[GMEV] 吟遊詩人組合 2nd Concert

9月10日(日)に吟遊詩人組合<トルバドール・ユニオン>の第2回コンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、新宿区の角筈区民ホール。
開演は14:00で、終演は15:30頃でした。

■ゲーム音楽主体だけど、ジャンルを問わず幅広い楽曲を披露
吟遊詩人組合は、ゲーム音楽の他にアニメや映画、ミュージカル、クラシック音楽など、ジャンルの垣根を取り払って、様々な楽曲の合唱を行う団体だそうです。
そのため、このエントリのカテゴリをどうしようか迷ったのですが、自分がゲーム音楽目当てで今回足を運んだ事情もあるので、とりあえずゲーム音楽イベントとして括ります。

そんなわけで、今回披露された楽曲のうち半分ほどはゲーム音楽でしたが、残りはアニメや映画など実に多彩。
ゲーム音楽はある程度明るい(と思っている)自分ですが、その他のジャンルについてはまるっきり疎いので、開演前まではその点が不安要素でした。
ゲーム音楽以外、箸にも棒にも掛からないぐらいついていけなかったらどうしよう、と。

が、いざ始まってみたら、そんな自分でもなんとなく聴き覚えのある曲が多数。
聴き覚えのないアニメや映画の曲も、綺麗で楽しそうなコーラスに乗せられて、魅了されていました。
どの曲も、思っていた以上に楽しめました。

ただ、逆に言えば、ゲーム音楽を知らない方にとっては、ちょっと厳しいプログラムだったかもしれません。
FF5の「ピアノのおけいこ」なんて、ネタを知っていないと、ただの拙い演奏でしかないわけだし。

■ゲーム音楽主体にしては歌詞付きの曲多め
今回披露された合唱曲は、歌詞の付いたものが多かったです。
ゲーム音楽というと歌詞の付いていない曲の方が圧倒的に多いので、それらを合唱で表現するとなると、いい感じに「ラー」とかで済ませるしかないというイメージがありました。
が、今回のコンサートでは、ゲーム音楽であっても元々歌詞のある曲が多く選曲されていたような気がします。
今回披露された曲のうち、原曲で歌詞のないものは、FFメドレーぐらいだったような。
あえて、そういう選曲をされたのでしょうか。

歌詞のある楽曲が多かったため、英語・日本語・ドイツ語など実際にある言語から、ヒュムノス語やモンハン語のようなゲーム内言語まで、幅広く網羅することになっていましたが。
しかし、それらを違和感なく歌声に乗せることができていて、そこはとても感心しました。特にヒュムノス語。
すごく練習を重ねて、習得していったのだろうなぁ、きっと。

■オペラ歌手の指導による綺麗な響きのハーモニー
編成は、コーラス(ソプラノ、アルト、テノール、バス)とピアノというシンプルさ。
コーラスもそれほど大所帯ではなく、総勢16人という規模。
学校のクラス単位の合唱コンクールの半分弱ぐらいでしょうか。
ややこじんまりとした印象を受けました。

しかし、その分少数精鋭、一人一人の歌声の響きが美しかったです。
トレーナーとして専門家がついていたからでしょうか、発声が素人とは違って聴こえました。
声がすごく伸びて、そして澄み渡っているような、そんな感じ。
各パートのバランスも良かったし、とても美しいハーモニーでした。

欲を言えば、曲によっては声量がもうちょっと欲しかったかな、とも感じました。
歌いやすい曲と歌いにくい曲があったようで、前者は結構十分な声量があったのに対して、後者は若干物足りなさも感じられたので。
でも、まぁ、ゲーム音楽という特性上、難しいのかな。

■手作り感満載のアットホームな空気感
会場は、キャパ200人ぐらいという小規模のホール。
その上、観客のうち結構な割合が関係者っぽかったので、全体的にアットホームな空気感を感じました。
MCも、唐突にネタをぶち込んできたりするなど、どことなーく緩い感じで。
また、スタッフさんのちょっと慣れていない列捌きなど、そこかしこに手作り感もあって、ほんのりとほんわかした気分になったりもしました。
なんというか、あれだ、文化祭の出し物みたいな雰囲気というか。

アットホームな雰囲気はそれはそれで良いと思います。個人的には、わりと好きな雰囲気です。
ただ、一点あえて苦言を呈すなら、終演後に登壇された方と観客の方の歓談の輪がロビーのあちこちでできていて、ホールから出る道を塞がれていたところ。
アンケート書き終わってホールから出ようとしたら人の輪が目の前にできていて、それをぶっちぎって横切れるほどの度胸もなくて、出るに出られないという困った事態になりました。
せっかくなので、あともうちょっと最後まで配慮してほしかったなぁ、と思いました。

■感想まとめ
そんなわけで、ゲーム音楽以外の様々なジャンルの楽曲とも出会えて、ほっこり楽しいコンサートでした。
美しい歌声には、とても癒されました。
ゲーム音楽主体とはいえジャンル問わずな選曲の分、ゲーム音楽好きであってもターゲットにハマらないかもしれませんが、1曲でもピンときたものがあれば足を運んでみるのもアリかと。
思わぬ出会いがあるかもしれません。


これより下の追記は、今回のコンサートのセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] Foursomeジョイントコンサート

8月26日(土)に、ピアニスト4人によるゲーム音楽の演奏会「Foursomeジョイントコンサート」が開催されたので行ってきました。
会場は、大泉学園ゆめりあホール。
開演は18:00、終演は19:50頃でした。

■ゲーム音楽好きピアニストの共演
ゲーム音楽が好きという4人のピアニスト(いずみさん、かなもえさん、小鳥遊さん、凛音さん)による、ピアノオンリーの合同演奏会、という形式でした。
ゲーム音楽のピアノコンサート自体は公式・非公式を問わず時々開催されており、自分も何度か行ったことがありますが、企業抜きの有志によるピアノオンリーのコンサートというのは珍しいのではないかと。
その物珍しさと、セットリストのツボっぷりに興味を引かれて、今回足を運んでみた次第です。

また、今回のようにソリストが数人集って1つのコンサートを企画するというのは、面白い試みでした。
1人で1つのコンサートを企画するのは壁が高過ぎると思いますが、今回のように数人が集まったことで演奏会開催の壁がやや下がったのではないかと。
「1台でオーケストラ」と言われるピアノを操るとどうしても1人になりがちなピアニストならではの、ユニークな企画でした。
こういうジョイント形式のコンサート、もっと広まっても良いと思うのです。

■好きな曲を好きなように
1部は、ピアニストが一人ずつ、それぞれ好きな曲を演奏するという形で進行。
一人あたりおよそ10分の持ち時間が与えられ、その中で各々の好きな曲を演奏されたのではないかと思います。
いずれも公式から発表されているピアノソロの譜面(Piano Collections、あるいはPIANO OPERA)で演奏されました。

ジョイントコンサートだったからか、セットリストからも演奏からもピアニストの個性が如実に見えて、面白かったです。
セットリストで言えば、「FF9が好きなのかな」とか「ニーアが好きなのかな」とか、曲の好みが垣間見えたり。
演奏で言えば、原曲に忠実だったり、少しニュアンスが加えられていたり。
演奏に使用されたピアノは同じでも、ピアニストごとに様々な調べが奏でられていて、その点が興味深かったです。

2部は、4人ともが好きと思われる「ブレイブリーデフォルト」オンリー。
4人のピアニストによる、2台のピアノの連弾で演奏されました。
これが、なんかもう、すごかったです。
2台のピアノで4人のピアニストによる、最大40指による同時発音の迫力たるや。
とにかく音圧がすごくて、事情により抱え持っていたバッグの中身が共鳴して震えるのがわかるほどでした。
「1台でオーケストラ」って伊達じゃなかなったです。まさに本領発揮。

そんな同時発音数なのに和音に狂いがなくて、綺麗な響きだった点も印象に残りました。
4人同時に演奏すると音をぴったり合わせるのが難しそうですが、息ぴったりな見事な演奏でした。

