[ゲームRev] CHAOS;CHILD ※ネタバレあり

※本エントリ(主に追記以降)には、「CHAOS;CHILD」のネタバレが多数含まれています。トゥルールートを最後までプレイしていない方は閲覧しないようにご注意ください。
※2015.09.12: 主に追記部分を更新しました。今後もちょこちょこ更新するかも。

PS Vita版「CHAOS;CHILD」(カオスチャイルド、以下カオチャ)をクリアしてから10日ほど経過しましたが、いまだに余韻が抜けません。
余韻が抜けないどころか、「トゥルー後に放心状態→食欲不振→夏バテ」のコンボを食らって、絶賛体調不良中です。
ラストの余韻が高じて食欲不振になるくらいインパクトの強い作品には、数年に1回ぐらい遭遇するのですが、カオチャもそのケースに見事に当てはまりました。
カオチャのことが頭から離れなくて、それを抑えるために周回プレイをしては、やっぱり放心状態になって、また離れられなくなるという循環に陥っています。
どうすればいいのこれ。
カオチャが好き過ぎて生きるのがツライ。ほんとツライ。

ネタバレありまくりの語りに入る前に、前置きとして前エントリではあまり触れていなかったネタバレ無し語りを。

今回のイベントスチル、どれも結構凝っているなぁと思いました。
構図とか空気感とか迫力とか、感性と緻密な計算が混ざったような、そんな印象です。
グロいのもあるけれど、わりとどれも好きです。

ライブラリに格納されたイベントスチルを見返すということは、他のテキストアドベンチャーではあまりやらないのですが、カオチャではよく見返しています。
シーンを思い起こすための手段として見返していることもあるけれど、何回見ても見飽きない魅力を感じました。

ついでに曲について。
作中のBGMにはメインテーマのアレンジが多いけれど、メインテーマの主題がすごく好きなので、どのアレンジもかなり好きです。
特に好きなのは、「BREAK FORTH」と「DI-SWORD OF SADNESS」。
この2曲はすごく耳に残りました。
この2曲と「WORLD -C;C MAIN THEME-」「SILENT WORLD」のために、OSTが欲しいです。
Vitaだとライブラリで再生しながら放置すると、最大30分でスリープ状態に入って音が切れてしまうので、エンドレスで流せるOSTが欲しいです。
パッケージ販売とはいいません、DL販売でも良いので、ぜひお願いします。

OP曲は、XboxOne版の「非実在青少年」も、PSプラットフォーム版の「シンギュラリティ」も、どちらも格好良くて好きです。
トゥルーエンドまでクリアして、すぐにCDの購入に走りました。
今、絶賛エンドレスリピート中です。
何回聴いてもあんまり飽きなくて、かなりヘビロテしています。

ただ、トゥルーをクリアするまでは、歌詞について深く考えない方がいいかも。
特に「非実在青少年」に収録されている「silent wind bell」は直球なので。
「シンギュラリティ」にもアレンジ違いが収録されています。
なので、このCDを購入する前に、カオチャを最後までプレイしていた方が無難かと。



というわけで。
これより下は、考察とも呼べない雑記、ある意味”憂さ晴らし”になります。
ネタバレに配慮していません。ネタバレ満載です。
未クリアの方は、本当に引き返してください。








本当にいいですか?







これより下は、カオチャのネタバレ満載の感想になります。
ついでに、他の科学ADVシリーズ作品のネタバレにも触れているかもしれません。
考えがまとまっていないので、完全に殴り書きです。超絶長いです。
既にあちこちで議論され尽くされていると思いますが、その辺、全く考慮していません。
二番煎じもいいところだって指摘されたら、ぐぅの音も出ません。

正直、カオチャのネタバレは、ネット上に載せない方がいいんじゃないかという迷いもあります。
けど、他に語れる場所がないし、プレイする人を選ぶゲームだから語れる相手を作るのも難しく、今のところ語れる相手がいません。
色々思いを馳せていたら苦しくなってきて、もう語りたくて仕方ないので、決心して書きます。

テーマをいくつか掲げて書きつつ、最後にキャラと個別ルート語りがあります。




【情報強者/情報弱者】
作中でしばしば描かれていた「情報強者(情強)/情報弱者(情弱)」。
トゥルールート前の拓留が、非常にこだわっていたことです。
情強を自称し、情弱を見下す。
情強と情弱を明確に線引きし、自分は情強であろうとするところは、拓留の痛さの現れでもありました。

が、拓留の情報に対する姿勢については、見習いたい点と思い知らされた点が多数ありました。

[見習いたい点]
・情報の正確さの確認と見極め
・正確な知識の集積

[思い知らされた点]
・第三者からは見えない「真実」の存在
・情報に踊らされること、情報が目的になることの危険性
・情報の「正確さ」や「正解」の定義の不安定さ
・「正義」の定義の不安定さ

こんな感じのことをクリアしてからずっと脳裏を巡っていて、一周回って結局「情報や正義って、何だろう・・・?」というところで、今思考が止まっています。

自分は情強ではありません。
情弱だと言われれば、多少の反感を抱きつつも「そうかも」と肯定すると思います。
それくらい、自分に自信を持てない弱い人間です。
たぶん、かなり情報に翻弄されやすい性格だと思います。

でも、職業柄、日頃から最新の情報を入手することが求められています。
また、SNSやニュースサイトなどから、毎日膨大な量の情報が自然と入ってきます。

そんな生活の中、カオチャをプレイする数ヶ月ぐらい前からかな、手に入れた最新の情報は本当に「正解」なのか、実は情報に踊らされているだけなんじゃないか、というのは、なんとなく自分の中で感じていて。
情報に疲れを感じている自分を、軽く認識するようになっていました。

そんな中でプレイしたからでしょうか、カオチャにはそこを真っ直ぐに貫かれた感じがします。
クリア後にしばらく放心状態になったのは、それが原因なのかもしれません。

まぁ、トゥルーエンドまでクリアしたからといって、その問題を解消するための解は見つかっていませんが。
きっと、これからもずっと、延々自問自答していくことになるんじゃないかと。

情報を遮断できたら楽になれるのだろうか、という思いは今も多少あります。
でも、たぶん難しいかな。職業柄、情報の収集を怠ったら、生活できなくなるかもしれないという不安があるし。
おそらくこのまま、情報の波に飲まれ続けるんだと思います。

これまでの生活や信念を捨てられるほどの「勇気」はない。
自分にとっての「正解」や「正義」を見つけられるほど、賢くもない。
貫きたい「信念」もない。
だから、それらを見つけた拓留の「決心」は、自分には非常に眩しく見えました。

ここまで書いてようやく、C88の5pb.ブースの無料配布本に書かれていた志倉千代丸氏の文章に実感が伴ってきました。
なるほど、そういうことか(遅

ちなみに完全に余談ですが、Win10で「じょうじゃく」を変換したら一発で「情弱」が出てきて、ちょっと驚きました。
あれ、市民権得てるのこの単語?

