[GMEV] NHK音楽祭2016 シンフォニック・ゲーマーズ

10月23日に開催されたゲーム音楽のコンサート「シンフォニック・ゲーマーズ -僕らを駆り立てる冒険の調べ-」に行ってきました。
会場は、NHKホール。
開演は18:00で、終演は20:25頃でした。
なお、本コンサートはNHK主催の「NHK音楽祭2016」のうちの1演目だそうです。

主催はNHKですが、演奏はゲーム音楽専門のプロオケ楽団「JAGMO」が担当。指揮は永峯大輔氏。
BSプレミアムの番組のための公開収録だったためか、抽選による無料招待制でした。
なお、放送は2016年11月6日(日)22:50~の予定だそうです。

7つのゲームによるアラカルト形式で、各ゲームごとに5~10曲ほどをメドレー形式で演奏。
かなりの曲数を、2時間以上に渡ってがっつり演奏されました。
これが無料でいいのか! というぐらいの大ボリューム。
これで無料のコンサートと考えると、かなりのお得感・満足感を得られました。

今回演奏された曲の原曲を全て知っているわけではないのですが、知っている曲はどれもそれなりのアレンジが加わっていました。
原曲が8bit音源(いわゆるピコピコ音)のものもあったので、どうしてもオーケストレーションは必要なのですが、そこに更にプラスアルファのアレンジが加わっていたと思います。
おそらく、原曲そのままに演奏された曲はないのではないかと。

編曲の方向性としては、原曲を十分に残した上で、より壮大に、かつドラマティックに、そしてインパクト強く、という印象。
原曲を踏まえた上で更に音を重ねて、より一層オーケストラ映えさせたような感じでした。
そのためか、原曲からの違和感はさほどありませんでした。

そういう意味では、クセの少ない編曲と演奏だったと思います。
ゲーム音楽のコンサートは初めてという方にとっても、聴きやすい演奏だったのではないかと。

基本的にどの曲も1ループの演奏でした。
曲数が多いので、テンポよくポンポンと次の曲へ移行していました。
もうちょっとじっくり聴かせてほしかった曲もありましたが、まぁ、思い入れは人それぞれだから仕方ないのかもしれません。

演奏自体は、すごく丁寧で綺麗でした。
JAGMOの演奏は昨年7月以来でしたが、そのときよりも綺麗な調べになっていたような気がします。

ただ、良くも悪くもNHKっぽいというか、NHK交響楽団っぽかったです。
数年前にN響の定期演奏会に行ったことがあるのですが、そのときに感じた印象を思い出しました。

良い点は、テクニックのレベルが高くて、演奏が綺麗なところ。
難しそうなフレーズも見事に弾きこなしていたところは、さすがプロオケ。
音が安定していて、安心して聴くことができました。

イマイチな点は、型にハマって面白みに欠けるところ。
綺麗な演奏を目指すあまり、音で何を伝えたいのかが抜け落ちているような気がしました。
アマチュアの楽団の演奏会でよくある「今こそ俺のゲーム音楽愛を見せるときっ!」というほどの強い情熱を感じられたわけでもなく。
さりとて、公式オケコンのプロオケの演奏のようなテクニックで魅せる感じでもなくて。
確かに演奏は綺麗だしゲームのBGMをしっかり演奏しきっていたけれど、なんというか、こう、心にグッとこないというか、面白みがイマイチ足りない感じがしました。

とはいえ、一方的なゲーム音楽愛や曲のクセがそれほど強くなかった分、すんなり聴けたというメリットも感じましたが。
原曲やゲームを知らなくても十分に楽しめて、知っていればより一層楽しめた演奏だったと思います。

話は変わって、ゲストトークについて。
ゲストは、第一部では糸井重里さんが、第二部では有野晋哉さんが登壇されていました。

糸井さんは、MOTHERに込められた想いについて、司会の質問に回答する形で語られていました。
中にはマニアックな質問もあり、「取扱説明書にSmile and Tearsの歌詞が書いてあるけれど、曲に合わせて歌ってみると1行余るのは何故?」というものまでありました。
ちなみに、回答は「歌声付きの曲にするつもりで作詞をして、後でメロディを合わせればいいと考えていたけれど、結局歌を付けること自体が叶わなくて、歌詞に込めた思いだけでも伝えたかったから、取扱説明書に載せた」だそうです。

第二部の有野さんのトークは、やはり「ゲームセンター○X」のネタが多かったです。
そして、司会の青木瑠璃子さんと2人で、「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」に関するトークでめちゃくちゃ盛り上がっていました。
時間が許すならば、30分でも1時間でもずっと喋っていそうな勢いで。
もう一人の司会の塩澤アナウンサーが、完全に置いてけぼりを食らっていました。
でも、司会のお2人も有野さんもとてもゲームが好きという雰囲気がトークから伝わってきて、微笑ましかったです。
ゲームあるあるネタが豊富に飛び出してきて、終始笑いの絶えないトークでした。

というか、司会の青木さんも塩澤アナも、本当にゲームが好きなようで、好感が持てました。
トークが取って付けたような受け答えではなくて、ゲーム好きのことがわかってる感じがしました。
青木さんは、「スプラトゥーンで1,000時間プレイした」「モンハンはプレイし過ぎて、シリーズを通したらもはや何時間プレイしたかわからない」「ゼルダのムジュラの仮面は年に数回無性にやりたくなるときがあり、繰り返しプレイし過ぎて攻略本暗記した」など語っていました。
また、塩澤アナも、「(クロノ・トリガーの)ルッカとクロノがどうしてくっつかなかったのか・・・っ!」「ドラクエ2の復活の呪文を間違えて、あれこれ文字を変えながら入力して一日が終わっていた」などなど、とてもNHKのアナウンサーとは思えないほどの濃い話題が盛り沢山でした。
ちなみに、オーケストラで曲を聴きたいゲームというネタに対して、青木さんは「スプラトゥーン」を、塩澤アナは「ときめきメモリアル」をあげていました。
「ときメモ」の名前が出てきた直後に、やや野太い歓声が上がったような気がします。

