[本] STEINS;GATE 無限遠点のアルタイル

2013/09/30(月) 01:00:55 | カテゴリ:
たきもとまさし「STEINS;GATE 無限遠点のアルタイル」(MAGES.)読了。
シュタゲ外伝小説の第3巻、最終巻です。
例によって例の如く、ちょっとでも内容に触れるとネタバレに抵触しそうなので、あらすじは割愛。

9月28日(土)午前中に入手して、それからずーっと読みふけって、その日の日没直後ぐらいに読み終わりました。
途中、買い物に行ったり飯食ったりしてたから、読書時間は実質7~8時間ぐらいでしょうか。
遅読な俺でもそれくらいなので、通常はもうちょっと早く読み終わるかも。

公式Twitterで発売前から頻繁に呟かれていたことですが、前2巻に比べると圧倒的に分厚い(500ページ強)です。
その分厚さは、かなりの重量感があります。
が、「魍魎の○」など”枕本”として名の知れた某シリーズ作品に比べれば、文字は大きいしさらっと読めるしで、正直チョロかったです。怖るるに足りません。
まぁ、比べる対象が間違っている気がしないでもないですが。

内容は最初からクライマックス。
そして、最後まで白熱の展開が続きます。
ゲーム本編の後半部分を進めていたときのような展開です。
どこを切り取ってもネタバレに触れそうな、非常にレビュアー泣かせでした。
なので、ネタバレ全開の感想は、このエントリの追記部分に記載します。

まぁ、そもそもシュタゲはゲーム本編からして、レビュアーに対してドSだったけれども。
いや、違うな、ツンデレか。
周りに人がいるときは(ネタバレを許さないという意味で)ツンツンしてるけれど、2人きりになると(深みのある面白いストーリーを提供してくれるという意味で)超デレる。そんな感じ。

前作「永劫回帰のパンドラ」を読み終えたときは、あまりの風呂敷の広げっぷりに「これ、伏線全部回収できるのか?」と不安に思ったりもしたのですが、そこはさすがプロ、全体的に綺麗に回収されたいたのではないかと。
なんとなく多少残っているような感触もするのですが、そこは妄想力で補完すればなんとかなりそうな程度かな。

というわけで、これ以上の小説について書いてるとうっかりネタバレに触れそうなので、あとは追記に任せるとして。
初回限定版の特典ドラマCD「時限輪転のアルペジオ」についても少し感想を。


これまでの特典ドラマCDと同様に、小説本編の鬱々とした雰囲気とは180度変わって、全体的にギャグです。
なので、しばらく小説の余韻に浸りたいという方は、読了直後のドラマCD鑑賞は避けた方がいいです。
一方で、小説読後特有の現実離れした感覚からすぐに三次元に戻りたいという方にとっては、いい引き上げ役になってくれそうです。

登場人物もこれまでと同様に、ラボメン8人+比屋定真帆。
9人で東京電機大の学園祭に乗り込んで、ワイワイやらかす話です。
「ワイワイ楽しむ」でも間違っちゃいないけれど、「ワイワイやらかす」と言った方がより正確かと。

ところどころに、小説本編の内容がちらっと垣間見えるところがあるのが、なんとも憎い演出。
真帆の紅莉栖に対する感情は、どの世界線でもそうなるように収束するのかな。

以下、箇条書きで感想列記。

・オカリンの中の人のノリノリっぷりがwww
・さすがに3作目ともなると、ラボに真帆がいても違和感感じなくなってきた。
・「オカリン以外みんな女子」・・・ルカ子がナチュラルに女子としてカウントされとる。
・ダルがリア充。そもそも交友関係広そうではあったけれど。
・ぼっちオカリン、マジで痛々しい。。。なんだろう、目から汗が。。。
・確かにメンタルはタフだな。
・萌郁さんは落語好き。
・萌郁さん、格闘技いけるんか!?
・ていうか、通信教育でチャンピオンに勝っちゃうとか!?
・ルカ子を推薦したの誰だ? ダルか?
・ルカ子の水着撮影会って・・・ちょっと見ていたい気も。
・ラボメンNo.009の座って、世界線によって異なるのかな。


