[本] テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面(下)

2010/07/31(土) 04:59:43 | カテゴリ:
奥田孝明「テイルズ オブ ヴェスペリア 虚空の仮面(下)」(ファミ通文庫)読了。
[2011/03/04] 祝わずにはいられなかったので、ほんの少しだけ追記しました。

人魔戦争が終結してなお、その痛手が大きく残る帝国騎士団。アレクセイは団長として、騎士団の建て直しを図り奔走する。その傍らで、戦争で見せ付けられた強大な魔物の力に対抗するための力を求めて、魔導器の研究にも力を注いでいた。
人魔戦争を生き抜いた「英雄」として絶大な賞賛を浴びていたシュヴァーンは、そんな世間の評判をよそに、騎士団の再建を願うアレクセイの意思に従って有能な人材の育成に努めていた。
騎士団の敵対勢力である評議会は、そんな騎士団の様子を危惧する。戦争によって弱体化した騎士団が再び力を付けることは、評議会にとっては何の得にもならない。むしろ、障害でしかない。そんな中、評議会において特に騎士団を敵視していたカクターフは、アレクセイに審議で負かされたことから彼を逆恨みし、騎士団に対して物理的な強硬策に手を出す。
そして、事件が起こった――。


上巻のレビューはこちらを参照してください。無闇に長いですが。

というわけで、待ちに待っていた下巻がついに発売。
発売日当日は、朝から本当に楽しみで、会社で仕事しながらずっとそわそわしていました。
会社の業務時間終了とともに、同僚に「帰ります!」宣言して定時ダッシュ。その足で下巻を購入。
まぁ、下巻をゲットするまでに、都内の書店を4ヵ所巡りましたが。
中規模の書店なのに、なんで置いてないんだよっ!
はっ、もしかして早々に売り切れてたのかっ!!
# たぶん、違うと思う。。。

上巻よりもボリュームがあったけれど、それでも6時間で一気に読破。
病気じゃない公式が盛大に炸裂してたため、読み始めたら止まりませんでした。
なんだかんだで読み終わったのが、夜中の1時半。でも、眠くないです。
読後の興奮のためでしょうか。
しかし、この興奮状態で、俺はこの後、無事に眠れるのだろうか。。。

TOVのおっさん(レイヴン)に焦点を当てた外伝小説の下巻。
話の内容は、人魔戦争後?ゲームの第二部後半が描かれています。
本書の約5分の3以降はゲーム本編をおっさん視点で描いた形になっているので、あのシーンの裏であんなこと起こっていたのかと、目から鱗がぼろぼろでした。
上巻読み終わった後にも思いましたけれど、下巻読み終わった今ゲームをプレイすると、見方がかなり変わりそうです。

下巻は上巻に比べて、ゲームに登場した人物が数多く登場しています。
上巻に引き続き登場のアレクセイ、デュークはもちろんのこと、ドンやルブランなどおっさんを語る上で外せない面々から、ユーリたちゲームのPTメンバーまで登場。
フレンもちょこっとだけ出てきます。意外なところで出てきて驚きました。
逆に、予想していたよりも登場頻度が少なかったのが、イエガー。
ほんの1シーンのみで、少し寂しかったです。

また下巻には、ゲーム本編でそこはかとなく仄めかされた出来事が多かったように思います。
あんまり書くとネタバレになりそうなので、詳しくは追記で。

上巻が一人の男の人生が描かれたものであれば、下巻は人へと再生する様が描かれています。
とはいえ、上巻の終わり方が終わり方だったので、冒頭からの前半のおっさんはひたすらローテンション。時々例外的に感情が出るけれど、しばらく底辺進行が続きます。
まぁ、寡黙で鬱なおっさんもカッコいいので、個人的には全然OKですが。
人への復活の兆しが見え始めるのは後半に入ってから。
でも、そう簡単に復活できるわけもなく、上巻に負けず劣らず、もしかすると上巻以上に色々なイベントが起こり、その度におっさんが翻弄されてます。
特に、第七章最後の4ページの展開は、読んでる方も大きな衝撃を受けました。
上巻で最も印象的なラスト50ページぐらいで受けた衝撃は、緩やかにじわじわと押し潰されるようにくるものでしたが、下巻の第七章最後の衝撃は瞬間的にぶわっときました。なんというか、胸に錐を刺し込まれるような感じというか。
あれは、きつかったです。文章表現も上手だから、余計に辛さが伝わってきて、気が付いたら涙ぐんでました。
本当に、たいへんな人生だと思います。主に後ろ向きに。

