[GMEV] 魔女と百騎兵-Concert- 魔女たちの幻想夜会

3月25日(土)に、日本一ソフトウェアのA・RPG「魔女と百騎兵」のBGMをメインにしたコンサート「魔女と百騎兵-Concert- 魔女たちの幻想夜会」が開催されたので行ってきました。
会場は、府中の森芸術劇場 ウィーンホール。
開演は18:00で、終演は20:15頃でした。

■日本一ソフトウェア主催による日本一ソフトウェア作品初の公式ホールコンサート
今回のコンサートは、日本一ソフトウェア主催の「魔女と百騎兵」を主軸としたものでした。
なんでも、コンサートホールで演奏するような形の公式コンサートは、今回が初だそうです。
バンド形式のコンサートは過去に「ディスガイアナイト」などの例がありますが、音楽ホールで座って聴くタイプのものは確かに記憶にないかも。
ただ、岐阜の隣県を拠点とする某アマチュア楽団が、かつて「魔女と百騎兵」や「ディスガイア」の曲を演奏していた覚えがあります。
あの時、「魔女と百騎兵」の曲が聴きたくて、行こうかどうしようかギリギリまで真剣に悩んだんだよなぁ。
結局、旅費を前にして膝を折りました。

それにしても、ゲーム会社自身が主催する演奏会というのは、ここ最近では珍しかったかもしれません。
近年は、主催はゲーム会社ではなくてイベント企画会社(あるいは団体)で、ゲーム会社は「協力」や「協賛」というサポート的な立ち位置であることが多かったので。
その点は、少し意外に感じました。
が、日本一ソフトウェアという会社の特性を考慮すると、まぁ主催してもおかしくないという気がするから、不思議なものです。
個人的なイメージですが、日本一ソフトウェアって、やりたいことをやりたいようにやる、良くも悪くも挑戦的な会社(その結果、大穴を引き当てることも、大暴投することもある)という印象を抱いています。

■小規模な編成ながら迫力のサウンド
今回演奏された曲は、次の作品のBGMでした。

・魔女と百騎兵(以下、魔女百)の無印, 2
・ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団(以下、ルフラン)
・魔界戦記ディスガイアシリーズ

これらの作品のBGMが、アコースティックなサウンドで演奏されました。
編成は、

・ヴァイオリン(1st, 2nd)
・ヴィオラ
・チェロ
・ピアノ
・ギター(アコースティックギター, エレキギター)
・パーカッション
・アコーディオン

と、総勢8人による小規模なアンサンブル形式。

確かに、編成だけ見れば小規模です。
が、演奏全体の迫力はものすごかったです。
アンプを使っていたからかもしれませんが、まず音圧がすごい。
そして、原曲の拡張するような編曲の見事さがすごい。
さらに、演奏に込められた熱量がすごい。
それらが三位一体となって観客席に襲い掛かってくるような感じで、とにかくすごかったとしか言いようのないすごさでした。

■原曲を生かしつつ、よりダイナミックに拡張されたアレンジ
編曲は、今回の編成に合わせてがっつり手が加えられていたと思います。
魔女百とルフランに関しては、原曲の雰囲気を色濃く残しつつも、今回の編成を生かすようにアレンジされていました。
あの原曲に含まれていた独特の妖しさと美しさはそのまま。
それを継承しつつ、各楽器の魅力を最大限に引き出し、かつ曲自身が持つ魅力も増幅させるような、そんな思慮が見えました。
ゲームを知らなくても十分聴けるような、一つの曲として演奏が成立するような、そんなアレンジです。

ディスガイアについては、実はシリーズ作品のいずれも未プレイでOSTも聴いたことがないので原曲を知らないのですが、魔女百やルフランと同様に上手くアレンジされていました。
原曲を知らなくても、すごく楽しめました。
また、魔女百やルフランの中に混ざっても違和感のない雰囲気に仕上がっていて、ガチで「混ぜるな自然」状態だったのも印象的。
あまりにも上手く魔女百の雰囲気に寄せていて、心底驚きました。
その寄せっぷりのあまり、逆に原曲がどんなものなのか気になったくらいです。
原曲はもっとロックっぽかったり讃美歌っぽかったりするのかな。

■編曲の妙に見事に応えた迫真の演奏
そんな素晴らしい編曲に対して、演奏も見事に応えていました。
演奏者一人一人の技量の高さも素晴らしかったし、演奏に込められた熱量も半端なかったです。
各楽器の音色が混然一体となり、大きな熱量を伴った塊になって、客席に向って飛んできていました。
そのあまりに熱量の高い迫真の演奏に、最初から最後まで心が震えっ放しでした。
魔女百っぽい表現をするなら、圧倒的なまでの音の狂宴、といった感じです。
熱量を伴ったプロの技ってすごい。本当にすごい。
圧巻の演奏でした。

中でも、弦楽器がすこぶる格好良かったです。
特に1stヴァイオリンがめちゃくちゃ格好良くて、演奏時間の半分以上を費やしてガン見していたような気がします。
また、アコーディオンの演奏もとても良かったです。
アコーディオンが入ると途端に魔女っぽさが増すのは、良い意味で卑怯というか、上手い効果というか。
正直、たまりませんでした。

