[GMEV] シュデンゲン室内管弦楽団 第三回演奏会

ゲーム音楽を小規模アンサンブル形式演奏する演奏団体「シュデンゲン室内管弦楽団」の第三回演奏会に行ってきました。
会場は、小松川さくらホール。
16:00開演で、17:40頃に終演しました。

今回の演奏会では、「魔界塔士Sa・Ga」(以下、サガ1)と「Sa・Ga2 秘宝伝説」(以下、サガ2)を全曲演奏。
全曲演奏と聞いて、サガ1大好き人間な自分が行かない手はありませんでした。
どれくらい好きかというと、ダンジョンを含む全てのマップを暗記するくらい何周もプレイし、ついでにWSC版もスワンクリスタル本体ごと購入し、学生時代にDTMでサガ1の全曲をアレンジしてメドレー作ったことがある程度に。

サガシリーズの中ではサガ1が飛び抜けて好きなのですが、サガ2ももちろん好きです。
GB版は2, 3周プレイしましたし、DSリメイク版もプレイしました。

あのモノクロ4階調のドット絵と、同時発音数がたったの3音のBGMで描かれたゲームが、シュデンゲン室内管弦楽団の手によってどのように表現されるのか、開催発表以降ずっと楽しみにしていた演奏会でした。
そして、演奏会が終わった今、心地よい余韻に浸っています。

演奏形式は中規模なアンサンブル。
楽器構成は弦楽器(1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)と木管(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット(バスーン))で、各楽器1人ずつ配置。
各楽器1人ずつということは、ごまかしの聴かない分、個々に高い技術力の必要な構成だったと思います。

実際、演奏技術も表現力も、かなりハイレベルでした。
まれに演奏に力が入り過ぎたのか音が跳ねることもありましたが、それが気にならなくなるくらいのレベル。
安心して聴けたのはもちろんのこと、ずっと前のめり気味で聴き入っていました。
確かな技術力と表現力、さらに原作ゲームに対する敬意や想いを音で表現したいという熱意には、終始圧倒されっぱなしでした。
これら全部合わさると、音楽の力って凄いということを、改めて実感しました。

アレンジは、原曲が3音であるということを差し引いても余りあるぐらい、かなり加えられていました。
1, 2ループ目は原曲通りに、その後2, 3ループ目はニュアンスやベースのみ残してオリジナルのフレーズを絡めつつ大胆にアレンジ、曲によってはまた原曲に近い状態に戻ったり、そのまま次の曲に移ったり、というような感じ。
主催兼アレンジャーの大澤氏らしいといえばらしいアレンジでした。
原曲重視な人にとっては受け入れ難かったかもしれませんが、EGCの頃から大澤氏のアレンジは何度も耳にして慣れてきたし、そもそも大胆に編曲された部分も格好良かったので、個人的には満足でした。

全体的には、非常に色彩豊かなアレンジになっていました。
一つ和音が鳴る度に、色がぶわっと広がる感じ。
演奏会中に頭の中で描かれていたのはモノクロのGB画面だったのですが、モノクロなのに色が付いて見えたというか、音が色に変換されて見えたというか、そんな感じです。

それでもサガ1は、今にして思うと、少々狂気じみた危うい感じになっていたような気がします。
その反面、サガ2は力強さを前面に押し出していたのが印象的でした。
実際、原曲でもそんな差異があるので、そこを意識されていたのかもしれません。

アレンジと言えば、原曲オマージュとしてパンの振り方へのこだわりが素晴らしかったです。
GB音源はステレオだったので、音を左右のスピーカーに大きく振って広がりを持たせているのが、原曲の特徴の一つでもあります。
ヘッドホンで原曲を聴いたときにそれが面白くて、たったそれだけのことなのにひどく興奮したのを覚えています。
今回の演奏会ではそれを再現しようと、あちこちに工夫が見られました。
その工夫の中で最も大きなものは、楽器の配置。
コントラバスが中央、そこからステージに向って左側に弦楽器、右側に木管を配し、弦で演奏したフレーズを次は木管で追随するというシーンがそこかしこにありました。
そのような工夫から原曲をヘッドホンで聴いたときの興奮を思い出し、大澤氏の原曲に対するこだわりと敬意にひたすら感心しきりでした。

サガ1とサガ2の全曲を演奏した今回の演奏会。
サガ1好きとしては、これまでどこの演奏会でもあまり演奏されなかったサガ1が、今回一度に全曲演奏されたことで、非常に満たされた気分になりました。
満たされたと同時に、終わってしまったことが寂しいとも思ったので、率直に言って再演希望です。
再演されたら、また足を運ぶと思います。

