[GMEV] ファ・ディール室内管弦楽団 演奏会

2月11日(土・祝)に、「聖剣伝説Legend of Mana」(以下LOM)の楽曲を演奏するアマチュア楽団「ファ・ディール室内管弦楽団」の演奏会が開催されたので、行ってきました。
会場は、府中の森芸術劇場 ウィーンホール。
13:30に開演し、15:40頃に終演しました。

■LOM好きのLOM好きによるLOM好きのための演奏会
LOMの曲を演奏するために、アマチュアの有志により結成された「ファ・ディール室内管弦楽団」。
その演奏会が開催されると知るや否や、LOM好きとしては逃す手はありませんでした。
ゲームも曲も、どちらも大好きです。

今回演奏された曲の数は40弱。
OSTに収録されている曲のおよそ3分の2ほどが、今回の演奏会で披露されました。
ここまでたっぷりLOMの曲を生演奏で聴けるなんて、それだけでもう、たまりませんでした。

そんなLOMの楽曲を、テーマごとに分類してメドレー形式にして演奏。
全部で10楽章の構成になっていました。
この構成が、非常に良くできていたと思います。
全体の流れは、ゲームのオープニングからエンディングまでを再現。
その流れの中に、サブクエストや3つのメインシナリオ(エスカデ編、ドラゴンキラー編、宝石泥棒編)が組み込まれているような構成です。
曲の一つ一つをクエストに見立てると、それは即ち楽章の一つ一つがクエストの集まり(=連続クエスト)になり、そしてそれを楽章串刺しにして俯瞰するとゲーム全体の流れと同じになります。
それに気づいたとき、この構成を考えた方は本当にLOMが好きなんだなと思いました。

また、各楽章の名前が、1曲目と10曲目はともかく、他の第2~9楽章が全てアーティファクトのそれになっているところからもLOM愛が感じられました。
これは、センスが良いと思います。
あと、これを考えた方は本当にLOMが好きなんだなと(以下略

選曲について意外だったのは、ボスバトル曲が少なかった点。
本編で演奏された曲のうち、ボスバトル曲は「愚かなる宝愛」と「蒼范の時」の2曲のみかと。
(おそらく)人気の高い「Pain the Universe」などの汎用ボスバトル曲は演奏されませんでした。
とはいえ、これが、ゲームが内包している”優しさ”を重視した結果なのだとしたら、納得です。

■ノスタルジックさと優しさ満載の演奏
編成は、弦楽器+木管楽器+打楽器+ホルン+ピアノ+パイプオルガン。
オーケストラの標準的な編成から、ホルン以外の金管楽器を除いたような編成です。
クラシック音楽で使用される楽器の中でも古株なものが揃っているあたりも、ノスタルジックさの表れでしょうか。

演奏は、率直に言ってしまうと、決して上手ではありませんでした。
音が外れたり、リズムが狂ったりすることが頻発。
安定感は、終始ほとんどなかったです。
そのため、聴いていて不安を感じることがよくありました。
まぁ、そこはそれ、アマチュアの有志による無料のコンサートなので。

あと、ホールの造りが影響しているのか、音があまり伸びていない印象も持ちました。
音の広がりがあまり感じられないというか、こじんまりとしているというか。
音の主成分が観客席の奥の方へ到達する前に、その手前で落ちてるのか上に飛んでしまっているのか、芯の部分が抜けてしまっているように聴こえました。
中低音はともかく、特に高音域でそれが顕著だったように思います。
これ、違うホールだったら印象が変わるかもしれません。
パイプオルガン完備の500人規模のホールとなると、選択肢はわずかかもしれませんが。

ただ、演奏の端々から、丁寧に演奏しようとする前向きな姿勢が見られたところは好印象。
原曲の素晴らしさを全力で引き出そうとする情熱から、本当にLOM好きなメンバーばかりが集まっている楽団なんだなと、十分に思わせられるものがありました。

個々の楽器単位では、弦楽器とピアノの貢献度が特に高いように見えました。
それと、フルート(ピッコロ)の情感の込め方が適度で、非常に心地良い響きでした。

全体的には、ノスタルジックかつ優しさに溢れた演奏でした。
力強さはあっても刺々しさはほとんどない、切なさはあっても悲愴感はあまりない。
そんなゲームのふわっとした雰囲気に合わせたかのような演奏だったと思います。