やや余談ですが、公開収録の様子について。
公開収録というものが(たぶん)初体験だったのですが、カメラの動きが非常に興味深かったです。
ホールの天井まで届きそうな巨大なクレーンまで導入されていて、その迫力にまず圧倒。
そして、それが演奏中にグイーングイーンと動きまくっていて、「TVで見る映像って、こういう風に収録していたのか」と内心興奮していました。
まぁ、1階のわりと前方の席だったので、演奏中によく目の前をクレーンが横切っていたのは若干邪魔でもありましたが。
でも、なかなか貴重な体験ができて、面白い体験でした。

そんなわけで今回のコンサートを総括すると、面白く興味深い要素が色々あり楽しかったです。
ゲーム音楽を生のオーケストラで、しかも無料のわりにはたっぷり聴くことができて、満足しました。
トークも面白くて興味深かったです。
来年も、ぜひNHK音楽祭の1演目として、ゲーム音楽のコンサートを企画してほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] NJBP Live! #6 時空ノ楽士 IN 憤強渋幾

新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団の演奏会「NJBP Live! #6 時空ノ楽士 IN 憤強渋幾」が10月9日と16日に開催されました。
そのうち、9日の公演に行ってきましたので、その感想を記しておきます。

会場は、文京シビックホール 小ホール。
開演は19:00、終演は21:15頃でした。

9日の演奏会で思わぬシークレット曲があったりしたので、「これは、16日の演奏会が終わるまでまでうっかりしたことは言えないな」と考え、16日の演奏会が終わるまでずっと黙ってました。
16日が過ぎたので、ようやく思いの丈をぶちまけられます。

演奏会の構成は、NJBP Live!では恒例の、演奏とゲストトークのサンドイッチ。
演奏会全体の比率として、演奏半分トーク半分という感じです。
他の演奏会に比べてトークの比率がかなり高くてめちゃくちゃ濃いのが、NJBP Live!の特徴の一つかと。
真面目で素晴らしい演奏とは正反対のゆる~いぶっちゃけトーク、その緩急がこの演奏会の魅力でもあります。

今回は、第一部も第二部もともにオール時田貴司氏特集。
時田氏特集と言っても、そこはNJBP、選曲が非常にマニアックでした。
第一部で演奏された曲のうち、FF4はかなりメジャー。LIVE A LIVEもそこそこ聴きます。魔界塔士Sa・Gaも何度か生演奏を聴いたことがあります。半熟英雄もどこかの楽団が演奏していたような。
そんな中、ナナシ ノ ゲエムは完全にノーマークでした。
というか、あえてそこを拾ってくるのかと思いました。
さすがはNJBP Live!。恐るべし。

演奏会のメインとなる第二部も、これまでどの演奏会でも聴いたことのない曲。
「光の4戦士」の楽曲の演奏は、この演奏会が世界初だそうです。

マニアックな選曲はNJBP Live!の特徴の一つだと思うので、今後もメジャー・マイナー問わず演奏してほしいところです。
自分にとっては思わぬ良曲に出会える貴重な機会なので、おそらく編曲がたいへんでしょうが、今の姿勢を貫いていってほしいです。

演奏の編成はいつも通りで、十数人ほどの中規模な管弦楽+ピアノ。
曲によって編成が変わる人も入れ替わるところも、いつも通りでした。

ただ、演奏そのものの方は、今回なんだかあんまりグッとくるものが感じられませんでした。
全体的に緩急が少なくて、演奏がなんとなく平坦な感じ。
それと、ある楽器のフレーズが先走っていたり、音のバランスががたっと不安定になったりすることが多くて、鑑賞していてヒヤヒヤすることも多かったです。

トークフェーズでは、ゲームクリエイターの時田貴司氏が第一部からゲストとして登壇。
第二部では、スペシャルゲストとして作曲家の水田直志氏も登壇されていました。

時田氏がとにかくノリが良くてサービス精神旺盛なところは驚きました。
初っ端からラ○ガーの仮面被って登場してくるし、シークレット曲を熱唱しちゃうし、結構やりたい放題。
過去に2回、NJBP Live!に足を運んだことがありますが、ここまでノリノリなゲストは初めてかと。
いいぞ、もっとやれ。

ゲストトークは、相変わらず濃い内容でした。
ゲーム制作当時の現場の様子や制作裏話がぽんぽん出てくるわ、「それ話しちゃっていいの?」というようなネタも出てくるわ。
あまり細かく記録に残すのは憚られるようなネタが、ポンポン出てきていたような気がします。
また、ゲーム制作に対する姿勢やゲームに込められた想いは興味深かったです。

第二部から登壇された水田直志氏が、スクエニの前はカプコンに在籍していて、同じくカプコンからスクウェアに移籍された下村陽子氏の後を追うようにゲームに関わられている、という話は初めて知りました。
カプコン時代に「ストリートファイター ゼロ」を担当し(下村氏はスト2を担当)、その後スクエニに移籍してから「パラサイト・イヴ2」を担当し(下村氏は1を担当)。
そういえば、今回の演奏会も後を追いかけているようなものですね。
この演奏会の数時間前に、文京シビックホールの近くにある別のホールで、下村陽子氏のバースデイコンサートがありましたし。

そんなわけで、演奏自体にはやや引っ掛かりがあったものの、相変わらずの濃いセットリストとトークには満足した演奏会でした。
次回NJBP Live! #7が2017年2月25日に開催予定とのこと。
曲目はまだ未定ですが、曲目次第ではまた行ってみたいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] オニオン弦楽合奏団 第五回演奏会

