[GMEV] Chor Crystal Mana II常版 ~きみのためなら歌える~

ゲーム音楽専門の合唱団「Chor Crystal Mana(コールクリスタルマナ)」(以下、CCM)の第二回演奏会に行ってきました。
会場は江東区文化センター ホール。
開演は13:30で、終演は15:50頃でした。

2013年12月の第一回演奏会「初回限定版」以来の、CCM単独の演奏会。
第一回の時にも足を運んだのですが、想像以上に楽しめた思い出がいまだに強く残っています。
その上、今回の第二回演奏会で事前に公開された演奏曲目が、自分の好きな曲ばかり。
FF零式の「我ら来たれり」、beatmania IIDXの「Blind Justice」、そして「きみのためなら死ねる」が並んでいたら、もはや行かないなんて選択肢は考えられませんでした。
こんな俺得なラインナップ、後にも先にももうないだろうと言わんばかりです。
そんなわけで、事前予約開始日早々に予約して、今回も喜び勇んで足を運びました。

合唱団なので、前回の演奏会と同様に、今回も主体はコーラス。
基本的にコーラス(ソプラノ、アルト、テノール、バス)+ピアノ伴奏、というシンプルな構成でした。
ただ、曲によってはピアノがあったりなかったり。
第二部の一部楽曲では、ピアノ以外の楽器(ベース、リコーダーなど)が追加されたりもしました。

コーラスが主体なので、オーケストラや吹奏楽、バンドとは趣が随分異なります。
全体的にふんわりしているというか、楽器以上に多種多様な音(声)が組み合わさって一つの調和を生んでいる不思議な響きというか。
CCMの主宰さんの言葉を借りるなら、まさに「ふぁー!」という感じ。
なんだろう、あの感じ。
たぶん、聴けば「あぁ」と納得すると思うのですが、言葉で説明しようとすると途端に難しくなる。

コーラス以外の楽器がピアノのみのため、編成の都合上、編曲はそこそこ強めです。
原曲との差異を楽しむタイプの演奏会なので、原曲は知っていた方が良いと思います。
その上、あまり余所の演奏会では演奏されないようなマイナーな曲がセットリストに含まれていたりするので、そういう点ではやや玄人向けかもしれません。

編曲強めとはいえ、原曲の雰囲気をかなり残したまま、良い感じに合唱用に落とし込んだ感じです。
そのため、原曲との違いははっきりわかるものの、原曲との違和感はあまりありません。
「原曲とあまりにかけ離れていたら嫌だな」という不安は杞憂でした。

前回の単独演奏会や数々の賛助参加されたコンサートでCCMの歌声を聴いて思っていたのですが、とにかくコーラスの響きが綺麗です。
音程がブレたり外れたりということが、ほとんどありませんでした。
それだけに耳当たりがとても良くて、聴いていて常に心地良さを感じました。

演奏会は、全三部構成。
第一部と第三部は、まぁ普通の合唱発表会といった趣き。
その一方で、第二部は演出盛り沢山。
それがまた、全方位的に全力でいろいろぶっ飛んでいました。

演出のベースは「きみのためなら死ねる」。
曲は知っていたものの、ゲーム内容はあまり詳しく知らなかったので、途中ノリに付いていけなくて置いてけぼりを食らいかけたことがありました。
でも、勢いに押されて、最後まで楽しめたような気がします。
また、いい大人が大真面目に全力で創意工夫を凝らしてバカなことをやっているというが、やっぱり格好良いというか(褒めてます
何より、楽しませようと表現することを楽しそうにやっているのが、鑑賞している側としても楽しかったです。

不満点を一つ挙げるならば、大したことではないけれど、今回の会場が広かったこと。
会場の広さに対して、ややボリューム不足を感じました。
といっても、小さ過ぎるということはなかったので、気になるレベルではありませんでしたが。

今回で2回目となるCCMの単独コンサート。
今回も、合唱という武器を最大限に生かした、素晴らしいハーモニーを聴かせてもらいました。
また、第二部の演出も楽しかったです。

ゲーム音楽をコーラスで、というと、ピンと来ない方も多いのではないかと思います。
正直、言葉で説明するのが難しいので、興味を持たれたら一回足を運んでみると良いと思います。


これより下は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[音楽] 志方あきこ / caTra

2016/05/25(水) 22:34:46 | カテゴリ:音楽
志方あきこさんのミニアルバム「caTra」を一通り聴きました。
収録曲数は全5曲。
再生時間はトータルで約22分。