もう一つの特典、小冊子「次元階差のテスティモニー」についても。

ゲストイラスト9点と、かつて公式から発表され、今となっては入手困難な短編小説「遙遠のヴァルハラ」を収録。

ゲストイラストのイラストレーターさんは、そっち方面にそれほど明るくない俺でも名前を知ってるような方々がズラリ。すごく、豪華です。
全体的に紅莉栖率が高めでしょうか。
個人的には、広江礼威さんの作品と、秋 赤音さんの作品が好きかな。

「遙遠のヴァルハラ」は以前から読みたくて仕方なかった作品だったので、もう感謝感激です。
内容は、世界線変動率0.334581%で、オカリンが諦めた後の話。
俺好みの、切なくて胸が痛くなるような話でした。
あと、ゲーム本編などでも薄々感じてたけれど、林直孝さんって、オカリンを容赦なく追い詰めるよね。
精神的にも身体的にも。

そういえば、作中にSERNのLHC内部が舞台になるシーンがあるけれど、タイミングを見計らったかのように、本作発売日の翌日あたりにGoogleストリートビューでCERNの施設内部(LHC含む)が公開されたため、すごくイメージを膨らませやすかったです。


シュタゲ外伝小説の最終巻ということで、これ以上刊行されないのが本当に名残惜しいのですが、きっとまた別世界線の外伝小説を発行してくれると期待しています。
個人的には、ROBOTICS;NOTESの裏で、シュタゲチームが何をやっていたのかとか、読んでみたいなぁ。


これより下は、ネタバレ満載の感想になります。
閲覧する際は、ご注意ください。

・・・・・・追記じゃない部分だけで、既にとんでもなく長いエントリになっていた件について。
・・・・・・まぁ、見なかったことにします。


というわけで、ネタバレ満載の感想です。
バカみたいに長くて、そのクセにまとまりがありません。
あらかじめご了承ください。


冒頭の1998年のかがりと鈴羽。
第一巻で思わせぶりにちら見せされたかがりが、ようやく本格的に登場。
と思ってラストまで読むと、実はちまちま出てきていたっていうオチだったんですが。
ていうか、完全に騙されました。
両者のビジュアルが公開されてただけに、余計に先入観を植えつけられて、騙されたような気がします。

でもきっと、かがりは本物の阿万音由季そっくりに整形したんだろうなぁ。
ということで、公開されてる阿万音由季のビジュアルは、本物も大体あんな感じってことに一票。

そもそも、かがりを2036年から連れて来なければ、こんなに話がこじれなくて済んだんじゃなかったろうか、と最後まで読んだ結果、思わないでもなかったり。
タイムマシンの燃料も、余計に消費しなくて済んだだろうし。
もっとも、燃料があってもなくても、β世界線の2011年のあの日に、まゆりと鈴羽が世界から”いなくなる”ことは、収束事項なのかもしれないけれど。

あと、2000年になる直前に、オカリンが最初のリーディングシュタイナーを発動させて高熱出してぶっ倒れた原因は、未来から来た鈴羽が2000年問題を回避させたからってことでしょうか。
でも、かがりにIBN5100ぶっ壊されてるから失敗してるよなぁ・・・実はあのシーン、別世界線での話とか?


