々「演出の都合上、照明が点滅することがあります」という告知が流れていましたが、これがすごく助かりました。
自分の体質的に光には非常に弱くて、強い光の点滅を目に入れると頭痛と吐き気がするという持病(?)の持ち主なのです。
そのせいもあって、自転車の点滅する前照灯とカメラのフラッシュは滅びればいい、と半ば本気で思っているくらいの光属性ダメージ2倍な闇属性持ちです。
そんな自分にとってあのアナウンスはとても助かりました。
おかげで心構えができて、不意打ちを喰らうことを回避できたように思います。

まぁ、実際にはそれほど強い光ではなかったし、また事前に頭痛薬を服用していたので、大事には至らずに済みましたが。

その一方で、若干気になった点について。
ゲーム音楽の演奏会の認知度が上がって間口が広がったことによる負の影響でしょうか、演奏中に盛大に物音を立てる方が周囲に何人もいたのが少々気になりました。
自分の周囲だけだったのかもしれませんが、演奏中にも関わらずカバンを開閉する金属音が何度も聞こえたり、盛大な鼻息が何度も聞こえたりと、他の演奏会に比べて雑音が妙に多かったような。
多少の身じろぎや、くしゃみなどの生理現象は仕方ないですが、そうでない音は極力控えてほしいと思います。
演奏会の主役は音であり、それを楽しみに来ているので。
最低でも、演奏中の私語は本気でやめてほしいです。意外と聞こえるんですよ、雑音として。

■感想まとめ
とまぁ、演奏以外の点で若干のケチが付いてしまいましたが、演奏自体はとても素晴らしいものでした。
丁寧で確かな演奏技術力に加えて、壮大で迫力がある表現力と編曲、さらにステージ上から迸る情熱に圧倒されて、最初から最後まで魅了されっぱなし、引き込まれっぱなしでした。
無料のコンサートとは思えないほど、満足した演奏会でした。
次回の演奏会がいつになるかわかりませんが、ぜひ都合が付けば積極的に行きたいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMCD] XenobladeX Original Soundtrack

WiiUのオープンワールドRPG「ゼノブレイドクロス」(以下、ゼノブレX)のOSTを、今になってようやく一通り聴きました。
CD4枚組で、全55曲収録。
再生時間は、約4時間23分です。

ゼノブレX自体は未プレイです。
気になっている作品ではあるのですが、そもそもWiiU未所持のためプレイできていません。
Switchが発売された今更になってWiiUを買うのもなぁ・・・というわけで、現時点ではプレイする目途すらたっていません。
ゼノブレ(無印)もWiiやNew3DS未所持でプレイできていないので、ゼノブレ(無印)と一緒にSwitchに移植してもらえると嬉しいのですが。
2発売の機に、ぜひ。

そんなわけでゲームに関しては全くの無知という状態ですが、OSTは気になったので買ってみた次第です。
前作のOSTの評判が良かったので、ゼノブレXのOSTも発売日に購入。
とはいえ、発売日に買っておきながら、今の今まで放置し続けていたわけですが。
ゲーム未プレイだから気後れしてしまい、なんとなく後回しにしていました。

そんな風にずるずると後回しにしてきたけれど、最近になってようやく意を決して紐解き、そして一通り聴いてみたのですが、想像以上に自分の好みの曲が多かったです。
ゲームプレイ時の思い出補正がなくても、OST単体で普通にツボにはまりました。
CD4枚組という大ボリュームだけど、聴いていてそれをあまり感じないくらい、1周分聴くのがあっという間です。

ただ、CD4枚組というのも伊達ではなく、開封してから曲が耳に馴染むまで1ヶ月ほどかかっています。
時間を見つけては作業用BGMとしてちまちま聴いていたのですが、気が付けば約1ヶ月ずっとこのOSTを聴き続けていたような気がします。
でも、それくらい聴き続けていても、飽きることはなかったです。

曲の雰囲気としては、どことなくゲーム音楽っぽくなくて、どちらかといえばアニメや映画のBGMのように感じました。
裏方に徹したループ系という感じではなくて、前面に出てくるようなドラマティックなタイプというか。
ゲームをプレイしていたらまた印象が違うのかもしれませんが、ゲーム未プレイとしては逆に非常に聴きやすかったです。
ついでに、ゲームの方でこのBGMがどのように使われているのか、これまで以上に気になりました。
やっぱりSwitchに移植してくれないかなぁ。

一曲一曲は様々な雰囲気を持っていて、壮大なオケ調だったり、しっとりしたピアノ曲だったり、熱くたぎるロック調だったりします。
ただ、大体どの曲にも共通して言えることは、聴いていてなんだかワクワクする、でした。
言葉にするのが難しいのだけど、冒険心を煽るような前向きさ、広大なフィールドを感じさせる音の広がりに、ワクワクさせられたような気がします。
個人的には、このポジティブ感、嫌いではないです。むしろ好みです。
それでいて、ただ100%にポジティブというだけではなく、得体のしれない何かがあるかもしれないという危機感もほんのり含んでいるところが、良いアクセントになっています。

まぁ、なんというか、率直に言えば「格好良い!」の一言に集約されます。
うん、格好良いです。どの曲も男前で格好良い。

そんなわけで、ゼノクロXのOSTをようやく聴き終わったわけですが、思っていた以上に良曲が揃っていて聴き応えのあるOSTでした。
ゲーム未プレイでも十分聴けるOSTになっていると思うので、ゲーム音楽とかそういうジャンル分け関係なく、Instrumentalの格好良い曲が聴きたい方にはオススメです。

[GMEV] Game Addict's Music Ensemble 6th Concert

6/17に、ゲーム音楽専門の吹奏楽団「Game Addict's Music Ensemble」(通称、GAMEバンド)の演奏会「6th Concert ~イーファの樹の下で~」が開催されたので行ってきました。
会場は、越谷サンシティホールの大ホール。
開演は16:00で、終演は19:15頃でした。

■3時間超という長時間の中に凝縮された音によるゲームの世界
久しぶりに、3時間以上という長時間の演奏会を体験しました。
ここ最近は、公式主催(あるいは公式が後援)の演奏会の開催が随分増えましたが、そういった演奏会の大半は大体2~3時間。
そうではない有志による演奏会でも、3時間を超えることは滅多にありませんでした。
そういえば、3時間もたっぷりとゲーム音楽の生演奏漬けになったのは、いつ以来だろう。

途中2回の休憩があったものの、3時間以上座りっぱなしだったので、さすがに演奏会後はいつも以上に疲労感を感じましたが、同時に充実感もたっぷりでした。
ゲーム音楽を主体としたゲームの世界が、3時間の中にぎゅっと詰まっていて、とても濃密な世界がそこにありました。
ゲーム好き、ゲーム音楽好きとしては、そこに魅力を感じないわけはなく。
終わってみれば、あっという間の3時間でした。

とはいえ、尺が今回の演奏会以上に長かったら、さすがにダレていたと思います。
鑑賞する身としては3時間前後が限度でしょうか。
今回ぐらいの尺が、個人的にはちょうど良く感じました。

■回を重ねるごとに演奏はレベルアップ
GAMEバンドの演奏会に行く度に感じることですが、演奏自体は回を重ねるごとにレベルアップしているように思います。
GAMEバンドの演奏会には「2nd Concert」から足を運び続けていますが、その頃に比べると確実に相当上手くなっています。

2ndの頃から、ゲーム音楽への情熱は、他の団体に負けず劣らずでした。
ただ、情熱が先走っていて、演奏自体は決して手放しに褒められるものではありませんでした。
それが、数回前から音色に安定感が出るようになり、演奏を安心して聴けるようなっていきました。
音を盛大に外したり調和が乱れる回数が劇的に減って、すごく聴きやすくなりました。
その点は、今回も健在でした。

今回はその上に更に、ゲーム内の世界観や登場人物たちの情感までもが、曲によってははっきりわかるほど表現されていたように感じました。
ただ演奏するだけでなく、ゲームを知っている人だけでなく、ゲームを知らない人にもその雰囲気が少しでも伝わるようにという、そんな意思を演奏の端々から受け取りました。
ただ「この曲が好きなんだーっ!」という情熱をステージから放出するだけではなく、演奏側と観客側の間で思い出や記憶も含むゲームの世界を共有する空気感がありました。
その空気感が、とても心地良かったです。

■吹奏楽らしい力強く楽しい演奏
演奏自体は吹奏楽らしく非常に力強いものでした。
腹に響くような金管の低音や、心地良く耳を撫でていく木管、場に彩を与えて盛り上げる打楽器、どれも見事な演奏でした。
それらが上手く融合して一体となった音が、洪水となって押し寄せてくる様が感じられるほどに、圧倒されました。
その圧倒される感じが、楽しかったです。

楽しいと言えば、演奏者の方々からも「楽しい!」オーラをしばしば感じました。
難しい曲であるほどに、それが強かったように思います。
ゲーム音楽を演奏できる喜びはもちろんのこと、もっと根幹の吹奏楽自体も楽しんでいる様子が窺えました。
和音が綺麗に揃った時、難しいフレーズを決めたとき、その時々にそのような雰囲気を感じられて。
それに中てられたのか、その点も鑑賞していて嬉しいというか楽しかったです。