志方あきこさんのCDは、発売される度に発売日に購入してます(同人除く)。
今回も発売日当日に購入はしていたのですが、諸事情により他の積みCDを優先していたら、このタイミングになってしまいました。
今にして思えば、もうちょっと早く開封すれば良かったです。

ここ何年かの志方あきこさんのオリジナル作品は、良曲だけどあまりぐっさり刺さる曲がなくて、それ故にレビューの投下を少し控えていました。
サージュコンチェルトなどのゲーム曲にはすごく刺さる曲があったのですが、オリジナル作品の方はそれほどでもなくて。
が、今回のミニアルバムの曲は、どの曲も心に突き刺さりました。
それはもう、かなりぐっさり、深々と。
エンドレスループ上等なのはもちろんのこと、こうして「ブログに感想投下したい!」という衝動に駆られたぐらい刺さりました。
本当に、もうちょっと早く開封すれば良かった(大事なことなので

曲調は、がっつりエスノ調。全力で志方節です。
どの曲も多重録音を多用した、非常に幻想的な曲になっています。
「RAKA」とか「祈りの彼方」とか、そのあたりの志方さんの作品を髣髴とさせられる曲です。
そのためでしょうか、1曲目からものすごく「志方節キタァァァーーーッ!!」という気分にさせられました。
この昂揚感、なんだか久しぶりにきたなぁ。

志方さんの力強くかつ変幻自在な声質はいつも通り。
低音から高音まで、女声音域はもちろん男声のような音程まで、本当に幅広いです。
それが志方節の魅力の一つなのですが。

歌詞は架空言語らしいので、何を言っているのかさっぱりわかりません(1曲目除く)。
が、それがまた幻想的な雰囲気を醸し出す要素の一つになっています。

1曲目の「ヒト型式PF試奏例α」だけ、音階がそのまま歌詞(?)になっています。
「ド、ラシ、ドーレード」という感じで。
初めて聴いたときは、そのあまりの斬新さに「なん・・・・・・だと・・・・・?」と衝撃を感じました。
そして、次に聴いたときには、完全に魅了されていました。
コーラスだけの構成で、まるで賛美歌のように美しく神秘的な曲です。
でも、その裏に一抹の不気味さも感じられて。
音階歌詞は当然それだけでは意味をなさないのだけど、そこにこそ意味があるように思えて。
遥か昔に人の手によって機械に刻まれた音楽が、動くもののない空虚な部屋の中で延々と奏でられているような。
なんというか、こう、いろいろ想像が膨らみます。
このアルバムの中では、この「ヒト型式PF試奏例α」が一番好きな曲です。

コンセプトアルバムらしいので、限定盤のブックレットがあればより楽しめたと思うのですが、生憎ゲットしたのは通常盤。
限定盤買っとけば良かった・・・・・後悔先に立たずとはよく言ったものだ・・・・・・くっ。
でも、世界観はわからなくても、曲だけでも十分楽しめます。
ジャケット絵と曲の雰囲気から空想を膨らませるのも楽しいです。

志方あきこさんの多重録音エスノ調が好きな方には、問答無用でオススメしたい1枚です。
とても幻想的で、想像力を良い感じに刺激されるくらい、どれも素晴らしい曲です。
特に1曲目は衝撃的な斬新さがあるので、一聴の価値アリだと思います。

[GMCD] DEEMO SONG COLLECTION VOL.2

iOS/Android/PS Vita等で配信されているリズムアクションゲーム「Deemo」のOST第2弾「DEEMO SONG COLLECTION VOL.2」が発売されたので、早速ゲットしました。
収録曲数は21曲。
再生時間は、トータルで約72分です。

ちなみに、ゲームはVita版でプレイしたことがあります。
一応、MAINのエンディングまで到達して、AFTER STORYまでプレイ済みです。

収録曲は全て、前作VOL.1に含まれなかった曲で構成されています。
追加課金無しでプレイ可能な曲(デフォルト曲)の他に、本作ではDL配信の追加曲も多数含まれています。
むしろ、追加曲の方が、全体に占める割合が大きいです。
まぁ、VOL.1でデフォルト曲の大半を収録して、弾丸がなくなったからだと思いますが。

追加曲に関しては一曲もゲームでプレイしていないので、どれも今回のOSTで初めて聴きました。
主軸からやや逸れた位置付けとはいえ、Deemoの世界観やコンセプトはしっかり踏襲されていて、デフォルト曲と合わせて聴いても遜色ありません。
むしろ、数多ある追加曲の中から厳選されているだけあって、本作に収録された曲の中ではデフォルト曲よりも追加曲の方が好みかもしれません。
どの曲も聴き応えがあって、素晴らしい楽曲ばかりでした。
うっかり追加曲に課金したくなるくらいに、良曲揃いでした。