【人は見たいものだけを見たいように見る】
トゥルールートで明かされる「カオスチャイルド症候群」の真の症状を初めて知ったとき、真っ先にふと思い浮かんだのは「ペルソナ4」(以下P4)でした。
「人は見たいものだけを見たいように見る」を描いている点と、主人公(とその仲間たち)がそこからの脱却を目指している点が、なんとなく似ているなぁ、と。
P4ではオブラートに包んで表現されていたところを、カオチャではドストレートかつエグく描かれていたけれど、根底のテーマは被っているように思いました。

だからといって、パクりだなんだと言うつもりは毛頭ありません。
P4もカオチャも大好きな作品ですし、このテーマ自体はこの2作に限らず時々見かけますし。

「見たいものだけを見たいように見る」から脱却するには、寛容さと覚悟が必要なのでしょうか。
清濁併せ呑む寛容さと、見たくないものも直視する覚悟。
自分の高校時代を思い返すと、高校生でそれを受け入れるのはかなり困難な気がします。
あの頃は潔癖だったしな。
そういう点では、メインキャラクターを高校生に設定したのは絶妙だったと思います。

【――そして。僕は、このくそったれなゲームをクリアーした。】
ゲームの煽り文句です。
最初に見た時から妙に印象に残った文句でしたが、トゥルーまでクリアした今考えると本当に秀逸な文句だと思います。

トゥルーまでクリアしたときに、ここで提示されている「ゲーム」と「クリアー」は、2組の意味があると思いました。
1組目が、世莉架が拓留に仕掛けた「『ニュージェネの狂気』の再来事件」(=ゲーム)と、それを「クリアー」(=最後までやり遂げる)すること。
共通ルートで描かれた内容です。
もう1組が、カオスチャイルド症候群者たちの妄想シンクロ(=ゲーム)と、それを「クリアー」(=消去)すること。
トゥルールートで描かれた内容です。

そして、トゥルールートで新しい「ゲーム」(=拓留vsわっくん)の開始が提示されます。
ゲームをクリアーしたと思ったら新しいゲームが開始されるという構造は、なんだか積みゲーしてるゲーマーのようです。
・・・・・・あ、俺のことか。

それにしても、拓留vsわっくん戦は、あからさまに拓留の方が不利なような気がします。

・拓留からわっくんに先制攻撃することが、たぶん無理。
 →対症療法的に応戦するしかない。
・残タイム(=終了期限)がない。あるとすれば、互いの寿命。
・いつわっくんから攻撃を仕掛けられるか予測できない。
・拘置中の拓留の行動はかなり制限される。自由に動けない。
・拓留に有利な点がない上に、弱点が多い。
 ギガロマニアックスを放棄した上に、仲間にチート級スキルを持つ人がいない。
 そして、拓留の仲間思いで真面目な性格が仇になりそう。

特に一番最後は、本当にどうするんでしょう。
拓留の決意がどんなに固くても、仲間(新聞部や青葉寮のみんな、久野里さん、神成さん)を盾にされたら見捨てるわけにはいかないでしょう。
見捨てないためにはギガロマニアックスを再覚醒するしかない、見捨てたら良心の呵責で狂ってギガロマニアックス再覚醒、って既に詰んでない?
コメントで指摘をいただいて再考してみたけれど、確かに能動的・自主的にギガロマ覚醒はないですね。覚醒自体はコントロールできるものではないし。

ただ、拓留が精神的に追い詰められたら、ギガロマ再覚醒の可能性はあり得ると思ってます。
拓留自身、妄想(イマジナリーフレンド)に縋りつくことで自分がどれだけ楽になれるか、身をもって体験してしまっているだけに、その誘惑を振り切るには並大抵の決意・自制心では済まないかと。
しかも、近くに心理的に支えてくれる人のいない孤独の身になるから、より一層強い決意が必要で。
かといって、決意が強ければ強いほど、それが深い歪みを生んで、無自覚の妄想を描いたあげくに意外とあっさりぽっきりいきそうで。
それに、拓留は一人で色々溜め込んでしまうような真面目な性格だから、それがストレスに対しては仇になるし。
その上、わっくんから見れば、拓留を精神的に追い詰めるための手段にも素材にも、事欠かないし。
やっぱり、拓留に不利な条件ばっかりじゃないか。

正直なところ、トゥルーエンド直後、拓留が移送車に乗り込もうとしたところでわっくんに襲撃されてそうな気がして仕方ないです。
今後もし、科学ADVシリーズの主要キャラ総出演の「スーパー科学アドベンチャー大戦」的な作品が出たときに、歴代主人公の中で唯一、拓留だけ闇落ちして敵側で出てきそう。

とはいえ、それはそれでおいしいかもしれませんが。
闇落ちした拓留を西条拓巳が引き戻すとか、世莉架の命懸けの説得で正気に返るとか、結構おいしくないですか。
もっとも、あの拓巳が、美少女でも何でもない拓留に対してそこまでするかどうかは、甚だ疑問ですが。
ま、ここで色々妄想したところで、きっと公式はその上を行くんでしょう。

【ギガロマニアックスの再覚醒】
個別ルートとPSプラットフォーム初回特典のドラマCDから、拓留の中にはギガロマニアックスの力がまだ残っていて、無意識に発動しているんじゃないかと、個人的には思っています。

まず個別ルート(共通とトゥルーを除いたルート)ですが、全て拓留と各ヒロインの妄想シンクロではないかと。
共通ルートの最後でギガロマニアックスで世莉架の再構成をしたということは、それまでの激闘による失血もあって、拓留はしばらく昏睡状態に陥っていたのではないかと想像できます。
たぶん、2015年11月から1, 2ヶ月(2016年2月の少し前まで)ぐらいは。
で、渋谷復興祭直後に、ヒロインズも昏睡状態になっています。
ということは、拓留とヒロインズの昏睡状態期間は被っています。
この時に妄想シンクロし、拓留と各ヒロインが夢として共有したものが個別ルートではないかと。
どっちがどっちに対して妄想シンクロをしかけたのかはわかりませんが。

だから、トゥルーのエンディングで乃々の正体や香月の事情を明かされても、拓留はそれほど取り乱さなかったのではないかと。
夢で秘密を知っていて、夢とはいえなんとなく把握していたから。
まぁ、取り乱さなかったのは、トゥルーの時点で拓留が成長しきった悟り状態だったから、とも考えられるのですが。

上手く言えないのですが、個別ルートが完全なif話だとした場合、拓留視点で描かれていたことにちょっと引っかかりを感じていました。
共通ルートをあんなに理詰めで構成しておいて、ヒロインしかしらない秘密の暴露を含む個別ルートが、意味もなく拓留視点なわけはないだろうと。
個別ルートが妄想シンクロではないかと気が付いたときに、なんだか色々腑に落ちた次第です。

