[GMEV] Foursomeジョイントコンサート

8月26日(土)に、ピアニスト4人によるゲーム音楽の演奏会「Foursomeジョイントコンサート」が開催されたので行ってきました。
会場は、大泉学園ゆめりあホール。
開演は18:00、終演は19:50頃でした。

■ゲーム音楽好きピアニストの共演
ゲーム音楽が好きという4人のピアニスト(いずみさん、かなもえさん、小鳥遊さん、凛音さん)による、ピアノオンリーの合同演奏会、という形式でした。
ゲーム音楽のピアノコンサート自体は公式・非公式を問わず時々開催されており、自分も何度か行ったことがありますが、企業抜きの有志によるピアノオンリーのコンサートというのは珍しいのではないかと。
その物珍しさと、セットリストのツボっぷりに興味を引かれて、今回足を運んでみた次第です。

また、今回のようにソリストが数人集って1つのコンサートを企画するというのは、面白い試みでした。
1人で1つのコンサートを企画するのは壁が高過ぎると思いますが、今回のように数人が集まったことで演奏会開催の壁がやや下がったのではないかと。
「1台でオーケストラ」と言われるピアノを操るとどうしても1人になりがちなピアニストならではの、ユニークな企画でした。
こういうジョイント形式のコンサート、もっと広まっても良いと思うのです。

■好きな曲を好きなように
1部は、ピアニストが一人ずつ、それぞれ好きな曲を演奏するという形で進行。
一人あたりおよそ10分の持ち時間が与えられ、その中で各々の好きな曲を演奏されたのではないかと思います。
いずれも公式から発表されているピアノソロの譜面(Piano Collections、あるいはPIANO OPERA)で演奏されました。

ジョイントコンサートだったからか、セットリストからも演奏からもピアニストの個性が如実に見えて、面白かったです。
セットリストで言えば、「FF9が好きなのかな」とか「ニーアが好きなのかな」とか、曲の好みが垣間見えたり。
演奏で言えば、原曲に忠実だったり、少しニュアンスが加えられていたり。
演奏に使用されたピアノは同じでも、ピアニストごとに様々な調べが奏でられていて、その点が興味深かったです。

2部は、4人ともが好きと思われる「ブレイブリーデフォルト」オンリー。
4人のピアニストによる、2台のピアノの連弾で演奏されました。
これが、なんかもう、すごかったです。
2台のピアノで4人のピアニストによる、最大40指による同時発音の迫力たるや。
とにかく音圧がすごくて、事情により抱え持っていたバッグの中身が共鳴して震えるのがわかるほどでした。
「1台でオーケストラ」って伊達じゃなかなったです。まさに本領発揮。

そんな同時発音数なのに和音に狂いがなくて、綺麗な響きだった点も印象に残りました。
4人同時に演奏すると音をぴったり合わせるのが難しそうですが、息ぴったりな見事な演奏でした。

BDFFはPiano Collectionsの類が発表されていないため、2部で演奏された曲は今回の演奏会のために独自にアレンジされたものでした。
一部「こんなフレーズ、あったっけ?」という部分もありましたが、概ね原曲(「ルクセンダルク大紀行」、「ルクセンダルク小紀行」含む)に準拠。
BDFFの曲も大好きなので、どの曲もたぎりながら鑑賞していました。

■アットホームな雰囲気と、それに甘んじない演奏
大泉学園ゆめりあホールは小さなホールで、キャパシティ170名ほど。
そのうちの7~8割ほどの座席が埋まっていました。
比率的関係者が多かったのでしょうか、会場の雰囲気はすこぶるアットホーム。
開演前や休憩中などには、あちこちで挨拶や会話が飛び交っていました。

その一方で、自分のような門外漢のソロにとっては、そのアットホームさに若干の居心地の悪さも感じたり。
時々Twitterで「ゲーム音楽の演奏会は内輪受けみたいなところがあって壁を感じる」というような呟きを見かけますが、「なるほど、こういうことか」と実感しました。
まぁ、こればかりは仕方ない、と割り切ってもいますが。