とはいえ、追加曲は原則パック販売なので、そこが壁になっているのですが。
今回のアルバムを聴いてピンポイントで「この曲やりたい」と思っても、パックに含まれる他の曲の良し悪しがわからないので、そこで二の足を踏んでしまっています。

本作に収録されている曲は、やっぱりどの曲も非常に良いです。
初めて聴いた追加曲も含めて、どれも本当に良いです。
ピアノがメインのためか、どの曲も神秘的で幻想的で。
心に染み入るような曲が多いです。

かと思えば、稀に暴力的に変貌することもありつつ。
でも、神秘性は失われていない。
そんな感じで、ピアノの音色に含まれる独特の響きを上手く使った曲がほとんどです。
ピアノの音色の心地良さを、改めて実感させられました。

ゲームではプレイのしやすさを優先させたためでしょうか、ピアノの音色が強調されて他の伴奏の音が弱く、全体的に音のバランスが悪かった曲もあったのですが、OSTではそれが解消されています。
おそらくOSTに収録されている方がマスター版だと思われるので、曲をちゃんと聴きたいのであればゲームよりOSTの方をオススメします。

収録曲の中にはロングバージョンも収録されています。
「ロングバージョン」と明記されているわけではないのですが、ゲーム収録版よりも再生時間の長いものがちらほら。

とはいえ、何もかもが完璧なアルバムというわけではなく、収録曲の構成についてはやや不満が残りました。
まず、エンディング曲とも言える「Fluquor」、VOL.1の店舗特典だった「ANiMA」、「Suspenseful Third Day」が入っていません。
そういえば「Legacy」や「La Promesse」も未収録です。
これらの楽曲は個人的に好きな曲なのですが、VOL.1はおろか、VOL.2にも収録されませんでした。
なんでや。。。orz

VOL.1発売当時、店舗特典で人気曲をバラしてきたあたりで、正直「阿漕な商売してるな・・・」と発売元に対して複雑な印象を持ちました。
店舗特典のために同じCDを何本も買えるほど、庶民の財力は豊かではないのです。
が、まぁビジネスが絡んでるから仕方ないか、と自分を納得させたりもしていました。
だから、今回のVOL.2にボーナストラックとしてVOL.1の店舗特典が収録されるのでは、淡い期待を抱いたりもしていました。

結果、見事に裏切られたわけですが。
勝手に期待してた自分が悪いのかなぁ。
でも、VOL.1のときに、2つの店舗特典収録曲どちらも欲しいけど、予算の都合上どちらか一方しか選べず、泣く泣く片方を諦めた人も多かったと思います。
なので、VOL.2に収録することで、それをカバーして欲しかったです。
それが難しいなら、せめてアルバム発売後半年経過したら有料でDL配信するなどのケアが欲しいです。
極端に高値だったりしなければ、喜んで買いますよ。

店舗特典といえば、VOL.2でも阿漕な商売しているみたいですね。
しかも、VOL.1のときより酷くなってるし。
これで後日有料DL配信のようなケアがなかったら、さすがにファンに対してケンカ売ってるとしか思えません。

曲自身とは関係ないところでややケチが付いてしまいましたが、曲自体は本当に申し分ないクオリティです。
Deemoの曲が好きな方、またピアノ主体の曲が好きな方にはオススメです。
ピアノを使った様々な曲が収録されているので、きっと1曲ぐらいは好みの曲があるのではないかと思います。

[ゲームRev] ニーア レプリカント

PS3のA・RPG「ニーア レプリカント」(以下、ニーア)をDエンディングまでクリアしました。
難易度はEASY。
プレイ時間は、1周目クリア時点で29時間。Dエンディング到達時点で43時間ぐらい?
クリア時点のLvは、1周目で28、Dエンディング到達時点で40だったと思います。

以前から、ニーアはすごく気になっていた作品でした。
まず評判として耳に入ってきたのは、BGMの良さ。
あまりの評判の高さに、ゲームプレイする前にOSTを買って聴いたのですが、確かにめちゃくちゃ良かったです。
その後しばらくしてから、世界観やストーリーが好評という話を聞きました。
しかも、PVを見た感じでは、陰鬱な雰囲気がすごく自分の好みっぽいし。
発売されてからずっと、プレイできるならやってみたいゲームの最上位でした。