で、ドラマCD最終トラックの妄想。
最終トラックの新聞部の情景は、その直前に拓留の夢として提示され、ラストで同じ夢を久野里さんが見たように描写されています。
てことは、これも妄想シンクロではないかと。
この場合、久野里さんはギガロマニアックスではないので、仕掛けた側はたぶん拓留。

拓留がギガロマニアックスの力を”意識的に”使えなくなっていることは、トゥルーで描かれています。
なので、”無意識的に”発動しているのではないかと思いました。

この「拓留からギガロマニアックスの力が完全に消えていない」という点は、世莉架の記憶改ざんが不完全だったところにも通じているような気がします。

しかし、そう考えると、わっくんとのゲームで拓留がますます不利な状況に。
拓留には幸せになってほしい(少なくとも、トゥルーエンド時以上の不幸になってほしくない)ので、複雑な気分です。

・・・・・・まぁ、闇落ちした拓留もおいしいと思いますが(真顔

【11番目のロールシャッハ】
11番目のロールシャッハ画像=力士シールということなのですが、Vita版をプレイしているときは全然そう見えなくて、「これが力士シールに見えるの?」とずっと疑問でした。
結構何度も周回プレイしていたのですが、全然見えなくて。
それがあるとき、PCでPVを見た時だったかな、突然11番目のロールシャッハ画像が力士シールに見えるようになりました。
見えた瞬間、「ふぁ!?」って変な声が出ました。
あれ、遠目で見ると確かに見えますね。
Vita版は目と画面が近過ぎて、逆に見えなかっただけでしょうか。

妄想力次第では、ある意味何でもできてしまう能力、ギガロマニアックス。
一人では使えない、妄想を共有する相手が必要という弱点はあるものの、使いこなせたら科学ADVシリーズ史上最もチートな能力だと思います。
オカリンのリーディングシュタイナーは電話レンジとの抱き合わせでないと効力を発揮しないし、カイのスローモーも使い道はわりと限られるし。
そんな強力なギガロマニアックスに対する、唯一一般人でも対抗可能な武器とも言える力士シール。
どんなに強力な能力にも弱点は存在するというカオチャの力関係のバランスが、個人的にはすごく絶妙で良かったです。
カオヘで提示されたギガロマニアックスが、一般人には対抗しようのないレベルのチートだったからなぁ。

そういえば、ひょっとして、シュタゲの「変移空間のオクテット」って、西條拓巳に力士シールを突きつけてたら一発解決してたりしないのかな。
IBN5100と同化していたから、どうやって突きつけるのかっていう問題があるか。

ちなみに、ギガロマ持ちの人に強制的に力士シールを見せ続けるとどうなるんでしょうか?
ネガティブ妄想の渦に飲まれて、心が壊れて正気を失うのかな。
ただ、心が大きく壊れれば壊れるほど強い威力を発揮するギガロマなら、それはそれでものすごいことになりそうなんですが。
それこそ、佐久間が大喜びしそうなレベルのことが起きそう。
それとも、妄想すらできなくなるまで心が壊れてしまって、逆にギガロマが発動されなくなるのかな。
ていうか、これが南沢泉里に対してやられていた実験なんでしたっけ。

トゥルーで提示される、カオスチャイルド症候群を治すための画像、「12番目のロールシャッハ画像」とも言える画像ですが、あれは何を意味しているんでしょう。
画像を上下逆さまにすると、中央付近に制服姿の世莉架っぽいのが見えるのですが。
まぁ、見え方は人それぞれってことだから、いかようにも解釈可ってことでしょうか。

ロールシャッハテストというと、小児期に自分も受けたことがあって、なんか気持ち悪い絵という印象がいまだに強く残っています。
外科手術のために某大学付属病院に一ヶ月ほど入院していたことがあり、その時にロールシャッハテストと木を書くテストを受けました。
今にして思うと、なんで外科手術のために入院していただけなのに、あんな心理テストを受けたんだろう?
研究のための実験台にされたのか、他に何らかの意図があったのか。。。

【妄想トリガー】
今にして思うと、妄想トリガーの存在自体がフラグだったような気がします。
妄想トリガー=西条拓巳と同じ=(真の)ギガロマニアックス→能力放棄、という意味で。

妄想トリガーは、どれも本当に面白かったです。
ネガティブもポジティブも、どちらもウマウマでした。
しかも、拓留の博識が影響しているのか、非常にバリエーション豊富で。
似たような展開のものがあまりなくて、妄想シーンに飽きることはありませんでした。

一番好きな妄想トリガーは、部室お泊りイベントかな。
ポジ(More含む)もネガも、どちらも好きです。
ついでに、どちらも専用スチルがあって、それもウマウマでした。
眼鏡を外した拓留を拝めるの、この画像しかなかったと思うし。
男女問わず、常時眼鏡着用キャラが眼鏡外したときの威力ったら、もう、ね。
※ただし、イケメン・美少女に限る。

次点で、文化祭準備の手伝いのために雛絵に教室に連れ込まれたときの妄想トリガーでしょうか。
これも、ネガポジどちらも面白かったです。
しかし、ポジルートで雛絵に読まされたアレな台詞も全部拓留の妄想なのかと考えると、なんで拓留からあんな台詞が出てきたのかツッコミたいところ。
ああいう台詞に関する知識があるってことだよな、しかも意味分ってるってことだよな。
博識にも程があるだろ。
いや、面白かったからいいんですが。

特典ドラマCDにも妄想トリガーがあって、こちらも非常に面白かったです。
伊藤x拓留と、久野里x乃々が楽しめます。
ベタと言えばベタな展開だったけれど、正直「いいぞもっとやれ!」と思いました。

妄想トリガーに限らず、カオチャはキャラクター的にもシナリオ的にもシリアスとギャグの両方いけて、美味しい構成だと思います。
そんなことを、前エントリで書きました。
が、トゥルーまでクリアしてしまうと、ギャグをギャグとして心の底から楽しめるかどうか、あんまり自信ないです。
新聞部時代の面白おかしいシーンですら切なさが伴ってしまって、ギャグなのに泣けるということになりそうです。

特典ドラマCDはそこを上手く利用した構成になっていたと思います。
だからこそ、トゥルーエンドまでクリアしてから聞けって指定があったのでしょう。

今後、ファンディスクが発売されるとしたら、どんな内容になるんでしょうか。
トゥルーの後日談は、正直想像がつかないです。
かといって、シュタゲの「だーりん」みたいな完全別世界線の話にしても、正史であるトゥルーが常に頭を過ぎって純粋に楽しめない気もするし。
ただ、いずれにせよファンディスクが発売されたら、喜んで貢ぐ覚悟ならあります。