リーディングシュタイナー発動後、戦時下の東京に飛ばされたオカリン。
この部分は、C84 SCIENCE ADVENTURE SETに封入されていた冊子であらかじめ読んでいた箇所だったのですが、2回目の方がより鮮明なイメージが脳裏に浮かんで、凄惨さが増しました。
本当に、いきなりヘビーな状況に放り込まれたもんだ。
ドラマCDγといい勝負じゃないか。

世界線変動後、1ヶ月経過して元の世界線に戻るけれど、これ、一体誰が戻したんでしょうか。
オカリンが何もしていないってことは、オカリン並に世界線変動を確かに感知できる人が他に最低1人は存在しないと、そもそも世界が書き換えられたこと自体がわからないんじゃないかと。
RSは大なり小なり誰もが持ち合わせているってことだから、他に1人ぐらいいてもおかしくないけれど。

沖縄でアメリカ軍に引き渡されそうになった後に何が起こったのか、結局明かされず仕舞いだったけれど、すごく気になりました。
どこかから襲撃を受けたとか、下山があっけなく排除されたとかかな。


新型脳炎、もといリーディングシュタイナーについて。
RSは誰にでも多少なりとも持ち合わせている、ということを提示するためだけのネタかと思ったら、ラスト付近の対レスキネン教授のシーンで実は重要な要素だったとか、なんてたぎる展開。
第2巻で襲撃を受けたときのオカリンの扱いが完全に雑魚レベルだったから、余計にそう感じました。
世界線変動の手段とセットになると、オカリンの能力ってやっぱりチートなんだ。

クリスマスにフブキとともにぶっ倒れたハズのオカリンが、フブキとは異なり入院してなかったのは、RSを他言することの危険性を知っていたから、RSに繋がりそうな話題を黙して入院回避ってことでしょうか。
でなければ、真っ先に入院させられてモルモットだよなぁ、どう考えても。


β世界線のオカリンと鈴羽は、結局最後まで殺伐ムードにしかならなかったなぁ。
1巻、2巻に比べれば、多少緩和されてる気もするけれど。
まぁ、α世界線の鈴羽とは環境も性格も異なるし、状況が状況だからお互いを好ましく思ってなくて仕方ないですが。
一方、ダルと鈴羽のコンビは、微笑ましいシーンがたくさんあって、その度にニマニマしてました。
全体的に暗いムードの漂う中、定番の緩衝役であったまゆりもシリアス寄りだったので、ダルと鈴羽の掛け合いは唯一のオアシスでした。
特にダルが良かったです。俺の中で、ダルに対する好感度が大幅アップしました。
相変わらずHENTAIな言動が目立つし、極度の面倒くさがりだけど、空気を読むスキルは高いし、人情味の溢れる的確なアドバイスをくれるし、ハッキングスキルは神業級だし、友人としては最高の親友キャラではないかと。
うん、友人としては(大事なことなのでry


真帆の回想シーン、2巻の襲撃事件後のフェイリス宅での真帆とオカリン。
ベッドで横になる真帆と、それに付き添うオカリンの会話シーンが、個人的なツボでした。
互いに傷を舐め合うシチュエーションっていうものが、たぶん好物なんだと思います。
それにしても、1巻からそうだったけれど、このオカリン、読者としての立場なのに妙に庇護欲を駆られるというか。
あと、真帆が可愛い。


萌郁さんは、この外伝小説では一番不憫な扱いを受けてるような気がします。
終盤でちらっと登場した時も含めて、本当に報われない人だなぁ。
あまりに不憫で、これはこれで切ないです。
本編での扱いがあんまりなだけに、ドラマCDでラボメンとワイワイやりながら、ぼそっと鋭いツッコミを入れる萌郁さんにはほっこりさせられます。

というか、本編でSG世界線にたどり着いたことで救われたのは、紅莉栖だけではないってことか。
アニメ第25話や劇場版を見る限りでは、SG世界線の萌郁さんはαやβ、γとは違って幸せそうだし。


(たぶん)比翼恋理以来の岡部青果店。
オカリンの両親って、いわゆる美女と野獣なのか・・・父親に似なくて良かったな、オカリン。

そして、まゆりの料理の腕が格段に上がっている件について。
包丁を両手に持ってしいたけ刻んでた子が、1年でこんなにも変わるなんて。
人間、やれば変わるもんなんですね。