それなのに、なかなかプレイに至らなかったのは、ひとえアクション性の高さ。
PVの戦闘シーンを見て、「あ、これ、俺にはムリだ」と感じて諦めていました。
そういう意味で、「プレイできるならやってみたいゲーム」でした。

それが一転したキッカケは、ふと目にしたとあるQ&Aサイトの回答。
「テイルズができるならできるよ」という感じの一言でした。

まぁ、実際にプレイしてみたところ、あの回答は言葉が足りてないと感じましたが。
「『テイルズ オブ』シリーズを初回HARDでクリアできるなら、ニーアは難なくできる」の間違いじゃないか、と。
A・RPGは基本的に攻撃ボタン連打ぐらいしかできず、『テイルズ オブ』シリーズは初回NORMALでギリギリ、TOD2にいたっては冒頭からラスボス戦まで全てオートバトルでクリアした身からすれば、ニーアのアクションはEASYでもかなり辛かったです。

というか、途中2回ほど、本気で挫折しかけました。

1回目は、イベント進行上必須の魚が釣れなかったとき。
冗談ではなく、本気で全く釣れませんでした。
30分ほど粘って何度もチャレンジしたけれど、ヒットしてから1秒ももたずに逃げられまくって。
さすがに、心が折れました。
このときの絶望っぷりをTwitterで呟いたところ、周りの友人たちから「魚釣れなくて詰んだって、どういうこと!?」と一斉に詰め寄られたりもしたくらい、本気で釣れなかったんです。
その後、とある友人から釣りのコツを教えてもらって、なんとか必要な魚は釣れたのですが。
とはいえ、結局最後まで、それ以外の魚は一匹も釣れませんでした。
サーディンとか、きっと都市伝説に違いない。

2回目は、パズル形式のダンジョン。
非常にアクション性の高いパズルで、何度ゲームオーバーになったことか。
ある程度まで進められたものの、途中で体力と気力が尽きて「なんか、もう、ムリぽ・・・」と真っ白に燃え尽きました。

そんなこんなで、PS3版(パッケージ版)は途中で詰みました。

が、それで済まなかったのがニーアの怖いところ。

事の発端は、2016年4月のライブイベント。
チケットが取れなかったのでニコ生視聴だったのですが、それがまたすごく良くて。
その影響で「ゲームクリアできなくても、せめてストーリーだけでも知っておこう」と考え、ネタバレ考察サイトを見て。
そしたら、世界観や設定が完全に自分の好みド直球。
「これはやらねば!」と謎の使命感に燃えた結果、PlayStation Nowで再開するに至りました。

ちなみにPS Nowで再開したのは、PS4やVitaなら操作感が違って先に進められるかもという淡い期待と、ライブ開催記念キャンペーン(だったっけ?)で激安配信してたから。
そんなわけで、クリアしたのはPS Now版です。
それと、PS3版は攻略サイトに頼らずプレイして気力・体力を使い果たしていた感じもしたので、再開後は最初から攻略サイトに頼りっきりでした。
ネタバレ見た後だったから、もはや怖いもの無しでしたし。

クリアした今にして思うと、前半の難易度は結構高かったけれど、後半はそうでもなかった気がします。
前半(特に序盤)は勝手がつかめなかったせいもあるかもしれませんが、後半は思っていた以上にサクサク進められました。
後半になると攻撃力の高い武器がザクザク手に入り、Lvも心持ち上がりやすくなっていたような。
そのおかげか、アクションで詰まることはあまりなかったです。

とはいえ、攻略サイトがなかったら、やっぱり途中で詰まっていたと思います。
特にノベルゲーム形式になるところは、なかなか正解の選択肢がわからなくて自力突破は難しかったんじゃないかと。
メッセージスキップや選択肢スキップなんてもちろん実装されていないから、繰り返しプレイにもたぶん限度があるだろうし。

そうそう、このゲームは3Dフィールドから2Dマップに切り替わったり、前述の通りパズル要素があったり、急にノベルゲームが始まったりと、様々なギミックが組み込まれています。
制作陣のやってみたかったこと、表現したかったことを、あれやこれやな手法で片っ端から詰め込んだ感じがしました。
それにしても、急にノベルゲームが始まったときには「何事?」と思いましたが。
ただ、物語後半で明かされるバックグラウンドを考えると、表現手法としては面白いと感じました。