【カオスチャイルドはシュタインズ・ゲートを超えたのか?】
あちこちで見かけたし、公式でもネタにしているこの命題。
逃げになると思いますが、正直なところ比較できない、というのが個人的な回答。
要するに、どちらもむちゃくちゃ好きなんです。
ここまで面白かったら、比較するのは野暮だろうと思います。
もういいじゃん、「両方面白い」で。

全体的に上手く構成されていたし、最初から最後まで飽きずにプレイできたのはカオチャ。
ただし、エログロ表現が強いので、プレイする人を選ぶ。
終盤のカタルシスの大きさではシュタゲ。
ただし、キャラクターのクセが強くて慣れるまで時間がかかるのと、前半は科学的な説明や淡々とした日常風景が続くのでちょっとダレるのが難点。

それらを平たくして比較すると、自分の中では同位です。
結局のところ、プレイヤー個人の好みの問題に帰着するのではないかと思います。


【キャラと個別ルート語り】
■宮代拓留
C88公式薄い本で「宮代拓留(MIYASIRO TAKURU)」が「志倉千代丸(SIKURA TIYOMARU)」のローマ字表記のアナグラムと知った瞬間、変な声が出ました。
あ、確かにそうだ。なんで気付かなかったんだろう。

頭脳派な眼鏡主人公。
本作の登場キャラの中では、一番好きです。突出して好きです。
基本的に臆病で小心者の豆腐メンタルだし、力は弱いし、変に頑固だという欠点はあるものの。
潔癖とも言えるぐらい心根が真っ直ぐで、人を人として思いやれて、仲間思いで、そして自分のしでかしたことにはちゃんとケジメをつけられる。
その点はすごく好感が持てました。むしろ格好良かった。欠点が覆るくらいに。
そんなわけで、歴代の科学ADVシリーズの登場キャラの中でも、これまで個人的に1番好きだったオカリンと並びました。
それくらい好きなキャラです。

歴代主人公の中で最も不幸なヤツ・・・と一部で言われていることをC88公式薄い本で知って、妙に納得しました。
確かに、過去から既に色々不幸だし、ゲーム開始時点でもう色々詰んでるし、その挙句に色々背負わされたし。
たぶん、下記3条件のうち1つでも欠けていたら、こんな不幸な目に合わなかったのではないかと。

・両親からのネグレクト→精神ストレス増大→イマジナリーフレンドの創出
・ギガロマニアックスの素質
・渋谷地震

全条件が揃ってしまったのが、不幸の始まりとしか思えません。
ギガロマの素質はどうにもならないけれど、渋谷地震を引き起こした研究グループと拓留の両親の罪が重いです。
それと、そもそもの『生みの親』であるシナリオライターさんたちの腹は、殴ってもいいと思います。むしろ全力で殴れ。

とはいえ、歴代主人公とは違い、最初から最後までずっと共感できた主人公でした。
名作シュタインズ・ゲートの岡部だって序盤は全く共感できなかった(むしろドン引きした)し、カオスヘッドの拓巳は終盤にならないとやる気出さないし。ロボティクス・ノーツのカイは、正直あんまり覚えていません(すみません)。

そういう意味では、序盤から「あれ? 歴代と違うぞ?」と感じました。
痛いところは確かにあります。自称・情強で、自称・リア充。情弱が嫌いで、周囲の人を基本見下している。親しい人には饒舌だけど、そうではない人の前ではキョドる。何かというと、すぐに一席ぶち始める。愛読書がモテ本(しかも情報が古い)。
書き出したら、痛いところだらけじゃないか。
でも、情強ぶりたい、人より優位でありたい、そう思われたい、という承認欲求は理解できなくもないです。
そして、そうあるように日々情報収集して努力しているところは、正直好感が持てました。

痛いところを取り除くと、いたって普通の高校生。
痛いところだって「あ、こういう人いるよね」という程度の許容範囲内。
仲間たちとワイワイ騒いだり、好奇心と目的のために突っ走りすぎたり、バカっぽい(ある意味健全な)妄想をしたり。
怖いことに普通に怯えたことも、人にはない能力に万能感を覚えたことも、救えなかった命に後悔することも、いたって普通の人の反応。
そのため、最初から最後まで、感情移入が容易でした。

感情移入が容易だっただけに、事件を追う彼の心情に合わせて、イベントの度にこちらも一喜一憂ハラハラドキドキ。
そして、共通ルートで明かされた真実には、拓留とともに絶望。
容赦のない救いの無さに、泣きました。ぼろ泣きでした。

そして、トゥルールートでようやく再登場した時のイベントCGで、再度泣きました。
その先は、ほとんど泣きっぱなしでした。
確かに全ての元凶は拓留だし、仲間を守るためとはいえ自らの手で佐久間を殺してるけれど。
社会的に抹殺されることを承知の上で全ての罪を被る決断をし、再構成した世莉架の存在全てを守り通そうとするその想いの強さに泣かされ。
誰よりも大切な人なのに、突き放さなければならないその決意の強さに泣かされ。
あまりに切なくて、トゥルーは泣かされまくりました。

世莉架に詰られても「後悔なんて、しないよ」と断言するシーン。
”普通の女の子”の世莉架を見て、静かに涙を流すシーン。
そして、最後の「僕も、キミなんて知らない」というモノローグ。
共通ルートで拓留への感情移入が激しかったためか、その心情を思うと泣かざるを得ません。
ゲームでこんなに泣いたことない、っていうぐらいに泣かされました。
周回プレイしても、泣かされます。

シュタゲのオカリンと同じで、たった一人の大切な人のために身を削る。
拓留のエゴだと思うけれど、その強い意志は本当に尊敬に値します。
トゥルーの拓留は格好良い、本当に格好良いよ拓留。

あまりに拓留が格好良かったため、うっかり眼鏡属性に芽生えそうになってる自分を、今必死で抑えています。
自分にそんな属性はなかったはずだ!・・・たぶん。

PSプラットフォームの初回特典ドラマCDは、新聞部時代の拓留と悟り状態の拓留の両方を楽しめるので、拓留好きにはたまりませんでした。
たぶん、もう10回以上はリピート再生しています。
買って良かった初回限定版。

ちなみに、あまりに拓留がせつなさみだれうちだったため、2015年8月現在の科学ADVシリーズ公式Twitterアカウントのアイコンの拓留を見るだけで泣けてきます。
あと、トゥルールートのエンディング曲「silent wind bell」も、自分の涙腺崩壊曲に認定されています。あれヤバイ。歌詞を理解したら、条件反射的に涙が出ます。

何度か周回プレイして、共通ルートっていわば拓留編だよなぁ、とふと思ってみたり。
ニュージェネの狂気の再来事件を通じて、拓留の生き様というか選択というか、そのあたりを心理描写も含めて描かれているあたりが。
セーブデータで、トゥルールートが明確に「世莉架編」と銘打たれていたから、特にそう思ったのかも。