■原曲再現度の高いアレンジ
アレンジの強度は低め。
むしろ、原曲をほぼそのまま再現したような編曲でした。
演奏する上で必要な編曲はあれど、本編で演奏された楽曲はどれもかなり原曲に近い形でした。
ただ、原曲をあまりに重視してそこに縛られたが故に、それが枷となってしまっているようにも感じました。
演奏の難しいところもそのまま再現しようとして、玉砕していたこともしばしば。

アンコールではその枷が外れたのか、逆に自由に伸び伸びと演奏しているように見えました。
アンコールの1曲目がかなりアレンジの施された曲になっていたので、本編もあれに近付けろとは言えませんが、もうちょっと演奏に無理のないアレンジにしても良かったのではないかと思いました。

■意外と気になった観客マナー
今回の演奏会で密かに気になったのは、観客のマナーの悪さでした。
マナーについては過去に行ったことのある演奏会でも多少気になることはありましたが、自分もマナーを完全に守っているのかと問われると自信がないし、大抵咎めるほどのことでもなかったのでスルーしていました。
が、今回はちょっと気になることが重なったので、妙に引っかかりました。

まず、途中入場された方の姿が気になりました。
1曲目終了後に途中入場された方が、次の曲が始まっても席が見つからず、しばらくウロウロ。
空席が見つからないこともあるでしょうからそれ自体は仕方ないと思いますが、せめて少し身をかがめるなりして、他の観客の視界を遮らない努力をしている姿勢を見せてほしかったなぁ、と思いました。
それと、靴音が意外と響いて演奏を阻害していたことも気になりました。

それと、第2部後半でよく聴こえたのが、入場時に配布されたクリップペンシルの落下音。
カツン、カツンと、5回ぐらい聞いたような気がします。
クリップ付いてるのだからパンフレットに挟んでおけよ、と3回目ぐらいから軽くイラッとしました。

他の演奏会でもたまに聞こえるのですが、最悪なのはいびき。
船を漕いだり熟睡したりという程度なら、他の方々の鑑賞の邪魔にならなければ問題ないと思います。
ただ、いびきだけは、本気で勘弁してほしいです。

ゲーム音楽の演奏会が多数開催されるようになり、演奏会自体の敷居が下がって鑑賞しやすくなったことは、個人的には喜ばしいことと思っています。
その一方で、観客マナーの悪さが目立つようになってきたことは、その反動なのかもしれません。
ゲーム音楽というカジュアルな演奏会でも、最低限のマナーはあります。
演奏会は音を楽しむものなので、せめて他の方々(観客も奏者も含めて)の楽しみを阻害するような行為は控えてほしいと思いました。

■密かな好感度アップアイテムだったパンフレット
演奏からはやや離れるのですが、パンフレットも個人的には好印象でした。
A3サイズ1枚両面刷りを6面折りにした、絵本サイズのパンフレット。
その絵本サイズというところに、またLOMっぽさを感じました。
ちょっとしたことと言えばちょっとしたことなのですが、細かいところまで徹底してLOMっぽさを追及している姿勢に好感を持ちました。

■感想まとめ
そんなわけで、アマチュア有志によるLOMオンリーの演奏会でしたが、演奏自体の質はともかく、随所からLOMへの熱い想いが伝わってきた演奏会でした。
演奏会終了後、なんとなくLOM充な気分になり、ほっこりしました。
これで演奏の質も向上したら、もっと面白い演奏会になりそうな気がします。
ぜひ、今後も随時演奏会を開催してほしいです。
ぐままままー ぐーまー ぐま!