ミニゲームもいくつかあって、やり込み要素もたっぷりです。
ストーリーを追うだけでも良し、やり込んでトロコンを目指すも良しな作りです。

物語は、複雑だと思います。
ネタバレ考察に触れた状態でプレイしていたので、幸いにしてあまり置いてけぼり感はなかったのですが、ゲーム内で明かされる情報だけで世界観を把握するのは、結構難しいのではないかと。
後半から終盤にかけて重要な謎が一気に明かされていくけれど、どれも断片的なものだったり、「なにこれ?」な単語が出てきたりするので、それを補完するにはかなりの想像力が必要かもしれません。
もしネタバレなしでプレイしたとしても、一週目であれを全部理解できたとはちょっと思えません。
そういう意味では、事前にネタバレに触れておいて良かったかもしれません。

が、ネタバレなしでプレイして、「な、なんだってーっ!」という驚愕も味わいたかった気もします。
なんというジレンマ。罪深いな、ニーア。

その物語ですが、やっぱりとても自分好みでした。
終末的世界観好きにはたまりません。
一見のどかなようでいて、マモノの脅威に怯えて緩やかに荒廃・退廃していっている空気感がツボでした。
また、冒頭から終わりまで続く救いのない展開も、好感が持てました。
ほんの少し持ち上げておいて、次の瞬間には絶望の底に叩き落とし、プレイヤーの心を容赦なく抉る、というのが交互に続く感じです。

そんな世界観や物語の雰囲気を醸し出す一助となっていたグラフィック、あの白と黒/光と闇のコントラストも良かったです。
全体的に彩度の低いグラフィックで統一されている中、バトル中に飛び散る鮮血だけが色鮮やかで。
これは、本当に良いグラフィックでした。

そんなわけで、アクションにかなり手こずり、2回ほど本気で詰んだ本作でしたが、それを乗り越えて最後までたどり着けた甲斐のあったゲームでした。
中盤まで気付かなかったけれど、ボス戦中にゲームオーバーになってもある程度敵のHPが減った状態からコンティニューできるなどの救済措置があるので、ゲームオーバーを恐れずに繰り返しプレイしていれば、アクション下手には辛いボス戦でもなんとかなるかもしれません。
その苦労をしてでも、一見の価値のある物語だったと思います。
PS Nowでもプレイできるので、PS3がなくてもPS4かVitaがあればプレイ可能です。
興味を持たれたら、ぜひ次回作「ニーア オートマタ」が発売する前に一度プレイを。

[GMEV] BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2016 with Siena Wind Orchestra

FINAL FANTASYの曲を吹奏楽で演奏する公式コンサート「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO」の2016年5月東京公演(昼の部)に行ってきました。
会場は、東京文化会館 大ホール。
開演は14:05、終演は16:20頃でした。

2015年に引き続いての公式による吹奏楽コンサートツアー。
昨年は東京公演のチケットが取れなかったので、自分にとっては今回のコンサートが初となります。

演奏は、シエナ・ウインド・オーケストラ。
指揮は、栗田博文氏。
栗田氏は、すっかり公式によるゲーム音楽コンサートでは常連の指揮者になられてますね。
とはいえ、そもそも生で演奏されることは想定されていないゲーム音楽を、しっかりがっつりまとめ上げる手腕はすごいと思います。
きっと難しい曲ばかりだろうに、狩猟音楽祭でもテイルズオケコンでも素晴らしい演奏に仕上げてくれて、ひたすらに感謝です。

FFの公式オーケストラコンサートは過去にも行ったことがありますし、非公式コンサートも含めたら両手両足の指では数えきれないくらいあちこちのコンサートに顔を出していますが、今回ほどユニークなコンサートは今まで経験したことがありませんでした。

まず、敷居がめちゃくちゃ低い。
吹奏楽だからなのか、コンポーザの植松伸夫氏の人柄が出ているからなのかはわかりませんが、会場内の雰囲気がすごくフラット。
アマチュアの楽団でも、こんなに敷居の低いコンサートは滅多にありません。
本当に、誰でも気軽に構えずに鑑賞できます。
こんなに構えずに鑑賞できるコンサートは、非常に珍しいのではないかと。

加えて、観客参加型の曲が多い。
座席に居ながら手拍子などで参加するタイプだけでなく、楽器持参で参加可能な曲もいくつかありました。
事前に公式ページで楽譜公開の上、楽器持参が呼びかけられていたそうです。
そして、それに呼応して楽器を持参された方が結構多かったです。

とはいえ、参加型と言いつつ強制するような雰囲気はなく。
「俺は参加したくない、ただ聴きたいんだ!」というならば、その信念を貫くことも容易で。
参加する/しないは完全な任意、自由意志が尊重されていて。
楽しみ方は人それぞれ、演奏するも良し、軽くだけ参加するも良し、聴きに徹するも良し、というくらいに場の雰囲気が緩かったです。
その緩さはすごく良いと思いますし、今後もこのようなコンサートツアーが続くのであれば、維持してほしい点の一つです。

