[本] テイルズ オブ ヴェスペリア 竜使いの沈黙(上)

2011/09/10(土) 23:26:56 | カテゴリ:
奥田孝明「テイルズ オブ ヴェスペリア 竜使いの沈黙(上)」(ファミ通文庫)読了。

クリティア族ならば誰もが使えるナギーグを使いこなせず、塞ぎこむ毎日を過ごしていたジュディスは、ある日の夜、テムザの奥にあるバルビュサの峰へと降りていく空飛ぶ魔物の姿を見つけた。ジュディスがその後を追いかけてみると、そこには見たことのない魔物が横たわっていた。ひどく衰弱しているその魔物を、ジュディスは、彼女を追いかけてきた父ヘルメスとともに介抱する。
翌日、ナギーグを使って魔物と心を通わせたジュディスは、その魔物に「バウル」という名前を与えた。
ジュディスがバウルとの生活を楽しむ一方で、ヘルメスは魔導器の研究に没頭し続け、画期的な魔導器を実用化させていた。
そんな中、ヘルメスの元へ、ある事実を告げるための使者が訪れた。


Xbox360/PS3で発売されたRPG「テイルズ オブ ヴェスペリア」のスピンオフ小説。
TOVの制作スタッフであった奥田氏が出かけた外伝小説の第2弾になります。
今回の主役はジュディス。
テムザで過ごした幼少期を中心に、父・ヘルメスとの生活、バウルとの出会い、そして人魔戦争を経て竜使いとなった経緯が、本作では描かれています。

読み終わって最初の感想は、「奥田氏は、きっとドSに違いない」でした。
本作のジュディスといい、「虚空の仮面」のおっさん(レイヴン)といい、過去がキツいです。すごい勢いででキツいです。特に後半。
ジュディスは、ゲーム本編では芯の強い大人な女性という印象で、あまり過去が見えないキャラだっただけに、この展開は想像していませんでした。

ゲーム本編ではあまり感情的になることがない女性だったジュディスですが、本作では幼少期ということもあってか、かなり感情が表に出てきます。
落ち込んだり、怒ったり、泣いたり、恐怖を感じたり。
ゲーム本編ではほとんど見られなかっただけに、新鮮でした。
その中でも特に終盤、人魔戦争直前からのジュディスの鬼気迫る感情の波は、迫力がありました。
9歳の少女が抱くには荒々しい感情でしたが、あのジュディスでもそういう感情が沸くことがあったのかと、少々意外でした。

とはいえ、子ジュディスが「大人しい子」(←ゲーム本編のスキット参照)かどうかは判断に困るところ。
大人しくないわけではないけれど、大人しいというわけでもないような。
人魔戦争後の数年を指して「大人しい子」と評されたのであれば、わからないでもないです。
端から見たら、そう見えるかもしれない。

あと、子ジュディスの可愛さが反則技レベルです。特にイラスト。表紙も口絵も挿絵も。
なにあの、思わず抱きしめたくなるような可愛さは。
子バウルの可愛さも相まって、最強コンビだと思いました。

バウルも健気で可愛かったです。
ジュディスの主観で描かれているためか、バウルもまたゲーム本編よりも雄弁に語っていたように思います。

ヘルメスは、なんというか、あまりの報われなさっぷりが切ないです。
最期の1年間の彼の心情を思うと、せつなさみだれうちです。
その報われなさは、アレクセイに通じるものを感じました。

人魔戦争が絡んでいるため、ほんの少し「虚空の仮面」とリンクしているシーンがあります。
直接的な表現は全くないけれど、「虚空の仮面」を読んでいると「あぁ、あれか」とわかる展開が数箇所ほど。
あのときあの場所に彼がいたのかと思うと、いろいろ滾るものを感じます。

下巻は、どこまで描かれるんでしょうかね。
義妹のことが絡んでくるのは間違いないでしょうが。
そうなると、ゲーム本編もある程度描かれるんでしょう。
テムザまでは確実として、その先も描くならEDまでやるのかなぁ。
下巻、いつ発売なんだろう。

コメント

この記事へのコメント


コメントを投稿する


トラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック