[本] デカルトの密室

2008/08/03(日) 23:48:16 | カテゴリ:
瀬名秀明「デカルトの密室」(新潮文庫)読了。

AIコンテスト「チューリング・プライズ」に参加するため、尾形祐輔は自ら制作したヒューマノイド・ロボットのケンイチとともにメルボルンへ向かう。その会場で、フランシーヌ・オハラと、彼女にそっくりのロボットに出会った。フランシーヌは祐輔を指名して、AIロボットに混じってチャットをしたときに「いかにロボットらしく振舞えるか」という挑戦を突き付ける。その気迫に、祐輔に反対の余地はなかった。
その挑戦が終了し、会場を後にしようとした祐輔は何者かにさらわれ、異様な状態で奇妙な部屋に閉じ込められてしまう。


基本SF、エッセンスにミステリ。終盤ほんのちょっぴりホラー風味、みたいな内容でした。
時代背景は、かなり完成度の高いヒューマノイドが実現しかけているところを見ると、ほんの少し未来なのかな。

ロボットが題材なので、ロボット工学やAIの話が普通に出てきます。
特に第二部以降は「フレーム問題」が大きくクローズアップされてます。
さらに後半は哲学的な話が強くなってきます。タイトルに「デカルト」と入っているだけに。
工学の話は一応工学系の端っこで生活してるので多少理解できたけれど、これに哲学的な話が絡むと途端に難しくなり、脳が終始オーバーヒートしかけてました。
読み終わった今でも、多分ニュアンスしか理解できてない。。。
この感覚、「BRAIN VALLEY」読んだとき以来かも。
もっともBVの方がさらに難しいけれど。

瀬名氏の予備学習の凄さは「パラサイト・イヴ」のときから知っているけれど、PEは作者の専門内だったから「専門家はやっぱ違うなぁ」という程度だった。
が、今作は専門とは若干外れているので、ただただ感心するばかり。
最近、ロボット工学の会合に度々顔を出されているというのは知っていたけれど、今作を読んで納得した。

ロボット工学の専門家なら違った感想というかツッコミを入れられるのかもしれないけれど、情報系の片隅の人間にはそれもできず、ひたすら「ほー」と「すげー」を連発してました。
ロボット工学と哲学の論理展開の情熱に、なんだかよく理解してない気もするけれど、わからないなりに始終圧倒されっ放し。
とにかく、なんだかすごい作品でした。

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