ただ、そんな居心地の悪さも、いざ演奏が始まったら一瞬にして吹き飛ばされました。
アットホームな雰囲気に甘んじない、とても真摯で真面目な演奏。
心の底から曲が好きで、曲に対して敬意を払い、真正面から向かい合っているような、そんな感じです。
一球入魂ならぬ一挙手入魂。
演奏する姿勢から、とても熱い気迫を感じました。

しかも、4人のピアニスト全員が、そんな感じの熱い演奏をされていて。
多少の個性はありつつも、根っこの部分では皆同じ気持ちなんだなぁ、としみじみ感じ入っていました。
とても気持ちのいい熱さでした。

■演奏技術は流石の一言
演奏された曲は、どれも素人目には難しそうなものばかり。
公式譜面はCDで聴いていたときから「これ、熟練者じゃないと弾きこなせないんじゃないか?」と思っていました。
そんな譜面を鮮やかに弾きこなしていて、熟練者の技の凄さを実感。
腕も指も乱れ撃ち状態で、音色を聴くだけでもすごいし、演奏する姿を目で見てもすごいと思いました。
しかも、女性の華奢な身体から、どうやってあんなに力強い音が出せるのか、不思議にも感じました。
正直、感嘆のため息しか出てきません。ピアニストってすごい。

途中、多少トチっていたところも無きにしも非ずでしたが、そこはそれ。
全体的にとても完成度の高い演奏でした。

■パンフレットのコメントがわかり過ぎる件について
演奏から少し離れますが、パンフレットの演奏者コメントについて。
4人のピアニストの方それぞれのコメントが記載されていましたが、どのコメントも納得しながら読みました。
同じゲーム音楽好きとして思わず肯いてしまうようなコメントばかりで、「ここに同志がいた!」と勝手に親近感を抱いたほど。
特に、凛音さんのコメントの最初の3行がまさにその通りという感じで。
「ゲーム音楽を理解してくれる人が周りにいない」という気持ち、すごくよく分かります。
分かり過ぎたあまり、理解されなかったときの苦しさと、同じ同士に出会えたときの嬉しさを思い出して、涙が出そうになりました。

他の方々のコメントも、ゲーム音楽好きの多くが一度は通る道がコメントに溢れていて。
「ですよねー」とか「あ、はい」とか、納得感満載でした。
そのコメントからして、ガチのゲーム音楽好きなんだなぁ、と感じられたほどです。

■個人的な平謝り案件
と、ここまで感想をぶちまけてきましたが、一点謝罪したいことが。
第1部の最中にお腹壊して途中退室したことが、本当に申し訳なかったです。
演奏者やスタッフの方々だけでなく、座席の周囲の方々にも。
一生の不覚です。本当にすみません。

途中退室によりちゃんと演奏を聴けなかった部分が出てしまったので、今回の演奏会の感想の投下はどうしようと、帰路の間ずっと迷っていました。
さんざん迷った挙句、聴けた演奏はどの曲もすごく良かったし、せめて聴けた演奏についてだけでも感想を書いておきたいし、演奏者の方々を少しでも応援したいという欲求が勝ったため、こうして感想を吐き出しています。
とはいえ、聴けなかった部分があるのでどうしても中途半端な感想になってしまうのですが・・・なんかもう、本当にすみませんでした。

熱い時期に演奏会に行ってホール内の空調でお腹を壊すという経験は、今回で2回目。
さすがに何度も繰り返すわけにはいかないので、何か対策を立てないと。
と、Twitterに投稿したらいくつかコツを教えてもらえたので、次からはそれを実践してみようかと思います。

■感想まとめ
感想を一言で言うならば、「ピアノすげー!」です。
1部も楽しかったのですが、何よりも2部がすごかったです。
4人によるピアノ連弾により原曲とは一味違った迫力と表現力があって、とても新鮮で楽しかったです。
ピアノの音色も好きで、ゲーム音楽も好きな自分にとっては、たまらない演奏会でした。
今回の演奏会で大好きな曲を素晴らしいピアノ演奏で届けてくれて、ピアニストの4方だけでなく、スタッフの方々にも、感謝の気持ちを送りたいです。
ぜひ、2回、3回と続けていってほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。