でも、どんなに頑張っても、オカリンにとっては紅莉栖の存在が大き過ぎて、最後まで幼馴染以上の存在になれないまゆりがカワイソス。
これは切ない。

一方で、Amadeus紅莉栖が@ちゃんに書き込みしているという展開は予想外で、つい唸らされました。これは上手い。
確かに好みも本物の紅莉栖のままで、ネットワークに繋がっている(少なくともAmadeusからインターネットに出られる)なら、生粋の@ちゃんねらーが黙っていられるわけがない。
そして終盤のメッセージ(ある意味”遺言”)に繋がるわけだけど、ここが本当に良かった。
この展開は、すごく熱かったです。


ダルと真帆がタイムリープマシンを作っていることがオカリンにバレたシーン。
ダルの怒りの鉄拳がカッコ良かったです。ダル、本当に良いキャラだ。

このあたりから怒涛の伏線回収とラストスパートが始まるけれど、二転三転していく展開に、読む手が止まらなくなりました。
それまでは50ページほど読んだら少し休憩して、というのを繰り返していたのですが、ここから先の150ページほどは、ページを捲るほどに先が気になって、一気に読みました。

未来ガジェット研究所のシーンからラジ館屋上へと舞台を移し、まゆりの決意、ラジ館でのオカリンvsレスキネン教授、ラジ館屋上襲撃+惨劇と秋葉原開戦、そしてタイムリープ起動と、どれも目が離せない展開。
かがりの正体もそこで明かされたけれど、そのことよりもその後の展開の方が、ショックが大きかったです。
まさか、鈴羽とまゆりを巻き込んで、時間移動直前のタイムマシンが焼失するとは。
これには、読んでいて思わず「は? え? えぇぇぇぇぇぇ!」と声が出ていました。
外伝小説三部作の中で、一番のショックでした。

で、”鳳凰院凶真”が復活して、オカリンがタイムリープするわけだけど。
ここは胸熱展開でした。
ゲーム本編でもアニメ第23話でもそうだったけれど、鳳凰院凶真復活シーンは常にたぎるように世界線が収束しているとしか思えないほどの、熱い展開でした。


タイムリープ後、2010年に飛び立つ鈴羽とまゆり。
ドラマCDβの一部を踏襲しつつも、全然別展開になっていて、読書中はここで少し混乱してました。
外伝小説はどこのループになるんだろう、と。
読了後にしばし考えてみた結果、ループの順番としては、外伝小説→ドラマCDβ→ゲーム本編ってことでしょうか。
ドラマCDβのトラック08がゲーム本編っぽいから、じゃぁ外伝小説はその前かな、ていうのがその理由なんですが。
つまり、外伝小説は、執念オカリンが誕生する最初のループってことかな。
そういうことなら、確かに執念オカリン誕生秘話ですね。真の意味で。

もしくは、外伝小説とドラマCDβは並行世界線で、ループからは外れてる、の、かな?
外伝小説ラストで撮影していたムービーメールと、ドラマCDβのまゆりの願いの両方が重なった世界線が、本編の世界線、とか?
・・・・・・世界線理論って、難しいな。余計に混乱してきた。


エピローグ、2025年。
執念オカリンが、あんまり”執念”ぽくないのが、ほんのり残念でした。
なんか、こう、マトモ?
うん、さらりとヒドいことを言っている気もしますが。

あでも、hukeさんの挿絵には驚喜しました。
このオカリンはヤバい、渋い、カッコいい。

それにしても、戻ってこられなくなったまゆりを迎えに行くために、オカリンが2025年から姿を消すっていうのは、斬新な展開でした。
死ぬわけじゃない(結果的に死と同等だけど)っていうのは新しいんじゃないかと。


何はともあれ、1巻から3巻まで、十分に堪能させてもらった外伝小説でした。
で、外伝小説2作品目の発売はいつですか?

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