[GMEV] シュデンゲン室内管弦楽団 第四回演奏会

ゲーム音楽をアンサンブル形式で演奏するプロジェクト「Melodies of Crystal」(以下、MoC)主催の「シュデンゲン室内管弦楽団」第四回演奏会「Etwas als Geschenk Gegeben」に行ってきました。
会場は、練馬文化センター 小ホール(つつじホール)。
開場13:00、開演13:30、終演は・・・そういえば、時間確認しなかったです。たぶん16:15ぐらい?
チケットは先行抽選・前売で完売したそうで、キャパシティ500人ほどの会場は満員でした。

今回の演奏会は、2014年4月に開催されたオール「サガ フロンティア2」(以下、サガフロ2)演奏会の再演になります。
再演とはいえ、曲順や譜面が見直されたそうなので、全く同じというわけではありません。
曲数も、前回はおよそ40曲だったところ、今回はおよそ50曲に増量。
また、パーカッションも、前回1人だったのが2人に増強されたようです。

ちなみに、2014年のサガフロ2演奏会にも足を運びました。
ただ、予習をせずに行ったので、「あれ、こんな曲あったっけ?」と思うことが多々あり、なんとも悔しい思いをした記憶があります。
というわけで、今回は前回のリベンジという気持ちもあり、ちゃんと予習をしていきました。
まぁ、予習といっても、OSTを一通り聴き直したぐらいですが。
ゲームをやり直すほどの時間的余裕はありませんでした。

それでも、予習するとしないとでは、聴こえ方に随分違いがあるなぁ、としみじみ実感しました。
特にサガフロ2は、同じ主題のアレンジ違いというパターンが事の外多いので、予習しないで聴くとどれも同じ曲に聴こえてしまって。
サガフロ2では、予習、超重要。

今回の演奏会の曲順や編曲の方針については、開演直後にMoC代表+編曲者の大澤久氏から説明がありました。
それによると、前半の第1, 3, 5楽章はギュスターヴを、第2, 4, 6楽章はウィル・ナイツをイメージ。
要するに、ギュス様とウィルが交互に出てくるということです。
休憩を挟んでからの後半、第7楽章はギュスターヴからのヨハンのイメージ。
第8, 9楽章はリッチ・ナイツ、第10, 11楽章はジニー・ナイツとのこと。
具体的に演奏された曲については、追記のセットリストを参照してください。

確かにその説明を聞いてから演奏を聴いたら、イメージしやすかったです。
ゲームをプレイしたのはもう10年以上前のため、ゲームの内容はほとんど覚えていなかったのですが、解説を起点として引っ張れる限りの記憶をかき集めて、「そういえばあんなイベントあったなぁ」とか「こんなダンジョンあったなぁ」とか、演奏を聴きながら思い出せたような気がします。

演奏形式は、小規模の管弦楽団。
弦楽器、木管楽器に、トランペットとパーカッション、という構成。
メンバーの増強や入れ替えは多少あれど、楽器編成はほぼ前回のサガフロ2演奏会と同じだと思います。

演奏技術力は、相変わらずどの演奏者も激高でした。
そこは、さすがMoCというか。
小規模編成だから相対的に一人あたりの責任が大きくなる中、大きなミスのない確実な演奏。
そして、非常に表情豊かな響きでした。

それでも、最初から最後までノーミスで完璧、というわけではなかったですが。
むしろ、前回のサガフロ2の演奏会より、というかこれまでのMoCの演奏会より、少しミスが多かったような気がします。

MoCの演奏会で特筆すべきは、やはり編曲の妙。
大澤氏の編曲は、相変わらずすごかったです。奥深かったです。
今回は、楽器の音色や編成、または演出の都合により必要な箇所だけの編曲に留め、かなり原曲重視なアレンジ。
その点は、過去のMoCの演奏会とは違っていました。
これまでのMoCの編曲の方針は、ゲームの内容を知っているものとして、それを踏まえた曲編成や強いアレンジでした。
だから、ゲームの内容を知っていないと、結構置いてけぼりをくらうことが多かったです。
それが今回、大胆なアレンジの少ない原曲重視に方針転換。
ゲームを知らなくても、OSTなどで曲を知っていれば楽しめる内容になっていました。
ゲームの内容がうろ覚えになりつつもBGMだけは強く耳に残っている身としては、非常に聴きやすかったです。

とはいえ、ゲームを知っていた方が、より楽しめるような作りだったと思います。
この演奏会のためにオリジナルにアレンジされた部分は、ゲームの要素が色々含まれていそうな気がします。
エッグを想起させられるような不穏な響きがそこかしこに見られたので、たぶんもっとちゃんとストーリーを覚えていたら、より一層楽しめたのではないかと。

