[GMEV] BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO 2016 with Siena Wind Orchestra

FINAL FANTASYの曲を吹奏楽で演奏する公式コンサート「BRA★BRA FINAL FANTASY BRASS de BRAVO」の2016年5月東京公演(昼の部)に行ってきました。
会場は、東京文化会館 大ホール。
開演は14:05、終演は16:20頃でした。

2015年に引き続いての公式による吹奏楽コンサートツアー。
昨年は東京公演のチケットが取れなかったので、自分にとっては今回のコンサートが初となります。

演奏は、シエナ・ウインド・オーケストラ。
指揮は、栗田博文氏。
栗田氏は、すっかり公式によるゲーム音楽コンサートでは常連の指揮者になられてますね。
とはいえ、そもそも生で演奏されることは想定されていないゲーム音楽を、しっかりがっつりまとめ上げる手腕はすごいと思います。
きっと難しい曲ばかりだろうに、狩猟音楽祭でもテイルズオケコンでも素晴らしい演奏に仕上げてくれて、ひたすらに感謝です。

FFの公式オーケストラコンサートは過去にも行ったことがありますし、非公式コンサートも含めたら両手両足の指では数えきれないくらいあちこちのコンサートに顔を出していますが、今回ほどユニークなコンサートは今まで経験したことがありませんでした。

まず、敷居がめちゃくちゃ低い。
吹奏楽だからなのか、コンポーザの植松伸夫氏の人柄が出ているからなのかはわかりませんが、会場内の雰囲気がすごくフラット。
アマチュアの楽団でも、こんなに敷居の低いコンサートは滅多にありません。
本当に、誰でも気軽に構えずに鑑賞できます。
こんなに構えずに鑑賞できるコンサートは、非常に珍しいのではないかと。

加えて、観客参加型の曲が多い。
座席に居ながら手拍子などで参加するタイプだけでなく、楽器持参で参加可能な曲もいくつかありました。
事前に公式ページで楽譜公開の上、楽器持参が呼びかけられていたそうです。
そして、それに呼応して楽器を持参された方が結構多かったです。

とはいえ、参加型と言いつつ強制するような雰囲気はなく。
「俺は参加したくない、ただ聴きたいんだ!」というならば、その信念を貫くことも容易で。
参加する/しないは完全な任意、自由意志が尊重されていて。
楽しみ方は人それぞれ、演奏するも良し、軽くだけ参加するも良し、聴きに徹するも良し、というくらいに場の雰囲気が緩かったです。
その緩さはすごく良いと思いますし、今後もこのようなコンサートツアーが続くのであれば、維持してほしい点の一つです。

ライブでは、開演したら立たなければいけない、手拍子しなければいけない、歓声を上げなければいけない、という妙な強制力を持った場の雰囲気があるのですが、個人的にはあれがすごく苦手で。
だから、今回のコンサートみたいな緩い空気感は助かりますし、むしろ大歓迎です。

そんな感じで、各々の楽しみたい形で音を楽しめる、奇跡のようなコンサートでした。
まさに、文字通り「音楽」を体現したかのよう。
これが、植松さんの目指している新しいゲーム音楽の形の一つか、なるほど。

演奏は、技術的な面はシエナなので言わずもがなですが、それに加えて熱意や気迫もすごかったです。
とにもかくにも演奏が上手い上に熱い。
普段クラシック音楽を演奏しているプロ楽団がゲーム音楽を演奏する場合、ゲームに対する思い入れがあまりない分、ゲーム音楽もものすごく冷静に演奏している感がするのですが、今回はその典型にははまらなくて。
実はゲーム好き、ゲーム音楽好きが大半を占めているんじゃないかと思ったぐらい、演奏に込められた情熱が凄まじかったです。
その熱意は、ゲーム音楽好きが集まったアマチュア楽団に引けを取らないレベルでした。

熱意と言えば、パンフレットの内容も熱かったです。
ゲーム関係者のインタビュー記事だけでなく、シエナの演奏者のインタビューや、初心者にもわかりやすい吹奏楽・楽器の解説があって、音楽的な読み物としても普通に楽しめる内容でした。
また、巻末に「マンボdeチョコボ」の総譜と、「メインテーマ」のリコーダー用の譜面まで付いていて。
その分、他のコンサートのパンフレットよりちょっと値段が高めに設定されていますが、それも肯けるほどの内容の濃さでした。