BDFFはPiano Collectionsの類が発表されていないため、2部で演奏された曲は今回の演奏会のために独自にアレンジされたものでした。
一部「こんなフレーズ、あったっけ?」という部分もありましたが、概ね原曲(「ルクセンダルク大紀行」、「ルクセンダルク小紀行」含む)に準拠。
BDFFの曲も大好きなので、どの曲もたぎりながら鑑賞していました。

■アットホームな雰囲気と、それに甘んじない演奏
大泉学園ゆめりあホールは小さなホールで、キャパシティ170名ほど。
そのうちの7~8割ほどの座席が埋まっていました。
比率的関係者が多かったのでしょうか、会場の雰囲気はすこぶるアットホーム。
開演前や休憩中などには、あちこちで挨拶や会話が飛び交っていました。

その一方で、自分のような門外漢のソロにとっては、そのアットホームさに若干の居心地の悪さも感じたり。
時々Twitterで「ゲーム音楽の演奏会は内輪受けみたいなところがあって壁を感じる」というような呟きを見かけますが、「なるほど、こういうことか」と実感しました。
まぁ、こればかりは仕方ない、と割り切ってもいますが。

ただ、そんな居心地の悪さも、いざ演奏が始まったら一瞬にして吹き飛ばされました。
アットホームな雰囲気に甘んじない、とても真摯で真面目な演奏。
心の底から曲が好きで、曲に対して敬意を払い、真正面から向かい合っているような、そんな感じです。
一球入魂ならぬ一挙手入魂。
演奏する姿勢から、とても熱い気迫を感じました。

しかも、4人のピアニスト全員が、そんな感じの熱い演奏をされていて。
多少の個性はありつつも、根っこの部分では皆同じ気持ちなんだなぁ、としみじみ感じ入っていました。
とても気持ちのいい熱さでした。

■演奏技術は流石の一言
演奏された曲は、どれも素人目には難しそうなものばかり。
公式譜面はCDで聴いていたときから「これ、熟練者じゃないと弾きこなせないんじゃないか?」と思っていました。
そんな譜面を鮮やかに弾きこなしていて、熟練者の技の凄さを実感。
腕も指も乱れ撃ち状態で、音色を聴くだけでもすごいし、演奏する姿を目で見てもすごいと思いました。
しかも、女性の華奢な身体から、どうやってあんなに力強い音が出せるのか、不思議にも感じました。
正直、感嘆のため息しか出てきません。ピアニストってすごい。

途中、多少トチっていたところも無きにしも非ずでしたが、そこはそれ。
全体的にとても完成度の高い演奏でした。

■パンフレットのコメントがわかり過ぎる件について
演奏から少し離れますが、パンフレットの演奏者コメントについて。
4人のピアニストの方それぞれのコメントが記載されていましたが、どのコメントも納得しながら読みました。
同じゲーム音楽好きとして思わず肯いてしまうようなコメントばかりで、「ここに同志がいた!」と勝手に親近感を抱いたほど。
特に、凛音さんのコメントの最初の3行がまさにその通りという感じで。
「ゲーム音楽を理解してくれる人が周りにいない」という気持ち、すごくよく分かります。
分かり過ぎたあまり、理解されなかったときの苦しさと、同じ同士に出会えたときの嬉しさを思い出して、涙が出そうになりました。

他の方々のコメントも、ゲーム音楽好きの多くが一度は通る道がコメントに溢れていて。
「ですよねー」とか「あ、はい」とか、納得感満載でした。
そのコメントからして、ガチのゲーム音楽好きなんだなぁ、と感じられたほどです。

■個人的な平謝り案件
と、ここまで感想をぶちまけてきましたが、一点謝罪したいことが。
第1部の最中にお腹壊して途中退室したことが、本当に申し訳なかったです。
演奏者やスタッフの方々だけでなく、座席の周囲の方々にも。
一生の不覚です。本当にすみません。

途中退室によりちゃんと演奏を聴けなかった部分が出てしまったので、今回の演奏会の感想の投下はどうしようと、帰路の間ずっと迷っていました。
さんざん迷った挙句、聴けた演奏はどの曲もすごく良かったし、せめて聴けた演奏についてだけでも感想を書いておきたいし、演奏者の方々を少しでも応援したいという欲求が勝ったため、こうして感想を吐き出しています。
とはいえ、聴けなかった部分があるのでどうしても中途半端な感想になってしまうのですが・・・なんかもう、本当にすみませんでした。