10月16日に開催されたMelodies of Crystal(以下MoC)主催の「オニオン弦楽合奏団 第五回演奏会」に行ってきました。
会場は、小松川さくらホール。
開演は14:00で、終演は16:05頃でした。

今回のMoC主催の演奏会は、オール「サガ フロンティア」(以下サガフロ)。
オムニバス形式でストーリーが展開するサガフロの中でも、アセルス編にフォーカスした内容になっていました。

自分のサガフロ歴は、実は悲惨なくらいに貧弱です。
かれこれ2回ほどゲームに挑戦したことがあるのですが、2回ともあっさり挫折しました。
1回目はサガフロが発売されてまだ間もない頃、友人から借りてアセルス編からプレイしてみたものの、最初の城から脱出することすら出来ずに途中放棄。
2回目は比較的最近、心機一転してやり直そうとPS Storeで購入して、再びアセルス編にチャレンジしてみたものの、オウミでバトルしまくったせいか敵が強くなり過ぎて、次のシュライクでどうにもならなくなってアウト。
仕方ないので、アセルス編のシナリオだけでも追っておこうと、プレイ動画を漁った体たらくです。
とはいえ、プレイ動画を見ておいたおかげで、一応、大まかなシナリオは把握しています。

ただ、BGMに関しては、結構昔から知っていました。
大昔にひょんなきっかけでサガフロのバトル曲を耳にして、その格好良さに魅かれて、OSTだけはわりと早いうちに購入していました。
「Battle #1」「Battle #4」「Battle #5」「Last Battle -Asellus-」は、スルメのように何度も聴いています。

そんな、サガフロにわかな自分が今回の演奏会に足を運んだ理由は2つ。
まず1つ目は、サガフロの曲が好きだから。
ゲームはほとんど自力プレイしていないのでアレなのですが、曲は大好きです。特にバトル曲。
で、2つ目は、MoCの演奏だから。
過去にもMoCの演奏会には何度か足を運んでいますが、そのいずれもが予想の遥か上を行く編曲・演奏で、ハズレがほとんどありませんでした。
何より、ゲームに対する深い考察と情熱、そして曲でゲームを表現するという姿勢には、いつも感心させられっぱなしです。

そんな2つの単純な理由が合体した結果、「MoCの演奏で、サガフロのバトル曲が聴きたーい!」という願望が生まれて、チケットを取った次第です。
まぁ、自分の行動理由なんて、大体そんなもんです。

鑑賞前は、あの原曲を弦楽器だけでどうやって料理するのか、不思議でもあり期待でもあり、そして不安でもありました。
原曲、特にアセルス編に特化した曲は、チェンバロやオルガンなどを駆使した、ゴシック色の強い曲ばかり。
アセルス編のシナリオも、様々な妖魔の入り乱れる、妖艶で耽美な雰囲気が満載。
それをMoCは楽器だけでどう表現するのか、すこぶる気になるところでした。

結果から言えば、弦楽器+チェンバロだけで、見事に表現しきっていたと思います。
あのゲーム(アセルス編)とBGMの雰囲気を、4種の弦楽器+チェンバロという限られた音色だけで、あそこまで完成度高く表現しきるとは、さすがMoCです。
特に、チェンバロの貢献度が高かったです。
チェンバロの独特の高い音色が入ると、途端にバロック音楽のような荘厳な雰囲気に様変わりして、すごくアセルス編の雰囲気と合致していました。

また、今回も曲の構成力のレベルが非常に高かったです。
自分のようなサガフロにわかプレイヤーですら容易にシーンを想像できるくらい、曲の展開がゲームのシナリオを饒舌に語っていました。
ここまで曲だけでゲームの中身を表現するなんて、本当に感心しかできません。
言葉が拙くて恐縮ですが、とにかくすごかったです。すごいとしか言いようがない。

編曲も演奏技術力も、相変わらず圧倒的なまでにハイレベル。
構成・編曲・演奏の3つの力が高いレベルで揃っているからこそ、あそこまで曲でゲームを表現できているのでしょう。
この表現力、他に類を見ないのではないかと。

編曲は、ここ最近のMoCの演奏会に比べると、やや強めだったと思います。
1ループは原曲に寄せた形であっても、2ループ目以降は大きく変奏されていたり。
曲によっては、大胆にアレンジされているものもありました。
原曲に近いまま聴きたいという方には受け入れ難いところが多数あったと思うので、そういう点では人を選ぶ演奏会だと思います。

1つの主題をバリエーションを持たせて幾通りにも変奏して表現を膨らませるところは、いつものMoCでした。
あのアレンジの豊かさや、そこに込められた考察の奥深さは、いつ聴いても感心しきりです。
幾多ものバリエーションで登場人物たちの複雑な心境を表現しているようで、「あ、なるほど、そうきたか」とか「そういう展開であの心情を表現してるのか」とか、想像力を良い感じに刺激されるアレンジに面白さを感じます。

そういえば、今回の演奏会は、MoCのこれまでの演奏会に比べて大所帯な感じがしました。
ステージに登られた演奏者の方々は、総勢40名弱でしょうか。
最近、シュデンゲンばかりだったから多く見えたのかな。

ただ、メンバーが多い分、音の厚みが増していたように感じました。
全員合奏になると音の洪水を感じられるほどの圧力でした。
その上、ステージ上からは溢れんばかりのゲームとゲーム音楽への情熱も迸っていて。
その合わせ技で、圧倒されることも多々ありました。

とはいえ、メンバーは多ければ良いというものではなかったようで。
若干ですが、音の出だしが揃っていなかったり、音が揃っていないような違和感があったりもしました。

そんなこんなで、今回のMoCの演奏会もとても面白くて、非常に満足しました。
サガフロについてはあまり詳しくなかったので、開演するまでは最後までついていけるか不安でしたが、始まってしまえばそんなことはどこ吹く風で、アンコールまで楽しく聴けました。

