[GMEV] BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2017 with Siena Wind Orchestra

FINAL FANTASYの楽曲を吹奏楽で演奏される公式コンサート「BRA★BRA FINAL FANTASY」(以下、BBFF)が、今年も全国各地で開催されています。
そのうち、4月22日に開催された埼玉公演に行ってきましたので、その感想を記します。
会場は、大宮ソニックシティ 大ホール。
開演は14:00で、終演は16:25頃でした。

■「とにかく楽しむゲーム音楽コンサート」がコンセプトのユニークなコンサートシリーズ
BBFFには、昨年の2016に引き続いての参加。
今回、東京公演を選択せずに、わざわざ埼玉公演を選択したのは、

・土曜日の昼開催
・大宮は、自宅からそれほど遠くなく、交通の便も良い
・チケットの競争率が、東京公演よりも高くなさそう

という好条件が重なった結果でした。

もっとも、結果的に競争率はあまり気にしなくても良かったようですが。
当日券が発売されても、なお空席がちょっと目立っていました。
DQの吹奏楽コンサートが、時間的にも真裏で、かつ同じ埼玉県内で行われていて、それで客足が分割されてしまったようです。

BBFFのコンセプトは「とにかく楽しむゲーム音楽コンサート」。
手拍子OK、曲の終わりに軽率に「ブラボー!」と叫んでもOK、もちろんじっくり曲に集中するのもOK。
個々人の楽しみたい形で楽しめる、堅苦しさの全くない、非常に気楽なコンサートでした。

その気楽な場の雰囲気を作り出していたのが、FF音楽の生みの親の植松伸夫氏。
今回は製作総指揮という肩書にも関わらず、前説やMCすらも自らでこなす八面六臂っぷりを発揮。
さらに植松氏のユーモラスな人柄もあってか、場の雰囲気を温かくする一助であったような気がします。
今回演奏される曲の生みの親が「自由に気楽に楽しもう」と言っているのだし、じゃぁ楽しもうか、という気分にさせられました。

■「とにかく楽しむ」にしては、意外と守られていた参加者マナー
それくらい気楽で自由なコンサートにしては、最低限のマナーは守られていました。
フライング拍手&フライングブラボーをしない、演奏中の耳障りな雑音は極力控える、静かな曲やしっとりした曲は静かに聴く、などといった点はきっちり死守。
それに加えて、手拍子にしても、指揮の指示に従って控えるところ(ソロが入るため)や、曲が終わる指示が入ったところは、綺麗に揃っていました。
この揃い方が本当に見事で。誰一人ズレることがなかったところがすごかったです。
参加者のみなさん、熟練者揃いなのか完璧に調教され過ぎ。まぁ、自分もだけど。

ほんの少し前に、Twitterで「コンサートで軽率にブラボー!を叫びたい」「もっとノリノリで演奏を楽しみたい」というツイートが流れてきましたが、それを現実にやってみせたような演奏会でした。
楽しむところはみんなで大いに楽しんで、それでも最低限のマナーは守るという、演奏会の理想形の1つのように思えました。

■アルバム「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3」をベースにした曲構成
演奏された曲は、基本的にアルバム「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 3」(以下、BBFF3)に収録された曲でした。
演奏曲の8~9割はBBFF3の曲で、数曲だけ1, 2から選曲。
BBFF3発売合わせのコンサートツアー(もしくはコンサートツアーに先駆けて発売されたBBFF3)なので、演奏される曲の大半がBBFF3の曲ということは予想できていましたし、その選曲や曲の並びにも特に不満はありませんでした。

ただ、BBFF3に収録された曲は全部演奏された点は、少し意外でした。
てっきりBBFF3に収録されていても演奏されない曲が、きっと1, 2曲あるのだろうなと思っていたので。

アレンジは特になく、ほぼBBFF3のアレンジのまま演奏されました。
あるとしたら、ほんの少しの音のバランスの違い程度です。
座席位置とホールの響きと生演奏によるものと思われるので、些細な違いです。

■難局も鮮やかに魅せた吹奏楽の良さ
演奏は、アルバムと同様にシエナ・ウィンド・オーケストラ(以下、シエナ)が担当。
指揮は、ゲーム音楽の演奏会ではもはや常連の、栗田博文氏。
鉄板の組み合わせでした。

