[本] テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面(上)

2010/04/30(金) 20:37:29 | カテゴリ:
奥田孝明「テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面(上)」(ファミ通文庫)読了。
[5/4] 感想をほんのり追記しました。

帝国の名門貴族アトマイス家の次男ダミュロン・アトマイスは、故郷ファリハイドで放蕩を続けた挙句、半ば追い出されるも同然の形で家を出て、帝都ザーフィアスの帝国騎士団に入団する。
帝都ならば新鮮な出来事に出会えるかと期待していたが、騎士団は貴族出身の騎士くずれの溜り場。毎日が同じことの繰り返しで新鮮味のまるでない日々に、ダミュロンは周りの騎士に流されるままの生活を送る。
しかし、一人の女性騎士キャナリとの出会いがダミュロンを大きく変える。
騎士としての在り方や自分の在り方を見つめなおし、充実した日々を送るダミュロン。
その数ヵ月後、戦争への遠征の命令が、ダミュロンの元に届く。


本作は、Xbox360/PS3のRPG「テイルズ オブ ヴェスペリア」の外伝的小説、待ちに待ったおっさん(レイヴン)編です。
作者はNBGIの、それもTOVのシナリオチームの方。イラストもTOVでアートディレクターを務めていた方だそうです。
ここまで本家本元が揃ってるってことは、この作中で語られてる内容、完全に公式設定ですよね。
※ 後付設定だって、後書きに書いてありました。ちゃんと読めよ俺。

今日発売日で今日ゲット、およそ4時間かけて一気に読破しました。
ゲーム本編ではおっさんがダントツで一番好きなキャラだったし、おっさん小説が出ると知って以来待ち焦がれ過ぎたあまり苦しいくらいの日々だったし。
その諸々が噴出したんでしょうか、俺にしては異例の早さで読み終わりました。
まぁ、読み終わったにもかかわらず、いまだにものすごく苦しいんですが。
話の内容を受けて、いろいろと。

内容は、おっさんの過去話。
騎士団入団~人魔戦争とその直後あたりが描かれています。
あまり書き過ぎると、ただでさえネタバレの塊であるおっさんらしく激しくネタバレになりそうなので、言いたいことは追記で書き殴りますが、読後の感想を簡潔に表すならばとりあえず二言。

「切ない」 と 「下巻の発売日はいつですか?」

なんというか、病気じゃない公式がとんでもない爆弾を投下していきました。
ゲームプレイ済みなので話の辿り着く先はわかっていたのですが、ラスト50ページの展開には読後しばらく呆然。
上巻ということもあってか、終わり方が非常に鬱です。わかっていたことだけど。
同時に、ゲーム本編との繋がりには納得しました。
こんな経緯があったから、あんな人物が形成されたのか、と。
そして、下巻が待ち遠しくて仕方ない現在。うがが。
※[8/1追記] 下巻が発売されたので、感想をこちらにアップしました。