ところで、世莉架再構成から先の共通ルートのシナリオは、全部拓留の妄想という認識でいます。
むしろ、病室での世莉架はカオスチャイルド症候群からの脱却を描いている、ということですよね。
最後の「宮代拓留が病院から姿を消しました」っていうニュースのナレーションは、拓留がカオスチャイルド症候群から抜けた=妄想シンクロの輪から姿を消したということを表していて、カオスチャイルド症候群者の妄想シンクロにおける共通認識であって現実ではないと思ってます。

一点、どうしてもよくわかっていないのは、拓留がギガロマニアックスを放棄した過程。
世莉架を除く他のヒロインズのギガロマ(イレギュラー)は、カオスチャイルド症候群であることが前提のものだと思います。
だからカオスチャイルド症候群から抜け出したと同時に、ギガロマニアックスとしての能力も失った。
世莉架はカオスチャイルド症候群ではないけれど、生まれた過程上ギガロマ持ちだった。
それは、カオヘの西條拓巳の例から考えて、なんとなく理解できました。
で、拓留の場合ですが、真のギガロマならば、カオスチャイルド症候群である必要はないように思っていました。
だから、カオスチャイルド症候群から脱却しても、ギガロマニアックスは残るんじゃないかと。
それとも、真のギガロマであっても覚醒要因が「白い光」ならば、カオスチャイルド症候群者であることが前提ってことでしょうか。

これについて最近まで、拓留と世莉架は2人で1人みたいな連動した関係で、世莉架をギガロマニアックスを持たない「普通の女の子」に再構成したから、連動して拓留もギガロマニアックスを持たない「普通の男の子」になった、という認識を持っていました。
それが、共通ルート最後の病室での世莉架のシーンで表現されていたのかと。
今にして思うと、ちょっとこじつけっぽいかな、これ。

カオヘLCCをプレイしていないから西條拓巳がギガロマを手放した過程を知らなくて、それを知ったらまた違った考えに至るかもしれません。

今、PS4版で5周目をプレイしていてようやく「あ、そうか」と気付いたのですが、拓留の行動原理の原点は全部『承認欲求』に帰着してるような。
幼少時は両親からのネグレクトで承認欲求を満たされることがなかったことから、承認欲求を満たしてくれるイマジナリーフレンド(=世莉架)創出。
ネグレクトの影響で基礎的なコミュ力が養われなかった結果、学校というコミュニティで孤立状態になり承認されることがなかったため、解決した暁には社会から承認される(かもしれない)都市伝説や事件を好んだ。
渋谷地震の時に世莉架に望んだ「やりたいことを与えてよ、それを叶えさせてよ」というのも、承認欲求の現れだと思いました。
あぁ、そうか、拓留の「やりたいこと」って「承認されること」だったのかな。

それともう一つ、渋谷地震で両親の手を振り解いた点も、最近までその心情がよくわかっていませんでした。
これも、5周目プレイでなんとなく理解できたような気がします。
拓留は、とにかく人より下に見られるのを嫌がる性格だったのかな、と。
同級生はもとより、実の両親からでさえも。
ましてや、これまでずっと無視し続けてきた両親が、渋谷地震という緊急時にこれ幸いとばかりに”上から目線で”一方的に自分に接してくる。
そこに、発作的に強い憎しみを感じたのではないかと。
「助かる」という言葉には、主語=弱者という上下関係のニュアンスを含むのではないかと思い至って、なんとなくそんな気がしました。

一周目では「この主人公、よく泣くなぁ」ぐらいにしか考えてなかったのですが、拓留がよく涙を流す(血涙除く)のもメンタル不調の表れでしょうか。
そういえば、メンタルが不調になると、ちょっとした刺激ですぐに涙が出るという症状があったような。
それこそ、公園で鳩が歩いてるのを目にするだけで、一気にぶわっと涙が出るぐらい。
自分でも体験済みなのに、なんで一周目で気が付かなかったんだろう。

最終的には仲間たちから離れて孤独に身を置く拓留。
そこには、自分の存在を社会から切り離そうとしてる思惑のようなものも感じました。
「ニュージェネの狂気」の再来事件を通して、自分の存在が周囲を巻き込んで不幸にしてしまった呵責を感じていそうだし。
これ以上、他の人を巻き込まないためには、自分を隔離するしかない。
トゥルーの拓留は、そのあたりを悟って、何もかもを諦めているようにも見えました。
さらに今後は和久井の件があるから、より一層の孤立状態を望みそう。
ただ、久野里さんは委員会の件があるから一方的に拓留を追い続けるだろうし、神成さんも先輩と委員会の件を追う+性格的に放っておけないだろうから頻繁に接してきそうだし、泉里とうきも繁茂に手紙を送ってきそうだしで、そう簡単には孤立できなさそうであるのは、ある意味救いかな。
まぁ、それが仇にならなければいいんだけど。

■尾上世莉架
最強6歳児とは言い得て妙。
確かに強かったです。戦闘力的な意味でも、精神的な意味でも。
一連の事件が全て「拓留のため」に帰着するところが、もう一途過ぎて。

第1章からずっと、ただの純粋アホの子でまゆりポジだと、疑いもなく完全に思い込んでいました。
この時点で、シュタゲプレイヤーに対する制作側のミスリードが始まっていたわけです。
そこで、あの第10~11章ですよ。
バックが超絶重くて、それでも存在理由には一途で、そのためなら全てを捨てられる強い意志を持ったキャラだったとは。
本当にびっくりしました。

確かに、改めてプレイしてみると、妄想トリガーによる妄想シーン”以外の”世莉架は、平べったいというか、あまり人間味の感じられないキャラでした。
妄想シーンの世莉架がすごく感情的で人間味のある性格付けをされていたので、そこで「世莉架は普通の女の子」という方向に誘導されていたような気がします。
ライター陣はそこまで計算していたのか、すごいな。

最強といえば、拓巳に有効だった拷問方法が拓留に効かなかった原因が彼女の存在(イマジナリーフレンド)だったので、そういう意味でも最強でした。
ひょっとしたら、拓留は拓巳を超えるチートキャラになってたかも?