熱い時期に演奏会に行ってホール内の空調でお腹を壊すという経験は、今回で2回目。
さすがに何度も繰り返すわけにはいかないので、何か対策を立てないと。
と、Twitterに投稿したらいくつかコツを教えてもらえたので、次からはそれを実践してみようかと思います。

■感想まとめ
感想を一言で言うならば、「ピアノすげー!」です。
1部も楽しかったのですが、何よりも2部がすごかったです。
4人によるピアノ連弾により原曲とは一味違った迫力と表現力があって、とても新鮮で楽しかったです。
ピアノの音色も好きで、ゲーム音楽も好きな自分にとっては、たまらない演奏会でした。
今回の演奏会で大好きな曲を素晴らしいピアノ演奏で届けてくれて、ピアニストの4方だけでなく、スタッフの方々にも、感謝の気持ちを送りたいです。
ぜひ、2回、3回と続けていってほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] リトルジャックオーケストラ 第14回定期演奏会

8月20日(日)に、ゲーム音楽専門のアマチュアオーケストラ楽団「リトルジャックオーケストラ」(以下、LJO)の第14回定期演奏会が開催されたので行ってきました。
会場は、横浜みなとみらいホールの大ホール。
開演は13:30、終演は16:00でした。

■LJOにとって7年ぶりのクロノ・トリガー
今回のLJOの定期演奏会は、クロノ・トリガーオンリー。
ロビコンやアンコールを除き、最初から最後までクロノ・トリガー一色でした。

LJOにとってクロノ・トリガーの演奏は、2010年の第7回定期演奏会以来7年振りだそうです。
熱いリクエストが多かったことから、今回は第7回定演のとき以来の再演を決定したとのこと。
ただ、第7回定演は自分も足を運びましたが、そのときとはセットリストが結構変わっていました。
第7回定演時の名残も残っているけれど、第7回をベースに正統進化させたような感じです。
第7回定演ではクロノ・トリガー以外の楽曲も演奏していたけれど、今回は尺の全てをクロノ・トリガーに注ぎ込めた分、より深みのあるクロノ・トリガーになっていたと思います。
クロノ・トリガーのゲームや楽曲を、深くじっくりと丁寧に演奏されました。
クロノ・トリガーのゲームも楽曲も好きな身としては、たまらないひと時でした。

ちなみに、自分が初めて参加したLJOの演奏会は、第7回定演でした。

■メインストーリーに沿って奏でられる名曲の数々
曲の構成はメインストーリーに沿ったもの。
クロノの目覚めから、中世、未来、原始、古代と旅をし、そして星を食らう災厄であるラヴォスとの決戦まで、ほぼ完全に再現されていました。
自分がクロノ・トリガーをプレイしたのはSFCの頃なので、もう20年ほど前のことになるのですが、その構成のおかげで「あんなイベントがあったなぁ」とか「あのシーン切なかった」と当時の思い出に容易に浸れました。
そんな感じに、ゲームをプレイしたことのある方であれば、曲を聴きながら容易に追体験できたのではないかと。

演奏に使える時間には限りがあるので、全曲演奏ではありませんでした。
しかし、名曲と呼ばれる曲は、一通り網羅されていたと思います。
その上で、あの壮大なストーリーを曲で再現されていて、凄かったです。

また、各メドレーにはテーマのようなものがあって、それを踏まえつつも聴き応えのある展開になっていたのも素晴らしかったです。
あるメドレーは未来編、またあるメドレーではカエルと魔王の決戦、別のメドレーではサラの立場と苦悩と願い、実に様々なシーンと登場人物たちの想いが込められていました。
それらがとても抒情的に、盛り上がりのある展開で描かれていて、全てが聴きどころと言っても過言ではないレベル。
ものすごく練られた構成で、ぐぅの音も出ないくらいです。