あ、できれば小松川さくらホール以外がいいです。
あのホールの座席、背もたれのところに固い棒状のものが横に通っていて、ずっと座っているとそれが背骨に当たって痛いんです。。。


これより下の追記は、セットリストと曲(楽章)ごとの感想になります。


セットリストは以下の通りです。

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[第1部 魔界塔士Sa・Ga]
第一楽章 「そして いま またひとり・・・」
プロローグ - メインテーマ - 街のテーマ

第二楽章 「わきやくは ねむってな!」
魔窟 - Hurry up ! - 戦闘 - Eat the meat - 激闘 - 涙を拭いて - 禁断の塔

第三楽章 「これも いきものの サガか・・・」
レクイエム - 魔界塔士 - 最上階 - 怒闘

第四楽章 「シー ユー アゲイン!!」
エピローグ

[第2部 Sa・Ga2 秘宝伝説]
第一楽章 「そしていま あらたな たたかいのものがたりが はじまろうとしている・・・」
伝説は始まる - 秘宝を求めて - 安らぎの大地

第二楽章 「ちちは せいぎのみかただったんですね・・・」
闇の狭間で - 必殺の一撃 - Eat the meat - 勇者のテーマ

第三楽章 「きたぞ きたぞ!」
天の柱 - さまよえる魂 - 新しき神のテーマ - 死闘の果てに - あっ!! - 涙を拭いて - 秘宝の謎

第四楽章 「しょうしんしょうめい さいごのたたかいだ! みんな やるぞ!」
燃える血潮 - Save the world - Never give up

第五楽章 「いいじゃん みんなでいこう!」
エンディングテーマ1 - エンディングテーマ2

[アンコール]
Eat the meat(冒頭4小節分のみ)
-----

これより下は、曲(楽章)ごとの感想になります。

魔界塔士Sa・Ga
第一楽章
「プロローグ」から既に泣きそうになりました。
あの大好きなサガ1の生演奏聴ける! と思ったら、感極まって。
ひっそりとした入りから少しずつ展開して、最終的に全員合奏に発展した「プロローグ」が素晴らしかったです。
また、「メインテーマ」も「街のテーマ」もゲームをプレイしたりOSTで何度も聴いたりしていたので、それを生演奏で聴けることも感慨深かったです。

第二楽章
最初は塔の1階にいるイメージだったのですが、「Hurry up!」で10階に飛ばされ、気が付いたら16階にいました。

まず、「魔窟」のゆったりした演奏から、急に「Hurry up!」の高速度に切り替わったときのギャップに驚かされました。
「魔窟」があったからこその「Hurry up!」の際立った見栄えの良さ、格好良さ。
いつも以上にたぎりました。
また、そのギャップの切り替えを鮮やかに演奏してみせたのも素晴らしかったです。

そんな「Hurry up!」からの「戦闘」への展開。
1stヴァイオリンのヒステリックな高音が印象的でした。
同じことが「激闘」での弦楽器パート全般にも言えるのですが。
そのヒス音が、より切迫した雰囲気を醸し出していて、むしろ格好良かったです。

「Eat the meat」の後は、「魔窟」と「激闘」が交互に入り乱れる演出。
これは、16階を表現されているのだと思いました。
ゲームプレイしてないと「何これ?」だったかもしれませんが、ゲーム知っているだけにこの演出は胸熱でした。
そして、「涙を拭いて」の切ない演奏の後にアイテム入手のジングルが入ってからの「禁断の塔」。
クリスタル入手したんですねわかります。
ここまでの熱い展開に、「禁断の塔」がより一層格好良く聴こえました。
欲を言えば、「禁断の塔」をもう少し長く聴きたかったです。

第二楽章の最後は落下音で〆。23階から落ちたんですね。

第三楽章
「魔窟」でも少しそうだったのですが、「レクイエム」が流れたらもう、頭の中は核シェルターのトラウマイベントでいっぱいでした。
その後、「街のテーマ」が流れ始め、それに少しずつ絡める形で「魔界塔士」のベース音入り。
ゆっくりペースの「魔界塔士」に主旋律と和音が加わってから通常テンポに変わり、そこで一気にテンションMAX。
「魔界塔士」が格好良かったです。もうずっと聴いていたかったくらいです。たまりません。
そして、「最上階」で少しヒートダウンした後の「怒闘」は、いともたやすくテンションの上限突破しました。
演奏者の超絶技巧も凄かったし、ラスボスの狂気っぷりの表現も凄かったです。
「怒闘」は早い上に、主旋律以外の音がピロピロしているから、演奏者の指がたいへんだったと思います。
でも、それを空中分解させず、鮮やかに演奏されていたのは流石でした。