この組み合わせのため、演奏は超高品質。
素人の自分が聴いても難しそうにしか思えない曲も、その高い技術力で見事に演奏しきっていました。

また、迫力も満点で、終始圧倒されるほどの音の力を感じました。
生演奏かつ吹奏楽だからこその迫力でしょうか。
CDで聴いていただけでは味わえない迫力です。
単純に音を耳で聴くのではなく、全身に打ち付けてくるものを感じるような、そんな感覚でした。
吹奏楽の面白さと底力を、これでもかと見せつけられたような気がしました。

BBFF3のアルバム収録曲をそのまま演奏されたためか、BBFF3のアルバムを聴いた時と生演奏を鑑賞した時の曲の印象の違いを、如実に感じられました。
今回の演奏会で楽器演奏を直接聴いて、CDで聴いたときと印象がガラリと変わった曲もありました。
生演奏は、やはり良いものです。
生音に包み込まれる感じが、非常に心地良かったです。

■来場者参加企画が今年も目白押し
今回の演奏会でも、来場者参加企画が多数用意されていました。
客席で気軽に参加できるものもありましたし、アンコールではステージに上がって演奏に参加できる曲までありました。
どの参加型企画も楽しかったです。
客席周囲の方々も、笑い合いながら参加していて、実に楽しそうでした。

当然、参加しないという選択肢を選ぶこともできました。
好きなスタイルで、自由に好きなように楽しめるのも、このコンサートの醍醐味だと思います。

■感想まとめ
演奏者側からも、観客席側からも、これほどまでに「楽しい」オーラを放出しまくっている演奏会も珍しいと思います。
それくらい、会場全体が曲を楽しんでいました。
それほどまでにFFの曲が愛されているということを、ひしひしと感じた演奏会でした。
とてもユニークで、楽しかったです。
生演奏の素晴らしさを気軽に気兼ねなく楽しめるので、「ゲーム音楽は好きだけど、クラシックスタイルの演奏会は堅苦しそうで・・・」と感じている方でも簡単に飛び込める演奏会だと思います。
最初の一歩には、ちょうど良いのではないでしょうか。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。
今後、別の公演に行く予定で、それまでセットリストを知りたくないという方は、ご注意ください。


セットリストは次の通りです。
-----
[第1部]
01. FINAL FANTASY V メインテーマ
02. ティナのテーマ
03. Ami
Ex. モーグリのテーマ
04. FINAL FANTASY メインテーマ
05. いつか帰るところ
06. クレイジーモーターサイクル
07. 反乱軍のテーマ

[第2部]
08. Force Your Way
09. グルグ火山
10. 親愛なる友へ
11. 水の巫女エリア
12. Vamo' alla Flamenco
13. エアリスのテーマ
14. 片翼の天使

[アンコール]
15. The Man with the Machine Gun
16. マンボdeチョコボ
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これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

02. ティナのテーマ
1ループ目のハープの響きが、アルバムで聴いたときよりも強く印象に残りました。
座席位置的にハープがわりと目の前だったからかもしれませんが。
アルバムではアルベジオの部分しかハープの記憶がなかったので、実はこんなに活躍していたのかと驚きました。
しかも、その調べが非常に美しい。
ティナの繊細な部分を表しているようで、全体的に格好良い曲なのだけどそれだけではない魅力を引き出していたように思います。

Ex. モーグリのテーマ
今年もやってきました、来場者参加の定番曲。
そして、今年もモーグリおじさん(おっちゃん?)が、派手な衣装で軽快に登場。
シエナのパーカッションさんとは思えないほどの面白おかしく巧みで軽妙な話術とともに、3つのリズムパターンを教えてくれました。
その最中、大阪出身浦和在住にもかかわらず、2回ほど「さいたま、ださいたま!」と盛大に埼玉をdisっていましたが。
埼玉県民的にはOKなのでしょうか?