全曲演奏ではなく、またメインストーリーに特化した構成だったため、演奏されなかった曲ももちろんありました。
キャラクターのテーマ曲は、ほとんど演奏されませんでした。
ただ、なくても組曲として綺麗に成立していたので、文句なんて全くありません。

■原曲に近い形で、より壮大に
編曲は全体的に、原曲を丁寧にオーケストラに落とし込んだ感じ。
オーケストラや曲の展開に合わせたアレンジはあったものの、かなり原曲を大事にしている印象を受けました。
オーケストラで演奏する上で無理のないような、それでいて原曲を損なうことのないような編曲で。
クセがあまりなくて、とても聴きやすかったです。

それでいて、重要なシーンではこれでもかと言わんばかりに壮大にアレンジされていました。
それがまた、すごく自分好みのアレンジだったので、もう興奮が止まりませんでした。
また、曲と曲の繋ぎの部分は鮮やかで、確実にレベルアップしている様を感じました。
最初から最後まで、とても良い編曲でした。

■LJOの本気が爆発していた演奏
曲の構成、編曲がほぼ完璧であれば、それに応えるような演奏も素晴らしかったです。
最初から最後まで、アンコールまでもが、渾身の熱い演奏ばかりで。
バトル曲はもちろんのこと、明るい曲や荘厳な曲、しっとりした曲も、どの曲も聴き惚れました。
時々思いっきり音を外していたこともあったけれど、そんなことがどうでもよくなるほどの情熱的な演奏。
クロノ・トリガーが楽曲も含めて大好きだという想いが、十二分に演奏に込められていたようでした。
ステージ上から放出される熱量が半端なかったです。

その圧倒的なパワーにより精神的に捻じ伏せられていたからか、曲が終わる度に深呼吸をしていました。
あまりの音の強さに演奏中は無意識のうちに呼吸を忘れていたことが多くて、耳だけでなく全身で音を感じていたような気がします。
それくらい、演奏に魅了されました。圧巻の演奏でした。

■感想まとめ
曲の構成、編曲、演奏と、全方位に全力で隙のない圧倒的な演奏会でした。
なにもかも凄かったです。どこを取っても凄かったです。
あまりに凄いものを目の当たりにすると、語彙力が吹っ飛ぶということを実感したくらい、凄かったです。
もう、最初から最後まで楽しくて興奮しまくって、非常に満足しました。
月並みですが、ものすごく良い演奏会でした。
これは、本当に行けて良かったです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、メドレーごとの感想になります。

[GMEV] シュデンゲンアンサンブル 第7回演奏会

7月29日(土)に、ゲーム音楽を演奏する団体「Melodies of Crystal」(以下、MoC)主催の演奏会「シュデンゲンアンサンブル」の第7回演奏会(東京公演)が開催されたので、行ってきました。
会場は、江戸川区総合文化センター 小ホール。
開演が14:00で、終演が16:30頃でした。

これより下は、今回の演奏会のネタバレを含む感想になります。
8月開催予定の名古屋公演に行かれる方で、ネタバレを見たくない方は、ご注意ください。

■昨年教会演奏会の再演
今回の演奏会は、昨年4月の第3回演奏会「教会で奏でる時空を超える音の調べ」の再演になります。
そのため、演奏タイトルは第3回と同じく「クロノクロス」と「ゼノギアス」でした。
ただし、前回は教会が会場でしたが、今回は通常の音楽ホール。
そのため、音の響きとか会場内の空気感とかが前回とは少し異なる感じがしました。
教会のような厳かな雰囲気もユニークで良かったのですが、今回のホールでの鑑賞は気楽でラフな気分で鑑賞できたかもしれません。
また、会場の作りの違いが要因なのか、同じ曲なのに耳に届く音色もなんとなく違って聴こえた気がします。

でも、時々は教会で演奏会開催してほしいです。
クロノ・クロス、ゼノギアスの楽曲と教会の空気感の相性が良くて、あれはあれで趣があってとても良かったので。

■相変わらずの悶絶レベルの演奏力
編成は、小~中規模のアンサンブル形式。
楽器は、弦楽器、木管楽器、ピアノ、それとパーカッション(クロノ・クロスのみ)という、シンプルな編成。
演奏者の人数が10~11人と中途半端に多いため、息を合わせるのがたいへんそうに見えました。
しかも、その上1つの楽器につき演奏者が1人だけというシンプルさ故に、一人一人の責任が大きくなる編成です。