カオヘの「将軍」とは異なり、拓留が世莉架を現実化+再構成しても老人化や自己の存在否定が発生しなかったのは、自分の分身ではなく完全に別の個体として世莉架を生み出したから、ってことで良いのかな。
老人化ならば確かに拓留もかかっていたけれど、それはギガロマの影響ではなくカオスチャイルド症候群の影響っぽいし。

それにしても、人一人現実化してしまうなんて、渋谷地震時の拓留はどこまで心が壊れていたんだろう。
渋谷地震前の世莉架が空想上の人間だということを、これっぽっちも疑ってないぐらい、精神病んでたみたいだし。
精神科に連れて行かれた記憶まで完璧に改ざんしてるし。
その拓留の壊れた部分が反映されて、あの目的のためなら手段を選ばない世莉架ができたのならば、渋谷地震時の拓留の心の闇は相当深いように思えます。
むしろ、拓留の壊れた部分を一身に引き受けたのが、共通ルートの世莉架という存在なんでしょうか。
だから、渋谷地震後の拓留は壊れた部分を自身から切り離すことで、ようやく普通の日常を送れていたのかな。

事件を起こした世莉架とは違う世莉架だけど、佐久間の思考誘導に拓留の思考誘導を上書きする直前の、拓留と世莉架のやり取りがすごく好きです。
あの「おっけい」のやり取り、いつ見ても鳥肌が立ちます。

トゥルーエンドの世莉架は、ごく一部の記憶を取り戻しているだけだと思っています。
完全に思い出したわけじゃなくて、ごく一部だけ。
その思い出したわずかな記憶に付随した感情から、それ以上踏み込んじゃいけないって直感で気付いて、記憶の詮索をやめていると思いたいです。
でないと、拓留が救われないです。
せっかく硬く封じた記憶をあっさり破られたら、拓留が不憫すぎる。

最後に「ううん、知らない人」と答えたのは、拓留のやりたいこと(=お互いに赤の他人として、この世界を共に生きること)を叶えるために、世莉架の内にある再構成前の世莉架の声なき声を聞いたからだと思いたいです。
そこは、再構成されても拓留の半身なので。
一卵性双生児の間にある精神感応みたいなものがあるんじゃないかと。

トゥルーの世莉架に時々拓留の片鱗が見られて、再構成して完全に切り離したとはいえやっぱり半身なんだな、と思わされるシーンがいくつかあって、切なかったです。
久野里さんとの会話の後で世莉架が呟いた「案外、友達いるかもしれないな、あの人」という台詞とか。
仮説と検証を繰り返すという調査技術に長けているところとか。
移送される拓留の現場に居合わせたのも、半身だからなんとなく感付いたのだと思います。
それこそ、一卵性双生児の精神感応みたいな感じで。
※従妹に一卵性双生児の兄弟がいるのですが、片割れがどこにいるのかなんとなく分かるそうです。

■来栖乃々
秘密多過ぎるよ姉さん。
でも、あれは確かに言えませんね。
拓留に暴露することで嫌われる恐怖もあるけれど、AH東京総合病院に連れ戻される恐怖もあるし。
また、本当の乃々の遺体は炎に放り込んで始末している後ろめたさがあるから、余計に。

乃々編は、個別ルートの中では一番面白かったルートでした。
共通ルートでは乃々=泉理ということに全然思い至らなくて、乃々編でそれが明かされたときは心底驚きました。
今にして思えば、共通ルートでもあんなに伏線張りまくられていたのに。
なんで気付かなかったのか、自分でも不思議でなりません。

それが明かされてからの拓留の怒りは理解できないわけじゃないけれど。
拓留と一つ屋根の下で生活していたのは、ラベルの違いはあれど、一人の少女であることに違いはなくて。
それになかなか気づかない拓留には、もどかしさを感じました。
なので、最終的に落ち着くときに落ち着いたときには、心底ほっとしました。

佐久間は乃々=泉理だと知っていていたのか、知っていたとすれば知ったタイミングがいつなのかが、気になります。
世莉架から乃々が能力者の一人で、乃々=泉理だと知らされて、だから引き取ったっていう流れかな。
もっとも、それを言ったら、佐久間と世莉架がどのような流れで出会って協力関係を結ぶことになったのか、そもそも世莉架を現実化するほどの能力の持ち主である拓留のことをどうやって佐久間が知ったのか、その辺も気になるところですが。
拓留が真のギガロマ持ちだということを佐久間は知っていた上で青葉寮に引き取ったのは、たぶん間違いないと思うし。

それにしても、乃々編での世莉架の生き生きとした狂気は、とても印象的でした。
共通ルートでは淡々と計画を遂行していたのに、乃々編では拓留の呪縛から解放されたかのような生き生きっぷりを発揮。
世莉架の中の人すごいなと思いましたし、女って怖いなと思いました。
世莉架の「女って、怖わ~い」という台詞には、「お前が言うな」とも思いましたが、激しく同意もしました。

乃々編を端的に説明すると、メインヒロインの座を巡って世莉架と乃々が争い、その間に挟まれた拓留が右往左往してる間に川原くんまで参戦して、めでたく四角関係の泥沼の争い、と把握しています。あながち間違っていないと思う。
ささやかなエッセンスは、ほのぼの幸せ家族生活。
泥沼の争いがあまりにも底なしの泥沼だったので、その分家族生活のほのぼのっぷりが強調されて、逆に「この先どうなるんだろう」とハラハラさせられた気がします。
個別ルートの中では、もっとも一気に進められた話でした。

しかし、乃々編はアニメ化する上で一番の障害のような気がします。
トゥルーエンドで見た目が変わるから乃々編は避けて通れないし、だけど共通ルートに対して乃々編は完全に分岐している話だから、無理に入れるとシナリオ崩壊しそうだし。
どうするんだろう、これ。
共通ルートの乃々vs世莉架決闘シーンの直前の乃々の回想に、乃々の正体を明らかにするシーンを差し込むのが順当なところかなぁ。

■有村雛絵
面白ツインテール。テンションの上下動が激しいギャル娘。そして、意外と精神的に追い詰められてた子。
前半はただひたすら怪しさ満載だった子が、いつの間にかメインキャラの中のムードメーカーになっていて、その自然さには驚きでした。
力士シールに追われて、杯田に襲われた辺りからかな、印象が変わったのは。

ただ、イケボ(ショタボ)な拓留を拝めたのは彼女の功績の賜物なので、ある意味GJでした。
というか、あの妄想トリガーでCERO審査を通過したこと自体が驚きです。
CERO Zってすげーな。あれOKなんだ。

雛絵編は、途中まで普通にギャルゲーだったのが、いつの間にかヤンデレゲーに変わっていて、なんというか、「あ、うん・・・」という印象です。
とりあえず、自分はヤンデレは趣味じゃない、ということを認識しました。
宮下公園の拓留の家に押しかけてきて、隙間を塞ぐものを要求してきたあたりから、ドン引きでした。
そこに至る経緯はわからないでもないのですが、そのあたりから「これ、どう決着付けるんだ?」という気にさせられました。

で、あのエンディングです。
「これがバッドじゃないとか、アリなの?」という終わり方で、正直後味が悪かったです。
この直前にクリアしたのが乃々編だったので、余計に後味の悪さが際立ちました。
確かに、雛絵にとっては幸せな「本当しかない世界」かもしれませんが。う、うん。。。
まぁ、トゥルーで真に救われるから、いいのかな。

個人的には、雛絵母の2度目の襲撃後の拓留の声がすごいな、と思いました。
本当に今際の際って感じの掠れた声で。
1度目の襲撃後なんて、まだまだ余裕があったのかと思い知らされるような声で。
ここまでの熱演、他でもあまり聞いたことがなかったので、衝撃を受けました。
思わずプレイしている自分も息を止めて、見入ってました。