他にも衝撃的な展開が目白押し。
ドンとの出会いやブラストハート発動の他に、ゲームでも描かれたアレとかソレとか、数え上げたらキリがありません。
その中でも特にショッキングだったのが、アレクセイが変わるきっかけになった事件。
あまりの惨さに、アレクセイがああなってしまったのも肯ける気がしました。

おっさん好きとしても、TOV好きとしも、非常に楽しめた小説でした。
ゲームのノベライズとして、かなり良作だと思います。TOVプレイした方にはオススメです。
せっかくなので、上巻と合わせて、ドラマCDで聞きたいです。コミカライズもいいなぁ。

[2011/03/04 追記]
とか言ってたら、ドラマCD化が決定したそうです。
アニメイトオンラインショップに予約ページができていました。ふぉぉぉぉ。

以下、ネタバレ感想になります。

※これより下はネタバレ考慮していませんのでご注意を。
※ゲーム本編のネタバレも含まれます。
※感想がうまくまとまっていないので、また箇条書きで。落ち着いたら整理します。
※やたら長いです。


・必殺仕事人シュヴァーン。ユーリの専売特許じゃなかったのか。
・仕事人は、冒頭の一回だけではなかった模様。
・雨を気にせずに剣を振るう様は、空っぽ具合が出ていてなんだか切ない。
・そもそも、第五章?第六章のシュヴァーンの虚ろっぷりは、胸が締め付けられる。
・利き手、シュヴァーンになったのを機に右から左に変えたのか。
・シュヴァーンのあの紅い剣がエヴァライト製だったとはΣ
・製作は、魂の鉄槌なんだろうか。
・エヴァライトって、鉄より軽いらしい。
・序盤のアレクセイの白さには泣かされる。
・アレクセイの勉強家っぷりとか、熱弁を振るう姿とか、本当は真面目でいい人なんだな。
・初期ヘラクレスに込められた白い頃のアレクセイの想いは、どんなものだったんだろう。
・シュヴァーンの出世、早っ。
・教官シュヴァーンがなんだか新鮮。
・猪戦のシュヴァーンがカッコいい。挿絵も。
・ていうか、圧倒的に強いよ。
・そんなシュヴァーンよりも遥かに強いドンやアレクセイって、どんだけなんだΣ
・まさかの元同僚登場。でもまぁ、あり得るよな。
・評議会がむかつく。
・デュークが再び地雷を踏みました。
・とはいえ、感情的なシュヴァーンが見られたので、デュークGJ。
・上巻からここまで読んでると、おっさんとデュークって相性悪そう。
・騎士団爆破事件。これは惨い。
・前途有望な補佐官の最期が・・・・・・っ。
・これは、アレクセイが狂っても仕方ない。
・「ホワイトホース」は名前だけど、「ドン」は尊称なのかな?
・隊長首席は、人魔戦争前から存在してた役職ではなかったのか。
・シュヴァーン隊が技能的に有能ではない人材の集まりだったとは。
・でも、その理由に納得した。そりゃそうだ。
・初期シュヴァーンにとってルブランの尊敬の眼差しは、重さと苦痛を伴いそう。
・ダングレストに着くまでの民間人シュヴァーンがかわいいんですが。
・ダングレストで変形弓と再会していなければ、レイヴンの武器はシュヴァーンと変わらず剣のままだったんだろうか。
・デズエールの砂漠には、ダミュロンたちが使っていた弓が眠っているのか。
・掘り返したいな(何
・ドンの強さが半端ない。
・歯で変形弓(剣型)を受け止めるってΣ
・シュヴァーンでも怖さを感じるのか。
・というか、ドンとの出会いあたりから、シュヴァーンに変化が現れ始めてるのか?
・ ・・・・・・ほんと、頭がなくなっても、心臓魔導器って動くのか?
・「シュヴァーン」の名付け親がアレクセイなら、「レイヴン」の名付け親がドンとは。
・てっきり、必殺仕事人やってるときにシュヴァーンが思いついた偽名なのかと予想してた。
・でも、ネズミに「レイヴン」って、そのセンスはどうなの?
・2ヶ月で随分変わったなぁ、おっさん。