■吹奏楽用に原曲をうまく落とし込んだ編曲
アレンジはそれほど強くなく、かといって全くないわけでもなく。
原曲やゲームの雰囲気を色濃く残したまま、吹奏楽、それもアマチュアの楽団で演奏可能なレベルに落とし込まれていました。
原曲を忠実に再現するのではなく、ゲームの世界観や原曲のニュアンスを忠実に再現するような、そんな感じです。

原曲を知っている曲でも、違和感は特にありませんでした。
むしろ、吹奏楽用に壮大さが2~3割増しにアレンジされていた分、非常に熱くて満足しました。

ここはどうしても外せないという超絶技巧部分もいくつか残っていましたが、そこは演奏されている方々が頑張ってクリアしていました。
そのような難解な部分であってもトチることはあまりなくて、見事にクリアしていっていました。
そういう点からも、演奏者の方々のレベルアップっぷりを感じました。

■吹奏楽に合唱が加わったことによる幅の広いハーモニー
今回の演奏会には、ゲーム音楽のコーラス団体「Chor Crystal Mana」(以下、CCM)も賛助参加。
4th Concert以来の再登場です。

CCMのコーラスも、端的に言えばとても素晴らしかったです。
とてもしっかりと響き渡る歌声で、吹奏楽の演奏にさらなる花を添えていました。
吹奏楽だけでは限界がある表現の幅を、CCMの参加によってググッと広がっていて。
歌声が乗るだけで、こんなにも表現に幅が出るものかと感嘆しました。

また、CCMのコーラスの入り方が絶妙で。
ここでコーラスが欲しいなぁ、というところに入ってくるのはもちろんのこと。
ここでコーラスが加わるのか、という意外性もところどころにあって。
とにかくとても良かったです。
歌声の偉大さを、改めて実感しました。

■演奏会のテーマは「映画」
今回の演奏会の構成は、全3部構成。
第1部と第3部はがっちりした演奏で、第2部はGAMEバンドではお馴染みの演出たっぷりな演奏でした。

今回の演奏会のテーマは「映画」。
第1部と第2部は、その「映画」をもとにしたストーリー仕立てで進行しました。
そのテーマの都合上、某TVの映画枠のOPに流れるジングルが演奏されたり、映画館の上映前告知でお馴染みのカメラ頭のアイツが登場したりといった仕込みもありました。
カメラ頭のアイツについては、ちょうど演奏会の数時間前に映画館へ行ってきたばかりだったので、なんだか妙なデジャヴュを感じてみたり。
数時間前に見たばかりで本家本元の映像が記憶に新しくて、それと比較しながら見ていたのですが、再現度があまりに高くて驚きました。
違和感が仕事しませんでした。

第3部はテーマから離れて、FF9の曲を組曲仕立てでがっつりと演奏。
第3部は演出一切なしの、演奏によるガチンコ勝負でした。

GAMEバンドでお馴染みの演出は、全体平均を考えると、過去の演奏会に比べて控えめでした。
演出にかける力の大半を第2部に注ぎ込んだ形になっていたため、第2部だけが突出して演出が強かったです。

その第2部の演出ですが、力の入れ具合が良い意味でおかしなベクトルにすっ飛んでいました。
かなりがっつりとした演劇がステージ上で披露され、それに吹奏楽団による生演奏のBGMが付いたような感じです。
ネタを盛り込みつつも、シナリオだけではなく台詞まである演出で、本格的でした。
演奏よりも演劇の方に集中力を取られてしまって、演奏をあまりしっかり聴けなかった点だけが心残りでしたが、演出が素晴らしかったので文句はあまりありませんでした。
むしろ、楽しかったです。

■コスプレ楽団は今回も健在
GAMEバンドの演奏会と言えば、演奏者のコスプレも魅力の一つ。
今回も、第1部と第2部は、コスプレ姿で登場されていました。
それも、GAMEバンドの演奏者だけでなく、CCMの方々まで。
4thのとき以上にCCMがガチのコスプレをしていたことには驚きました。いいぞもっとやれ。

どのコスプレもゲームにちなんだものばかりなので、ゲーム好きとしてはたまりません。
自分の好きなキャラのコスを見つけると、テンションが上がりました。
なんだろう、なんでコス一つでこんなに熱く楽しくなれるんだろう。

■感想まとめ
毎回、耳で楽しめて目でも楽しめるGAMEバンドの演奏会ですが、今回も非常に楽しい演奏会でした。
今回は演奏により一層磨きがかかっていて、とても聴き応えのある演奏会でした。
CCMとのタッグも絶妙で、互いに良い感じに共鳴し合っていて、迫力と表現の幅のある演奏だったと思います。
次回の演奏会の概要の発表はありませんでしたが、次回もあればぜひ参加したいと思います。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、ゲームタイトルごとの感想になります。