ところで、カオチャをプレイした友人から指摘され、その後自分で雛絵編を再プレイしてようやく気付いたのですが、AH東京総合病院の地下に逃げた雛絵って、ひょっとして拓留の遺体食べてます?
拓留の遺体が一部欠損してたというし、拓留視点の地の文に「有村の身体の一部になった今なら」みたいな表現があったし。

■山添うき
ゲロカエルんリュックが可愛い幼女。頭撫でたくなる可愛さ。
看護師は、確かに向いていると思います。

初登場時のオカルティックな印象が強かったためか、ずっと「この子何者?」という疑心暗鬼が抜けませんでした。
まぁ、それを言ったら、今回のヒロインズは全員どこかしら怪しさ満点だったのですが。
ただ、青葉寮に来て結衣の同級生と判明してからは、一気に疑いが晴れました。
実は普通にすごく良い子だったことに驚き。
結人といい姉弟になれそう。

ただ、本格的に登場するのが結構後半で、しかも登場頻度がそれほど多くないため、他のヒロインより影が薄いという印象が残りました。
うき編でも、そんなに出番は多くなくて、ちょこちょこある程度だし。

うき編は、個別ルートの中では一番先読みしやすい話でした。
ルート分岐してすぐに結末が見えたというか。
だから、逆に安心して読めたルートでもありました。

うき編ラスト(Dream Sky Endの方)は、わりと好きな終わり方でした。
未来にちょっと希望が持てる、綺麗な終わり方だったと思います。
あと、ラストのイベントCGがとても好きです。
カオチャのイベントCGの中では、1, 2を争うぐらい好きです。
なんか、こう、純粋さというか透明感というか、透き通った空気感が良い感じで。
PCの壁紙にしたいくらいです。
・・・・・・あ、PS4でスクショ取ればいいのか。後で試してみよう。

Another Sky Endも、良い感じの思わせぶりな終わり方で、嫌いではないです。
「流行り神」のシナリオが大体こんな感じの終わり方をするので、それを思い出してニマニマしてました。
全然関係ないけれど、科学ADVシリーズに関わってるシナリオライターさんで「流行り神」シリーズにも関わってた方って、結構多いんですね。

■香月華
無口な壁ドン廃ゲーマー娘。スルメ、美味しいよね。
「ん」のニュアンスと仕草だけで、自分の意図をある程度表現できることに驚き。
中の人も、よくやったなぁ。
あの微妙なニュアンスを、非常に上手に表現されていました。

本編ではあまり活躍の場がなかったけれど、華編はいろんな意味ですごかったです。
あまりのトンデモ展開は、他の個別ルートとは明らかに毛色が異なりました。
超!強い!力士シール!→巨大力士シールマン登場・・・・・・ってあなた。

ただ、華らしいといえばらしい気もしました。
ゲーマーだから、あんなトンデモ展開な妄想も、普通にしてそう。
渋谷は、新宿や秋葉原と並んで、古今東西のゲーム内でよくヒドい目に合ってる都市だし。
爆破されたり、ウィルス撒かれたり、死神のゲーム始まったり、異界化したり、悪魔や異形のモノが出てきたり、などなど。

それに、華編のシナリオを描かれたのが林直孝さんと知って、妙に納得しました。
林さんじゃ、仕方ない。
でも、力士シールマンのそもそもの元ネタ創出者は志倉千代丸さんだそうで。
志倉さんじゃ、仕方ない。

共通ルートでも描かれていたことだけど、乃々が何度も死ぬ姿は結構エグかったです。
共通ルートでもプレイしていて目を背けたくなるシーンでしたが、華編の方が個人的にはエグく感じました。
切り落とされた首を、乃々の身体が自分で取りに行って元に戻すとか、精神的・生理的ダメージが半端なかったです。

他にも、全ての音を遮断されて徐々に狂っていく拓留と華とか、華編はじわじわ浸食されるシーンが多かったように思います。
他の個別ルートの前半は、わりとのほほんとした日常風景が広がっていたけれど、華編は最初から全力疾走の鬱展開だったし。
ただ、会話のテンポというか、クスッと笑える展開も多かったような気がします。
もっとも、それもこれも全て最後の力士シールマンに持ってかれてしまいましたが。

ところで、華はどうしてあんな能力を手に入れてしまったのだろう。
他のギガロマは、どうしてそんな能力を手に入れたのかが描かれていたけれど、華だけなかったように思います。
能力に気付いた経緯は描かれていたけれど。
自分の声にコンプレックスを抱くような何かが、過去にあったのかな。

■伊藤真二
とっても良い親友でした。
拓留と相性抜群のコンビだったし。いろんな意味で。
二人でワイワイやってるシーン、本当に好きでした。
特典ドラマCDの口喧嘩シーンも、気心が知れているからこその口喧嘩っぽくて、微笑ましかったです。

「非実在青少女」の件は、主人公の親友ポジだったからこその、シナリオライターさんによる巻き込まれ事故のようにも思いました。
本当に、便利な立ち位置が災いしたとしか言いようのない仕打ち。
伊藤は、拓留並みに不憫でした。
よし、シナリオライターさんたちの腹を殴れ。全力で殴れ。

猟奇マニアということが序盤で提示されていたので、「非実在青少女」のときは「やっぱりか」という思いがありました。
でも、それが思考誘導によるものだと判明したときは、「やられた」と舌を巻きました。
制作側の敷いたレールにまんまと乗せられていたと気付かされたからです。
それ以降、どんなに推理しても軽々と裏切られるシーンが目白押しだったため、共通ルートが終わる頃には「・・・勝てない」と白旗をあげることになりました。
どんなに先を読んでも、そのさらに先を行くんだもん、勝てません。

それにしても、拓留と伊藤はどうやって知り合ったんでしょうか。
極度のコミュ障の拓留が伊藤にアプローチをかけるとは思えないから、きっと伊藤が拓留へ声をかけたんだろうと思うけれど。
一体、何がキッカケで親友になったんだろう。

それと、伊藤の家族関係もちょっと気になります。
碧朋学園に通ってることからカオスチャイルド症候群であることは間違いないし、てことは渋谷地震の被災者の一人ということだけど、家族との関係はどうなんだろう。家族は健在なのかな。
仮に健在だとして、伊藤自身はカオスチャイルド症候群で見た目が老人化しているわけで、それでも家族とは何の問題もなく過ごせているのでしょうか。

でも、家族がいたら、非実在青少女の後のことを思うと、結構ツライなぁ。
当事者たちやプレイヤーから見れば伊藤は悪くないって解るけれど、世間はそう思わないだろうし。

渋谷復興祭後、ヒロインズが昏睡状態に陥ったとき、伊藤も同時に昏睡状態になっていると思っています。
少なくとも華よりは伊藤の方が拓留に近いと思うので、華が昏睡したってことは伊藤も昏睡しているはず。
ちなみに、同時に結人も昏睡状態になっているはずと、個人的には思います。

