[本] CHAOS;CHILD とある情弱の記録

2015/12/12(土) 20:17:07 | カテゴリ:
藤井三打「CHAOS;CHILD とある情弱の記録」(電撃ゲーム文庫)読了。

当初はレビューを投下するつもりはなかったのですが、読了後1時間ほど経過するうちに語りたい欲求が膨れ上がってきたので、その欲求に従ってレビューを投下することにしました。
こじらせる前に吐き出せるだけ吐き出しておかないと、これからプレイしようとしているシュタゲゼロに集中できない気もしていて。
しかも、ゲームクリア時にヘタに我慢しちゃったから、後々になって盛大にこじらせたという前科もあるので。

ちなみに、「CHAOS;CHILD」(以下カオチャ)のゲーム本編や本作品のネタバレに触れそうな語りは、下の追記に書く予定です。
嫌な予感がしたら、素直にブラウザをそっ閉じしてください。

というか、カオチャのゲーム自体未プレイな方は、こんなブログを見ている時間があるならゲームプレイしてください本当にお願いします。
カオチャはもっと売れて良いゲームだと、わりと本気で思ってます。
いやホントに勿体無いよ。もっとみんなプレイしようよ。シュタゲ楽しめた方なら楽しめると思いますよ。もっとみんなプレイしようよ(大事なことなので

閑話休題。

本作は、2014年にXbox Oneで、2015年にPS3/PS4/PSVitaで発売されたADVゲーム「CHAOS;CHILD」のノベライズになります。
ゲーム本編をざっくりと追いつつ、ゲーム内では詳細に語られなかった点を掘り下げた感じの構成になっています。
ノベライズというほどゲーム本編を完全に追っているわけじゃないし、かといってスピンオフというほど別の話でもなく。
なんて言えばいいんだろう、これ。

とりあえず、ゲーム本編部分は本当にざっくりとしか描かれていない点は、注意が必要です。
ノベライズとしての側面はあるものの、ゲームの代替にはならないと思います。
STEINS;GATE(以下シュタゲ)のノベライズ「円環連鎖のウロボロス」のような立ち位置にはなっていません。
そもそもカオチャのテキスト量は約3MBと膨大なのに、それをたった300ページの小説に落とし込むという時点で、どだい無理な話で。
※最近のノベルゲームのテキスト量は、通常1~1.5MBなのだそうです。ちなみにシュタゲ(無印)は約1.5MBだとか。
その上、ゲーム本編では触れられなかった要素がふんだんに盛り込まれているので、当然しわ寄せはゲーム本編部分にくるわけで。
結果、ゲーム本編部分はものすごいジェットコースター展開になっています。
かなり端折られているので、言うなれば「300ページでは解らないカオチャ」状態です。

そんなわけで、本作はゲームクリア済みの方向けの作品です。
というか、率直に言って、ゲームのトゥルーEDまでクリアしてからでないと、読んではいけない作品かもしれません。

ただ、本作で重要なのはゲーム本編部分ではなく、むしろゲーム内で語られなかった部分だと思います。
事件の被害者のバックボーンや経緯、ゲーム内ではさらりと流されてしまった過去話などが、深堀りされています。
その点は、ゲームクリア済みの方にとっては、色々と興味深く感じることができるのではないかと。

まぁ、結構「うわぁ・・・」と呻かざるを得ないようなエグいシーンもあるので、そこは覚悟が必要ですが。
もっとも、カオチャを最後までプレイできた方なら余裕だと思います。

俺はわりと遅読な方ですが、読了までにかかった時間は4~5時間ぐらい。
文体はクセのないものだったので、さらりと読めました。
ちょっと説明不足なところがあって、「この台詞、誰の台詞?」というところは何箇所かありましたが、口調や文脈からおおよそ推察できたのであまり問題にならず。

ただ、誤字脱字がちょっと多いような気がしました。
初版だから、という言い訳が成立しないレベルで、誤字脱字が目立ったような。
校正さんの時間不足でしょうか。

本作はカオチャ初のノベライズ作品でしたが、カオチャ好きとしては良い感じに琴線を揺さぶられた作品でした。
これまで明らかにされていなかった深堀り部分が丁寧に描かれていて、「なるほど」と思わせられることが多かったです。
カオチャ好きならば、一読の価値があるのではないかと。
カオチャ考察が一層捗ると思います。

というわけで。
この勢いで、サントラのDL配信はよ。


これより下の追記部分は、本作およびゲームのネタバレに触れる内容になります。
読み進める場合は、ご注意ください。



自分の中で感想があまりまとまっていないので、これより下は箇条書きになります。
考察なんて高尚なもんじゃないです。
ある意味ただの殴り書きなので、そのへんはご了承ください。