次回は、シュデンゲンアンサンブルのサロンコンサートが12月23日に開催されるそうです。
シュデンゲンの演奏で聴いてみたい曲がラインナップされているので、都合が付けばぜひ行ってみたいです。


セットリストはMoCのブログに掲載されていますので、そちらをご覧ください。
これより下の追記は、印象に残った曲についての感想になります。

[GMCD] Winter's End - "I am Setsuna" Original Soundtrack Collection-

PS4/PS Vita用RPGとして発売された「いけにえと雪のセツナ」のBGMをアレンジしたアルバム「Winter's End - "I am Setsuna" Original Soundtrack Collection-」をゲット。
DL配信版ではなく、パッケージ版を購入しました。
パッケージ版はディスク2枚組で、ボーナストラック6曲を含む全33曲収録。
さらに特典ディスク(DVD)が1枚付属し、そこにハイレゾ版音源データ(WAV)と演奏用楽譜データ(PDF)が収録されています。

DL配信版がパッケージ版よりも随分前(2ヶ月ぐらい前かな)に配信開始されていたことは知っていました。
ただ、そちらはパッケージ版よりもかなり安くなっている分、楽譜やボーナストラックが付いていなかったので、買い直し回避のためにパッケージ版発売まで待ちました。
まぁ、楽譜があったところで、ピアノ弾けないんですけれど。
あーでも、曲を見ながら楽譜を目で追うのは好きです。

パッケージ版は、今のところ(2016年10月現在)発売元のCreative Intelligence Artsのオンラインショップでしか取り扱っていないようです。
DL配信版は、確認しただけでも、iTunesとAmazonで取り扱っているようです。
ちなみに、自分は10月4日に開催されたピアノリサイタルの会場でゲットしました。

ボーナストラックを除いた本編27曲は、ゲームのBGMと同様にピアノソロです。
OSTのようなループ前提の曲ではなく、単曲として展開を持たせたアレンジになっています。
原曲では1~2分ぐらいだった曲が、展開を持たせたため、どの曲も約3分ほどに尺が伸びています。

演奏用に一からアレンジされているので、曲としてはOSTよりも聴きやすい気がしました。
明確に”聴かせる”ことを前提としたアレンジになっています。
そのため、ゲームを知らなくても十分鑑賞できるレベルになっているのではないかと。

とはいえ、編曲されていても、原曲の雰囲気はそのままです。
原曲の良さを生かしつつ、ゲーム内で原曲が使用されたシーンやキャラクターのイメージに沿って、より抒情的に音色を豊かにしたような感じです。
原曲の拡張版、と言えばいいでしょうか。
曲でゲームを表現したらこうなった、という感じです。
曲だけ引っ張り出して演奏してみた、というのではなく、ゲームもベースの敷いた上でアレンジしているところがポイントです。

曲はどれも切なくて、それでいて優しさも感じられます。
ピアノ特有の硬い音で切なさを、メロディで優しさを表現しているような。
ピアノリサイタルで聴いたときも同じ感想を抱きましたが、パッケージ版の音源を聴いても印象はそのままです。
聴いているととても気持ちが落ち着くような、それでいて思わず聴き入ってしまうような、そんな曲調です。

どれも良アレンジな上に楽譜まで付属されているので、ピアノが弾けたらきっと弾いて楽しんでいたと思います。
ピアノ、弾けたらなぁ・・・弾けたらなぁ・・・。
1オクターブなんて超余裕で届くぐらい細長い指してるのに、宝の持ち腐れだよっ(ノД`)・゜・。
やっぱり、今からでもピアノ習おうかなぁ。セツナの曲弾いてみたい。

ボーナストラックの6曲は、ピアノソロではなく、他の楽器(シンセサイザー含む)の音色も織り交ぜたアレンジになっています。
ゲームの雰囲気からは幾分外れますが、これはこれで曲として好きです。
むしろ、大好物な部類です。
ボーナストラックだけでも、パッケージ版買って良かったと思いました。

特に「The Winter Braves」がめちゃくちゃ格好良かったです。
ベースは「いけにえと雪のセツナ」のメインテーマ。
原曲のしっとりしたピアノソロが、この曲では壮大なオーケストラアレンジに生まれ変わっていました。
ゲームの雰囲気とはおそらく合致しないし、若干あざといぐらいにド直球なアレンジだけど、それを差し置いても非常に格好良い曲になっています。
初めて聴いたときは「あの曲がこんなに格好良く化けるのか、三好さんすげぇ!」と度肝を抜かれました。
あまりに格好良かったので、三好智己氏の他の曲も気になったぐらいです。

せっかくこの曲のハイレゾ音源もボーナスディスクにあったのに、うちにはハイレゾの再生環境が整っていなくてハイレゾの恩恵を受けられないので、ぜひとも生オケで聴きたいです。
どこかで演奏してくれないかなぁ。

ちなみに、先日10月4日に開催されたピアノリサイタルで演奏された「The Journey's End」(ピアノとヴァイオリンのデュオ曲)は、ボーナストラックなのでパッケージ版にしか収録されていない模様。
DL配信版を購入する際には要注意です。

というわけで。
「いけにえと雪のセツナ」はそれほどやり込んでいないにわかプレイヤーですが、それでも非常に楽しめたアレンジアルバムでした。
曲は気になるけれどゲームプレイしたことないしなぁ、という方は、試しにこのアレンジアルバムから入ってみることをオススメします。
収録曲がどれも曲として独り立ちしている分、聴きやすくなっています。
可能であれば、パッケージ版推奨です。
DL配信版には収録されていないボーナストラックも素晴らしいアレンジなので、ぜひ聴いてほしいです。
もちろん、ゲームプレイ済みでBGMが良かったと感じた方やOSTの曲が好きという方にもオススメのアルバムです。