アレンジはアレンジで、サガフロ2の世界観やストーリーだけでなく、曲の流れとして自然であるかも加味された、素晴らしいものでした。
主題をモチーフにしたMoCらしい大胆なアレンジで、「ここはあれのことを表現してるのかな?」とイメージを膨らませるのも楽しかったです。
原曲重視と大胆なアレンジのバランスは、個人的には今回の演奏会ぐらいがちょうど良い感じがします。

アレンジといえば、特に曲と曲の繋ぎの部分が、とにかく自然ですごかったです。
あたかも最初からそういう展開の曲だったかのような鮮やかかつ多彩な繋ぎ方で。
いつも思うことなのですが、曲の繋ぎまで細心の注意を払って編曲されていて、大澤氏の編曲力にはいつも感心させられっぱなしです。
本当に好きなんだなぁ、ゲームも曲も。

そんなわけで、個人的にはリベンジとも言える今回のサガフロ2演奏会。
相変わらず演奏も編曲も素晴らしかったし、予習した甲斐もあって非常に楽しめた演奏会でした。リベンジ成功しました。
サガフロ2の曲が好きな方は、ぜひ次の再演の際には足を運んで欲しいです。

あ、いつか「魔界塔士SaGa」と「SaGa2 秘宝伝説」の全曲演奏会の再演をお願いします。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

セットリストは以下の通りです。

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01. Vorspiel
02. Außenwelt
03. 第1楽章
Majestät~間奏~Thema~Weihalter
04. 第2楽章
Vorspielの変奏、Romanの変奏の引用による冒頭部~少女の象徴としての変奏~Frage~Wunderding~Tiefe
05. 第3楽章
Heimatlose~Thema~Variation
06. 第4楽章
Batschaft或いはRosenkranz~Weltall
07. 第5楽章
Romantik~Einsamkeit~Feldschlacht III~Andacht~Trübsal
08. 第6楽章
Zauberreich~Rhapsody on a Theme of SaGa FRONTIER 2より第一楽章~Erlkönig~Feldschlacht I~Verborgenheit

(休憩)

09. 第7楽章
Reminiszenz~Erfolg~Zusammentreffen~Rückerinnerung~Ohnmacht~Disharmonie~Feldschlacht II
10. Außenwelt
11. 第8楽章
Nationaltanz~Naturvolk~Zauberkraft~Dithyrambus~Freiluftmusik~Feldschlacht IV
12. 第9楽章
Der Hauptmann~Andächtelei~Trotzkopf~Besessenheit~Interludium
13. 第10楽章
Arrangeur~間奏~Ovation
14. 第11楽章
Schlachtenlenker~Manifest~Todfeind~Nachtigall~Mißgestalt~Todesengel
15. Postludium

アンコール
16. Präludium
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これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

01. Vorspiel
02. Außenwelt
どちらの曲も、冒頭からピアノと木管楽器のアンサンブル+弦楽器のハーモニーが気持ちよかったです。
特に、木管楽器の音色が表情豊かで素晴らしかったです。
楽団によってはのっぺりとしがちな木管楽器ですが、オーボエ、フルート、クラリネット、バスーン(ファゴット)、どの木管もレベルが高かったように思いました。
特にフルートの表現力がすごく良かったです。

04. 第2楽章
「Wunderding」だったかな、2人のパーカスによるマリンバの共同作業が印象的でした。
4本の腕があっちへこっちへ時折交差しながらも、全く乱れのない息ぴったりな演奏は、さすがでした。

06. 第4楽章
「Weltall」のエキゾチックさが原曲通りで、その再現力に驚かされました。
パーカッションが本当にそのままで、心の中で思わず「おぉ!」と喝采を上げました。
あまりにそのままの生演奏だったので、自分がダンジョンの中にいるかのような錯覚を覚えたぐらいです。

07. 第5楽章
不穏な余韻を残して終わった第4楽章を一気に吹き飛ばすほどの、華やかな「Romantik」。
木管とトランペットの高らかな響きには、爽快感すらありました。

そして、「Einsamkeit」からの戦闘曲「Feldschlacht III」。
この2曲の繋ぎが本当に鮮やかでした。
「Einsamkeit」を変奏しつつ、少しずつテンションを上げていき、それが頂点に達したタイミングでの「Feldschlacht III」。
これはもう、たぎらざるを得ませんでした。

