[ゲームRev] 真 流行り神2

PS3/PS4/P Vitaのテキスト型ADVゲーム「真 流行り神2」を全シナリオSランククリア+トロフィーコンプリート(トロコン)しました。
トロコンまでのプレイ時間は、約32時間。
F.O.A.F.データベースの1項目(No.43)とトロフィー2つだけ攻略サイトに頼りましたが、他は自力プレイです。

なお、これより下では便宜上「真 流行り神2」は「真2」、前作は「真1」、無印の「流行り神」シリーズはそれぞれ「旧作」もしくは「旧1」「旧2」「旧3」と省略させていただきます。

まず先に率直な総評を言えば、「真1よりは面白かったな」でした。
舞台・登場人物からシステム面までガラリと変えてきた真1からの軌道修正に、かなり尽力されたっぽい雰囲気は伝わってきました。
が、旧作と比べたらまだまだそこには至っていない、という印象です。
特に、シナリオ面で。

「流行り神」シリーズは、PS2で発売された旧1のRevengeをプレイして以来、ずっと好きな作品です。
携帯アプリ版を除けば、PSP版、DS版と、たぶん全プラットフォームでプレイしていると思います。
真1もプレイ済みです。

ただ真1については、正直なところかなりイマイチでした。
それ故に、真2発売決定の一報を耳にしたときは、すごく複雑な気分になりました。
「流行り神」の血統をまだ続けてくれるのかという喜びが3割、また真1みたいにグロ全開でツッコミどころ満載だったらどうしようという不安が7割。
そのため、当初は様子見しようと思っていたくらい。

それが一転したのは、旧1のシナリオの大部分に関わっていらした新川宗平氏(現・日本一ソフトウェアの社長)が監修に入るという点と、「原点回帰」という点を知ったとき。
「流行り神」シリーズの礎を築いた方が参加されるなら、期待してもいいんじゃないか、という想いがありました。

まず、システム面について言えば、間違いなく「原点回帰」しています。
旧作から大きく方向転換した真1を引き戻すように、さらなる方向転換がされています。

いわゆる「かまいたちの夜」形式だった真1とは大きく異なり、旧作と同様のオムニバス形式に戻りました。
それにより、真1では別ルートに入る度に発生していた登場人物たちの性格変化が無くなり、キャラ造形は真2全編通して一貫性が保たれたと思います。
少なくとも、「おまっ、分岐前と性格全然違うじゃねーか!」という内心のツッコミは無かったです。

また、旧作にあった機能「セルフクエスチョン」も復活しました。
「セルフクエスチョン」があると、すごく「流行り神」っぽさを感じました。
ただ、「セルフクエスチョン」によるシナリオ分岐がほとんどなくて、何を選んでも結局結論が一つに収束するところは気になりました。
「セルフクエスチョン」が、科学/オカルトルート分岐のための道具としてしか機能していない感じです。
また、セルフクエスチョン内の分岐もほぼなくて、何を選んでも次の選択肢が同じで、バリエーションの少なさは引っかかりました。
まぁ、バリエーションを増やすと、シナリオ量も実装工数も増えるし、テスト工数も増えるから、内部事情はわからないでもないけれど。

真1で追加された機能「ライアーズアート」は、真2にも引き続き実装。
真1ですごく苦手だったこともあって、正直必要性をあまり感じないのですが、主人公の特技という位置付けなので切り離せないのでしょう。
とはいえ、真1よりも思考時間を長くするなどプレイしやすく改善されていたこともあって、真1ほど苦手意識を感じませんでした。

シリーズ通して実装されている「推理ロジック」、「F.O.A.F.データベース」は、真2でも健在。
データベースの内容は、相変わらず濃かったです。
これ、シリーズ通して思うのですが、本当によく調べてあると思います。

次にシナリオ面についてですが、少なくとも真1よりは楽しめました。
真1のようなグロ描写で怖がらせようとしていた部分はほとんどなくて、9割ないと思うけれど1割あってもおかしくないと思わせる部分でホラー感を出そうとしていた点は好印象。
真1と同様にCERO Z指定ですが、真1ほど一部を除いてほとんどグロくはないし、それほど怖くはなかったです(当社比

また、各シナリオそれぞれに良さがあって、これまでになかったパターンだったり予想外な展開だったり、「そうきたか」という面白さがちらほら。
まぁ、予想外過ぎてぶっ飛び過ぎていたトンデモ展開もありましたが。
あれは、純粋にフィクションとして楽しめるか、ギミックを楽しめるか、はたまたコントローラを投げつけるか、まぁ人によって賛否が分かるんじゃないかと。

各シナリオのボリュームは、感覚的には短めだったような印象。
旧2や旧3よりは、明らかに少なかったと思います。
重めのパンチの効いたトンデモ展開が某シナリオにガッツリあったので、それでもボリューム不足感はそれほど感じませんでしたが。