ライブでは、開演したら立たなければいけない、手拍子しなければいけない、歓声を上げなければいけない、という妙な強制力を持った場の雰囲気があるのですが、個人的にはあれがすごく苦手で。
だから、今回のコンサートみたいな緩い空気感は助かりますし、むしろ大歓迎です。

そんな感じで、各々の楽しみたい形で音を楽しめる、奇跡のようなコンサートでした。
まさに、文字通り「音楽」を体現したかのよう。
これが、植松さんの目指している新しいゲーム音楽の形の一つか、なるほど。

演奏は、技術的な面はシエナなので言わずもがなですが、それに加えて熱意や気迫もすごかったです。
とにもかくにも演奏が上手い上に熱い。
普段クラシック音楽を演奏しているプロ楽団がゲーム音楽を演奏する場合、ゲームに対する思い入れがあまりない分、ゲーム音楽もものすごく冷静に演奏している感がするのですが、今回はその典型にははまらなくて。
実はゲーム好き、ゲーム音楽好きが大半を占めているんじゃないかと思ったぐらい、演奏に込められた情熱が凄まじかったです。
その熱意は、ゲーム音楽好きが集まったアマチュア楽団に引けを取らないレベルでした。

熱意と言えば、パンフレットの内容も熱かったです。
ゲーム関係者のインタビュー記事だけでなく、シエナの演奏者のインタビューや、初心者にもわかりやすい吹奏楽・楽器の解説があって、音楽的な読み物としても普通に楽しめる内容でした。
また、巻末に「マンボdeチョコボ」の総譜と、「メインテーマ」のリコーダー用の譜面まで付いていて。
その分、他のコンサートのパンフレットよりちょっと値段が高めに設定されていますが、それも肯けるほどの内容の濃さでした。

しかし、公式パンフレットで「メインテーマ」が「国歌」認定されるとは。
何気に注釈でさらっとDQまで国歌認定しているのが、なんだか面白かったです。
スクエニは、ゲーム音楽に関しては本当に緩いなぁ。
まぁ、そこが良いところだし、その緩い姿勢がゲーム音楽の一般的認知度の向上に貢献している点でもあると思うのですが。

演奏された曲のアレンジは、ほぼアルバム「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO」および「BRASS de BRAVO 2」のままでした。
あらかじめ予習してからコンサートに臨んだのですが、アルバム収録バージョンがあまりクセのないアレンジなので、予習なしでもさほど問題はないと思います。
なお、「2」に収録された曲は全曲演奏。
他に「1」から数曲と、アルバム未収録曲がちょっとだけ、といった構成でした。

ユニークな試みがあちこちに見られ、ゲーム音楽の新しい可能性を見せてくれた本コンサート。
すごく熱くて、非常に楽しかったです。
FFの曲が好きな方はもちろんのこと、吹奏楽の経験がある方にとってはより一層楽しめるコンサートだと思います。


これより下は、今回のコンサートのセットリストと、印象に残った曲の感想になります。
コンサートツアーはまだ続きますし、これから開催される公演に行くからまだセットリスト見たくないという方は、ご注意ください。

[GMEV] テンプルナイツ交響楽団 2nd stage

5月5日に開催されたテンプルナイツ交響楽団の第二回演奏会(以下、Tオケ2)に行ってきました。
開場は、パルテノン多摩 大ホール。
13:30開演で、16:10頃に終演しました。

テンプルナイツ交響楽団の前回の演奏会が2014年7月でしたので、およそ2年ぶりの演奏会。
今回の演目は、前回演奏されたFINAL FANTASY TACTICS(以下、FFT)の前身とも言えるゲーム「タクティクスオウガ」(以下、TO)。
その中でも、リメイク版である「運命の輪」をターゲットにした演目内容になっていました。

ちなみに、TOは「運命の輪」で初めて最後までプレイしました。
選択したルートは、Lルート。
1周目でLルートを選ぶ人は珍しいとよく言われますが、Lルートを選択した理由は、

・大を生かすために小を切り捨てる、戦争なんてそんなもんだろ。
・相当昔に出版された松葉博さんのコミカライズが大好きで、それが確かLルートだったから、そっちが正史だと思ってた。

