[本] CHAOS;CHILD -Children's Revive-

2017/04/08(土) 11:31:37 | カテゴリ:
原作・MAGES/著・梅原英司「CHAOS;CHILD -Children's Revive-」(講談社ラノベ文庫)読了。

Xbox One/PS3/PS4/PS Vita他で展開されているADVゲーム「CHAOS;CHILD」(以下、カオチャ)の後日談を描いたノベライズ「CHAOS;CHILD -Children's Revive-」が発売されたので、発売日に買って一気に読みました。
遅読っぷりには自信のある自分ですが、読み終わるまでにかかった時間は5時間ぐらい。
クセのない文体なので読みやすくて、ラノベにしてはさくっと読めました。

ちなみに、読み終わったのは発売日の4日後で、それからこのレビューを投下するまで少し時間が経っているのは、1日違いで発売された「CHAOS;CHILD らぶchu☆chu」を絶賛プレイ中のためです。
そっちは現在進行形で、ようやく半分ぐらいまで進んだかな、というあたりです。
正直なところ、SNSやニコ動のコメントなど受動的に目に入ってきてしまう情報から極力ネタバレを回避し続けるのにも若干疲れを感じてきていて、なんかもういっそネット絶ちしたいなと思いつつあるところです。

閑話休題。

舞台は、カオチャのトゥルーエンド後。
あの印象的なエンディングから、それほど時間の経っていない頃です。
主要登場人物たちそれぞれの身に起きた出来事が、オムニバス形式で綴られています。

カオチャ本編トゥルーエンド後の話という事情もあるため、本書はカオチャ本編をトゥルーまでクリア済みであることが前提です。
というか、裏表紙のあらすじに本編のネタバレが掲載されているので、それ以前に本編未プレイの方は本書を手に取ってはいけないレベルかもしれません。
内容自体もカオチャ本編とかなり密接に繋がっています。
本編を知らないと、内容の半分も理解できないと思います。

逆に言えば、カオチャ本編をクリア済みで、あの後の彼ら彼女らが気になる方には、オススメの作品です。
カオチャのメインシナリオライターさん直々に書かれた作品ですし、内容もハッと考えさせられるものがあちこちに散りばめられていて面白かったです。

本書に綴られている物語はどれも、カオチャ本編ほどセンセーショナルなものではありません。
各登場人物たちの”日常”生活の中で起こった、ちょっとした変化の物語です。
ただ、それだけに、どの物語も心にズシンと来ました。
”ちょっとした変化”の匙加減が絶妙で、なんだか妙なリアル感がありました。
カオチャ本編も第三者的立場で物語を読み進めていったら最後にぐっさりと心を抉られたのですが、本書の後日談の場合は少しずつ優しく心を削がれていくような感じがしました。
カオチャ本編のようなセンセーショナル感が低減されている分、より一層「あ、あり得そう」というリアル感を強く感じました。
特に、カオチャ本編を現実で報道されている事件に置き換えて考えると、さらにそれが強くなるかと。

ただ、カオチャ本編と異なり、読みながら心を削がれつつも、削がれた先から削がれた分だけ修復させられます。
その点では、読者にとっても登場人物たちにとっても優しい作品だったと思います。

読後感は、なんというか、いろいろな感情が入り混じって言葉にするのが難しいのですが、「良かった」でしょうか。
一抹の寂しさと侘しさがありつつも、救いも感じました。
カオチャ本編の延長線上の物語なので、完全にすっきりさっぱり綺麗に完結させることは、まずできません。
第三者による興味本位の汚い部分も、あちこちで結構描かれています。
それと比較するような形で、当事者同士で互いに助け合いながら、周囲の逆境に毅然と立ち向かっていく強さもあったり。
あの事件が残した傷痕を抱えつつも、それでも地道に、普通に、前向きに生きていくいく姿には、感動を覚えました。

しかし、カオチャ本編でもそうだったけれど、本書もネタバレをしないように気を付けて感想を書くのが難しい作品です。
気になったら、カオチャ本編クリア後にぜひ読んでみてください。
カオチャ本編トゥルーED後、残された当事者たちのその後の生き様が気になる方にはオススメです。


これより下の追記は、ネタバレ満載の感想になります。
本書だけでなく、カオチャ本編のネタバレにも触れることになるので、読み進める場合は注意してください。
LCCはまだプレイ中だから、そっちにあまり触れないと思います。


あくまで感想です。考察なんて高尚なものではありません。
あと、考えがまとまっていないので、箇条書きの殴り書き状態になっています。
ひどく読みにくいかもしれませんが、「この人はこう感じたのかー」程度に軽く流していただけると幸いです。