[GMEV] 科学ADVシリーズ×いとうかなこ ワンマンライブ ~only 科学ADV songs~

10月9日に「科学ADVシリーズ×いとうかなこ ワンマンライブ ~only 科学ADV songs~」が開催されたので行ってきました。
会場は、パセラリゾーツAKIBA P.A.R.M.S。
開演は13:00、終演は15:40頃でした。

コンサート名からも明らかなように、本ライブで演奏された曲はほぼ科学ADVシリーズのみ。
科学ADVシリーズ好きとしては、逃す手はありませんでした。
あの名曲揃いの「CHAOS;HEAD」(カオヘ)、「STEINS;GATE」(シュタゲ)、「ROBOTICS;NOTES」(ロボノ)、「CHAOS;CHILD」(カオチャ)オンリーなんて、本当に夢のようなライブ。
というわけで、チケット先行抽選予約に申し込んでみたところ当選したので、喜び勇んで足を運んできました。

実際に演奏された曲は、見事に科学ADVシリーズばかり。
冒頭の新曲と、厳密には科学ADVシリーズではない「Occultic;Nine」(オカン)のアニメOP曲の2曲だけ例外でしたが、その他は全て科学ADVシリーズ関連曲のみ。
全25曲のセットリストのうち、23曲が科学ADVシリーズの曲とか、それなんて神セトリ。
科学ADVシリーズの楽曲好きにはたまりませんでした。

ゲーム(無印)で使用された曲だけでなく、スピンオフ作品やアニメで使用された曲まで網羅。
科学ADVシリーズ作品を幅広くカバーされていた選曲でした。

それでも、いとうかなこさんが歌われた科学ADVシリーズ関連曲の全てがセットリストに入っていたわけではないらしいです。
2, 3曲ほどリストから外れているらしく、その外れた曲は12月の追加公演で演奏するとのこと。
今回のコンサートと、次回の追加公演を合わせることで、完全に網羅されるそうです。

とはいえ、「今回演奏してない曲って、何かあったっけ?」と咄嗟に思い当たらなくて。
それくらい、主な楽曲は一通り演奏されたように思いました。

曲の配分的には、カオヘ3.1、シュタゲ4.8、ロボノ0.8、カオチャ1.3ぐらい。
シュタゲとカオヘの比重が大きいのは、そもそもの母数が大きく違うので、仕方ありません。

個人的には、次の3曲を生で聴けた時点で、「今日参加できて良かった」と満足しました。
1つ目は、どうしてもフルバージョンで聴きたくて音源を買った唯一のカオヘ曲「Fetishism Ark」。
2つ目は、昨年の科学ADVライブで演奏されたなかった「非実在青少年」。
3つ目は、この機会を逃したらもう聴ける機会はないだろうと思われる超絶ネタバレソング「silent wind bell」。
この3曲が演奏されたときは、否が応でもテンションが上がりました。
まぁ、「silent wind bell」は比較的しっとりしたバラードなので、テンションが上がるというよりは、感極まるという感じでしたが。

演奏の編成は、典型的なロックバンドの形。
いとうかなこさんのボーカルに加えて、エレキギター、ベース、ドラム、キーボード。
このような編成だったため、オブラート役のストリングスの音がほとんどなく、そのため耳に直接強くガツンとくるようなサウンドでした。
荒々しいというか、攻撃的というか、とにかく音の塊がすごい勢いで耳に飛び込んでくる感じです。

ストリングス不在は、カオヘやシュタゲの初期の曲ではあまり違和感はありませんでしたが、最近の曲、特にカオチャの曲では若干違和感がありました。
明らかに音数が少なくて、すごくシンプルというかストレートな感じ。
「シンギュラリティ」で特に強く感じました。
そんなにはっきりわかるくらい、原曲ではストリングスが多用されていたんだなぁ、と実感。

ロック形式のオールスタンディングのライブコンサートは久しぶりの参加でしたが、思っていたより気楽に楽しめました。
コンサートは盛り上がるより聴き入りたいタイプなので、ロックのライブコンサートによくある「観客全員で盛り上がらないといけない」みたいな空気感がどうにも苦手なのですが、今回はあまりそういう感じでもなく。
客層が、俺の知っているライブとは違っていたからでしょうか。
曲に合わせてペンライトをブンブン振り回したり飛び跳ねる人がいる一方で、軽く身体を揺らしつつもじっくり聴き入るだけの人も結構いました。
自分は後者のタイプなので、似たようなスタイルの人が割と多かったところは心強いというか、気が楽でした。

激しく飛び跳ねることはしなかったけれど、曲を聴いているうちに自然と身体が動いていたところは、曲の力でしょうか。
ノリの良いロックテイストの曲が多かったので、気が付くと身体でリズムを刻んでいました。

と、セットリストについては特に文句はなく、むしろ最高だったと思いましたが、演奏自体については最高とは言い難かったかなと感じました。
音のバランスが悪いところがしばしば。
伴奏がボーカルの歌声をかき消してしまっていることもよくありました。
また、爆音でとりあえず誤魔化しておけ、というような少々雑な勢いを感じるところも多かったです。
ロック形式のコンサートって、こういうものなんでしょうか。

それと、いとうかなこさんの喉の調子が悪そうだったところも気になりました。
過去にも何度かいとうかなこさんの歌声を聴く機会があったのですが、そのときと比べて声に張りがないというか、伸びがあまり良くないというか。
ファルセットに切り替わるスレスレのところから上の高音域と、出るか出ないかギリギリのラインの低音域で、よく声が掠れていました。
曲が進むにつれて掠れる頻度が高くなっていたようだったので、そもそも歌いにくい曲が多かったことが原因でしょうか。
科学ADVシリーズオンリーって、いとうかなこさんの喉の耐久テストをしているみたい。