たぶん、2つ目の理由がかなりのウェイトを占めています。

プレイ当時はルート分岐があることを知らず、しばらく後になってそれを知ったのですが、なんだかんだで2周目をプレイする時間がなく、結局今に至るまでLルートしかプレイしていません。
ついでに言えば、プレイしたのが随分昔で、しかも1周しかプレイしていないので、ストーリーの大半を忘れてしまっている状態です。

でも、OSTは無印版も「運命の輪」版も好きなので、時々引っ張り出しては聴いていました。
おかげで、曲は大体知っているけれど、それがどのシーンで流れていたBGMだったかまで結びつかない有様。
今回の演奏会のパンフレットにゲームシーンの解説がなかったら、どんな展開だったかまるで思い出せなかったと思います。

で、本題の演奏会についてですが、演奏技術的にはお世辞にも完璧とは言えません。
音が不安定で、ピロッたり揺れたりと、なかなか安定しませんでした。
特に高音域になればなるほど、音の不安定さが目立っていました。
まぁ、その楽器の上限に近いというか限界突破したような高音域で頻発していたので、止む無しかなとも思いましたが。
逆に、演奏しやすそうな中音域では音が安定していました。

音が不安定なところが多かったからか、音のバランスの崩れや乱れもちらほら見られました。
あるパートの音だけが妙に大きかったり、明らかに指が回っていなかったり。
でも、上手な方は本当に上手で、早いパッセージも難なく演奏されていたりもしました。

技術的には「アマオケだったらこんなもんかな」と感じたレベルでした。
が、それを補って余りあるほどのTOに対する情熱が、ステージ上から常に発せられていました。
それがもう、とにかく熱い。
演奏がものすごく熱い。
最初から最後まで、隅々まで熱かったです。
「俺たちのTOへの情熱を受けてみろ!」と言わんばかりの凄まじい熱量を、演奏のそこかしこから感じられました。

あの熱さは、本当にすごいと思います。
一つのゲームに対してひたむきな熱意を傾けることができて、そしてそれが集まるとあんなにも熱い演奏になるということを、改めて実感しました。
ここ数年はプロ・アマ問わず様々な楽団でゲーム音楽を演奏される機会が増えましたが、ゲーム音楽専門の楽団の場合はその熱意が一番の魅力ではないかと。
今回の演奏会も溢れんばかりの情熱が常に迸っていて、TOへの愛情がひしひしと感じられて。
それだけでなんだか満たされた気分になれた演奏会でした。

オーケストラの編成の大きさは、一般的なオーケストラコンサートと同程度。
ステージ上に70~80人ほど乗っていたでしょうか。
楽器のバランスはちょうど良かったと思います。

編曲は、かなり原曲重視。
オーケストラに合わせるための多少のアレンジはあったものの、基本的には原曲をそのまま素直にオケに落とし込んだ感じでした。
原曲がそもそもオケっぽい曲なので、親和性は抜群。
原曲がゲームやOSTから飛び出してきて現実化されたように感じられるほど、違和感がなかったです。

ホールの反響のためか、そういう意図で編曲されたためか、そういう奏法だったのかはわかりませんが、音がすごく伸びるように感じました。
伸びるというか、通るというか。
メインメロディはもちろんのこと、埋もれてしまいがちな伴奏の音まで、結構はっきりと聴こえました。
一音一音の広がり方が、ずいぶん大きく感じられました。
その分、音を外しても目立ってしまうという両刃の刃だったかもしれませんが。

アンコール1曲目と2曲目の間に、TOのメインコンポーザの崎元仁氏と岩田匡治氏が登壇され、制作当時の秘話が披露されました。
話の内容は、覚えている限りでは、

・自分たちの曲は、演奏されるたびに「難しい」と言われる。
・みんな(演奏者の方々)、ドMだよね。
・(こんな難しい曲を演奏するなんて、)おかしいよ。
・制作当時の思い出は、楽しいものがあまりない。
・ディレクターの松野さんに叱られたり、社長に呼び出されて「ゲームがわかってない」と何時間も説教されたり。
・TOの曲を制作して以来、暗い曲を書くというイメージが定着してしまった。
・それまで明るい曲も書いているのに。
・(伝説の)オウガバトルのときは明るかったのに、TOで急に重くなって。人を殺せと命じられたりね。

こんな感じの会話を、5~10分ほどされていました。
どれも興味深くて、面白かったです。
岩田さんの「おかしい」は、2009年の管弦楽団「星の調べ」によるFFT演奏会のときにもしきりに仰られていたような。