・読み終わってから見返して気付いたけれど、キャラクター紹介の佐久間先生の名前間違ってる。。。
・新聞部の部室に関するエピソードは、CD「非実在青少年」収録のボイスドラマと食い違いアリ。世莉架が碧朋に入学する前には新聞部の部室があって、世莉架より先に伊藤が入部していることになってる。まぁ、大勢に影響のない些細なことと言えば些細なことだけど。
・拓留と伊藤が知り合った経緯が描かれているのはうれしかったけれど、いっそ親友になるまでの経緯も詳しく書いてほしかった。伊藤スピンオフに期待せざるを得ない。
・「音漏れたん」の高柳が、自分の声に恐怖を感じるようになった経緯や、別名義でネット公開していた曲に対する感想に歓喜した理由は興味深かった。その後、思考誘導されてカッターで腹を裂くシーンはアレだけど。
・明言されていないけど、(たぶん)まさかのFES登場。「セイレーンの歌声」とは、これ以上ないくらい的を射た表現だな。
・「回転DEAD」までの拓留の事件を追う姿は、乃々視点になると「ギラギラ」という表現になるのか。
・柿田と雛絵の出会いと情報交換の流れは、若干こじつけっぽい気もするけれど、まぁ納得。能力やギガロマニアックスについて知った経緯は、確かにこっちの方がアリかと。久野里さんが登場していきなり「お前はギガロマニアックスだ!」って突きつけるよりは、こっちの方が説得力がある。
・LAXでの柿田の語りに出てきた「凄い妄想力の男子高校生」って、もしかしなくても拓留ですよねわかります。
・雛絵と久野里さんの出会いも書いてほしかったな。雛絵スピンオフに期待。
・結局、雛絵はどうやって拓留がギガロマだってことを知ったんだろう? ラブホの部屋の鍵だけじゃ、確信を得るには至らないような気がする。そもそも、拓留が部屋の鍵を開けたとき雛絵は卒倒していたはずだから、その後生徒会室でばったり遭遇した時点では鍵のことは知らないのでは?
・監視カメラの件で乃々に追求される伊藤のキョドりっぷりがいい感じ。
・新聞部と渡部との対談、乃々は良く思ってなかったのか。
・いくら渡部と言えども、神成さんに手を出すのは許せん。
・「ごっつぁんDEATH」の力士シール、胃に直接リアルブートしたわけじゃなかったのか。
・渡部が力士シールを飲み込んだ経緯は「なるほど」という感じ。捏造の証拠隠滅とは。言われれば確かに。
・下に見ていたニヤ動スタッフから実は見下されていた渡部って、渋谷地震のときの拓留となんだか被るな。
・結衣と結人、碧朋の文化祭に行こうとしてたのか。家族ならば、そりゃ気になるか。
・「ごっつぁんDEATH」で拓留が警察に連れて行かれたことを乃々に伝えたの、川原くんだったのか。確かに川原くんなら、事件のことで真っ先に乃々に相談しそうだしなぁ。
・ゲームは基本的に拓留視点だから気付きにくいけれど、妄想時や思考誘導を受けたときの拓留って、第三者からは一瞬で豹変したように見えるんだな。
・AH東京総合病院に戻ったうきに対して現実を突きつける拓留が、乃々視点の描写だと格好良い。
・乃々から見たら久野里さんとギガロマ研究者が同類に見えるというのは、面白い対比。PS版初回特典ドラマCDを思い出す。
・南沢泉里に関する乃々の心情は、さすがに乃々視点中心のノベライズだけあって、わかりやすい。
・杯田理子の過去と「上手に焼けました」に至る経緯が切な過ぎる。本作で一番ショッキングだった。
・川原くんは、本当にクズだなぁ。
・昏睡から目覚めた直後の拓留の泣きが切ない。リハビリ、よくがんばったな。
・拓留のリハビリに献身的に付き添ってた乃々もすごい。
・「非実在青少女」は、思ってたよりあっさり描写。ゲームで精神的に大ダメージ食らって耐性付いたからか、すんなり読めた。
・乃々が「こっちみんな」の映像に入ったストラップの音に気付いたのは、偶然だったのか。映像の頭から爆音で聞き続けてようやく掴んだ証拠だと思ってた。
・伊藤が思考誘導され始めた日が特定された。2ヶ月近くも思考誘導されていたのか。
・ていうか、世莉架、怖い。
・「こっちみんな」の世莉架サイドがエグい。あの輪切り、ディソード使ってたとは。
・「乃々の天然水」の愉快なやり取り、すごく知りたいんですが。なにそれ、超面白そう。
・個別ルート持ちヒロインたちが昏睡状態から目覚めた描写(280ページ目)以降、自然と涙が出た。ゲームのトゥルールートでめちゃくちゃ泣いたのに、まだ泣き足りないのか俺は。
・青葉医院に運び込まれた拓留の世話を買って出た乃々にたとえ打算があったのだとしても、その後の介護やリハビリには、きっと純粋に助けたい、寄り添いたいって想いもあったはず。立派だと思う。
・拓留と乃々(泉里)の関係、なんか好きだな。やっぱり。
・トゥルーの拓留が世莉架のことを「好きな子」と表現したこと。ゲームプレイ時から感じていたことだけど、個人的には恋愛感情とは違うのではないかと思ってる。恋愛だけじゃなく、親友とか戦友とか親子とか自己とか、そういう「大切な人」に対して抱くあらゆる好意を一個にまとめたような、そんな超越した”何か”なんじゃないかと。
・それにしても、拓留がせつなさみだれうち過ぎて、なんかもう。格好良いんだけど、そういうところも好きな要因の一つなんだけど・・・・・・だけどっ!
・拓留もプレイヤーも納得できる形で、拓留が幸せになれる世界線をください。続編でもファンディスクでもスピンオフでもいいので。拓留はもうちょっと幸せになっても良いと思うよ。
・で、結局、ゲンさんって何者?
・そういえば、百瀬さん出てこなかったような。

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