[本] ワン・ドリーム~みんなでひとつの悪い夢~

2011/03/21(月) 16:55:08 | カテゴリ:
中井拓志「ワン・ドリーム~みんなでひとつの悪い夢~」(角川ホラー文庫)読了。

和歌山県の海岸沿いにある、人口三万の町・娃南。「海女の枕」と呼ばれる岬には、かつては国の保養施設、現在は陸上自衛隊第三師団の駐屯地がある。ただし、駐屯地とは名ばかりの、「人類史上最も人道的な戦術兵器」の実験場であった。
その駐屯地に、サイレンが鳴り響いた。まもなく、逃げ遅れた自衛隊員たちは、総じて「悪夢」に被爆し、四肢を引き攣らせて昏睡状態に陥った。その「悪夢」は駐屯地だけでは飽き足らず娃南の市街地にまで及び、そこに存在する一般の人々をも巻き込む。
事態を知った陸自は混乱収集とデータ採取のため、救難隊を娃南に送り込む。
それと同時期、「戦術兵器」を奪わんとする空挺と空自が娃南で暗躍し始め、事態はさらなる混乱に陥る。


一気に広く伝播し感染する「悪夢」の話。
ホラーものというよりは、パニック+謀略ものという感じでした。
ホラー文庫の作品ですが、怖さはあまりありません。

前半は説明部分が多くてやや退屈だったのですが、後半は一気に読み進めてしまいました。
双子の姉が登場したあたりからかな。
陸自と空挺と空自の三つ巴状態と、検体と双子の相似性がはっきりしてからは、面白かったです。

前半といえば、説明口調の台詞が多いのが気になりました。
会話でこんな風には言わないだろうっていう、違和感が拭えなくて。
後半はそういうのがあまりなかったので良かったのですが。
ここぞという盛り上がりの真っ最中に、とあるキャラが説明口調でぺらぺら話されても、読んでる側は気分を削がれるだけになるかと思うので。

「夢」と「兵器」に、というネタは、ユニークで興味深かったです。
欲を言えば、三つ巴状態がもう少し入り乱れて発展していれば良かったかなとも思いました。

あと、「悪夢」の描写が度々登場するのですが、最後までイメージがうまく思い描けなかったです。
「幻覚定型」はともかく、そこから「極限心象」への展開が特に。
まぁ、それはそれでいいのかもしれませんが。所詮、夢だから。

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