・変わるシュヴァーンに対して、アレクセイが寂しさを感じていたらいいと思う。
・もしかして、自分では変えられなかったシュヴァーンが、ドンによって変わったことに対して、アレクセイが寂しさと嫉妬を感じて、シュヴァーンへの接し方を変質させていったのかな。
・イエガーの登場、これだけ?
・おっさんが見てもわからないくらい、イエガーは変わったってことだろうか。
・それとも、おっさんがあえて思い出そうとしなかっただけなのか。
・結局、イエガーがキャナリ隊の誰かって明かされなかったな。
・道具コンビが、ゲーム開始以前に出会ったのが1回だけってのは意外。
・襲撃されてブラストハート発動。
・ブラストハート=心臓魔導器の暴走、らしい。
・そういう機能が意図的に備わってたわけじゃなかったのか。
・第六章のシュヴァーンのズタボロ加減が凄まじい。
・ ・・・・・・・・ごめんなさい、好きなキャラのズタボロシーンは好物です(ぁ
・ルブランとシュヴァーンの組み合わせが和む。
・殺伐としたシーンが多い中で、まるでオアシスのようだ。
・第七章で、かなりゲームのレイヴンに近づいてきた。
・どんな顛末があって、アレクセイはクロームを諮問官に採用したんだろう。
・時期的に、シュヴァーンとフレンの初対面時期は、劇場版に近いのかな?
・本当の騎士、かぁ・・・・なんだか切ない。
・そして、ゲーム本編の裏話へ。
・裏話、ジェットコースターな展開だな。すごく早い。
・若干ムリヤリ合わせた感じもするけれど、まぁ些細なことかな。
・ゲーム開始早々、牢屋に入れられてたのは、そういうことか。
・人魔戦争終結からバクティオンまでの10年間で、おっさんが自発的に行動したのが、ユーリの脱獄手伝いだけだったとは。
・それが、結果的におっさんを解放するところへ繋がってるってのは、うまい展開だなぁ。
・ユーリとフレンが旧知だってことをノールの一件まで知らなかったということは、ユーリとフレンの姿は、劇場版のおっさんの眼中にはなかった模様。
・シュヴァーンとレイヴンの間で揺れ動くおっさんの不安定さ。
・始祖の隷長に結界魔導器は効果ないのか。
・そういえばゲームでも、フェローやベリウス、バウルは結界内にいたっけ。
・ドン自刃直後の、第七章最後の4ページが、本当にキツイ。
・おっさん!・・・・・・・・・・・・おっさんっっ・・・・・・・・!!
・あの胡散臭さが服着て歩いてるような飄々としたおっさんが、ここまで壊れるとは。
・ゲーム本編では仄めかす表現すらほとんどなかっただけに、かなり衝撃的。
・おっさんの壊れ方が堪らなくて、文章なのに直視するのがためらわれる。
・そして、どことなく怖かった。
・あまりに切なくて、涙ぐんでた。
・でも、この時は、空っぽではないおっさんだったんじゃないかと。
・バクティオンイベントがついにきた。
・この頃のアレクセイにとっては、ヘラクレスとシュヴァーンは同列だったのかな。道具として。
・シュヴァーン隊は、技能的には劣るかもしれないけれど、精神的にはかなり強いと思う。
・シュヴァーンとルブランたちのやり取りは、やっぱり和む。
・ルブランがシュヴァーンを叱った、だと・・・・!
・ルブランに対する株が急上昇。
・シュヴァーンの咆哮シーンに感動した!
・読んでるこっちも、なんだか解放された気分になった。
・そして、挿絵で相乗効果。
・おっさん、良かったね。ほんと、良かった。
・エステルの「どうしてです?」攻撃は天然だよな?
・ちょ、土下座・・・・!?
・おっさんの頭を抱え込むエステルの構図が、なんか好き。
・エステルの額ぺしっがかわいい。
・アレクセイ戦の頃には、制御装置なくなってるのか。
・まぁ、必要ないもんなぁ。
・エピローグの挿絵の笑顔おっさんに激しく悶絶した。
・やっぱり、ED後のおっさんは幸せになるべき。
・ダミュロン&キャナリの描きおさめと言わず、もっと描いてください、岩本さん。