第5楽章はギュスターヴ編の集大成、時代の流れの転換点のような位置付けだからでしょうか、最もドラマティックな展開だったように感じました。
それだけに、すこぶる印象に残った楽章でした。

08. 第6楽章
「Rhapsody on a Theme of SaGa FRONTIER 2より第一楽章」は、原曲よりかなりハイテンポでした。
テンポが早過ぎて、ちょっと演奏が追いつけてなかったような気がします。
もうちょっとスローにして、一音一音の余韻を残すようにして欲しかったなぁ。

ただ、この直後の「Erlkönig」は、すこぶる勇猛さの際立った演奏でした。
すごく格好良かったです。
そして、血管ブチ切れそうなほどダイナミックな指揮が印象的でした。
この曲まで、指揮がわりと大人しいと感じていたのですが、この曲のために体力を残しておいたんじゃないかとすら思えました。

09. 第7楽章
穏やかな「Reminiszenz」からの壮大な「Erfolg」。
そこから「まぁ、もうちょっと待て」と言わんばかりにのんびりした「Zusammentreffen」。
そうやって抑えに抑えられてからの「Rückerinnerung」は、半端ない「キターッ!」感がありました。
前3曲の緩急で溜められたエネルギーがこの曲で一気に発散されたよう。
これこれ、これだよ、待ってましたよ!
本当に編曲だけではなく、選曲や曲の並びまで絶妙でした。

「Rückerinnerung」から次の「Ohnmacht」まで妙に長い間が空いたのは少し気になったのですが、帰宅後に前回演奏会のセットリストを見て「あぁ、そういうことか」と腑に落ちました。
前回の演奏会では、第1部の最後の曲が「Rückerinnerung」でした。
だから間があったのか。なんだか納得。

12. 第9楽章
「Andächtelei」のパーカスとパーカス以外のリズムの刻みが、ちょっとずれていたように思います。
なんとなく座りが悪いような、うまくハマっていない妙な居心地の悪さというか、そんな感じがしました。
パーカッションの入り方は確かに原曲に近いけれど、けどなんか違うというか。
音のバランスのせいでしょうか。

「Besessenheit」のピアノのピロピロしたところ、演奏しきっていて見事でした。
不自然ではない程度に原曲より音を抜いていたような気がしましたが、それでもあれを原曲に近い形で自然に演奏するのは至難の業ではないかと。

13. 第10楽章
ジニー編の曲のためか、他のどの楽章よりも可愛らしいメドレーになっていました。
可愛らしくも健気で、芯は強い、みたいな。
間奏はいくつもの曲によく使われている2つの主題を使ったオリジナルの編曲でしたが、こちらも可愛らしさの見られた曲でした。

14. 第11楽章
ラストバトル「Mißgestalt」と「Todesengel」。
ステージ上からも「これが、俺たちのラストバトル!」と言わんばかりの熱量が放出されていて、非常にエネルギッシュな演奏でした。
原曲にはなかったと思うのですが、エッグの不気味さを表すような不協和音が見え隠れするところも、良い効果になっていました。
そのためか、ラストバトルらしい緊迫感のある曲になっていたし、そんな演奏になっていたと思います。

それにしても、ラストバトル曲はほぼひたすらトランペット吹きっ放しでしたが、酸欠になって倒れないかと少しヒヤヒヤしたりも。
そういう意味でも緊迫感がありました。
それはともかく、ラストバトル2曲のトランペットは、本当に格好良かったです。
弦と木管ばかりの編成の中、トランペットは唯一(2人いましたが)の金管楽器で、ここまでひたすら縁の下の力持ち的な存在でしたが、この曲だけはほぼ主役でした。
ここぞというところで素晴らしい音色を奏でるところが、本当に格好良かったです。

16. Präludium
そういえば、本編中になかったな、この曲。
アンコールで演奏されるまで、気付きませんでした。

アルティマニア(攻略本)の巻末小説のオマージュ、という趣旨の下で編曲されたこの曲。
イントロはオリジナル、中盤以降に「Präludium」がほぼ原曲のまま演奏されるという構成でした。

アルティマニアを見ながらゲーム進めていたので、巻末小説も読んでるはずなのですが、全く記憶に残っていません。
そのため、小説のイメージがそもそもないので、曲のイメージと比較はできませんでした。
が、もしサガフロ2をリメイクすることがあるならば、この編曲をエピローグに使ってもいいんじゃないか、とふと思ったり。
それくらい、エピローグ感満載の演奏でした。

それと、この曲がオーラスという点から”次”を感じることができて、良い曲編成だなとも思いました。

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