ちなみに上巻では、ユーリなどゲーム本編のPTキャラは全く登場しませんでした。

TOV好き、特におっさん好きにはオススメ・・・・・・て言わなくても、おっさん好きなら買って読んでますよね、きっと。


以下、ネタバレ感想になります。

※これより下はネタバレ考慮していませんのでご注意を。
※感想が自分の中で整理ついていないので、かなりわけわからん箇条書きです。


・病気じゃない公式が爆弾投下(重要なことなのでry
・シュヴァーンですら偽名だったとは、やるなNBGI。
・ダミュロンの登場そのものが、思いっきり2次創作泣かせかと。
・前半ダミュロンは、ほぼダメロン。
・女好きはダミュ時代から。
・騎士団入団時のダミュロンの年齢は23歳ぐらい?
・キャナリは割と想像通り。凛々しいお姉さん。
・ダミュロンとキャナリの出会いって、なかなか最悪なシチュエーションw
・入団後数ヶ月で小隊の副官って、超スピード出世じゃない?
・ダミュロン = 見よう見真似で変形弓まで使えちゃう剣使い
・器用過ぎるだろ、ダミュロン。
・剣をずっと握ってた右手が負傷ってことは、ダミュロン右利き?
・シュヴァーンになったタイミングで左利きに強制した?
・むしろ両利きか?
・「本当の騎士」っていうフレーズが、本編のフレンとダブる。
・志は同じだったのに、結果が全く異なったダミュロンとフレン。
・ゲーム本編のおっさんにとって、フレンはどんな風に見えるんだろう。
・ダミュロンは、誰かに必要とされたかったのかなぁ。
・ヒスーム = イエガーに1票。
・レイヴン(シュヴァーン)と同様に、やっぱり「イエガー」も偽名だったか。
・キャナリ小隊時代しか満たされた期間がなかったって考えると、ダミュロンの幸せ期間短過ぎ。
・ちょ、ヘルメス・・・・・・・・・っ!
・テムザが壊滅した顛末はあまり触れられず。ジュディスの姿は欠片もなかったような。
・ダミュ・・・・ちょま・・・・・・・ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!(叫
・ダミュロン殺した魔物(たぶん始祖の隷長)が心底憎たらしい。フェローよりも陰険。
・224ページからの展開が痛い。痛過ぎる。これは辛い。読んでても辛い。
・あとがきから先に読んで「相当酷い目に遭ったに違いない」発言にwktkしてたら、本当に酷かった。
・一度に命も、心臓も、仲間も、家族も、故郷も無くしたダミュロンの心境を思うと・・・・・。
・心が死んだまま城内を徘徊するダミュロンに、胸が詰まった。
・デュークが城に押し入り、皇帝から宙の戒典を強奪していきました。
・デュークの一言が引き金とは。。。
・白アレクセイ。良い人。でも苦悩の人。
・人魔戦争直後は、まだ暴走してなかった様子。
・アレクセイが死人ダミュロンに思いの丈をぶちまけた展開にもえた。
・「シュヴァーン・オルトレイン」の名付け親はアレクセイ?
・殺されたダミュロン、代わりに生まれたシュヴァーン。
・心臓魔導器の制御装置は、レイヴンになってからも自分で持ち続けてるのかな?
・下巻はシュヴァーン&レイヴンのダブルスタンダード時代?
・というか、下巻はどこまで描かれるんだろう。
・ユーリとの出会いか? バクティオンか? アレクセイ戦か? ED後もいっちゃうのか?
・むしろ、下巻の発売日はいつですかっっ!!? ←これ超重要。

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※[5/4] 以下追記になります。
※[5/11] さらにちょこっと追記しました。
※気が付いたら、追記がどんどん増えてるかもしれません。


もう一度頭からざっくり読み直して、その後クライマックスだけ5回ほど繰り返したら、少しだけ落ち着きました。
これ、頭から読み直した方が、ラストの鬱っぷりが引き立ちますね。

本編との矛盾点についてあちこちで指摘されていますが、ここではあまり矛盾についてあれこれ言うつもりはありません。
物語は楽しんだもんの勝ちだというのが俺ポリシー。


若おっさんことダミュロンについて。
ラストの鬱展開に、読了した日の夜は眠れませんでした。
小説読んで苦しくて悶えまくったのなんて、某芥川賞作家が書いたショパン小説以来です(何

ダミュロンの登場は、正直「うまいな」と思いました。
唐突な”第三者”の登場は賛否両論あるかもしれませんが、自分は特に何の抵抗もなかったです。

ダミュロンの壊れっぷりは、数ヶ月前に読んだ太平洋戦争を描いた小説を彷彿とさせられました。
その小説の主人公の1人が戦場の過酷さから非常に殺伐とした性格に変わっていくんですが、その変わり方が本作のダミュロンと似たような感じで、しかも描写が生々しくリアルだったのです。
そのリアルな展開を思い出したせいか、ダミュロンの壊れっぷりは、わりとすんなり受け入れられた気がします。
上巻では若おっさんの崩壊までが描かれていたけれど、下巻は再生までが描かれてるといいなぁとほのかに期待。

