[GMEV] 人形達ノ記憶 NieR Music Concert

5月4日から5日にかけて、「ニーア ゲシュタルト/レプリカント」(以下、とりあえずレプリカント)および「ニーア オートマタ」(以下、オートマタ)の楽曲を演奏するコンサート「人形達ノ記憶 NieR Music Concert」の東京公演が開催されました。
東京公演は全4公演で、そのうち5日昼公演に行ってきたので、その感想を記します。
会場は、よみうりホール。
12:00に開演し、14:05頃に終演しました。

■オートマタにフォーカスした選曲
今回演奏された曲(アンコール含む)のうち、およそ9割がオートマタの楽曲でした。
本編は全てオートマタの曲。
レプリカントの曲は、アンコールで2曲ほど演奏されました。
もっとも、レプリカントの曲というよりも、前回の演奏会「滅びのシロ 再生のクロ」からの再演と言った方が正しいかもしれません。

今回演奏されたオートマタの曲は、序盤で聴ける曲から3周目までプレイしないと聴けない曲まで幅広く選曲されていました。
それらの曲が、ゲームの序盤から終盤までのシナリオに沿うように並んでいました。
ゲームプレイ中に長時間耳にすることになるフィールド曲から、バトル曲やイベント曲、そして終盤に流れる印象的な曲まで、一通り網羅して2時間の中に凝縮したような感じです。

そして、どの曲も神曲でした。
そもそもOSTの時点で神曲ばかりのオートマタですが、その中から選抜された曲なので、神曲ばかりにならないわけがありません。
確かに「あの曲も聴きたかったな」という思いがないわけではありません。
が、言い出したらキリがないし、今回のセットリストに関しては全く不満を感じませんでした。
むしろ、「これを演奏してくれるのか」という感謝の気持ちの方が強かったです。

レプリカントの曲が少ない点に関しては、人によっては不満があるかもしれません。
が、レプリカントの曲は前回の演奏会でこれでもかと演奏されているし、そのときの模様を収めた円盤も発売されているので、その点については個人的には特に問題にはなりませんでした。
ほんの少しだけ「レプリカントの曲が少ないな」と感じたぐらいです。
レプリカントは他で補えるので、今回はオートマタが主体の選曲で正解だったと思います。

■休憩なしの2時間ぶっ続けがあっという間に過ぎていった件について
演奏は、どの曲も非常に迫力のある素晴らしいものでした。
選曲も神がかっていたならば、演奏も神がかり的でした。
どこを切り出しても神演奏ばかりで、息つく暇もないほど。
気が付いたらあっという間に本編が終わり、アンコールも終わってしまっていました。
ものすごく集中して鑑賞していたように思います。

通常、1時間を超えるようなクラシカルスタイルな演奏会では、途中に15~20分間の休憩時間が挟まれるものです。
が、今回はそれがなく、休憩なしで2時間ぶっ続けの強行軍を決行していました。
それなのに、途中でダレることも飽きることもなく、本当に2時間があっという間でした。
鑑賞後の疲労感は皆無とは言いませんが、疲労感よりも充実感の方が強かったです。
そして、むしろもっと他の曲も聴きたいという欲求の方が勝っていました。

演奏を鑑賞しながらずっと、ゲームで描かれた各種イベントの記憶や、プレイ中に感じた感情のあれこれが自然と呼び起されていました。
あのイベントの切なさや、このエンディングの感動など、あまりに色々な喜怒哀楽(ほとんどが哀ですが)が呼び起されてしまい、今自分の感情が上手く整理できていません。
まして、そこに演奏の感動が加わったものだから、より一層カオスな状態に。
言葉では言い表そうとしても複雑過ぎて、なんかこう、もう、「ああああぁぁぁぁ!!」としか言えない感じです。
もっとも、選曲も演奏も良い意味で刺激的だったことによるものなので、むしろしばらくその余韻に身を委ねておきたいような気もします。

■マニピュレーターの本領発揮
楽器の編成は前回に引き続き、非常にシンプルでした。
弦楽器4人(ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ)+ピアノ+ギター、それにマニピュレーター。
おそらく、「滅びのシロ 再生のクロ」と同じ編成かつメンバーではないかと。