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った楽章ごとの感想になります。


セットリストは次の通りです。
-----
※開演直前に「オルガンを弾こう!その2」の演奏あり。

[第1部]
1. オープニング
Legend of MANA ~Title Theme~/懐かしき歌/World of Mana
2. ポスト
心のある場所/パストラール/牧場にて/Maker's Galopp/夢見る果実
3. 積み木の町
ホームタウンドミナ/ディドルのオルガン/旅人たちの道
4. 愛のブローチ
断崖の町ガト/真実の行方/風歌う、その旅路/悠然なる歴世/二つの思惑 ~ルシェイメア~

※休憩時間終了直前に「オルガンを弾こう!」の演奏あり。

[第2部]
5. 蛍袋のランプ
月夜の町ロア
6. 震える銀さじ
彩りの大地/重なりゆく運命/駆け行く記憶/賜わりし絆へ/焔城
7. サンゴの燭台
港町ポルポタ/夢思う遠き日々…/海へ/夢想う遠き日々 ~セイレーンの歌~
8. 玉石の王杓
魔法都市ジオ/蒼い憂鬱/滅びし煌めきの都市/愚かなる宝愛/涙色した輝きの…
9. マナの剣
想いは遠くマナの樹に寄せて ~Theme of Mana~/マナの聖域/蒼范の時
10. エンディング
Nostalgic Song ~Ending Theme for Mana's Story~/Song of Mana ~Ending Theme~

[アンコール]
11. Last Battle Medley
愚かなる宝愛/真紅なる竜帝/Irwin on Reflection
12. Song of Mana ~Ending Theme~ (With Lyrics Version)
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これより下は、印象に残った楽章ごとの感想になります。

1. オープニング
「Legend of MANA ~Title Theme~」からLOMっぽいノスタルジックな雰囲気が満載。
そこから続く「懐かしき歌」で涙腺を刺激されて、感極まって軽く泣きかけていたのは俺です。
まぁ、そうなったのには紆余曲折あるのですが、

・「宝石泥棒編」がめちゃくちゃ好き。そのために何周もプレイした。
・その影響か、LOM関連で「ただいま…」の文字を見るだけで涙腺崩壊。
・パンフレットにその一言が載っていて、開演前の時点ですでに心を揺さぶられていた。

そんなところへ、ノスタルジックな「Legend of MANA ~Title Theme~」と「懐かしき歌」を畳みかけられてブワッときて、もうダメでした。
開演5分で泣かされるとは、さすがに思ってもみませんでした。

「World of Mana」は、ちょっと長かったように感じました。
OST準拠にしたら、あの尺になったのでしょうか。
ただ、小鳥のさえずりはGJです。

2. ポスト
マイホーム関連の楽曲のメドレー。
このメドレーの演奏からは、すごく「緑」を感じました。
演奏が脳内で緑色に変換されるというか認識されるというか。
原曲以上に緑っぽい空気感がしました。
特に「パストラール」でそれを強く感じました。

3. 積み木の町
「旅人たちの道」の演奏が素晴らしかったです。
ここまでゆったりした曲が続いていたこともあってか、「旅人たちの道」が演奏された途端にテンションが急上昇。
あの疾走感がそのまま再現されていて、熱い気持ちになりました。
原曲ももちろん格好良いけれど、生演奏で聴くとより一層格好良さが際立ちますねこの曲。

4. 愛のブローチ
エスカデ編メドレー。
2曲目の「ポスト」の時とは対照的に、このメドレーからは全体的に「黄色」を強く感じました。
それも、白っぽい黄色というか、淡い黄色というか、なんかそんな感じの色です。
無意識のうちに、ゲームのシーンを思い浮かべていたのかなぁ。

”終わりよければ全て良し”というわけではありませんが、「二つの思惑 ~ルシェイメア~」の流れるような空気感や秘められた決意がちゃんと再現されていた時点で、第1部はなんだか満足しました。
前半の不穏で静かな旋律から音が重なって後半に向けて盛り上がっていく流れや、後半に入ると一気に音が広がる様、後半で転調するところは、原曲そのままの格好良さ。
生音ゆえの情感たっぷりな演奏で、むしろ原曲以上の臨場感を感じました。
「二つの思惑 ~ルシェイメア~」はLOMの楽曲の中では5本の指に入るぐらい好きな曲ですが、今回の演奏は非常に満足しました。

6. 震える銀さじ
ドラゴンキラー編メドレー。
今回の演奏会の中で、曲の繋ぎが一番鮮やかだったメドレーでした。
すごく自然かつスムーズに繋いでいて、メドレー全体で1つの曲のようでした。

「彩りの大地」が人気の理由を、今回の演奏会でなんだかわかったような気がしました。
ゲームやOSTで聴いていたときいはあまり実感が湧かなかったけれど、普通に格好良くてたぎる曲でした。
今回の生演奏で、それを改めて認識しました。