個人的な感想を言えば、第2話が一番「流行り神」らしい話でしたし、物語的には第5話(最終話)が一番好きです。

ただ「流行り神」シリーズとして見ると不満も感じました。
ひたひたと心に染み入るような空気感、第三者ならば一笑に付してしまような当事者にしか解り得ない真実、そこに絡む人間のエゴ、力を持たない人が怪異に頼らざるを得なかった社会的な背景、そこが評判の良い旧作のシナリオの魅力ではないかと思っています。
その点、真2の怪異は結構あからさまで、また、あまり人間ドラマっぽさを感じませんでした。
特に最終話でその傾向が強くて、「あ、はい」という気分です。
「流行り神」から切り離して考えれば、話的には一番好きな展開なんですけれど、最終話。

とはいえ、全体的に旧作ファンを念頭に置きつつ、真1から入ったファンにも配慮した結果が、シナリオのあちこちに見え隠れしていて、色々鑑みた末の妥協点が真2になった、という雰囲気を感じました。
旧作ファンとしては、もういっそ真2と同じ時間軸で、編纂室メンバー視点での「流行り神4」を作ってほしいと思ったり。

シナリオの本筋とはあまり関係ないけれど、日本一ソフトウェアのG県(岐阜県)愛が、シナリオのあちこちでかなり大爆発しています。
特に、郷土の名物料理については、熱の入れようが半端ないです。
プレイする時間帯によっては完全に飯テロになるので、ある意味要注意かも。
味噌煮込みうどん食べたい。

登場人物は、主人公の北條紗希を除いて前作から一新。
まぁ、真1のブラインドマン編が正史という設定になっているので、一新せざるを得ませんが。
真1との繋がりはそれほど強くなく、真1の事件の顛末について軽く説明もあるので、真2から初めても十分楽しめると思います。

真1ではなかなか感情移入し難かった紗希ですが、真2では割とすんなり入り込めました。
事件解決と人命救助、事件のさらなる拡大阻止を第一優先とする姿勢や思考は、好感を持てました。
その点で言えば、旧作主人公の風海にかなり近くなった気がします。

ライバルキャラの新美警部補と纐纈警部も、わりと好印象。
主人公たち(=プレイヤー)とは反目し合う立ち位置で、何かとちょこちょこ首を突っ込んできては嫌味の一つも言ってくるけれど、別にあからさまに捜査の邪魔をしてくるわけでもなく。
怪異に対する反応は「まー、フツーはそーですよねー」というごくごく一般的なものなの。
賀茂泉警部補ほど上から目線の高圧的さはなかったので、特にこれといって嫌な感情はあまり抱きませんでした。
それに、事件に対する姿勢は紗希と同様に真っ当なところも良かったです。
この2人は掘り下げるともっと色々出てきそうなので、次回作が出るならばさらなる活躍を期待したいです。

真2のある意味最強キャラだった如月先生も、結構好きなキャラでした。
真面目と不真面目の境界線上にいるような感じで、色んな意味でイロモノキャラでしたが、そんなに嫌悪感はありませんでした。
むしろ、有力な情報をくれる面白キャラとして見られました。

で、ここまで感想を後回しにしてきた相棒キャラの愛染刹那ですが、実は唯一苦手なキャラでした。
考えなしに突っ込んでいくわ、喧嘩っ早いわ、暴言吐きまくりだわで、警察官としてどうなのこの人。
紗希のように「大人しくしていてくれ」と思わされたことが何度もあり、その度に頭の痛い思いをしました。
むしろ、頭の痛い思いしかしませんでした。
なんというか、小暮さんの体力バカなところとゆうかさんの考え無しに猪突猛進なところが翔け合わさった結果、悪い方向に突き進んだような性格で、ちょっと受け入れ難かったです。
もうちょっと先を考えて行動しろよお前、と何度思ったことか。
それに加えて、予想の遥か斜め上をいったギャップまであって・・・・・・どうしよう、ツッコミどころしかない。
次回作があるならば、とりあえずこの人をどうにかして欲しいです。
あぁ、風海+小暮コンビは、本当にキャラもバランスも良かったなぁ・・・(遠い目

旧作キャラは、姿は見せないけれど、匂わせる程度にはちょこちょこ登場します。
ただ一人だけ、結構出ずっぱりですが。
はっきりと名前の出てこない人もいるけれど、「こいつ、あいつだろ」という個人的な推測も含めて6人ぐらい出てきます。
どうやら裏で暗躍しているっぽい人もいるので、やっぱり真2の裏を描いた「流行り神4」の発売を期待したいです。

話は変わりますが、BGMが結構良かったです。
サントラ付きの予約限定版を買ってよかったな、と思えるくらいには。
特にライアーズアートの曲が好みでした。
3曲ほどあったけれど、どれもスタイリッシュで疾走感のある熱い曲調で格好良かったです。

そんなわけで、「原点回帰」を謳った真2でしたが、不満もありつつも楽しめた部分もありつつ、といった印象です。
旧作からプレイし続けている身としては不満点も多々あるものの、少なくとも真1よりは楽しくプレイしました。
もし次回作が出るとしたら・・・プレイするかどうかは、友達の友達に評判を聞いてから判断するかな。

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