・ゲームのノベライズでこんなに興奮したのは初めてかと。
・ものすごく堪能した。これ以上ないってくらいに。

・それにしても、このエントリはいい加減長過ぎだと思う。ここまで読むのも一苦労だよっ。
・書き始めてから3時間経過したよっ。
・しかも、まだ続けるつもりだよこの人。自重しろ。

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※[8/2] 以下追記になります。
※例によって、気が付いたら追記がどんどん増えてるかもしれません。


ついさっき、2回目読み終わりました。
最初に読んだときに「?」っていう箇所がいくつか(主に後半のおっさんの心の動きに)あったのですが、2回目で「あ、そういうことかな」とようやく理解できたところがありました。
まだ疑問符の付いているところが多少あるので、ちゃんと理解するにはもう何回か読まないと。

2回読んで落ち着けたかと言うと、あまりそうでもありません。
相変わらず、脳内が興奮状態でごちゃごちゃしています。
それでも日曜日のうちに書いておかないと、平日は更新してる暇がないので。。。

下巻は上巻以上に詰め込まれた内容でした。
上巻は前半が比較的ゆったりしたペースで紡がれて、後半から切迫した展開だったのに対して、下巻は最初から最後まで怒涛の勢いで展開。
息つく暇もあまりなくて、だからこそ一気に読んでしまったと思います。


シュヴァーン/レイヴンについて。
人魔戦争の一件があるので分かるのですが、シュヴァーンの感情と表情の無さは徹底してるなって、第5章読んでるときはそればかりが頭を過ぎってました。
作中でアレクセイも言っていたけれど、本当に意欲がない。
その徹底的な空虚感が、無性に切なかったです。

そんなシュヴァーンが変わり始めたキッカケが、ドンとの出会いだったのではないかと思います。
ドンと戦ってる最中に感じた恐怖心が、変化の始まりだったと。
ただ、この変化がアレクセイとのすれ違いのキッカケになったのだとすれば、それはそれで報われないですね。
何年も言葉をかけ続けても一向に変わる気配のなかったシュヴァーンが、監視対象であるドンの影響でほんの少し変わって戻ってきたら、アレクセイは喜びよりも嫉妬を感じそう。

レイヴンとして本格的に活動し始めてからの、おっさんの葛藤は凄まじいですね。
自分だったら、もっと早い時期に疲労困憊してそう。4年も5年も持ちません。
おっさんって、どこか強靭だけど、どこか脆いというか。
ギャップ、アンバランスさ、不安定さが際立ってるような。
精神面を自分で制御する術を、身につけてるのか身につけていないのかすら、正直微妙なライン。
時々、瞬間湯沸し器みたいにぶわっと溢れ出た感情に流されてるのが、平常時とのギャップを感じて、余計に切ないです。