編成はシンプルでしたが、非常に厚みと重みのある音色でした。
そのあたりは、マニピュレーターの貢献度の高さが反映されていたのではないかと。
レプリカントに比べオートマタのBGMは、音数も音の種類も増えているので、前回以上にマニピュレーターが大活躍していました。
特に打楽器パート。
曲を演奏する上でどうしても外せない打楽器音は、マニピュレーターが一手に引き受けていました。
そのおかげでしょうか、ものすごく迫力のある演奏になっていたと思います。

それと、弦楽器(特にヴァイオリン)の音の伸びも、鑑賞していて気持ちが良かったです。
抒情的に切なく鳴き響く弦楽器の音色に強く心を刺激されて、涙を誘われました。
特に終盤の、朗読劇 第三幕から第四幕の間の曲で響く弦楽器の音色が、たまらなく切なかったです。

■小規模編成に違和感のないアレンジ
原曲はオーケストラのような大規模編成に向いているような曲ばかりですが、今回の演奏会の編成は小規模。
マニピュレーターが入っているとはいえ、それだけではどうしても補えない部分はあります。
どうしても、原曲から今回の編成に合わせた編曲は必要になります。

が、今回演奏された曲はどれも、鑑賞中「あれ、ほぼ原曲のままじゃないか?」と錯覚するほどに、違和感のないものになっていました。
確かにアレンジされていることは分かるのだけど、違和感があまりにも仕事をしませんでした。
それくらい自然なアレンジであり、演奏でした。

その違和感の仕事しなさがゲームプレイ時の記憶を如実に呼び起こす切欠になり、感情のカオス状態からの涙腺大ダメージなりました。
あまりにも違和感のないあの編曲は、地味に凄かったです。

■主張しないが涙腺を刺激する映像の数々
今回の演奏会ではスクリーンに映像が投影されていたのですが、これが程良い映像でとても好感が持てました。
自分は演奏会に映像は不要派(聴覚が疎かになるからという理由による)なのですが、今回の映像だったら十分にアリだと思います。

まず、映像が視界に入ってきても邪魔にならないのが、とても良かったです。
あくまで主体は演奏で、映像は演奏の盛り上げ役に徹していたような感じです。
主張の強くない、動きの少ない映像が多かったような印象があります。

それでいて、演奏と映像が合わさるととんでもないパワーを発揮していました。
演奏だけでも感動的だったのに、映像が加わることでより強い感動を与えられたような気がします。
こういう映像の使い方だったら、自分も映像容認派になってもいいなぁ。

■オートマタの世界観を掘り下げる朗読劇
演奏会中にところどころで、声優陣による朗読劇が挟み込まれる演出がありました。
この公演で登場したキャラクターは、2B(CV.石川由衣さん)、9S(花江夏樹さん)、ポッド042(安元洋貴さん)。
話の内容は、ゲームのシナリオに沿って、9Sの心情の変遷を描いたものでした。
というわけで、主役は9Sと受け取りました。
ちなみに、ポッド042(というか安元さん)は、ポッド042というよりもナレーションのようなポジションでした。

序盤の明るく人懐っこい9Sが、シナリオの進行に従って変わっていってしまうのが、ゲーム同様に辛かったです。
特に9S(花江さん)の迫力ある負の感情の演技が見事で、ざっくりと心を抉られました。

回によってシナリオが異なるらしいので、円盤化する際には、各回の朗読劇を網羅的に収録してほしいです。
5日昼公演の朗読劇で初めて9Sが殺されなかったとカーテンコールの時に花江さんが仰っていて、それで他の回が気になったので、ぜひとも検討をお願いします。

なお、朗読劇ではありませんが、5日昼公演の開演前カゲアナは9Sと2Bでした。
9Sが前振りをして、2Bが注意事項を読み上げ、そして最後に9Sと2Bが仲良く(?)やり取りをするような、そんなほんわかしたカゲアナでした。
開演前の頃は、平和だったなぁ。。。

