[GMEV] Game Addict's Music Ensemble 6th Concert

6/17に、ゲーム音楽専門の吹奏楽団「Game Addict's Music Ensemble」(通称、GAMEバンド)の演奏会「6th Concert ~イーファの樹の下で~」が開催されたので行ってきました。
会場は、越谷サンシティホールの大ホール。
開演は16:00で、終演は19:15頃でした。

■3時間超という長時間の中に凝縮された音によるゲームの世界
久しぶりに、3時間以上という長時間の演奏会を体験しました。
ここ最近は、公式主催(あるいは公式が後援)の演奏会の開催が随分増えましたが、そういった演奏会の大半は大体2~3時間。
そうではない有志による演奏会でも、3時間を超えることは滅多にありませんでした。
そういえば、3時間もたっぷりとゲーム音楽の生演奏漬けになったのは、いつ以来だろう。

途中2回の休憩があったものの、3時間以上座りっぱなしだったので、さすがに演奏会後はいつも以上に疲労感を感じましたが、同時に充実感もたっぷりでした。
ゲーム音楽を主体としたゲームの世界が、3時間の中にぎゅっと詰まっていて、とても濃密な世界がそこにありました。
ゲーム好き、ゲーム音楽好きとしては、そこに魅力を感じないわけはなく。
終わってみれば、あっという間の3時間でした。

とはいえ、尺が今回の演奏会以上に長かったら、さすがにダレていたと思います。
鑑賞する身としては3時間前後が限度でしょうか。
今回ぐらいの尺が、個人的にはちょうど良く感じました。

■回を重ねるごとに演奏はレベルアップ
GAMEバンドの演奏会に行く度に感じることですが、演奏自体は回を重ねるごとにレベルアップしているように思います。
GAMEバンドの演奏会には「2nd Concert」から足を運び続けていますが、その頃に比べると確実に相当上手くなっています。

2ndの頃から、ゲーム音楽への情熱は、他の団体に負けず劣らずでした。
ただ、情熱が先走っていて、演奏自体は決して手放しに褒められるものではありませんでした。
それが、数回前から音色に安定感が出るようになり、演奏を安心して聴けるようなっていきました。
音を盛大に外したり調和が乱れる回数が劇的に減って、すごく聴きやすくなりました。
その点は、今回も健在でした。

今回はその上に更に、ゲーム内の世界観や登場人物たちの情感までもが、曲によってははっきりわかるほど表現されていたように感じました。
ただ演奏するだけでなく、ゲームを知っている人だけでなく、ゲームを知らない人にもその雰囲気が少しでも伝わるようにという、そんな意思を演奏の端々から受け取りました。
ただ「この曲が好きなんだーっ!」という情熱をステージから放出するだけではなく、演奏側と観客側の間で思い出や記憶も含むゲームの世界を共有する空気感がありました。
その空気感が、とても心地良かったです。

■吹奏楽らしい力強く楽しい演奏
演奏自体は吹奏楽らしく非常に力強いものでした。
腹に響くような金管の低音や、心地良く耳を撫でていく木管、場に彩を与えて盛り上げる打楽器、どれも見事な演奏でした。
それらが上手く融合して一体となった音が、洪水となって押し寄せてくる様が感じられるほどに、圧倒されました。
その圧倒される感じが、楽しかったです。

楽しいと言えば、演奏者の方々からも「楽しい!」オーラをしばしば感じました。
難しい曲であるほどに、それが強かったように思います。
ゲーム音楽を演奏できる喜びはもちろんのこと、もっと根幹の吹奏楽自体も楽しんでいる様子が窺えました。
和音が綺麗に揃った時、難しいフレーズを決めたとき、その時々にそのような雰囲気を感じられて。
それに中てられたのか、その点も鑑賞していて嬉しいというか楽しかったです。

■吹奏楽用に原曲をうまく落とし込んだ編曲
アレンジはそれほど強くなく、かといって全くないわけでもなく。
原曲やゲームの雰囲気を色濃く残したまま、吹奏楽、それもアマチュアの楽団で演奏可能なレベルに落とし込まれていました。
原曲を忠実に再現するのではなく、ゲームの世界観や原曲のニュアンスを忠実に再現するような、そんな感じです。

原曲を知っている曲でも、違和感は特にありませんでした。
むしろ、吹奏楽用に壮大さが2~3割増しにアレンジされていた分、非常に熱くて満足しました。

ここはどうしても外せないという超絶技巧部分もいくつか残っていましたが、そこは演奏されている方々が頑張ってクリアしていました。
そのような難解な部分であってもトチることはあまりなくて、見事にクリアしていっていました。
そういう点からも、演奏者の方々のレベルアップっぷりを感じました。

■吹奏楽に合唱が加わったことによる幅の広いハーモニー
今回の演奏会には、ゲーム音楽のコーラス団体「Chor Crystal Mana」(以下、CCM)も賛助参加。
4th Concert以来の再登場です。