その溢れ出た感情のうち、負の方向で強く出てたのが、ドン自刃直後の半狂乱シーン。
このシーン、2回目に読んだときも、文字を目で追うのが辛かったです。
何もしなかった自分を責めた挙句の泣き笑いって、自分を空にするぐらいしか逃げ道ないですよね。
この時に誰か頼れる仲間がいれば、ここまで壊れることもなかったかもしれない。
けれど、実際誰もいなかったわけで、おっさんの無力感と孤独感に涙が誘われました。

ただ、切なくて涙ぐんでた裏で、正直恐怖心も感じてました。
ゲーム本編のザギのような狂気ではなく、瞬間的にグサッと来る狂気。
切ないんだけど、ぞっとするシーンでした。

これを知ってしまった今、ゲームやり直したときに、きっとテムザ山あたりからおっさんのこと直視できないかもしれません。
あんな飄々とした振る舞いの裏で、こんなことになってるなんて知ったら、もう。
バクティオンは、泣いてしまうかも。号泣かも。
まぁ、これまでもバクティオンイベントには泣かされてきたんですが。

逆に、正の方向で感情が強く出てたのが、バクティオン後の咆哮シーン。
あのシーン、下巻の中で3つの指に入るくらい好きです。
# ちなみに他2つは、前述のドン自刃直後と、エステルの抱擁シーン。
# 次点で、ブラストハート発動した一連の戦闘。
あの解放感は、読んでるこっちも清々しかった。
これまでがこれまでだったので、「おっさん良かったね」って本気で思いました。

小説後にイエガー戦やアレクセイ戦、目にするだけで総毛立つほどの恐怖の対象である始祖の隷長戦、因縁のデューク戦が控えてることを考えると、万事がハッピーエンドとも言えない気がするのですが、とりあえず呪縛から解放されてほっとしました。
そして、おっさんは幸せになるべき。

それにしても、上下巻に渡って公式に過去話を補完してもらえるなんて、おっさん愛されてるなぁ。


アレクセイについて。
実はおっさんより救われてない人なんじゃないかと。
アレクセイの理想の礎となるはずだったキャナリ小隊に続いて、補佐官たちまで潰されてしまい、評議会と始祖の隷長を抑えるためにザウデに手を出すものの、結局絶望のうちに死亡って、最後まで不幸三昧のあんまりな展開。
しかも補佐官たちを全滅させた騎士団爆破事件は、アレクセイの目の前で起こったわけで。
そりゃ、狂っても仕方ない。

もしアレクセイを止められる人が傍にいたら、違った展開になっていたかもしれません。
アレクセイが変わっていたら、シュヴァーンもまた違った人生を送っていたかもしれない。
歯止め役を当時のシュヴァーンに期待するのは、さすがに酷かと。対等な立場になかったし。
カクターフ暗殺のときに、「本当によろしいのですね」と確認したのが関の山。

でも、あの爆破事件は惨い。
補佐官たちもアレクセイも憐れで仕方ありません。
評議会滅びろって、半ば本気で思いました。

爆破事件前のアレクセイが本当に真面目で良い人だっただけに、事件後の変わりようには憐れですらありました。
でも、人を道具扱いしちゃいけないと思う。


ドンについて。
vsシュヴァーンのドンは、野獣にしか見えませんでした。
ていうか、変形弓(剣)を歯で受け止めるって、どんだけなの?
野生の勘としか思えません。
あと、シュヴァーン仕留める為とはいえ、ユニオン本部を破壊し過ぎだと思う。

それはともかく。
シュヴァーンがドンによって変わっていけたのは、ドンの洞察力や偉大さもあるのだろうけれど、ドンがシュヴァーンの事情を知らない第三者だったからではないかと思います。
とはいえ、「自分ひとりが・・・」云々の励まし方(?)は、シュヴァーンにとっては逆効果だったのでは。
ドンがあげた不幸の例、シュヴァーンにとってはどっちも当てはまる上に、まだまだ足りないわけだし。
あの一連の台詞だけ、読んでてちょっとイラッとしました。
まぁ、ドンは事情を知らないのだから仕方ないんですが。

ドンの器の大きさは、ゲーム以上にすごいと感じました。
大きいにも程があるだろ、と思いつつも、ドンならば仕方ないというか。
さすが、一代でギルドユニオンを纏め上げただけはある。