終演後の帰り際に、今回のコンサートのセットリストが書かれた紙を配布してくれた点は、うれしい配慮でした。
コンサートで初めて聴いて「この曲、良い曲だな」と思っても曲名を覚えていなくて後で聴き直すことができない、ということも過去にあったりしたので、こうしてリストを配布してくれると復習の手掛かりになるので助かります。
大きな会場でのコンサートでは難しいかもしれませんが、この風習がもっと広まればいいのにと思います。

そんなこんなで、演奏の中身にやや引っかかるものがありつつも、神がかったセットリストや聴きたかった曲が聴けた点では非常に満足したライブコンサートでした。
科学ADVシリーズの全曲を知っていればベストですが、「シュタゲの曲しか知らない」というようなライトな方でも十分楽しめると思います。
# 自分も、カオヘの曲は一部しか知らないし。
とてもノリの良い曲が多いので、知らなくても曲にノリやすいです。
10月9日の時点で12月追加公演のチケットが余っていたそうなので、科学ADVシリーズ好きの方はぜひ。
ただ、座席がなく2時間半ほど(待ち時間も含めると3時間半ほど)立ちっ放しになるので、体力とは要相談かも。


これより下の追記に、今回のライブコンサートのセットリストを記載しておきます。

[GMCD] STEINS;GATE 0 SOUND TRACKS -完全版-

テキスト型ADV「STEINS;GATE」(以下、シュタゲ)の正統続編「STEINS;GATE 0」(以下、シュタゲ0)のOST(完全版)が発売されたのでゲットしました。
CD2枚組で、全39曲収録。
再生時間は、トータルで2時間強。

シュタゲ0のゲーム自体は、予約購入して早々にトゥルーEDまでクリアしました。
昨年のクリスマス頃にはクリアしていて、2015年冬コミ(C89)で発売されるOSTをすごく楽しみにしていた覚えがあります。

そんなわけで、C89で発売されたシュタゲ0のOST「STEINS;GATE 0 O.S.T GATE OF STEINER」(以下、C89版)も持っています。
でも、C89版には一部楽曲(主に後半のクライマックスでかかる曲)が収録されていなかったので、今回改めて完全版を購入しました。
まぁ、C89版でも「Messenger -main theme-」は存分に堪能できたから、C89版にもそれほど不満を感じませんでしたが。

完全版とC89版との大きな違いは、

・C89版で収録されなかったBGM(「Re-awake」や「The end of messenger」など)も収録。
・完全版には、OP曲「アマデウス」、ED曲「ライラ」「GATE OF STEINER」、挿入歌「星の奏でる歌」がフルバージョンで収録。
・ついでに、モーツァルトの「ピアノソナタ第11番」の第1楽章と第3楽章も収録。

あたりでしょうか。
C89版に収録された曲は一通りこの完全版に再録されているので、完全版さえ買えば問題ないかと。
C89版にあるけれど完全版にない曲は、「GATE OF STEINER (game size)」ぐらいです。
C89版の「preview zero」は、完全版では「SG0 preview」に曲名は変わっているけれど、中身は同じっぽいです。

シュタゲ0のBGMは、ゲームプレイ中からその良さが気になっていました。
シュタゲのBGMも思っていた以上に耳に残りやすかったけれど、シュタゲ0のBGMも耳に馴染みやすく、かつ良曲揃いです。
物語の邪魔をせず良い感じに雰囲気を作ってくれて、盛り上がるところはガンガン盛り上げてくれるし。
かといって所謂”雰囲気音楽”ではなく、しっかりメロディが立っているから、OSTでも聴きやすい。
そんな感じで、少々言葉は悪いですが、率直に言えば解りやすく良曲ばかりです。
個人的には、シュタゲの曲よりもシュタゲ0の曲の方が好みです。

改めて完全版でBGMを聴き直したところ、シュタゲ0のBGMは、シュタゲの雰囲気にCHAOS;CHILD(以下、カオチャ)のテクニックが合わさったような感じがしました。
シュタゲの頃よりも更に進化(あるいは深化)しているような、そんな感じ。
カオチャの曲も大好きだし、シュタゲ0の曲もすごく良いし、本当に阿保剛さんGJです。

個人的には、C89版に収録されなかった「Re-awake」をこの完全版でようやく聴けたのが、一番うれしかったです。
シュタゲ0の中でも特に気に入っている曲のうちの一つだったけれど、C89版には残念ながら収録されなかったので、待ちに待っていました。
変拍子ありまくりで不安定な「Messenger」を4拍子に安定させつつ、シュタゲの「GATE OF STEINER」へと違和感なく繋げているあたりが、もうすごく熱い展開。
「GATE OF STEINER」のフレーズが前面で流れている裏で「Messenger」のフレーズも聴こえてくるのも、たまりませんでした。
この曲がゲーム内でかかるシーンとも相まって、聴いているだけで胸が熱くなります。
半ばこの曲のために、完全版を買ったような気もします。

メインテーマである「Messenger -main theme-」も特に好きな曲の一つです。
どれくらい好きかと問われれば、ヘビロテ上等なくらい好きです。
ひょっとすると、シュタゲ(無印)のメインテーマ「GATE OF STEINER」よりも好きかもしれないくらい好きです。
この曲も「Re-awake」に負けず劣らず壮大で熱くて、そしてドラマティックです。
変拍子が多くて(7拍子と4拍子がベースで、時々6拍子もあるのかな)、その不安定さがシュタゲ0らしいというか。
それと、良い感じのところで効果的に入るティンパニが聴きどころだと、個人的には思ってます。
このティンパニを生で聴きたいがために、この「Messenger」はカオチャの「WORLD」と合わせて、今の自分の中で二大”生オケで聴きたい曲”にノミネートされています。
・・・って、去年の暮れから言ってるな、これ。

「Berserk」も、聴こえてくる度に意識を持っていかれる曲です。
この曲、ゲームプレイ中はあまり意識していなかったのですが、OSTで聴いて「あれ、この曲、格好良い」と思いました。
半端ない重厚感と、その重さを力技で強引に運んでいくような疾走感に、妙な魅力を感じました。