■久野里澪
クールビューティー白衣姉さん。
共通ルートではあまり出番がなく、ただの怖い人というか酷い人という印象しかありませんでした。
が、トゥルーとドラマCDで印象がかなり変わりました。
特にドラマCD。意外と優しいぞ、この人。
それに、トゥルーでは、自身の意志が拓留の影響を受けたものであるような描写もあるし。
トゥルーの拓留のことは、一目置いているような気がします。
案外、拓留とは良いコンビになれそう。

立ち位置的には、牧瀬紅莉栖と比屋定真帆の両成分を合わせたような感じかと。
物語中ブレーン的な立場なのは紅莉栖っぽい。
けれど、天才に近づこうとするもそこには決してたどり着けなくて、自分の実力の限界に歯噛みしつつ足掻いている感じが真帆っぽい。
そんなチートではない中途半端なレベルだったから、逆に人間味が感じられました。

久野里さんが最初から知ってることを何かも暴露していれば、事件は回避できたんじゃないか? というような感想を時々目にします。
自分も正直そう思わないでもなかったですが、第5章の久野里さんの部屋で発生する妄想トリガーをスルーすると、拓留がそのへんについてツッコミを入れてくれているので、なんかもうそれでいっかと思いました。
ちなみに、件の妄想トリガースルー時の展開は、何気に面白かったのでオススメです。

ドラマCDで、久野里さんから「電極ぶっ刺すぞ!」という台詞が出てきたときは、シュタゲ好きとして拍手喝采でした。
どうも紅莉栖やダルとは繋がりがあるみたいだし、レプリカのディソードがセナのものに似ているから、そっちとも繋がりありそう。
トゥルーエンド後は、未来ガジェット研究所とともに委員会と戦っていくことになるのかな。

久野里さん初登場時に、スマホで紅莉栖を会話しているような素振りがあったけれど、あのスマホ、まさか電源が入ってないことないですよね。
久野里さんに限って、オカリンみたいな痛い真似はしないと思うのですが。
ただ、特典ドラマCDで明かされた過去を考慮すると、憧れで目標の紅莉栖と直接知り合える機会に恵まれなくて、自分の中で「紅莉栖とは知り合い」という妄想を作り出して、電源の入ってないスマホで妄想の紅莉栖と会話する、みたいな可能性も微レ存?

ところで、ロボノでもそうだったけれど、オカリンの姿が全く見えないのがちょっと気になっています。
カオチャもロボノもSG世界線の話のはずだけど、SG世界線はSG世界線でも、実は劇場版シュタゲで描かれたオカリンが消えたSG世界線ってことは・・・・・・ないよね。

■神成岳志
めっちゃ大人で優秀で良い人!
現時点では、拓留の次に好きなキャラです。めっちゃ良い人。
こんなお兄さん欲しいです。

最初は刑事という職業から、カオヘを思い出して、真相に近づき過ぎて殺されるか、実は黒幕かのどっちだろうと疑っていました。
トゥルーまでクリアした今にして思うと、「疑ってごめんなさい」と心底平謝りしたいです。
それくらい良い人でした。
そして、最後まで生き残ってくれて良かったとも思いました。

カオヘプレイヤーが前述のように神成さんのことを疑うことを制作側は織り込み済みで、それを裏切る意味を込めたため、最後まで生き残った人なのだと思ってます。
でも、神成さんのおかげで拓留や新聞部は随分助けられているし、救われているし。
酸いも甘いも全て許容してくれる器の大きさや、非常識も受け入れられる柔軟性もあって。
さらにカオスチャイルド症候群のことも考慮すると、本当に良い人だと思います。

特典ドラマCDでも結構登場シーンが多くて、良いお兄さん役でした。
刑事や凡人としての限界を理解しつつも、そんな中でできる精一杯で拓留たちの身を案じてくれて。
伊藤と神成さんがいなかったら、拓留は早々に詰んで、相当早い段階で狂ってたんじゃないかと思います。

トゥルールートへ至る拓留の決断は、拓留自身としては一番納得できる選択だったでしょうが、神成さんとしては相当強い葛藤があったのではないかと。
神成さんって刑事としてのプライドが結構高そうだし、ましてや先輩刑事の弔い合戦と位置づけている連続猟奇事件。
その事件の真実を知っていながら、拓留の決断を尊重して真相に目を瞑るなんて、神成さんにとっては辛く納得いかないものだったろうと思います。
それでも拓留の意志を優先したあたり、人が好いというか、良き理解者というか。
こういう大人に、俺もなりたいなぁ。

■百瀬克子
唯一のカオヘからの続投キャラでしょうか。
まぁ、西條拓巳も出てると言えば出てるけれど。華編のチャットで。

カオチャで、この人が何もしなかった(むしろ協力的だった)ことが結構意外でした。
それくらい、300人委員会はギガロマニアックス研究から手を引きたがっているし、渋谷の件は現場に一任して我関せずを貫いているってことでしょうか。

けど、トゥルー時の世莉架の身元保証人が百瀬さんってところは、エンディング後のことを考えると一抹の不安を感じます。
拓留が300人委員会の利に必要となれば、いとも簡単に世莉架を餌にしそう。


それにしても、シナリオもキャラクターも魅力的で、いろいろ考えさせられて、本当に良いゲームでした。
ここまで語っても、実はまだ語り足りていません。
うまく言葉にできない想いもあったりして、もどかしいです。
けど、いくらか吐き出せて、ちょっとすっきりしました。

これで、体調不良が治ればいいんだけど。

コメント

この記事へのコメント

わくわくさんvs拓留のゲームは、あくまで「拓留が自発的にギガロマを再発するか(妄想に逃げるか)」ということなので、多分周りのみんなは大丈夫だと思いますよ。
周りのみんなに手を出したら自発的に発現することになりませんし、干渉による発現ならカオスヘッドで技術的に可能になっているので、いまさらわくわくさんがやっても委員会に認めてもらう手段にはなりえませんしね。

一番心配なのは川原くんがセンリを逆恨みで刺さないかということですよwww
2015/12/25(金) 00:30:06 | #-[ 編集]
Re:
なるほど。カオへはあまりやり込んでいないので、そこまで考察していませんでした。
ただ、周りのみんなを(思考誘導を使わずに)心理的に誘導して、間接的に拓留を追い詰めることはできないでしょうか。
あ、でも、それなら周りのみんなはとりあえず無事なのか。

川原くんは、確かに心配ですねw
乃々ルートの川原くんを見る限りでは、彼に人を殺せるほどの度胸は無さそうですけれど、何かのきっかけで逆上してうっかり一線を越える、というのはありそうです。
2015/12/25(金) 23:37:16 | ふゆき #-[ 編集]

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