また、演奏者の方々がみんな、今回のコンサートの曲を楽しそうに演奏されていたのも印象的でした。
演奏するのが楽しくて仕方がない、という雰囲気が、音からも姿勢からも伝わってきました。
特に1stヴァイオリンの方が、時折微笑みを浮かべながら弾いていらしたのが実に楽しそうで、聴いているこちらも楽しくなりました。
自分の好きな曲を楽しそうに弾いてくれると、聴いてる方も嬉しくて楽しくなります。

■次回コンサートの会場は岐阜?
コンサート中、ゲストとして佐藤天平さんと新川社長が度々登壇されて、トークを披露されていました。
トークの内容で覚えているのは、

・かつて日本一ソフトウェアがパズルや麻雀ゲームばかり作っていた時代、いよいよ潰れそうというときに「いっそ潰れるならRPGを作って華々しく散ろう!」と新川氏が当時の社長を説得して作られたのが、ミュージカルRPGの「マール王国の人形姫」。
・ミュージカルRPGということから、当時ミュージカルの楽曲も手掛けられていた佐藤天平さんに声がかかった。
・話を持ち掛けられた際、佐藤さんは「よくぞ見つけてくれた」と嬉しく思い、渋谷の坂(当時、日本一ソフトウェアのオフィスが渋谷の坂の上にあったらしい)を足取り軽く降りていったらしい。早く曲を作りたくて仕方なかったそうな。
・初代ディスガイアは、再び会社が潰れかけたときに、新川社長を含めたスタッフ3人が集まって、「魔界」という世界観だけ決めて各々好き勝手に作り始めて、後日合体させてできたもの。
・「魔界」という何でもありの懐の広さが功を奏した。
・音楽について、ディスガイアは何でもありの広がりのあるサウンドを心がけていて、魔女百やルフランは逆に凝縮したサウンドのイメージを大事にして曲を制作した。

新川社長本人も仰っていましたが、なんだか「会社が潰れる」ネタの多いトークだった気がします。
率直に言えば、今も傍から見ていて危なっかしい感じがするので、もはや伝統芸なのではないかと思ってますが。
潰れそうで潰れないしぶとさとしたたかさが。

あと、コンサートのメインであるはずの魔女百に関するトークが少なかったです。
知名度で言えばディスガイアの方が遥かに上なので、まぁ、仕方ないのかな。

新川社長自身はまたこのようなコンサートを開催したいようなので、次回も期待できそうです。
「この日のためだけに編曲して、メンバーを揃えて、会場を押さえて・・・なんて勿体ないから、またやりたい」というような発言をされていました。
ただし、「ワイン片手に屋外でゆったり聴きたい。岐阜城とか、関ケ原の合戦場とかで」とも仰っていたから、会場が岐阜になる可能性が無きにしも非ず。
岐阜かぁ・・・遠いな・・・。
というか、新川社長、本当に岐阜が好きだな。

■感想まとめ
妖しくも美しい魔女百やルフランなどの楽曲を、非常に情熱的に演奏されて、とてもたぎった演奏会でした。
新川社長もトークで発言されていましたが、他にもこの形で聴いてみたい曲があるので、ぜひ次回コンサートも期待したいです。
そのときもまた、足を運んでみたいと思います。

ただ、会場が岐阜だったら、ちょっと考えます。

あ、その前に、まず魔女百のアレンジサウンドトラックの再販をお願いします。
Amaz○nで「いつか買おう」と欲しいものリストに入れておいたらいつの間にか売り切れていて、「いつか再販されるだろう」と思っていたけれどいつになっても再販されなくて、今「在庫のあるうちに買っておけば良かった」と密かに悔し涙を流しています。
パンフレットに掲載されていたくらいなので、きっと再販してくれると期待しています。
心の底から、期待しています。(大事なことなので


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。


セットリストは次の通りです。
-----
[第1部]
-魔女と百騎兵シリーズ-
1-01. Chelka
1-02. ウィッチカクテル
1-03. Moon Wars
1-04. Regret

-ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団-
1-05. Draw Near
1-06. Green Blood
1-07. A the ha lluri da

[第2部]
-魔界戦記ディスガイアシリーズ-
2-01. ラハール様の讃美歌
2-02. Lieze Lullaby
2-03. Sparkling
2-04. カナリア航海

-魔女と百騎兵シリーズ-
2-05. 百輪の薔薇
2-06. Romantica
2-07. Say Good-by

[アンコール]
E-01. 魔女と百騎兵より「マギアージュ」
-----

これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

1-02. ウィッチカクテル
この曲の演奏が始まった瞬間に、「魔女百キターッ!」という印象を強く持ちました。
魔女百1をプレイしていて長時間聴いた曲なので耳馴染みですし、魔女百と言えばこの曲とも言える曲なので。
演奏を聴いているだけで、百騎兵の「もきゅ?」が脳内再生されました。