そんなわけで、オールTOというTO好きにはたまらない今回の演奏会。
音が盛大に外していたり、音のバランスが悪かったり、演奏技術面では少々残念なところもありつつも、TOへの情熱の凄まじさにやられまくりました。
その情熱のまま、演奏技術が伴えば最強クラスになれると思うので、ぜひ再演を期待します。


これより下は、セットリストと印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMCD] BRA★BRA FINAL FANTASY/Brass de Bravo 2

FINAL FANTASYの楽曲を吹奏楽用にアレンジしたアルバム「BRA★BRA FINAL FANTASY/Brass de Bravo」の第2弾が発売されたので、DL配信版をゲット。
収録曲数は全12曲。
再生時間は、トータルで約44分。

発売日前からチェックはしていたのですが、このアルバムと同月発売だったゲーム音楽CDがあまりにも多過ぎて時間も懐も追い付けず、結局買えたのはつい最近。
今週末5/7のFF吹奏楽コンサート「BRA★BRA FINAL FANTASY」(以下、FF吹奏楽)東京公演の予習を兼ねて、今慌てて聴き込んでいます。
まぁ、FFのBGMは何年も聴き続けてきて耳に刷り込まれているので、予習なしのぶっつけ本番でFF吹奏楽に臨んでも問題ないと思いますが。
挑戦的過ぎるほどのマイナーな選曲や、突拍子もなくトリッキーな編曲でない限りは。

一通り聴いた印象では、前作よりもアレンジが直球というか、原曲を素直に吹奏楽に落とし込んだ感じがしました。
その分、前作よりもクセがなくて、すごく聴きやすくなっています。
原曲の雰囲気をそのまま残しつつ、吹奏楽らしいダイナミックさがプラスされた、とても熱い曲ばかりです。
これは良い吹奏楽。たぎります。
5/7のFF吹奏楽が、俄然楽しみになってきました。

前作はメドレー形式の曲が多かったですが、今作はほぼ単曲で編曲されています。
例外は「FFI/II/III フィールド・メドレー」ぐらい。
原曲が短いため何ループもする曲もあるのですが、同じメロディラインを聴き続けても飽きないような展開の妙が見られるので、飽きることはありませんでした。
むしろ、ループを重ねるごとにワクワク感の増す編曲が多かったです。
そもそも飽きないように作曲されている原曲を、きちんと生かすプロの技。さすがです。

選曲は、1~10までのBGMの中から、1~2曲ずつピックアップ。
どれか1つの作品に偏っているということはなく、各作品から満遍なく選ばれています。

とはいえ、1~3だけは前述の通り「フィールド・メドレー」として1曲にまとめられていますが、これは尺という超えられない壁があったのではないかと。
1~3の曲はどれも短いから、単曲リピートするにしても限度があるし、まぁ仕方ないかなと思います。

その「FFI/II/III フィールド・メドレー」ですが、木管アンサンブルに編曲されているのでしょうか。
パーカッションもない、シンプルなアレンジになっています。
これまで数多のアレンジが為され、その度に音を盛られて装飾されてきたけれど、それが一周回って元に戻ってきたというか、原点回帰してきたような印象を受けました。
これはこれで、なんだかすごくしっくりきます。
また、FF3フィールド曲「悠久の風」から続く終曲部で、1と2のフィールド曲を再度絡ませる演出が、とてもニクいと思いました。
これは良いまとめ方。ゾクゾクしました。

基本的にはいくつもの楽器による全員合奏の盛大な曲がメインですが、その中にあって異色だけどイチオシなのは「ゴールドソーサー」。
リコーダーアンサンブルで、譜面が欲しくなりました。
楽器演奏経験はほぼ皆無(小学2~6年の間、頭数を揃えるために、毎年数ヶ月だけ課外活動として合唱・合奏を”やらざるを得なかった”程度)な自分ですが、これならそんな自分でも吹けそうな気がしたので。
あのワチャワチャした底抜けの明るさに満たされた「ゴールドソーサー」を、リコーダーだけでもここまで表現できるのか。
すごく楽しそうで、自分でも吹いてみたくなりました。

まぁ、まずはリコーダー仲間を探すところから始めないと、ですが。
友達少ない自分には高いハードルだなぁ・・・あはは・・・(遠い目

そんなわけで、2枚目の公式FF吹奏楽アルバムである本作ですが、非常に聴き応えのあるアルバムに進化していました。
前作も悪くはなかったですが、正直、今作の方が好みです。
FFの曲が好きな方、ゲーム音楽が好きな方にはオススメです。
特に、その中でも吹奏楽をやっている(もしくは、やっていた)方には、問答無用で押し付けたくなるアルバムです。