ボーカル付き「GATE OF STEINER」は、何度聴いても迫力満点で素晴らしいアレンジ&ボーカルです。
これまでも「The Sound of STEINS;GATE 魂」でフルバージョンを聴いていたのですが、こうして他のシュタゲ0のBGMと一緒に聴くと感慨も一入。
あの「GATE OF STEINER」が、ポップや8bit音源風、オーケストラなど様々な形で編曲された末に、まさかボーカル付きでこんなに大きくなるとは。
ボーカルが付いても抵抗感なく音に浸れる、すごく良質なアレンジだと思います。
これは、シュタゲ0未プレイでもシュタゲ(無印)が好きなら、一度は聴いておいた方が良いくらいのレベルです。

素朴でシンプルだけど、そこが印象的な「星の奏でる歌」。
心に染み入るようなあたたかい歌が、聴いていてすこぶる心地よいです。
ボーカルは声優の方が担当されていて、ズバ抜けて上手いわけではないけれど、それが逆に純朴で良い感じ。

他にも好きな曲はたくさんあって、平均的にどれも良曲揃いです。
また、シュタゲ(無印)を彷彿とさせるようなメカニカルな曲や不穏な曲、ワイワイした曲がある点も、シュタゲ好きとしては高ポイントでした。
全体的にクオリティが高くて、聴き応えのあるOSTです。
ゲームプレイ済み推奨ですが、未プレイでも聴けるかもしれません。
少なくとも「Messenger -main theme-」と「GATE OF STEINER」(ボーカル版)は個人的には神がかってると思うので、ぜひ一度聴いてみてほしい曲です。
ただ、ブックレットにシュタゲ(無印)のネタバレがあるので、聴くならシュタゲクリア済みもしくはアニメ視聴済みの方が良いかもしれません。

[GMEV] Winter's Wnd ~『いけにえと雪のセツナ』ピアノリサイタル~

PS4/PS Vitaで発売されたRPG「いけにえと雪のセツナ」のピアノソロコンサート「Winter's Wnd ~『いけにえと雪のセツナ』ピアノリサイタル~」が10月4日開催されたので、行ってきました。
会場はトッパンホール。
19:00に開演し、20:45頃に終演しました。

10月5日発売のアレンジアルバム「Winter's End」の発売を記念した今回のコンサート。
演奏された曲は全て、「Winter's End」収録バージョンだそうです。

「Winter's End」は、ループ系の原曲をピアノ演奏に耐えられる形にアレンジした曲集。
原曲はOSTやゲームで何度も聴いていたのですが、アレンジ版はCD発売前だったこともあって、今回のコンサートで初めて聴きました。

確かに、BGMに徹していた原曲に比べて、緩急の展開がしっかりとついていて曲単体として独立した形になっていました。
原曲を核として残しつつも、展開部などを追加して外側を拡張させて、ドラマ性を持たせたような感じです。
原曲の延長というか、発展形というか。
原曲の曲の雰囲気は色濃く残っているので、「へぇ、あの曲がこうなったのか」という感慨を感じながら聴いていました。

アレンジにあたり、曲名も一新されたようです。
プログラムに記載の曲名だけでは、原曲のどれと対応しているのかわかりませんでしたが、聴いてみたら結構原曲がわかりました。
OST聴いてゲームプレイしてからあまり日が経っていないというのもありますが、原曲が意外と強く耳に残っていたからというのも理由としてありそうです。

単曲で成立する形にアレンジされているためか、原曲より聴き応えがありました。
たぶん、原曲を知らなくてもピアノ曲が好きならば、楽しめたのではないかと。

改めて「いけにえと雪のセツナ」の曲を聴いて感じたのですが、直球で攻撃的な曲がほとんどないのが珍しい感じがしました。
こう、ぐわっと気持ちを鷲掴みにして無理矢理揺さぶるような、そんな強い曲があまりないことに、今更ながら気が付きました。
どの曲も切なくも優しくて、耳や心にしっとり染み込むようなもの。
イメージは雪だそうですが、雪は雪でも、しんしんと降り積もる雪であって、吹雪ではない印象を持ちました。

そういえば、今回演奏された曲の中に戦闘曲が一曲もなかったような。
そもそも、「Winter's End」に収録されていないのでしょうか。
まだアレンジアルバムは演奏会で演奏された曲しか聴いていないのでわかりませんが。

演奏会後にアレンジアルバムを聴いてみたところ、やっぱり生音は良いなぁ、という結論に達しました。
アルバムは繰り返し聴ける利点があるけれど、臨場感では生音に勝てません。
今回の演奏会の会場のホールは音の反響が強くて、終始ピアノの音に包み込まれたような感じがあって。
音を耳だけではなく、肌からも感じるような、そんな感覚がありました。
そこは、CDでは得難い感覚だったので、演奏会ならではの経験でした。

また、ピアニストのJem Harding氏の演奏も素晴らしかったです。
一音一音が、雪の結晶のように、煌く粒のように舞っていました。
「いけにえと雪のセツナ」の寂しさや切なさもあるけれど優しさもある世界観が、上手く表現されていたと思います。

演奏中の運指を見ていましたが、楽譜自体はそれほど難しくなさそうな気がします。
めちゃくちゃ早いパッセージがあるわけでもないですし、テンポもゆったりですし。
少なくとも、超絶技巧が必要というレベルではないです。
クラシック音楽のピアノ曲を弾ける方ならば、十分に弾けるのではないかと。
アレンジアルバムには楽譜も収録されているので、弾いて楽しむのも一興だと思います。

まぁ、ピアノこれっぽっちも弾けない自分が言っても、説得力皆無ですが。
ピアノが弾けたら、たぶん「Winter's End」収録曲を弾いて楽しんでいたと思います。
・・・ピアノ、弾けたらなぁ・・・(遠い目