セットリストは次の通りです。

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※敬称略

[第1部] Solo Stage ~私の好きな作品~
1-01. 小鳥遊
1-01-01. PIANO OPERA FINAL FANTASY I/II/IIIより「悠久の風」
1-01-02. Piano Collections FINAL FANTASY VIより「決戦」
1-01-03. Piano Collections FINAL FANTASY Xより「Ending Theme」

1-02. かなもえ
1-02-01. Piano Collections FINAL FANTASY IXより「独りじゃない」
1-02-02. Piano Collections FINAL FANTASY IXより「盗めぬ二人のこころ~その扉の向こうに」
1-02-03. Piano Collections FINAL FANTASY IXより「Melodies Of Life」

1-03. 凛音
1-03-01. Piano Collections NieR Gestalt & Replicantより「光ノ風吹ク丘」
1-03-02. Piano Collections NieR Gestalt & Replicantより「魔王」
1-03-03. PIANO OPERA FINAL FANTASY I/II/IIIより「反乱軍のテーマ」

1-04. いずみ
1-04-01. PIANO OPERA FINAL FANTASY IV/V/VIより「妖星乱舞」

[第2部] Ensemble Stage ~私たちの好きな作品~
BRAVELY DEFAULT FLYING FAIRYより

2-01. ルクセンダルク紀行
はじまりの国/砂と大時計の国/艶花の国/沈みそうな国/内戦の国/不死の国
2-02. 風が吹いた日
2-03. 彼の者の名は…
2-04. 必殺技メドレー
愛の放浪者/君は僕の希望/風の行方/雛鳥
2-05. 希望へ向う譚詩曲

[アンコール]
E-01. BRAVELY DEFAULT FLYING FAIRYより「ピコピコ戦闘曲メドレー」
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これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

1-01-02. Piano Collections FINAL FANTASY VIより「決戦」
子供の頃にこのピアコレ版「決戦」に触れて惚れ込んでから、早十数年。
まさかこの曲を生演奏で聴ける日が来るなんて、夢にも思いませんでした。
ゲーム音楽があまり理解されなくて、一人で黙々とMIDIで打ち込みデータ作ってた頃の自分に、「いつかきっと生演奏で聴ける機会が来る」と伝えたいくらい、嬉しかったです。ありがとうございます。

生演奏はとても迫力のあるもので、心が震えました。
CD音源版に少し独自解釈が加えられていたのか、やや溜めの多いという違いはありましたが、そこも生演奏ならではという感じで。
「そういう表現をするのか」と、面白かったです。

1-02-01. Piano Collections FINAL FANTASY IXより「独りじゃない」
すごく格好良い演奏でした。
特に中盤の盛り上がるところの力強さが、もうたまらなかったです。
生演奏だった分、ピアノの音色が直接攻撃してくるような、そんな臨場感を味わいました。
ピアコレ版の「独りじゃない」はCDで数回聴いただけだったたのですが、この演奏を機に曲の良さを再認識しました。

1-03-02. Piano Collections NieR Gestalt & Replicantより「魔王」
ニーアのピアコレ、キタコレ!!
しかも、ゲームプレイ中最も長く聴く「光ノ風吹ク丘」に泣けるラスボス曲「魔王」とか、選曲絶妙です!
2曲だけとはいえ、ニーアのピアコレを演奏してくださって、ありがとうございます。

特に「魔王」が、もう、涙腺直撃でヤバかったです。
ピアノソロというシンプルさと「魔王」の神秘性や静かな決意は相性が良いらしく、しかも情感豊かな演奏で素晴らしかったです。
生演奏の破壊力の凄さを実感した気分です。