しかし、そこはMoCの演奏力と表現力。
相変わらずのハイレベルで、とても聴き応えのあるものでした。
演奏技術もレベル高いし、音でゲームの世界を表現する力も半端ないし。
いつも似たようなことしか言えないけれど、とにかく演奏が格好良くて凄くて、鑑賞していてジタバタしたくなりました。
すごい演奏を聴くと途端に語彙力が低下するのはどうしようもないね、とあっさり諦めがつくぐらいに、とにかく凄いです。

ただ一点だけ、今回はクロノ・クロスの序盤で、ちょっと引っ掛かりを感じました。
なんというか、ある楽器の音色とある楽器の音色が、うまく噛み合っていない感じというか。歯車がちょっとずれている感じというか。
弦と管でタイミングを合わせるのは、やっぱりMoCでも難しいのかなと、少し思いました。

■2タイトルともにユニークな構成の編曲
曲の構成は、クロノ・クロスとゼノギアスともに、とてもユニークでした。
ゲームのストーリー進行に沿ったメドレー形式ではなく、ゲーム内時系列に沿って曲を並べた感じです。
ゲームをプレイすると、過去の出来事がシナリオを進めていくに従って少しずつ明らかになって、現在の状況と結びついて一つの大きな流れになる、という感じだったと思います。
それを再構成して、物語のそもそもの発端から描き、過去の出来事を経て現在(ゲーム内時間)に至り、そしてエンディングへと収束するような、そんな流れでした。
他の楽団ではあまり類を見ない、面白い構成だったと思います。
しかも、ゲームで語られていた物語をきちんと把握していないとできない芸当ではないかと。

構成はそのように特徴的なものでしたが、クロノクロスの方の編曲はわりとストレート。
木管+弦楽器+ピアノ+パーカスという限られた音ながら、極力原曲の雰囲気に近い形に落とし込んだような、そんなアレンジでした。
そのため、特に抵抗を感じることなくすんなり聴けたように思います。

その一方でゼノギアスの方は、かなり大胆にアレンジされていました。
むしろ、アクロバティックとも言えるようなアレンジです。
ゲームの世界観と物語を一度粉砕し、見方を変えて再構築、そしてそれを曲で表現したような、そんな印象を受けました。
完全に、スクラップ&ビルドです。
ただ、そうして再構築されたものであってもすごくわかりやすくて入り込みやすくて、それでいてゼノギアスの世界観が奥深く練り込まれていて、脱帽ものでした。
これは本当にすごかった。すごいっていう言葉しか出てきません。

どちらも音でゲームを表現するという方針は変わらず、それを見事に体現していて、もはや感嘆のため息しか出ませんでした。
音という空気の振動だけでゲームの世界を表現しきっているのが、とにかくすごいです。

ちなみに、クロノ・クロスの編曲は前回(第三回演奏会)のときと大きく変わったようには感じなかったのですが、ゼノギアスの方はがっつり変わっています。
再演とかいうレベルを超えています。一からアレンジし直されているレベルです。
そもそも演奏された曲が違うし、編曲の方針すらも変わっています。
前回がゼノギアスの世界を横から見て構成したものとすれば、今回は上から見て再構成し直した感じです。

■感想まとめ
いつもいつも素晴らしい演奏を届けてくれるMoCの演奏会ですが、今回もとても良い演奏会でした。
各タイトルの演奏が終わったときの満足感や灌漑の深さは、ゲームをクリアしたときのそれによく似ていて、ゲームを追体験したような気分になれました。
ゲームをプレイした時や攻略本で設定の深さを知った時の感動や興奮を、演奏が呼び起こしてくれているようで、それがたまらなく気持ち良かったです。

MoCの演奏会では、ゲーム音楽が生演奏で聴ける楽しさだけでなく、自分の思い至らなかった考察も音で表現されていて、それを知るのも楽しみの一つです。
そんな他の演奏会にはない楽しさに、魅了されていつも足を運んでいるような気がします。

