[本] チューイングボーン

2006/05/26(金) 00:01:52 | カテゴリ:
大山尚利「チューイングボーン」(角川ホラー文庫)読了。

「ロマンスカーの展望席から外の景色を撮ってください」
突然呼び出された登が嶋田里美から依頼された内容はごく簡単なものだった。指定の日時に指定のロマンスカーに乗り、展望席からただカメラを回し続けるだけ。事情を話さない嶋田里美から胡散臭さを感じつつも、登はその依頼を渋々了解する。
そして一回目の撮影。間もなく終点に着くというときになってそれは起きた。疾走する電車への飛び込み自殺。その一部始終が登のカメラに収められた。
その奇妙な自殺は撮影の度に必ず起きた。一体誰が、何のために、どうして自分が・・・。撮影を重ねる毎に、登の疑念が膨らむ。


第12回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作、だそうです。
「ジュリエット」のときも同じような印象を抱いたけれど、
あまりホラーっぽさはないです。
選評で誰かが書いてた通り、
主人公が自分を分析していくあたりはむしろ純文学に近いような。

主人公が散々悩むテーマの一つ「何のために?」というのは、
貴志祐介さんの「クリムゾンの迷宮」を読んでいれば、あらすじからでもわかります。
「誰が?」というのも割と早めに判明。
ので、一番のテーマは「なんで自分が?」という部分じゃなかろうかと。
だから余計に純文学っぽさを感じたのかも。


前半はなかなかストーリーが進まず、やや表現が冗長な感じもしました。
主人公にイマイチ慣れなくて、
「こいつ(=主人公)、バカだろ」と久々に小説に対してツッコミ入れた気もします。
が、転換点以降の後半はいろいろ動き出して勢いがつきます。
ラストはきっと好みの問題じゃないかなぁ。
俺は、まぁアリかなぁ・・・いやしかし・・・・・・みたいな、そんな気分(謎


あんまり怖くない作品なので、
表現がやや生々しいけれど、ホラー苦手でも読めると思うです。

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