CCMのコーラスも、端的に言えばとても素晴らしかったです。
とてもしっかりと響き渡る歌声で、吹奏楽の演奏にさらなる花を添えていました。
吹奏楽だけでは限界がある表現の幅を、CCMの参加によってググッと広がっていて。
歌声が乗るだけで、こんなにも表現に幅が出るものかと感嘆しました。

また、CCMのコーラスの入り方が絶妙で。
ここでコーラスが欲しいなぁ、というところに入ってくるのはもちろんのこと。
ここでコーラスが加わるのか、という意外性もところどころにあって。
とにかくとても良かったです。
歌声の偉大さを、改めて実感しました。

■演奏会のテーマは「映画」
今回の演奏会の構成は、全3部構成。
第1部と第3部はがっちりした演奏で、第2部はGAMEバンドではお馴染みの演出たっぷりな演奏でした。

今回の演奏会のテーマは「映画」。
第1部と第2部は、その「映画」をもとにしたストーリー仕立てで進行しました。
そのテーマの都合上、某TVの映画枠のOPに流れるジングルが演奏されたり、映画館の上映前告知でお馴染みのカメラ頭のアイツが登場したりといった仕込みもありました。
カメラ頭のアイツについては、ちょうど演奏会の数時間前に映画館へ行ってきたばかりだったので、なんだか妙なデジャヴュを感じてみたり。
数時間前に見たばかりで本家本元の映像が記憶に新しくて、それと比較しながら見ていたのですが、再現度があまりに高くて驚きました。
違和感が仕事しませんでした。

第3部はテーマから離れて、FF9の曲を組曲仕立てでがっつりと演奏。
第3部は演出一切なしの、演奏によるガチンコ勝負でした。

GAMEバンドでお馴染みの演出は、全体平均を考えると、過去の演奏会に比べて控えめでした。
演出にかける力の大半を第2部に注ぎ込んだ形になっていたため、第2部だけが突出して演出が強かったです。

その第2部の演出ですが、力の入れ具合が良い意味でおかしなベクトルにすっ飛んでいました。
かなりがっつりとした演劇がステージ上で披露され、それに吹奏楽団による生演奏のBGMが付いたような感じです。
ネタを盛り込みつつも、シナリオだけではなく台詞まである演出で、本格的でした。
演奏よりも演劇の方に集中力を取られてしまって、演奏をあまりしっかり聴けなかった点だけが心残りでしたが、演出が素晴らしかったので文句はあまりありませんでした。
むしろ、楽しかったです。

■コスプレ楽団は今回も健在
GAMEバンドの演奏会と言えば、演奏者のコスプレも魅力の一つ。
今回も、第1部と第2部は、コスプレ姿で登場されていました。
それも、GAMEバンドの演奏者だけでなく、CCMの方々まで。
4thのとき以上にCCMがガチのコスプレをしていたことには驚きました。いいぞもっとやれ。

どのコスプレもゲームにちなんだものばかりなので、ゲーム好きとしてはたまりません。
自分の好きなキャラのコスを見つけると、テンションが上がりました。
なんだろう、なんでコス一つでこんなに熱く楽しくなれるんだろう。

■感想まとめ
毎回、耳で楽しめて目でも楽しめるGAMEバンドの演奏会ですが、今回も非常に楽しい演奏会でした。
今回は演奏により一層磨きがかかっていて、とても聴き応えのある演奏会でした。
CCMとのタッグも絶妙で、互いに良い感じに共鳴し合っていて、迫力と表現の幅のある演奏だったと思います。
次回の演奏会の概要の発表はありませんでしたが、次回もあればぜひ参加したいと思います。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、ゲームタイトルごとの感想になります。

[GMCD] ひぐらしのなく頃に奏

同人ゲームとして発表された後に数々のコンシューマ機に移植されたテキスト型アドベンチャーゲーム「ひぐらしのなく頃に」の弦楽アレンジ盤「ひぐらしのなく頃に奏」を一通り聴いてみました。
収録曲数は13曲で、再生時間はトータルで約55分。

「ひぐらしのなく頃に」の原作ゲームの方は、現在PS Vitaで「ひぐらしのなく頃に粋」を鋭意プレイ中です。
アニメ化された頃から存在は知っていたのですが、なかなか手を出せずに今日まで至ってしまいました。
「確かコンシューマ機でDL配信されていたはずだから、他にも積みゲーあるし、まぁ後回しでもいっか」とタカをくくっていたら、開発会社倒産の影響を受けて気が付いたときには配信停止。
最近(2017年春頃)ようやく配信再開されたのを機に、「今やっておかないとプレイできなくなるかも・・・」という危機感を煽られてプレイに至った次第です。
現時点ではまだクリアしておらず、ようやく罪滅し編のENDにたどり着けそうな目途がたったところです。
そして、プレイ時間は80時間を超えました。長い。。。