今年のリズムパターンは、昨年から一新。
全部で4セットあったパターンが、今年は3セットになっていました。
1パターン目、まぁわりと普通のリズムでした。
2パターン目、もはやボディパーカッションではなくボディアクションでした。
3パターン目、後半がフリーダム過ぎました。
というわけで、ノリの良さと即興への対応力が必要となるため、昨年よりも難易度が上がっています。
ただ言われた通りに叩けば良いというものではなくなっていました。
昨年も「これなんて音ゲー?」と言わんばかりのパターンがありましたが、音ゲーとかそういうレベルではなく、難易度が別ベクトルです。

そのためか、「モーグリのテーマ」は3ループ演奏されたのですが、リズムのパターンに慣れてきて「あ、楽しいかも」と思えたのは最後の3ループ目でした。
もうちょっと難易度下げてもらえると、個人的にはうれしいかも。
まぁ、「そうきたのかよっ!?」というユニークさは面白かったですが。

04. FINAL FANTASY メインテーマ
これもまた、来場者参加型の曲。
ソプラノリコーダーによる、自由参加型の演奏でした。
ソプラノリコーダー持参の呼びかけは公式サイトで事前にされており、また楽譜も公開されていました。
実際に参加された方がどれくらいいたのかわかりませんが、少なくはなかったと思います。
演奏後の植松氏のコメントによると、これまでの公演に比べてリコーダー参加者が多かったそうです。

演奏は2ループ。
最初の1ループはシエナによる演奏のみ。
そして2ループ目からソプラノリコーダー参加。
前回のBBFF2のときにも感じましたが、正面ステージからだけでなく、後方からも音色が聴こえるというのが不思議な感覚でした。

また、ただでさせ『国歌』なのに、自由参加型になってより強く『国歌』感が出ていたように思います。
みんなに愛されている曲という意味で。
ここまで愛されているのだから、『国歌』と言われるのも納得というものです。

ソプラノリコーダー用の譜面が公開されているので、みんなも学校の自由課題などで軽率に吹いてみると良いと思います。
# かつて、高校の選択音楽の課題でFF6の曲をリコーダーで吹いたことがあります(実話)。

05. いつか帰るところ
リコーダー5本+パーカッションのアンサンブル。

シエナの奏者の方々に、メインの楽器からリコーダーに持ち替えさせてアンサンブルを行うという無茶振り曲。
しかし、そこはさすがシエナの奏者の方々、得物は違えど見事に演奏されていました。
アルバムで聴いても、実際に演奏している姿を見ても、とても難しそうな譜面としか思えないのに、鮮やかに吹きこなしていました。
感想が「すごい」しか出てきません。

それにしても、リコーダーアンサンブルも楽しそうで良いなぁ。
1人だけならFFメインテーマを、ある程度頭数が揃ったらこの曲を吹いて楽しむというのもアリかも。
BBFF3のこの曲の譜面はかなり難易度が高いと思うけれど、1ループ目だけならば素人でも練習すればなんとかなりそう・・・なるかな?

06. クレイジーモーターサイクル
アルバムで聴いたときはそれほどピンと来なかった曲なのですが、生演奏は迫力が違いました。
疾走感といい、熱さといい、たぎり加減が桁違いでした。
普通にスッと「あ、格好良い」と思いました。

また、これもアルバムで聴いたときは感じなかったのですが、もしかして激ムズな譜面じゃないでしょうか、これ。
特に中盤のチャカポコしたパーカッションとピロピロしているクラリネットが、見ているだけでも大変さが伝わってくるようでした。
これを鮮やかに吹きこなしているところが、さすがシエナです。

10. 親愛なる友へ
小中規模編成3連続のうちの1曲目。
アルバムのビッグバンドアレンジが、そのまま演奏されました。
アルバムに収録されたものを聴いていたときは、個人的にはあまり好みではないと思っていたのですが、生演奏を聴いたら印象が変わりました。
今回の演奏会で、一番印象を覆された曲かもしれません。
終始「サックスかっこいい!」「トロンボーンかっこいい!」「トランペットかっこいい!」が脳内を駆け回っていて、興奮のあまり内心でジタバタしていました。
それくらい、印象が180度変わりました。
このアレンジは、生演奏ならばアリだと思います。生演奏ですごく映えた曲でした。

11. 水の巫女エリア
小中規模編成3連続のうちの2曲目で、木管アンサンブル。

この曲は、演奏よりも、演奏後の植松氏のトークの方が印象的でした。
植松氏曰く、「30歳のときFF3を制作中で、まだ純粋だった頃。それが曲に表れている」というコメントを残されていました。