第四楽章
エンディングは、ほぼ原曲に近い形のアレンジでした。
この曲は、アレンジのしようがなかったのかもしれません。

Sa・Ga2 秘宝伝説
第一楽章
サガ1の第一楽章と流れを合わせてきたことに、演奏されてから気が付きました。
※タイトル曲→フィールド曲→街の曲、という意味で。
アレンジの方向性や展開も、サガ1と合わせていたような気がします。
でも、サガ1より力強いアレンジだったところにこだわりを感じました。

第二楽章
サガ1の「怒闘」でも思いましたが、「必殺の一撃」でも本当によく指が回るなぁ、ということばかり注目していました。
この曲も音が結構ピロピロしていると思うのです。
それなのに一糸乱れぬ確かな演奏は、本当に凄かったです。

そして、「Eat the meat」の後の「勇者のテーマ」。
全体的に力強さの強かったサガ2の局の中でも、とりわけ勇壮なアレンジで、かなりの回数ループしていたような気がします。
でも、飽きずにずっと集中して聴けたあたり、さすがのアレンジだと感嘆しました。

第三楽章
端的に言えば、アポロン楽章でした。
「さまよえる魂」に少しずつ忍び寄る、不穏な「新しき神のテーマ」。
その不穏を吹き飛ばすかのように颯爽と登場した、刃の如く煌く1stヴァイオリンを主旋律にした「死闘の果てに」。
戦いの決着は唐突に起こり、「あっ!!」で4回の爆発音。
そして、「涙を拭いて」で父と子の会話に対する切なさで一杯に。
そこから、ゆったりとした「秘宝の謎」へ。
この一連の流れは、ゲームプレイしているとシーンの脳内再現が容易でした。
それくらい表現力に富んだ演奏でしたし、アレンジでした。

第四楽章
今回聴いてふと思ったんですが、「燃える血潮」とサガ1の「魔界塔士」って、なんか似てますね。
主旋律以外の音の刻み方が、なんとなく。

それはともかく、「燃える血潮」はやっぱり格好良かったです。
ラスボス戦への意気込みが、演奏からも強く感じられました。
そして、パンフレットには記載されていませんでしたが、ゲームと同様に「死闘の果てに」→「必殺の一撃」→「Save the world」とラスボス戦の流れを再現。
「死闘の果てに」は、砲台のSE音付きでした。

「Never give up」は、個人的にはダンジョンの曲というイメージだったのですが、入れる場所がなくて曲名からこの位置になったのでしょうか。
サガ2の曲の中ではかなり好きな曲なのですが、不憫な位置が祟ったのか1ループのみで、ちょっと残念でした。
今回の演奏会の曲の中で、唯一の不満点でした。

第五楽章
サガ1同様に、ほぼ原曲に則したアレンジでした。
ただ、「エンディングテーマ2」には意表を突かれました。
「エンディングテーマ2」は1st, 2nd VnとVaの3人だけの演奏だったのですが、演奏中に他の演奏者が次々と並んで退場。
さらにVnとVaも演奏しながら退場し、音の響きが舞台袖で消えると同時に照明がフェードダウン。
ゲームシーンを知っていると、この演出がとてもニクいし、上手かったです。

それにしても、VnやVaって、演奏しながら移動できるんですね。
移動中も演奏がほぼ乱れなかったところも、凄いなぁと思いました。

アンコール
「肉を食え!」ってことなので、夕飯は肉食いました。

コメント

この記事へのコメント

私も当時の画面を想像しながら楽しく聞きました。
エンディングテーマ後に一人ずつ立ち去るのが実にサガ(ロマサガ?)らしい演出で良かったと思います。
アポロンのテーマを4週も繰り返すので長くてダレそうになりましたが、もしかしたらアポロンが5ターン目で変身するイベントを再現していたのかもしれません。他にもコントラバスで防衛システムのビーム音を出してみたりと実力もさる事ながら演奏者のサガ愛を感じる良い演奏会でした。
2015/04/12(日) 22:45:27 | ふくめん #-[ 編集]
Re:
> ふくめんさん
コメントありがとうございました。
アポロンのテーマ、4周もやっていたんですか。気付かなかったです。
全体的に小ネタが満載だったことを考えると、確かに変身イベントの再現っぽいですね。
他にも気付いていないネタがたくさんありそうなので、もう一回聴きたいです。再演希望。
2015/04/13(月) 20:03:13 | ふゆき #-[ 編集]

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