しかし、公式パンフレットで「メインテーマ」が「国歌」認定されるとは。
何気に注釈でさらっとDQまで国歌認定しているのが、なんだか面白かったです。
スクエニは、ゲーム音楽に関しては本当に緩いなぁ。
まぁ、そこが良いところだし、その緩い姿勢がゲーム音楽の一般的認知度の向上に貢献している点でもあると思うのですが。

演奏された曲のアレンジは、ほぼアルバム「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO」および「BRASS de BRAVO 2」のままでした。
あらかじめ予習してからコンサートに臨んだのですが、アルバム収録バージョンがあまりクセのないアレンジなので、予習なしでもさほど問題はないと思います。
なお、「2」に収録された曲は全曲演奏。
他に「1」から数曲と、アルバム未収録曲がちょっとだけ、といった構成でした。

ユニークな試みがあちこちに見られ、ゲーム音楽の新しい可能性を見せてくれた本コンサート。
すごく熱くて、非常に楽しかったです。
FFの曲が好きな方はもちろんのこと、吹奏楽の経験がある方にとってはより一層楽しめるコンサートだと思います。


これより下は、今回のコンサートのセットリストと、印象に残った曲の感想になります。
コンサートツアーはまだ続きますし、これから開催される公演に行くからまだセットリスト見たくないという方は、ご注意ください。


セットリストは以下の通りです。
-----
[第1部]
01. FFバトル2メドレー
FINAL FANTASY IV「バトル2」 / FINAL FATASY V「バトル2」 / FINAL FANTASY VI「死闘」 / FINAL FANTASY IX「バトル2」 / FINAL FANTASY Series「勝利のファンファーレ」
02. 星降る峡谷
03. FF I/II/III フィールドメドレー
FINAL FANTASY「メイン・テーマ」 / FINAL FANTASY II「メインテーマ」 / FINAL FANTASY III「悠久の風」
04. 守るべきもの
05. FFモーグリのテーマ
06. ゴールドソーサー
07. FFメインテーマ
08. ハンターチャンス

[第2部]
09. ビッグブリッヂの死闘
10. ファイナルファンタジーiV メインテーマ
(「大切な一曲」コメント披露)
11. 魔導士ケフカ
12. ザナルカンドにて
13. Fragments of Memories
14. シーモアバトル
15. 片翼の天使

[アンコール]
16. The Man with the Machine Gun
17. マンボdeチョコボ
-----

これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

01. FFバトル2メドレー
冒頭からバトル曲メドレーで、一気にテンションMAX。
最初のフレーズの時点で横っ面ぶん殴られたような衝撃があって、瞬く間に演奏に引き込まれていました。
これを1曲目に持ってきて、第一音から安定感のある迫力満点の音を出せるあたり、さすがはシエナ。
そして、まさかこの時のテンションがラストのラストまで維持されようとは、この時の俺は、まだ何も知らなかった。。。

03. FF I/II/III フィールドメドレー
アルバムと同じく木管アンサンブル。
アルバムで聴いていたとき、「このチューバみたいな低音、何の楽器だろう?」と思っていたら、バリトンサックスでした。
加えて「このファゴットみたいな低音、俺の知ってるファゴットの音色とは違うし、何の楽器だろう?」と思っていたら、バスクラリネットでした。
今日ようやく判明して、胸のつかえが取れた気分。

05. FFモーグリのテーマ
ボディパーカッションを使った観客参加型。

演奏前に「モーグリおじさん」ことティンパニ奏者の荻原松美氏による手ほどきがありました。
パターンは全部で4セットあったのですが、最初の3セットはまぁ普通。
わりと単純なリズムだったので、数回練習するだけでさほど苦もなく習得できました。
が、問題は4つ目。特に後半。
素人にいきなり三連符で、しかも手拍手→腿→腿とか、なにその鬼畜譜面!?
なんて音ゲーだよっ!?

というわけで、4つ目のセットは練習でも本番でも上手くできませんでした。
楽器演奏されている方なら難なくこなせたかもしれませんが、リズム感皆無の身では到底ムリです。

とはいえ、そんな難しさも、ある意味楽しかったり。
できたらできたで当然うれしいし、できなかったらできなかったで悔しくもあるけれど、それすら楽しいというか。
「次こそはっ!」という気分にさせられました。

ちなみに、「モーグリおじさん」こと荻原氏は、演奏中一度舞台袖に掃けたかと思ったら、モーグリのフードを被って再登場されました。
そして、演奏終了時には全力の投げキッス。
なんというか、すごくノリの良い方でした。
植松さんのコメントじゃないけれど、本当に頼めば何でもやってくれそう。