■感想まとめ
とにかく素晴らしい演奏会でした。
と、どんなに言葉を連ねても自分の拙い言葉使いでは感想を伝えきれないので、結論を言えば、

【推奨】ニコニコ生放送のタイムシフト視聴。

に尽きると思います。
百聞は一見に如かず、です。
ニーアのゲームが好き、もしくは曲が好きであれば、問答無用でタイムシフト視聴した方が良いレベルです。
今回の演奏会の円盤が発売されるかどうかは現時点では不明なので、もし迷っているのであれば視聴する方をオススメします。
タイムシフト視聴期間は、2017年5月28日までだそうです。

あと、今回の演奏を何度も鑑賞したいので、ぜひ円盤化をお願いします。
その暁には、朗読劇を全て収録してほしいです。
2枚組になって値段がやや高くなっても、おそらく買うと思います。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。


セットリストは次の通りです。
-----
01. 遺サレタ場所
02. 遊園施設
03. 砂塵ノ記憶
<朗読劇 第一幕>
04. 穏ヤカナ眠リ
05. 美シキ歌
06. 曖昧ナ希望
<朗読劇 第二幕>
07. イニシエノウタ / 贖罪
08. パスカル
09. 終ワリノ音
<朗読劇 第三幕>
10. 顕現シタ異物
11. 「塔」
12. 双極ノ悪夢
13. 追悼
<朗読劇 第四幕>
14. Weight of the World / 壊レタ世界ノ歌

[アンコール]
15. カイネ
16. Ashes of Dreams
17. Weight of the World / the End of YoRHa
-----

これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

01. 遺サレタ場所
ゲームプレイ中に最も良く聴いた曲が、開演1発目でした。
演奏は言わずもがなの素晴らしさでしたが、そこに映像が加わったことにより、初っ端から感極まって泣きそうになりました。
正面のモニターには、人の姿のない廃墟やビル街などの風景写真(実写?)がモノクロで入れ替わりに映し出されていました。
曲に合わせた映像なのでしょうが、まさに廃墟都市らしい映像でした。
その映像から滲み出る儚さと虚しさが、たまらなく切なかったです。

02. 遊園施設
一番聴きたかった洗脳ソングが、開演早々に来ました。
こんなに早々とくるとは思いませんでした。

生演奏でも、毒を含むような赤黒い妖しさはたっぷり。
おかげで、最近になってようやくこの曲の脳内エンドレス再生状態から抜けつつあるのに、また戻ってしまいそうです。
まぁ、わりと好きな曲なので、再びエンドレスループに戻っても問題ありませんが。

映像は、廃墟遊園地をやや遠目に撮影したムービー。
廃墟遊園地の空撮映像など、ゲームでは再現できない位置にカメラ座標系があったりしたので、おそらくこのためにわざわざCGムービーを制作したのではないかと。
空撮映像の中でちまちまと動いている機械生命体たちが、なんだか妙に可愛く見えました。
不気味さも、一周回ると可愛く見えるのだなぁ、という良い実例です。

03. 砂塵ノ記憶
これも「遺サレタ場所」と同様に、映像が(良い意味で)卑怯でした。
曲に合わせて、砂漠地帯を彷徨う2B&9SコンビとA2ソロの映像が交互に表示されました。
これが色々思い起こさせるような映像で、演奏を鑑賞しながら心の中で悶絶していました。
しかも、一方はコンビで、もう一方はソロっていうところが、なんかもう、本当に切なさと悲鳴しか出てきません。
序盤から、なんて罪作りな演奏会なんだ・・・。

04. 穏ヤカナ眠リ
レジスタンスキャンプの曲。
ここでようやく、一息つけたような気分になりました。
ここまでバトルフィールドの曲の連続だったため、演奏を聴きながら緊張感のようなものがあり、それがこの曲で一気に抜けたためか、軽く眠くなったりもしました。
それくらい、和みました。

また、やはりここでも映像が素晴らしかったです。
スクリーンの3分の2ほどにレジスタンスキャンプの日常を、残りの3分の1ほどにコンクリートから顔を出す植物の写真を映した映像になっていました。
その映像の穏やかな雰囲気が、いかにもレジスタンスキャンプの日常という感じで。
とはいえ、穏やかなはずの映像からもなんとなく切なさを感じたあたりが、ニーアらしいというかなんというか。