ゲーム本編ではダミュロンの「ダ」の字もないくらいに存在が抹消されていることを考えると、「ダミュロン」という人物が哀れで仕方ありません。
「シュヴァーン」や「レイヴン」を知ってる人はたくさんいるのに、「ダミュロン」はいないんですね。
デュークも「ダミュロン」のことはそんなに深く知ってるわけではなさそうだし。
アレクセイはともかく、イエガーは当然知っていたでしょうが、2人とも本編で死んでしまいますし。
本当に最終的には誰もいなくなってしまうんですよね。
ただ、上巻を読み終わってから冒頭を読み返すと、レイヴン自身はダミュロンとして生きた過去のことを受け入れつつあるようなので、そこは救いかなとも思います。

ただ、ゲーム本編でダミュロンのことが欠片も出てこなかったのは、物語の主軸がユーリだったことと、ダミュロンを知る人間がほとんどいなかったと考えれば、なんとなく納得はできました。
何より、おっさんが自分のことをあまり語りたがらない人だし。
何かのキッカケで請われない限り、自分からダミュロンのことを話すことはなさそう、なんて、そんな印象を勝手に抱いてます。

デュークがゲーム本編でレイヴンを「道化」と称してたのは、「本当の騎士」を目標としたキャナリ小隊に属していたダミュロンと比較してのことだったのかなと、読後ふと思ったり。

イエガー(=ヒスーム?)が生きていることを知ったときの若おっさんの心境は、どんな感じだったんでしょうか。
キャナリ小隊で生き残りがいたことを若おっさんが喜ばないはずはないと思うのですが、その先はどんな展開もあり得てしまって想像できません。
ゲーム本編でイエガーを討たなければならなくなったあの展開のときは、本当に複雑な心境だったのではないかと。

この小説読んでから本編をプレイしたら、おっさんの台詞の見方が少し変わりました。
ラスボス戦前のおっさん先頭時会話の「先にいっちまった馬鹿ども」のの中に、キャナリや昔の仲間たち、ファリハイドの家族らも含まれているような気がします。


キャナリについて。
本当に違和感無く受け入れられたキャラでした。
最初から最後まで、凛々しい女性でした。若おっさんが惚れたのもわかります。

あんまりすんなり受け入れられたもんだから、正直これ以上感想もなかったり(ぁ

時々、「キャナリの見た目はユーリに似てる」という感想を見ますが、個人的にはあまりそう思いませんでした。
あれ、俺の目がおかしいのかなぁ。。。


アレクセイについて。
アレクセイよりもおっさんの方が先に壊れてたんですね。
もしかして、アレクセイの罪の証である虚無おっさんが、理不尽な命令ですら文句一つ言わない道具となってアレクセイ本人にずっと付き従ったために、罪の意識と重責でアレクセイが壊れてしまったんでしょうか。
でも、自分の存在がアレクセイを狂わせてしまったことにおっさんが気付いてしまったら、おっさんもかなり救われないような気がします。
おっさんって、身体的には器用なのに、精神的には不器用なのだろうか。

アレクセイの顛末は、きっと下巻で描かれると期待してます。

アレクセイがシュヴァーンの名付け親だとしたら、どこから「シュヴァーン・オルトレイン」という名前を引っ張り出してきたんでしょうか。由来があるのなら、聞いてみたいです。


人魔戦争について。
一体いつからやってた戦争なんでしょうか。
キャナリ小隊が向かうよりもずっと前から戦争中だったと、勝手に解釈してるのですが。
長引く戦争と度重なる魔物の襲撃によって減った人員の補充のために、キャナリ小隊らがテムザに向かったんじゃないかと。
作中では描かれることがなかったけれど、裏でベリウスやドン、ジュディスたちが動いていたんだと思っています。


下巻が発売される前からこんなこと言うのもアレなんですが、これを基にしたドラマCDが聞きたいです。
わりと切実に。

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