1-04-01. PIANO OPERA FINAL FANTASY IV/V/VIより「妖星乱舞」
休憩まであと1曲だったのですが、腹痛に耐えられなくて途中退室したのが、この曲のときでした。本当に申し訳ないです。
「妖星乱舞」めっちゃ聴きたかったです。
終盤だけホールのテレビ越しに聴かせていただきましたが、ホールにまで伝わるほどの迫力のある演奏でした。
すごく聴きたかったです。勿体ないことをしました。

2-01. ルクセンダルク紀行
イントロとアウトロはピアノ2台に演奏者4人、他の各国の曲はピアノ1台と演奏者2人という構成。
各国の曲は、原曲通りの特色がちゃんと表現されていて、
そこに忠実だった分、ピアノとの相性や演奏しやすさ・しにくさが明確だったように感じました。
演奏が難しそうだなぁと感じたのは「砂と大時計の国」。
逆に、ピアノとの相性の良さを感じたのは「艶花の国」と「沈みそうな国」でした。
「内戦の国」は、あの低いラップのようなところまで再現されていたのが印象的でした。
その部分で「絶対に成功させてみせる」という執念のような気迫を感じました。
全体を通すと、「なんか難しそうだけど、なんかすごい」の一言に尽きるかと。

2-02. 風が吹いた日
「ルクセンダルク小紀行」のPiano Solo Versionをベースに、連弾用に独自アレンジを加えたような感じでしょうか。
予想通り、ピアノとの相性が抜群でした。
ピアノの澄んだ音色としっとりとした調べが、とても心地良かったです。
それと、この曲を鑑賞しながら、Blu-ray映像の「ルクセンダルク紀行」が無性に見たくなったりもしました。

2-03. 彼の者の名は…
2台のピアノによる演奏だったのですが、大きい方のピアノを演奏されていた方がすごく楽しそうなのが印象に残りました。
この曲を演奏できることが楽しくて仕方ない、という雰囲気が、この曲では特に強く感じました。
他の曲では楽しむよりもまず成功させることが先行していた感じでしたが、この曲ではそれが逆転。
熱いバトル曲でしたが、その楽しそうな雰囲気には、ほんのりほっこりさせられました。

2-04. 必殺技メドレー
4人が入れ替わり立ち代わりで演奏するという、なんだかすごい演奏スタイルでした。
演奏者入れ替えのところがアクロバティックで、「その入れ替え方はアリなのか!?」と度肝を抜かれました。
演奏しながら椅子から腰を上げて身体を横にスライドして切り抜け、間を空けずに別の奏者を入れ替わるという豪快さ。
こんな入れ替え、見たことがありません。
それでいて、入れ替えの時に音が乱れなかったところは、さすがというかすごいというか。
どれくらい練習したのだろう。さらっとやって見せていたけれど、きっと難しいことなんだろうなぁ。

E-01. BRAVELY DEFAULT FLYING FAIRYより「ピコピコ戦闘曲メドレー」
アンコールに何を演奏するのかと思っていたら、まさかの「ピコピコ戦闘曲メドレー」。
「ルクセンダルク大紀行」に収録されているボーナストラックを、そのままピアノ用にアレンジしたものでした。
確かに、1曲でほぼ全ての戦闘曲が楽しめるのでお手軽感はありますが、まさかそこに来たか。

戦闘曲と言えば、「邪悪なる戦い」、「邪悪なる飛翔」、「地平を喰らう蛇」は、ピアノ演奏でもやはり貫禄がありました。
欲を言えば「地平を喰らう蛇」はフルで演奏してほしかったと思いましたが、でも最後に少しでも聴けたので満足です。

そして、曲の終わりはピアノの蓋をバタンと閉めるという演出。
原曲の「ピコピコ戦闘曲メドレー」にもそんな感じの音が最後に入っているので、納得の演出でしたし、とても上手い演出だと思いました。
また、これで演奏会が全て終了したということが目に見えて非常にわかりやすい。
その演出も含めて、何から何まで楽しめた気がします。ありがとうございました。

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