07. イニシエノウタ / 贖罪
個人的には、本編で一番印象に残った演奏でした。
もともとレプリカントの「イニシエノウタ/運命」が好きということもあって、それに近い形のこの曲も大好きなのですが。
あまりにも好き過ぎて、演奏が始まった途端にテンションが限界に到達。
そして、演奏があまりにも格好良かったので、テンションが天井を突き抜けました。
とにかく弦楽器がめちゃくちゃ格好良かったです。
非常にたぎる演奏でした。

なお、演奏に合わせて流れた映像の方はデボル・ポポル型が背負った悲劇感が満載で、たぎるどころの話ではありませんでした。
レプリカントのムービーも交えた演出になっており、例えようのない切なさで胸がいっぱいになりました。

08. パスカル
少女の拙い歌声が非常に可愛かったです。
というか、少女の愛くるしい声を演奏会で再現するとは思いもしませんでした。

また、会場が一体となってハンドクラップをするのも、良い演出でした。
ひたすら同じリズムを刻むから途中でゲシュタルト崩壊しかけましたが、和やかな曲調も相まって楽しかったです。

ところで、ハンドクラップのパターンは「パン、パン、パンパパン」→「パン、パン、パパパパン」が正しかったのでしょうか、それとも「パン、パン、パパパパン」×2回だったのでしょうか。
前の座席の人に合わせてたら前者だったので、それに合わせて手を叩いていたのですが、聴こえていたのは後者の方が多かったような。
まぁ、どっちでも良かったのかな。ゲーム音源の方もなんだか曖昧だし。

ちなみに、前の座席はヨコオタロウ氏と齊藤Pでした。

13. 追悼
今回の演奏会で唯一のインスト曲。
そういえば、この曲以外は全てボーカル入りの曲だったなぁ。

今回演奏されたものは、コーラス部分を除いた弦楽四重奏。
コーラスはありませんでしたが、原曲と変わらない重厚な趣があって、違和感はほとんど感じられませんでした。
むしろ、帰宅してOSTを聴き直して、「あ、原曲ってコーラスも入っていたのか」と気付いたくらいです。
今回の弦楽四重奏版も、これはこれでとても良い演奏でした。

14. Weight of the World / 壊レタ世界ノ歌
本編ラストは、やはりこの曲。
ここで演奏されたものは日本語版でした。

ピアノとボーカルのみというシンプルな編成。
しっとりとしたピアノの演奏と、慟哭に似た歌声に、こちらももらい泣きしかけました。
歌詞が日本語だから意味を容易に理解できる分、サビの部分の破壊力が凄まじかったです。
OSTの血反吐吐きそうな歌声ですら胸を抉られるような想いを抱くのに、今回の生演奏+生歌声は更に強烈に抉られて失血死するかと思いました。

16. Ashes of Dreams
アレンジも映像も、おそらく前回の演奏会「滅びのシロ 再生のクロ」で披露されたものと同じかと。
映像は、円盤でチラッと見えたものと同じもののように見えました。
歌われた英語の歌詞が映像に表示されていたので目で追っていたのですが、歌詞を追っていたら余計に切なくなりました。
歌詞の内容をこれまであまり深く考えていませんでしたが、レプリカントもオートマタもクリアした今見たら、精神を抉る要素しかありませんでした。

17. Weight of the World / the End of YoRHa
少し前にTwitterでちらっと「アンコールにWeight of the Worldを全員合唱やってほしい」と呟いたことがありますが、まさかそれが本当に実現するとは。
アンコールに入る前に岡部氏が「みなさんの力が必要です」と仰られたときに「これは・・・まさか・・・」と心がざわざわしましたが、現実にこの曲が始まったら、もうそれどころではありませんでした。
英語版→フランス語版→日本語版→「ラララ」で全員合唱、という流れだったのですが、全員合唱が始まった途端に感極まって涙が出ました。
もちろん、一緒に歌いました。歌下手だけど、使命感に駆られて歌いました。
歌い始めは少し恥ずかしさもあったけれど、歌い始めたらそれも吹っ飛びました。
1000人強の大合唱は、一体感が半端なかったです。
あのEエンディングからのこの大合唱を考えると、もはや感動しかありません。
ヨルハ部隊は、ここにいたんだ――。

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