欠点があるとしたら、原曲同様にほぼピアノソロで統一されていたので、緩急の幅や音色の種類にどうしても限界があるあたりでしょうか。
また、曲の雰囲気も切なさ+優しさ+ゆったりさで統一されているので、どの曲も似たような曲に聞こえてしまいます。
その点は、原曲でもアレンジアルバムでもあまり変わりありません。
さらに、ゆったりとした曲が多かったので、寝てしまっていた方もちらほら見かけました。
ただでさえ音響の良いホールでピアノソロなのに、平日夜開催とか、睡魔に襲われても致し方ないと思います。

個人的にも平日開催は少々辛いので(主に翌日が)、可能であれば休日開催にしてほしかったです。
もし次回があれば、休日開催を検討してほしいです。

というわけで、「いけにえと雪のセツナ」の初のピアノコンサート。
しんみりとしっとり切なくも優しい気持ちを味わいつつ、しみじみとした感動を味わえた演奏会でした。
とりあえず、アレンジアルバムを紐解いて、演奏会の余韻に浸ろうかと思います。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] Playing Naruke Works! +PLUS

昨日の10月1日に、ゲーム音楽ポータルサイト「2083WEB」の7周年記念イベント「2083WEB 7th Anniversary × よみうりランド 1Dayスペシャルコラボレーション Playing Naruke Works! +PLUS」に行ってきました。
当日は、会場となったよみうりランドとのコラボ企画がいくつかあったのですが、ここではメインである演奏会について主に言及します。
演奏会以外の企画についての感想は、追記の最後でちょこっと触れたいと思います。

演奏会の会場は、よみうりランド内の日テレらんらんホール。
開演は18:05、終演は20:20頃でした。

今回で初めての「Playing Works!」シリーズ参加。
「Playing Works!」シリーズがこれまでにも何度か開催されていたのは知っていました。
その度に高評価を耳にしていたので、いつか行きたいと思っていました。
が、確かいずれも平日開催で、かつ会社を定時ダッシュしても届かないくらい会場が遠かったため、泣く泣く参加見送ること数回。
それが今回になってようやく念願かなって、「Playing Works!」に足を運べました。

これまでの「Playing Works!」シリーズでも同じ編成で演奏していたそうですが、「風とキャラバン」というグループ名で演奏会をするのは今回が初だそうです。
演奏された曲は、今年の夏コミに発売された風とキャラバンのCD「風とキャラバン -CROSSROAD-」に収録されている曲全曲と、未収録曲が数曲。
CD収録曲は、多少のアドリブ違いはあったものの、概ねCDバージョンと同じだったと思います。

そんなわけで、曲の雰囲気も概ねCDと同じです。
ケルト音楽をベースに、尺八などの和楽器も取り入れたもの。
純粋なケルト音楽ではなく、ケルト音楽にほんのり多国籍感が混じっている感じです。

演奏そのものはものすごく良かったです。大満足です。
CDでもその素晴らしい演奏に感銘を受けたのですが、コンサートの生音はさらに磨きがかかっていました。
まず、ホールならではの大音量なので、自宅スピーカーやプレイヤーとは単純に音の迫力が全然違います。
そこに、音だけでなくパフォーマンスも伴うためか、演奏から感情に訴えかける力が桁違いに大きく重かったです。
耳だけでなく目や肌からも音を感じられるかのような演奏で、感情を大きく揺さぶられた気がしました。
演奏の各フレーズが、ほぼ百発百中の勢いで、直接心にグサグサ刺さりまくりでした。

また、ただ演奏しているだけではない、曲への熱い想いがそこかしこから感じられて、どの曲も非常に情熱的な演奏でした。
オーケストラや吹奏楽とはまた違った、アコースティックなアンサンブルならではの深い情熱を感じました。
そこにすごく魅了されていたように思います。
人の心をグッと掴む感じが、さすがプロの業。
小並感満載な感想ですが、一言で言えば「すごかった」です。

ベースがケルト音楽ということもあってか、演奏を聴いているうちに広大な草原で聴いているような気分になりました。
情熱的だけど爽やかさもあり、穏やかさもあれば疾走感もあり、幻想的な非現実感もありで、会場がホールであることを忘れさせてくれるような雰囲気で。
むしろ、草原の地べたに座り込んで、好きなように気楽に聴きたくなりました。
MCでも少し触れられていましたが、演奏を聴きながらご飯を軽くつまんだりして、銘々に楽しむっていうのも良いなぁ。

演奏された曲は、全曲なるけみちこさんが作曲された曲です。
「WILD ARMS」シリーズと「ノーラと刻の工房」の曲が大半で、他にゲーム音楽ではないなるけさんオリジナル曲も数曲。
なるけみちこさんの曲が好きな人にはたまらないプログラムだったと思います。

ただ、原曲を知らないと楽しめないかというと、そうでもないと思います。
風とキャラバンのCDを聴いていたときにも感じたのですが、曲は曲としてケルト音楽風味に昇華、原曲を大事にしつつもゲームからは独立しているので、ケルト音楽が好きならばそれだけで楽しめると思います。
自分も、WAの曲もノーラの曲も知っているし好きだけど、熟知しているとまでは言えない程度のにわかです。
なるけみちこさんのファンでもありません。
それでも、一つ一つの演奏は、曲として、演奏として、どれも十分に魅了されたし堪能しました。

そんなわけで、演奏は桁違いに素晴らしくて熱くて楽しいものでした。
演奏家一人一人の業が唸って光るような、そんな演奏。
どんなに言葉を尽くしても足りないくらいに、素敵な演奏だったと思います。


これより下は演奏会のセットリストと、曲ごとの感想(主にCD未収録曲について)、演奏会以外の企画についての感想になります。