ついでに言えば、アニメはどれも未視聴です。
いつかゲームをプレイするつもりでいたので、あえてアニメ自体は避けて通っていました。
プレイする気のあるゲームについては、琴線に触れたその時点から、ゲーム内容に関する一切の事前情報を遮断しておきたくなる性質のようです、自分。

それでも、「ひぐらしのなく頃に」の超有名曲「You」は知っていました。
というか、むしろゲームをプレイするずっと前から大好きだった曲です。
アニメ化された際に発売されたイメージソングアルバム「かけらむすび」に収録されていた「you -Visionen im Spiegel-」がとても強烈に心に響いて、一発で惚れ込んでいました。
それ以来の大好きな曲で、原曲や他のアレンジも気になって聴き漁ったこともあるくらいです。

そんなわけで、今回のアルバムをゲットした目的の半分は、「You」の弦楽アレンジが聴きたかったことです。

そして、目的の残り半分は「why, or why not」でした。
こちらは、コンポーザさん目当てで原曲CDを買って好きになった曲です。
そもそも「ひぐらしのなく頃に」を知ったキッカケである「かけらむすび」をゲットしたのも、同じコンポーザさんが参加されていたからだったりします。
「かけらむすび」が想像以上に良いアルバムだったので、そのときに原作ゲームやアニメにも興味を抱いたのですが、何のボタンの掛け違いからか、結局今に至るまで先送りになってしまったわけですが。

今回のアルバム自体はゲームプレイ開始前に購入しました。
その直後に一通り聴いた後、ゲームプレイし始めたのを機に少し寝かせて、最近また聴き始めています。

ゲーム音楽ではよくあることだけど、ゲームをプレイする前と後とで、曲に対する印象がかなり変わりました。
弦楽器+ピアノというシンプルな編成のため、音色が非常にシンプル。
ゲームプレイ前に聴いたときはもうちょっと音の厚みが欲しいなと感じたほどに、シンプルさが際立っています。
そのため、最初は物足りなさを感じました。
もっとこう、ドーンとしたインパクトが欲しいな、と思ったこともあります。

が、ゲームをある程度プレイした今聴いてみたら、逆にこのシンプルさが「ひぐらしのなく頃に」らしい味わいを醸し出しているようにも思えます。
原曲も、しっとりとしたシンプルなBGMが多いし。
原作ゲームと原曲を重視した結果のシンプルなアレンジだとしたら、納得です。

原作がゲームということもあって、ここではゲーム音楽のアルバムとして取り上げましたが、収録曲の中にはアニメのOP/EDも含まれています。
前述の「why, or why not」も、確かアニメ1期のED曲だったと思いますし。
原曲を知っていると、今回のアコースティックなアレンジは新鮮に感じました。
耳に馴染んでいる原曲の面影を残したまま、弦楽器+ピアノによるしっとりとしたアレンジになっているので、興味深いという意味で面白く、そしてすんなり聴けました。
ただし、ボーカルは基本的に不在なので、そこは注意が必要かもしれません。
例外的に「You」だけVocalバージョンも収録されています。

それと、「You」のアレンジ違い、またはそのフレーズを使用した曲が思ったより多数収録されています。
「You」という名前を冠した曲だけでも3曲あり、さらに「Thanks」や「こころむすび」まであります。
アルバムの後半は、本当に「You」無双状態です。
「ひぐらしのなく頃に」って他にも多数の曲があるのに、こんなに「You」無双状態でいいのかな、とほんのり不安に感じたほど。
いやまぁ、「You」は好きな曲なので、個人的には問題ないしうれしいくらいですが。

そんなわけで、曲の構成比としては、アニメ・ゲームのOP/ED曲が4割、「You」とそのフレーズを含む曲が4割、残りの2割がその他というような感じです。
「You」以外の他のBGMをもっと聴きたかったなぁと思いはするけれど、「You」があまりにも有名だから仕方ないのかなと思うところもあり、絶賛ゲームプレイ中の身としては少々複雑な印象を否めません。
まぁ、「You」が神曲なのは揺ぎ無いのですが。

一通り聴いて一番印象的だった曲は「You-Destructive」。
聴き馴染みな「You」でありながら、切なさの裏に見える隠しきれない破壊衝動のような黒さが、妙に印象に残りました。
このアルバムにおいては珍しく激しい曲でもあります。
これが、すこぶる格好良い曲でした。
ゲームプレイ前も後も、この曲には妙に魅了されています。

弦楽アレンジ盤「ひぐらしのなく頃に」でしたが、シンプルながらもゲームの世界観が上手く表現されていて、面白い作品でした。
自分がそうであったように、聴くならばゲームをある程度プレイした後をオススメします。
また、「You」をたっぷり聴けるので、「You」が好きな方にもオススメかもしれません。