ドンがおっさんのことを気にかけているシーンがちらちらあるのですが、ドンもほっとけない病なんですかね。
もっとも、その洞察力でおっさんがものすごい虚無を抱えてるって見抜いていたから、気にかけないわけにいかなかったんでしょう。
その気にかけた分だけおっさんに影響を与えていて、だからこそドン自刃後の半狂乱シーンに繋がったのかと思うと、なんだか複雑な心境になります。


ルブラン小隊について。
バクティオンで、危険を顧みずにシュヴァーンを助けに行ったことについては、ありがとうと言いたいです。
彼らが掘り出さなければ、完全にシュヴァーン死んでたっぽいし。
シュヴァーンが(気紛れとはいえ)自発的に撒いた数少ない種の一つが、こういう結果を生んだということに、人の縁の深さが出ててなんだか感動しました。
よくやった、ルブラン小隊。

でも、「だまらっしゃい!」発言には驚きました。
まさか、あのシュヴァーン至上主義のルブランが、シュヴァーンを叱るとは。
年の功ってヤツでしょうか。


エステルについて。
最後の最後でおいしいところをさらっていきました。
でも、あの抱擁シーンはすごく好きです。エステルだからこそできる技かと。
エステルも、成長したんだなぁ。ゲーム序盤は結構いらっとさせられることが多かったけれど。

おっさんがエステルの「どうしてです?」攻撃にやられて、ダミュロン時代から顛末を話したってことは、アレクセイ亡き後、エステルだけがおっさんの素性を知ってる唯一の存在なんですね。
エステルが誰かに言いふらさない限りは、ですが・・・・・・あー、ユーリには話しそうだな。
でも、誰にも知られないってよりは、誰か一人でも知ってくれている方が、きっと安心できるのではないかと思うのです。


上下巻ともに、ものすごく楽しめたノベライズでした。
小説でこんなに長々とレビュー書いたのは初めてです。
ゲーム本編のレビューですら、こんなに長くなかったのに。

というわけで、ちょっとゲームやり直してきます。
次プレイしたら、7周目か8周目? もはや何周プレイしたのか覚えてません。。。

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※[8/23] 以下、さらに追記になります。
※たくさんの拍手、ありがとうございます。こんな短期間でこんなに拍手もらったの初めてです。

小説読了後、ゲーム本編を再プレイしながら思ったことをつらつら書き連ねてみます。
たわごと・妄想に近いかも。

砂漠でおっさんがはしゃぎ回っていたのって、そもそも暑さに強いというのもあるのでしょうが、はしゃいでいないと過去の嫌な記憶が蘇る+暑さを感じる心がそもそも死んでた、だったらいいな、と思ってみたり。
砂漠の暑さ耐性については、上巻でもほとんど触れられていないから、暑さに強いのかどうかって結局のところわかりませんでしたし。
攻略本やシナリオブックに、何か書いてあったっけなぁ?

ドン自刃イベント直後、ゲームではユーリがカロルを叱咤する展開が描かれていますが、その裏でおっさんが半狂乱になっていることを想像すると、切ないを通り越して痛いです。
カロルにはユーリがいたからすぐに立ち直れたけれど、おっさんの傍には誰もいなかったんだよなぁ。
少し前までは、ドンが傍にいたのに。
レイヴンの様子を気にかけていたドンの存在の大きさを、ひしひしと感じました。

ヘラクレスで、ジュディスの質問に対するおっさんの「死んだ身なんよ」という回答。
ゲームプレイで初めてそれを聞いた時、死んだ身=10年前に死んでる身、と思ったので、次に続くユーリの台詞への繋がりが唐突な感じがしてました。
が、もしかして、死んだ身=アレクセイに切り捨てられた身、という意味だったんでしょうか?
だとすれば、次のユーリへの台詞も自然に繋がる気がします。
・・・・・・・あれ、俺、気付くの遅い?

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