また、FF3制作時のスクウェア(当時)の社長がユニークな考えの持ち主で、数々の伝説を残していて、そのうちのいくつかがポロポロと披露されました。
今回出た話のうち、覚えている限りでは、

・昔、FFはDQに対して追い付け追い越せ状態で、FF5制作時にナンバリングだけでもDQを追い越したくて、ナンバリングを5を飛ばして6にしようとした。(当然、総スカンされた)
・会社をシンガポールに移そうとして、社員が何人か視察まで行った。(結局、実現しなかった)
・通常、ゲームのOSTを出すときは、原曲のOSTを出して、次にアレンジアルバムを出すものだが、FF3のときは原曲OSTを絶対に出さないという方針を打ち立てたため、アレンジアルバム(おそらく「悠久の風伝説」のことかな?)が先に発売された。が、その後「OST出せ」の要望が多くて、結局OSTを出さざるを得なくなった。

などなど。
進行の都合上、途中でトークが打ち切られましたが、叩けばもっともっと出てきそうな雰囲気でした。
むしろ、もっと語って欲しかったです。なんだかどれもすごく面白そう。

12. Vamo' alla Flamenco
小中規模編成3連続のうちの3曲目、サックス+パーカッションのアンサンブル。
文字通りのフラメンコ。
これほどカスタネットが格好良く輝いているところは、そうそうお目にかかれないのではないのか、というぐらいに、カスタネット無双でした。
小学校の音楽室に転がっていて常に軽んじられていた楽器の一つと同じとは思えないくらいに、主人公的な存在感を放っていました。

が、途中からダークホースという名のボディパーカッション参上。
途中でパーカッション隊が全員おもむろにバラの花を一輪取り出して口にくわえてからは、ボディパーカッションが花形をかっさらっていきました。
ハンドクラップと足踏みの組み合わせで、曲に更なる花を添えます。
それがまた見事なリズム感で、身体が楽器になることを身体で証明してみせた瞬間でした。
バラが出てきたときは何事かと思いましたが、最終的にはそのバラに違和感を感じなくなるくらい、素晴らしいボディパーカッションだったと思います。

ちなみに、バラの演出は製作総指揮の植松氏にもツアーが始まるまで知らされておらず、シエナの方々による独自の演出だったそうです。

14. 片翼の天使
断固としてアルバムに収録されない会場限定曲。
今年も本編のトリを飾りました。
そして、「エアリスのテーマ」に続いて間髪入れずに演奏されたところから察するに、この曲順は明らかに狙っていますよね。

前回のBBFFの時にも感じましたが、迫力がリミットブレイクしていました。
音圧がとにかく強くて、音を耳で聴くのではなく、身体全体で聴いているような感覚になりました。
特にバスドラムとティンパニ。
身体の中に直接音が響くような、音が鳴らされる度に身体の中から音が聴こえるというか、震える感じがしました。
他の楽器もクリティカルヒットを連発していて、とにかく迫力満点の演奏でした。

16. マンボdeチョコボ
楽器持参された方々がステージ上に上がって、シエナの演奏者の方々と一緒に演奏するという参加型の曲。
BBFFの「とにかく楽しむゲーム音楽コンサート」というコンセプトを最も体現した演奏でもありました。
演奏して楽しむ、見て楽しむ、聴いて楽しむ、などといった色々な楽しみ方が、この曲にギュギュッと凝縮されていました。

登壇された方々の得物は実に様々でした。
物販のオマケの打楽器から、どう見てもどこかの楽団か音楽系の部活に所属されている方ですよね?というツッコミ待ちとしか思えない本格的な楽器まで多種多様。
中には、チェロやタクト(指揮棒)を持参されている方もいました。
あまりの多種多様さと人の多さに、観客席から見たステージ上の眺めは壮観で。
しかも、全員がFFの曲を楽しんでいるというオーラを放出しまくっているので、見ているだけの自分もそれだけで楽しくなりました。
なんでもアリの懐の広さ、それを許容する寛容さ、そしてそれを楽しめる空気感が、このBBFFの良さの一つなのだと思います。

演奏は、アンコールに相応しく、みんなで楽しくどんちゃん騒ぎ、といった感じ。
ここまでの演奏を聴きながら、たぎったり、しんみりしたり、興奮したりして、そして最後のこの演奏は見事なハッピーエンド。
まさに大団円という名が相応しい幕切れでした。

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