「重なりゆく運命」から「焔城」までのドラゴンキラー編専用曲は、どれも原曲通りの骨太な格好良さをしっかり再現した演奏になっていました。
骨太でいて切なさもあって、その複雑なところがLOMっぽさでもあって。
特に「焔城」が生演奏で格好良さに磨きをかけられ、さらに格好良くなっていました。

7. サンゴの燭台
カニバッシング!(お約束

海岸付近で聴ける楽曲メドレー。
原曲でもそうだったし、今回の演奏でも強く感じたけれど、すごく「青」でした。
それと、「海へ」のチャカポコしているパーカッションが、生演奏でも聴いていて楽しかったです。
ちなみに、「海へ」を聴いて自動的にカニが思い浮かぶのは、LOMプレイヤーの仕様なので仕方ありません。

8. 玉石の王杓
宝石泥棒編メドレー。
ピアノがめちゃくちゃ映える曲のオンパレードになっていました。
宝石泥棒編専用曲をメドレーにすると、まぁそうなりますよね。

「愚かなる宝愛」は、1ヶ所ミスったら雪崩れるように後々まで響いてしまったところが残念でした。
難しそうな曲だし、一曲丸ごとパイプオルガンのソロだし、メロディが流れるようにずっと続くから立て直せる余地がないしで、まぁ仕方なかったかなとも思います。
連弾にしたらどうだろうとかちょっと考えてみたけれど、それはそれで片方がミスったら共倒れになりそうでリスクが高そう。
とりあえず、ぜひいつか、今回のリベンジを果たしてほしいです。リベンジ、聴きたいです。

10. エンディング
「Song of Mana ~Ending Theme~」は、歌詞付きで歌ってほしかったです。
あの草人らしさ満載の跳ねるような語感の歌詞が好きだったので、そこは外して欲しくなかったなぁ、というのが正直な感想。
この曲が終わったときは「え、あれ、歌詞は、どこ?」と戸惑いに似たモヤモヤを感じました。
また、ここまでがっつりとLOMを追求していたのに、ここであの歌詞を入れなかったところには違和感もありました。
まぁ、アンコールでがっつりしっかり歌詞付きで演奏してくれたので、その後にはきれいさっぱり帳消しになりましたが。

11. Last Battle Medley
3つのメインシナリオのラスボス戦曲のメドレー。
かなりがっつりアレンジが加わわりつつも原曲の熱さは変わらずで、めちゃくちゃ格好良い演奏でした。

「愚かなる宝愛」は弦楽器とコーラスをメインに、パーカッションも随所に散りばめたようなアレンジ。
コーラスが醸し出す教会音楽のような荘厳な秩序と、弦楽器が奏でるバロック音楽のような狂った無秩序が、絶妙なバランスで渾然一体となり、不思議な空間を作り上げていました。
その歪んだ感じがLOMの「宝石泥棒編」の雰囲気そのままで、「宝石泥棒編」が好き過ぎて何周もプレイした自分は一発KOでした。
これは本当に良いアレンジでした。

そこから続く「真紅なる竜帝」も「Irwin on Reflection」も、すごく格好良かったです。
特に「Irwin on Reflection」については、管弦楽団の演奏なので原曲のロック色はほぼ消えていたけれど、これはこれでたぎりました。
なんかもう、「来たっ! 来たよこれっ!!」というたぎる感情で一杯になりました。

12. Song of Mana ~Ending Theme~ (With Lyrics Version)
歌詞付きバージョン。
ちゃんと原曲の歌詞をそのまま、コーラス隊の方々が歌ってくれました。
やっぱり「Song of Mana」はこの歌詞がないと。歌詞の語感って、超重要。

聴き終わった直後は、正直なところ「なんでこれを本編ラストに盛り込まなかったんだっ!」と思いました。
目の前に机があったら、渾身の力で両手でダンッと打ち付けているところです。
本編のふわっとした優しい流れに歌詞をぶち込むと統一感が崩れるとか、歌詞の読み方の解読に時間がかかって間に合うかどうかギリギリだったから安全パイを取ったとか、そういう事情でしょうか。
本編の「ラララ」版でモヤモヤした気分が、アンコールで念願の歌詞付きバージョンが聴けて、ようやくすっきりエンディングを迎えられたような気がしました。

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