・メインキャラの中で唯一拓留だけが一切姿を現さなかったけれど、存在感はとんでもなかった。
・ヒロインズの拓留に対する信頼感、半端ない。
・拓留が仲間たちに残したものが、実はとても大きなものだったことが判明。
・その大きさを台詞の端々から感じられて、なんだか少しでも拓留が救われている感じがした。
・ゲームクリア時は拓留救済の世界線(というか未来)を望んだけれど、本書を読んで少し救われた気分になった。
・諸事情により結衣も出てこないけれど、これはまぁ、仕方ないよね。うん。
・全ての真実を知っている当事者の中に、結人も含まれていたことが判明。結衣殺害の実行犯が誰なのか、事件がどのようなものだったのかは、結人にも伝えられていたのか。
・結人はまだ幼いから、事件の全容は伝えられていないのかと思っていた。
・というか、結人がものすごく大人だった。
・渋谷地震時の結衣と結人については、カオチャ本編でもノベライズ「とある情弱の記録」ではかなりぼかされていたし、本書でも多少ぼかした表現になっているけれど、本書が一番詳細に説明されていた。正直、生々しくてあんまり想像したくないし、そのときの結衣や結人のことを考えると胸が痛い。
・被害者家族と加害者家族がイコールってのは、第三者から見ると特殊な状況なんだろうし、そもそも特殊な事件だったからなおさらなんだろうし、でも青葉寮の3人の心情を考えると切ない。切ないけれど、3人とも強い。その強さを支えているのが拓留の存在って考えると、拓留尊い。
・小森さん、警察官には向いてるけれど、保育士には向いてないんじゃないかな。怒り心頭に発したときの言動の迫力が怖い。
・ただ、結人に石を投げつけたクソガキとその母親に対しては、小森さんGJ。胸がスッとした。こいつ補導してもいいんじゃないかぐらいのレベルで苛立ったので。
・拓留信奉者って、やっぱりいるのか。
・華が委員会作り出したのは、正直驚いた。
・元CC症候群者っていうだけで色眼鏡で見られるの、自分が想像する以上に辛いんだろうなぁ。
・当事者らの気持ちや真実を知ろうとせずにただ面白がる第三者って、現実の世界でも普通に時々見かけるだけに、初山さんのツイぽの件が生々しい。
・自分もそうならないように気を付けないとなぁ。
・川原くんは重病でトゥルーED後も復帰できていないそうな。まぁ、あの来栖至上主義にとって、来栖が実は南沢だったっていう現実はキツイのかもしれない。納得。
・雛絵の演説が格好良かった。不利な状況を素直に認める潔さと、それを逃げ道にしない強さが。
・久野里さんと神成さんのコンビがすごく好き。
・PS版初回限定版特典のオーディオドラマは正史のようだ。
・伊藤くん、とりあえず最悪の状態は免れたようで良かった。精神面のダメージはまだまだだろうけれど、身体面は動ける程度まで快復しているみたいだし。それだけでも救いだ。
・結人がものすごく大人だった(2回目
・でも、結人が本音を溜め込んでいないかどうかは少々心配。描写を見る限りでは、結衣の事件に関して結人の中では一応折り合いが付いているみたいだけど。
・伊藤くん的にはどうなんだろう。結人に赦されたことで救われたのか、それとも糾弾された方が良かったのか。
・泉理の手紙が間章として挟み込まれているんだけど、その度に拓留の返信がどんなものなのか気になって仕方ない。
・というか、トゥルーED後の拓留の様子がすごく気になる。もし辛いことがあっても泉理たちには隠そうとしそうだし。自分の中でも押し殺そうとしそうだし。本当は辛いのに辛いと言えない、思ってはいけない、受け入れなければならない、人の弱さを受け入れられるくらいに自分は強くなくてはいけない、て思い込んでいて、それが彼の心のひずみになりそう。そのへん、LCCを最後までプレイすれば少し分かるのかな。
・世莉架と他のメンバーは、結局離れたままなんだな。まぁ、それで良いと思う。
・世莉架も世莉架で、多少のしこりはありつつも、ちゃんと”普通の女の子”らしい”日常”を送られているようで何より。

・本書は全編を通して、タイトル通り”Revive”――再生の物語だった。
・決して元の生活には戻れないし、”普通”にもなれないけれど、それでも少しずつ自分たちの”日常”を取り戻し、前向きに進んでいこうと悩みながらも努力しているその姿勢には感銘を受けた。自分には真似できない強さを感じた。
・仲間って、いいな。

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