[本] オルファクトグラム

2005/12/06(火) 23:32:47 | カテゴリ:
井上夢人「オルファクトグラム」(講談社文庫)読了。

姉の殺害現場に居合わせてしまったミノルは、犯人の襲撃によって後頭部に打撃を受け、一ヶ月の昏睡状態に陥る。目が覚めたとき、彼には周囲の風景が違ってみえた。嗅覚を失った代わりに得た、匂いを視覚的に認知する能力。それは、警察犬をも凌駕する匂いの識別能力だった。
その能力を使って、姉の殺害日時と前後して失踪したバンド仲間を探し始めるミノル。やがてそれが事件と交差し始める。


文庫版では上下巻構成で、一冊あたりも分厚いです。
が、文字が大きいので、実質的な分量はそんなにないかも。
講談社文庫って、こんなに文字大きかったっけ?

ミステリーというほどミステリーっぽくはなかったです。
そりゃ、事件が起こって、犯人と探偵役は出てくるけれど、
探偵役(この作品では主人公)が
初っ端から本格的に事件解決に乗り出すわけではなく、
犯人探しを始めるのは下巻に入ってから。
だから、謎が絡み合った先にある結末に対してワクワクするのではなく、
一歩ずつスローに進んでいくストーリー進行を楽しむ作品になってると思う。

結局、犯人の動機ははっきりしなかったけれど、
9割ほどが主人公の一人称視点だったから仕方ないところも。
主人公と対峙した犯人がいきなりぺらぺら喋り出すのもヘンだし。
そういう点では、電波系な犯人を持ってきて勧善懲悪にしたのは正解かも。


この作品とはほぼ関係の無いそーいえばな話。
岡嶋二人の作品が最近よく書店で平積みされているのを見かける。
「この文庫がすごい」で「99%の誘拐」が1位をとったっていう、あれのため?
「99%」は今でも普通に読めるすごい作品だけど、
個人的には「クラインの壺」の方が好み。

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