ぜひ次回の演奏会でも、面白い演奏を期待しています。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、ゲームタイトルごとの感想になります。

[GMEV] コスモスカイオーケストラ 第7回定期演奏会

ゲーム音楽を中心とした劇伴音楽を専門に演奏するオーケストラ楽団「コスモスカイオーケストラ」の第7回定期演奏会が7月9日(日)に開催されたので、行ってきました。
会場は、さいたま市文化センター 大ホール。
開演は17:00で、終演は19:40頃でした。

■今回のテーマは「こころ」
コスモスカイの単独演奏会に足を運ぶのは、2015年10月のリバイバルコンサート以来になります。
定期演奏会に限れば、2014年12月の第6回以来。
前回の定演から、もう2年半以上経つのですか。つい最近のような気がしていたけれど。時間の流れは速いなぁ。

今回のテーマは「こころ」ということで、心にちなんだセットリスト・・・という感じは、正直なところあまりしませんでした。
コスモスカイの演奏会に足を運ぶのは今回で5回目になるのですが、メジャーどころからマイナーどころまで選曲の幅が広いところはいつも通りというか。
今回のテーマを掲げた上での特別感は、それほど感じませんでした。
パンフレットに掲載された解説を読んで「なるほど」と思うところもあったのですが、演奏を聴いたら解説が吹っ飛んでしまいました。
なんというか、テーマと演奏についてあれこれ推察するのがどうでもよくなるほどの圧倒的な演奏、というか。
むしろ、自分たちの好きな曲を演奏する歓びに満ちた心の叫びが、演奏のあちこちから聞こえてくるようでした。
演奏者の方々やスタッフの方々の心を、曲を媒介にして表現することが、実は真のテーマだったのではないかと思ったくらいです。

■迫力と躍動感のある演奏の数々
演奏は、いつも通りのハイクオリティ。
音が外れたり揺らいだりすることが時々あったけれど、最終的にそれらが霞んで気にならなくなるほどの素晴らしい演奏でした。
その演奏の様を一言で表すなら、「熱い」。
ゲーム音楽(を含む劇伴音楽)に対する情熱、それらを演奏できることの楽しさや歓び、そしてそれらを共有しつつ高見を目指そうという心意気が渾然一体となった熱さを感じました。
どこを切り取っても熱い演奏でした。
この熱さはゲーム音楽好きが揃っているアマチュアの楽団ならではのもので、演奏だけでなく、そのひたむきな熱さにも魅了されたような気がします。

今回の演奏会では、弦楽器が非常に上手いと思いました。
ゲーム音楽は演奏することを前提としていないものも多いため、原曲を忠実に再現しようとすると指の動きが人の限界を突破してしまうことも多いと思います。
そんな中、今回はどの曲でもきちんと運指が追い付けていたところは、心底感心しました。
あまりに速い動きに、なんだかすごい現場に遭遇したような気にもなったほどです。
どれくらい練習したら、あんなに早いパッセージを弾けるようになるのだろうか。

さらに、打楽器隊が揃いも揃ってリズム感良過ぎでした。
「任天堂 春夏秋冬メドレー」の2人のカウベルの連打が、とてもノリ良く音ぴったりだったり。
どの曲か忘れてしまいましたが、2人のドラムが似たようなリズムを刻むところで、音に寸分のズレもなくかっちり一致していたり。
スキルレベルの高いパーカッションが勢揃いで、なんだか凄かったです。
凄過ぎて、凄かったとしか言いようがないくらい、凄かったです。

木管楽器や金管楽器も各々のやるべき演奏を丁寧に果たしていて、演奏に花を添えていたました。
ガッと前面に出てくることは弦楽器に比べると少なかったけれど、主旋律だけが花形ではない、それを支える屋台骨があってこそのオーケストラの調和だ、と言わんばかりの存在感を密かに感じました。
結果、トータルとしては、とても迫力と躍動感のある演奏だったと思います。

■突出して凝っていた第2部
演奏会は全3部構成。
その中でも、第2部はとても手の込んだものになっていました。

まず、第2部限定でコーラスが付いていました。
コーラスは、コール・クリスタル・マナピコピコ―ラスからの賛助参加に有志を加えた今回限りのもの。
即席の団体とは思えないほどハーモニーの豊かなコーラス隊で、コスモスカイオケの演奏に更なる彩りを加えていました。

また、第2部では映像による演出もありました。
ステージ上部の天井付近に投影された映像は、演奏をより効果的に魅せるためのサポート的なものでしたが、どの映像もとても凝ったものでした。
プロの犯行としか思えないほどに美しく、それでいて何か心に訴えかけてくるようなものもあり。
何かを心に刻み込まれたような気がします。

■コスモスカイらしさ全開の編曲
編曲はやや強めな方だったと思います。
原曲重視ではあるけれど、原曲そのままというわけではありません。
今回演奏された全ての曲の原曲を知っているわけではないので、全部が全部そうだとは断定できませんが、知っている曲の多くはかなりアレンジされていました。
時々「あれ、こんな曲だったっけ?」と思うこともありました。

ただ、編曲の意図は納得できるものばかりだったので、特に違和感や不満はありませんでした。
パンフレットに事細かな解説が掲載されていて、そこから意図を汲み取ることができたので、「なるほど、そういう方針でああいうアレンジになったのか」と納得できるものばかり。
また、解説が無くても興味深いという意味で面白い編曲が多くて、聴いていて単純に楽しかったです。
曲に煽られるようにワクワクする気持ちが湧き上がってきました。

メドレー形式の曲が多かったですが、どの曲も基本的に1ループ。
そして、その1ループの中で、ノリの良い曲は徹底的にノリノリに、迫力のある曲は景気よく情熱的に、曲の魅力をギュッと凝縮されたようなアレンジでした。
そのあたりは、コスモスカイらしさ満載だったように思います。

■個人的には非常にありがたかったちょっとした気遣いと、演奏そのものではない部分で気になったこと
演奏から少し離れますが、個人的に非常に有難かった些細なことと、少しだけ気になったことを1点ずつ。

まず有難かった点について。
場内アナウンスで度々「演出の都合上、照明が点滅することがあります」という告知が流れていましたが、これがすごく助かりました。
自分の体質的に光には非常に弱くて、強い光の点滅を目に入れると頭痛と吐き気がするという持病(?)の持ち主なのです。
そのせいもあって、自転車の点滅する前照灯とカメラのフラッシュは滅びればいい、と半ば本気で思っているくらいの光属性ダメージ2倍な闇属性持ちです。
そんな自分にとってあのアナウンスはとても助かりました。
おかげで心構えができて、不意打ちを喰らうことを回避できたように思います。

まぁ、実際にはそれほど強い光ではなかったし、また事前に頭痛薬を服用していたので、大事には至らずに済みましたが。

その一方で、若干気になった点について。
ゲーム音楽の演奏会の認知度が上がって間口が広がったことによる負の影響でしょうか、演奏中に盛大に物音を立てる方が周囲に何人もいたのが少々気になりました。
自分の周囲だけだったのかもしれませんが、演奏中にも関わらずカバンを開閉する金属音が何度も聞こえたり、盛大な鼻息が何度も聞こえたりと、他の演奏会に比べて雑音が妙に多かったような。
多少の身じろぎや、くしゃみなどの生理現象は仕方ないですが、そうでない音は極力控えてほしいと思います。
演奏会の主役は音であり、それを楽しみに来ているので。
最低でも、演奏中の私語は本気でやめてほしいです。意外と聞こえるんですよ、雑音として。

■感想まとめ
とまぁ、演奏以外の点で若干のケチが付いてしまいましたが、演奏自体はとても素晴らしいものでした。
丁寧で確かな演奏技術力に加えて、壮大で迫力がある表現力と編曲、さらにステージ上から迸る情熱に圧倒されて、最初から最後まで魅了されっぱなし、引き込まれっぱなしでした。
無料のコンサートとは思えないほど、満足した演奏会でした。
次回の演奏会がいつになるかわかりませんが、ぜひ都合が付けば積極的に行きたいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。