[本] 雷の季節の終わりに

2009/12/27(日) 21:46:37 | カテゴリ:
恒川光太郎「雷の季節の終わりに」(角川ホラー文庫)読了。

日本とは隔絶された空間に存在する隠れ里『穏』。その村には、通常の四季の他に、雷の季節『雷季』があった。雷季になると風が吹き荒れ、無数の雷が落ち、そしてその最中に人が攫われてしまうという現象が、毎年起こっていた。
『穏』の住民である賢也は、雷季に姉を失くしていた。その代わりに、『風わいわい』と呼ばれる鬼に憑かれてしまう。
その数年後。『穏』と外界とを結ぶ門のある『墓町』に忍び込んだ賢也は、数ヶ月前に失踪したヒナと出会う。殺されたヒナは幽霊となり、墓町に現れたのだった。そのヒナの口から犯人の名前を告げられる。


以前読んだ「夜市」がおもしろかったので要注目していた恒川氏の新文庫本が出ていたので、迷わず購入しました。
相変わらず、読みやすいしおもしろいし、この作品の雰囲気はすごく俺好みでした。

角川ホラー文庫レーベルから出ていますが、ホラーっぽさはあまりないです。
ホラーというよりは幻想小説。ファンタジーではなく、あくまで幻想。ふわんとした感じ。
ちょっとカタい文体のライトノベル、という印象です。
ホラー的な要素はあまりないので、ホラーが苦手な方でも読めるんじゃないかと思います。

キャラクターはわりとクセのない薄味が多いので、あまりキャラ的に印象に残りやすいのは少ないです。
普通の人が普通に生活してる分、主人公キャラに入り込みやすいような。
しかも、その普通の人が現実とは異なる世界を生きているというギャップがあるため、現実逃避しやすい気もします。
ちなみに、俺は風わいわいが意外と好みでしたw

前半はひたすら『穏』と賢也の状況説明が続くので、なかなか物語が流れないのですが、中盤からようやく色々な人々(人じゃないのもいるけど)が動き出します。そこからが読みどころじゃないかと。
幻想的な雰囲気に飲まれたい方にはオススメです。

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