原曲と同様にアコーディオンの響きがいかにも魔女っぽい妖しさを醸し出しつつ、そこに弦楽器やギターの音色を加えることで力強さも補強されたような編曲でした。
欲を言えば、女性コーラスが欲しかったなと思いましたが、でも十分に魔女らしい妖しさ満点の演奏でした。

1-03. Moon Wars
魔女百の原曲の雰囲気も満載でしたが、そこに疾走感が加わった超格好良い曲になっていました。
弦楽器とピアノの掛け合いがすごく格好良くて、一度聴いただけで虜になりました。
とにかく格好良かったです。これは良い。
今回の演奏会で披露された曲の中では、1, 2を争うくらい好きな演奏だったかも。

1-04. Regret
前3曲がガンガン押してくる演奏だったのが、この曲でようやく少しクールダウン。
ここまで「おぉ! すげー! 格好いい!!」とたぎってばかりでしたが、ここでは一息つけました。
原曲通りのしみじみとしたバラード調でしたが、原曲以上に情感たっぷりな演奏。
原曲もすごく良い曲なのですが、今回の編曲+生演奏はさらに感動的になっていました。

1-05. Draw Near
ルフランの曲だけど、すごく魔女百っぽい曲。
魔女百の曲を4曲演奏した後の1発目のルフランでしたが、曲の空気感のギャップは全く感じられませんでした。
パンフレットで「魔女シリーズ」としてルフランも一括りにされていたのが、なんとなく理解できたような気がします。
これ、魔女百の曲が好きな人ならば、きっと好きになれる曲だと思います。
今回の演奏を聴いて確信しました。

1-07. A the ha lluri da
今回の演奏会では、アレンジアルバムにあったボーカルやコーラスはありませんでしたが、それでも十分に感動的な演奏でした。
旋律が心に染み込むほどにとても綺麗で。
特に後半から終盤にかけての盛り上がるところは、泣きそうになったくらいグッときました。
弦楽器、ギター、ピアノ、ドラムが混然一体となってグワッと盛り上げてくるところは、民族音楽調の曲が好きな方は必聴と思えたほどの演奏でした。

2-01. ラハール様の讃美歌
・・・・・・讃美歌?
というのが、最初に聴いたときの印象でした。
まぁ、舞台が魔界だし、何でもアリだからいいのかな。

讃美歌かどうかはともかく、曲自体は好きかもしれません。
ディスガイアの曲は1曲も聴いたことがないので、原曲と今回演奏された曲は全く雰囲気の異なるものなのかもしれませんが。
少なくとも今回演奏された曲は、なんかこう腹黒さすら感じる雰囲気がすごく自分好みでした。

2-02. Lieze Lullaby
本公演における爽やか担当曲。
演奏を聴いた第一印象は、「草原の風みたい」でした。
弦楽器の音色が、ここまで演奏されてきたどの曲とも全然違っていました。
妖しさや力強さが鳴りを潜めて、爽やかさが際立っていました。
ディスガイアの曲はロック調という勝手なイメージを抱いていましたが、こういう曲もあるのか。
今度、原曲をちゃんと聴いてみたいな。

2-03. Sparkling
本公演におけるロック担当曲。
むしろ、本公演において唯一のロック曲。
さっきの爽やかさは何だったんだ、というくらいのロック調でした。

とはいえ、弦楽器などのアコースティックなサウンドも混ざっているので、ゴリゴリのロックというわけではありません。
弦楽器の音が、エレキギターの尖った音色を包む形になって、やや柔らかくなっていました。
そのおかげで、激しいだけのロック調が苦手な自分でも、十分に楽しめました。

2-05. 百輪の薔薇
今回の演奏会の曲は大体どれもたぎる演奏だったのですが、その中でも特にたぎった演奏でした。
アコーディオンと弦楽器の絡みは、非常に聴き応えがありました。
原曲同様に、とにかく格好良かったです。

2-07. Say Good-by
原曲にあるボーカルはありませんでしたが、十分に聴き応えのある演奏でした。
その中でも、確かこの曲だったと思うのですが、ドラムが印象的でした。
冒頭の腹の底にズンッと響くようなドラムの音で、一気に曲に引き込まれたような気がします。

また、曲の編曲も展開も素晴らしくて、力強さと前向きさと一抹の儚さの感じられる曲になっていました。
本編ラストに相応しい、心の揺さぶられた演奏でした。

E-01. マギアージュ
アンコールできたか、この曲。
確かに、2のエンディング(かな?)を演奏しておいて、この人気曲を演奏しないなんて勿体ないことはしないか。

ボーカルはありませんでしたが、オーラスらしいノリノリの演奏でした。
観客席からは、自然と手拍子が上がっていました。
確かに原曲からしてノリやすいし、今回の演奏でもそのノリは継承されていたので、手拍子したくなる気持ちはわかります。
自分も思わずしていました。
1のエンディング曲ということもあってオーラス曲という雰囲気が強く、「これで終わっちゃうのか」と寂しくもありましたが、手拍子も含めて楽しく聴けました。
全編通した最後の〆に「マギアージュ」という流れも良くて。
結論としては納得感を強く感じた満足した演奏会でした。

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