06. ゴールドソーサー
アルバムと同様に、リコーダーアンサンブル。
シエナの方々が自分の楽器をリコーダーに持ち替えて、全員参加されていました。
それが意外だったのか、演奏が始まった途端に観客からざわめきが起こっていました。

数十人によるリコーダーアンサンブルは、思っていた以上に聴き応えがありました。
広いホールでしたが、リコーダーの素朴な音色が遠くまでしっかりと響き渡っていて。
これは本当に楽しそうで、いいなぁ。
まぁ、実際に吹くのは難しそうですが。

07. FFメインテーマ
これもまた、観客任意参加型の曲でした。
リコーダーを持参された方々と吹奏楽の合わせ技。
正面のステージからは吹奏楽の音色が響き、さらに観客席からはリコーダーの音色が降ってくるという新感覚。
会場のホールが5階席まである縦長で、自分の席が1階席の中央よりやや下の方だったからか、リコーダーの音色はまさに”降ってくる”感じでした。

「大切な一曲」コメント披露
開演前に観客から募集していた「大切な一曲」のコメントが、ここで披露。
BGMは、ハープのソロ演奏によるFF8「Ami」とFF7「エアリスのテーマ」。
このハープの演奏がしっとりとしていて、BGMにしておくのが勿体ないくらい素晴らしい演奏でした。

それにしても、「エアリスのテーマ」に関するコメントおよびトークの最中のBGMが「エアリスのテーマ」って、狙い過ぎでしょう。
良い意味で卑怯でした。

11. 魔導士ケフカ
クラリネット+トランペット+トロンボーン+チューバ+ドラムセットによるジャズな演奏。
途中のクラリネットのカデンツァがめちゃくちゃ格好良かったです。
クラリネットって、あんなに情熱的な演奏ができるのか。

12. ザナルカンドにて
サックス四重奏。
この曲をサックスアンサンブルで初めて聴いたのは「題名のない音楽会」のOAで、そのときは正直なところ違和感がありました。
その後、アルバムで何度も聴いても、どうしても違和感が拭えず。
ところが、今回コンサートで生演奏を聴いて、「あれ、格好良い」とすんなり思えました。
あんなに強く違和感があったのに、何のひっかかりもなくすとんと腑に落ちた感じです。
CD音源と何が違うんだろう。生演奏の魔力ってすごい。

14. シーモアバトル
なんと言っても、パーカッションがすこぶる格好良い演奏でした。
いくつもの打楽器が表れては彩りを添えていくその様が、演奏の迫力に色を加えていて。
また、緩急の付け方も非常にダイナミックで、非常に聴き応えのある演奏でした。
この感覚はCD音源では得難いので、ぜひ生演奏で聴いてほしいと思った一曲です。

15. 片翼の天使
今回のコンサートで演奏された曲(アンコール含む)の中で、唯一のアルバム未収録曲。
昨年も演奏され、その後2枚目のアルバムが発売されたけれど、収録が見送られた曲だそうです。

アルバム未収録だけど、総譜は発売してもいいんじゃないかと思うのです。
きっと、演奏したいという要望があると思うし。
まぁ、難易度的に演奏できるかどうかは、また別問題だけど。

演奏は迫力満点で、リミットブレイク連発でした。
ただ、バトル曲2連戦(しかも両方とも難曲)の後半戦だったので、演奏者のHPが尽きないかどうかがちょっと不安でしたが。
心の中で「生きろ、生き残るんだ!」と、応援しながら聴いていました。
なんというか、あれです、敵のターンで味方キャラがやられないか見守る心境です。

17. マンボdeチョコボ
楽器持参された方がステージに上がって、シエナの演奏者と一緒に演奏するという観客参加型。
物販で鈴を手に入れることができたこともあってか、ステージから溢れんばかりの方々が参加されていました。
その多くはリコーダーや鈴など手軽に演奏できる楽器を手にされていましたが、中にはトランペットなど本格的な楽器を手にされていた方も。
ステージ上ではみんなで合奏、観客席でも手拍子で参加するなど、会場全体が一体になって曲を作り上げている感じがしました。
こういうのも、なんかいいなぁ。

この「マンボdeチョコボ」の時だけ、写真撮影OKの許可が出たので、写真撮りまくりました。
普段、写真撮影ってあんまりしないのですが、なんかみんな楽しそうだったので、つい。
記念の一枚になりそうです。
20160507_01.jpg

コメント

この記事へのコメント


コメントを投稿する


トラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック