[GMEV] リトルジャックオーケストラ 第13回定期演奏会

ゲーム音楽を専門に演奏する市民オーケストラ「リトルジャックオーケストラ」(以下、LJO)の第13回定期演奏会に行ってきました。
会場は、横浜みなとみらいホール 大ホール。
開演は14:00、終演は16:30頃でした。

今回のLJOの演奏会は、オールFF4&全曲演奏。
「交響組曲『FINAL FANTASY IV』」と銘打ち、SFC版FF4のOSTに収録されている曲は全て演奏されました。

ちなみに、FF4は確かPSP版で一応クリア済みですが、内容はあまりはっきり覚えていません。
が、曲に関しては耳にタコができるくらい聴き込んでいます。
なにせ、自分がゲーム音楽沼にハマった2つの原点のうちの1つなので。
家庭の事情でゲームをプレイするよりもずっと先にOSTを購入していて、そのままゲーム音楽沼にどっぷり漬かって現在に至っています。
そのため、FF4の曲はもはや忘れたくても忘れられません。

編曲は、原曲にかなり忠実。
曲の繋ぎや終曲部など、原曲をオーケストラに落とし込むために必要な編曲はされていましたが、ほぼ原曲通り。
むしろ、原曲を忠実に再現することに、細部に渡って注意を払われていたようにも思います。
そのためか、電子音による旋律やSEまで再現されていました。
「こんな音まで楽器で再現できるのか」というところまで、見事に表現されていました。

その上で、生オケだからできる豊かな表現を、味付け程度にほんの少し加わっていた感じです。
「そういえば、この音色は原曲になかったような」と、ふと思った程度の違いでしたが。
それも、良い方向での違いで、それがあることによって原曲や原曲が流れるゲームのシーンがより鮮明になるような気がしました。
SFC音源という制限のあった原曲を、今風にフルオケで演奏するならこうなる、みたいな感じです。
そこにはちゃんと原曲に対する敬意が感じられて、とても好感の持てる編曲でした。

元々オーケストラっぽい曲の多いFF4なので、実際にオーケストラで演奏された曲を聴いても、違和感はほとんどありませんでした。
むしろ、生音特有の音に包まれている感があって、ひたすらFF4の曲に浸れました。

演奏技術は、アマオケにしては結構高め。
プロオケ並みとはいきませんが、それでもかなりのハイクオリティです。
結構難しそうな奏法も、見事にこなしているように見えました。
さすがのLJOクオリティです。

どのパートの演奏も素晴らしかったのですが、特にパーカッションがすごいなぁ、と感心しきりでした。
マリンバやシロフォン、グロッケン、ティンパニなどの音階のある打楽器は、曲によってはものすごい連打が多発するのですが、そのどれも鮮やかに演奏されていたのが本当に見事で。
一体、腕何本あるの? と、目を凝らして見ていたりもしました。

管弦楽器も、ピロピロしていたり飛び跳ねていたりする難しそうなフレーズを、きちんと丁寧に演奏されていて。
FF4の世界観を、色鮮やかかつ表現力豊かに演奏されていたと思います。
時々盛大に音が外れていたりもしましたが、ご愛嬌の範囲内かと。

演奏順は、ゲームのシナリオに沿った形で並んでいました。
パンフレットの曲解説も、ゲームのシナリオに沿ったものになっていて。
演奏とパンフレットの内容に触発されたのか、忘れかけていたゲームのシーンをふわっと思い出して、「そういえば、あんなシーンがあったなぁ」と気が付いたら感慨に浸っていたことも多々ありました。
それくらい、演奏と曲順がゲームにマッチしていました。

曲の演奏順がゲームの流れに沿ったものだったため、同じ曲が2回、3回と演奏されることもしばしば。
ただ、1回目と2回目で、違和感を感じない程度に少しだけアレンジを変えるなど、飽きない工夫がされていました。
そのちょっとした違いを探すのも、楽しみでした。

2年ぶりのLJOの演奏会でしたが、あらゆる面でこれまで通りの高品質な演奏会で、非常に満足しました。
むしろ、個人的に思い出深いFF4の楽曲を全曲見事に演奏してくれて、こちらが感謝の意を述べたいくらいです。

次回は一年後にクロノ・トリガーを演奏するそうなので、こちらも楽しみにしています。
とりあえず、チケット争奪戦に勝つのが先か。


これより下の追記は、本演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。


セットリストは以下の通りです。

-----
[ロビーコンサート]
・ヴィオラアンサンブル
L-01. FINAL FANTASY 9より「いつか帰るところ」
L-02. FINAL FANTASY 9より「独りじゃない」

・弦楽五重奏
L-03. LIVE A LIVEより「LIVE A LIVE」
L-04. CHRONO CROSSより「CHRONO CROSS~時の傷痕~」

・管弦楽アンサンブル
L-05. FINAL FANTASY 3メドレー
クリスタルのある洞窟/バトル1~ファンファーレ/悠久の風/小人の村トーザス/ネプト神殿/バトル2/レクイエム

交響組曲『FINAL FANTASY IV』
[第一部]
01. プレリュード
02. 赤い翼~バロン王国~愛のテーマ~オープニング
03. ファイナルファンタジーIV・メインテーマ~バトル1~勝利のファンファーレ
04. ダンジョン~バトル2~ボムの指輪~少女リディア
05. 街のテーマ~ギルバートのリュート
06. ダムシアン城~ファブール国~疑惑のテーマ~黒い甲冑ゴルベーザ
07. ミシディア国~パロム・ポロムのテーマ
08. 一方その頃~試練の山~月の民~赤い翼
09. バロン王国~ゾットの塔~ゴルベーザ四天王とのバトル
10. 親方シド~脱出~哀しみのテーマ
11. トロイア国
12. チョコボ~デブチョコボ登場~サンバ・デ・チョコボ
13. 飛空艇

[第二部]
14. ドワーフの台地
15. キング・ジオットの城~踊る人形カルコブリーナ~黒い甲冑ゴルベーザ~ゴルベーザ四天王とのバトル
16. 幻獣の街~バブイルの塔
17. 長い道のり~魔導船
18. もう一つの月
19. 月の民~赤い翼~巨人のダンジョン~オープニング~最後の闘い
20. 月の民~エンディング・テーマ

[アンコール]
E-01. FINAL FANTASY IV, V, VIより「サンバ・デ・チョコボ~マンボdeチョコボ~テクノdeチョコボ」
E-02. ラスボス戦メドレー
FINAL FANTASY IV THE AFTERより「生命の戦い」~クロノ・トリガーより「世界変革の時」~LIVE A LIVEより「MEGALOMANIA」~聖剣伝説2より「子午線の祀り」~FINAL FANTASY IVより「最後の闘い」
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これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

L-03. LIVE A LIVEより「LIVE A LIVE」
L-04. CHRONO CROSSより「CHRONO CROSS~時の傷痕~」

もはやロビコンレベルの演奏ではありませんでした。
それくらい、すごく良い演奏でした。
どのパートの音色も一音一音が煌いていて、それでいて綺麗に解け合っていて、素晴らしいハーモニー。
そして、なんといっても「時の傷痕」終盤の1stヴァイオリンの見事な即興。
ものすごく聴き応えがありました。これは良い即興。

L-05. FINAL FANTASY 3メドレー
もはやロビコンレベルの演奏では(以下同文
木管と弦楽器合わせて10~15人ぐらいだったでしょうか。ロビコンにしては大きめの規模の編成。
ですが、どの音も響きが素晴らしくて、ロビーで演奏しているとは思えない奥深さを感じました。
むしろ、ロビーで演奏しているのが勿体ないぐらい。
天井が高いからかわりとよく響くロビーだったけれど、もっと響きの良いホール内で演奏してほしかったです。

02. 赤い翼~バロン王国~愛のテーマ~オープニング
勇ましさたっぷりの「赤い翼」、重厚だけどどこか不信感を掻き立てられる「バロン王国」からの、情緒たっぷりな「愛のテーマ」の演奏が鳥肌モノでした。
正直なところ、原曲の「愛のテーマ」は好きでも嫌いでもない曲だったのですが、今回の演奏会で聴いた「愛のテーマ」は、本当にセシルとローザの愛が感じられて、「あ、良い曲だな」とスッと感じました。教科書に掲載されたのも、なるほど納得。
そこから続く「オープニング」(FFのメインテーマ)もまた、とても良い演奏でした。
この曲が始まった途端に「冒険(本編)が始まる」という想いが沸き起こり、俄然前のめりになりました。
やっぱり、FFのメインテーマは名曲だなぁ。

そういえば、冒頭の「プレリュード」からちょっと感じていた音の不安定さは、この曲あたりから激減したような。
指が温まって、気持ちのエンジンがかかってきたからでしょうか。

04. ダンジョン~バトル2~ボムの指輪~少女リディア
SEも交えた「ボムの指輪」が思いの外良かったです。
開演前は「『ボムの指輪』って、どんなシーンでかかる曲だったっけ?」と思っていたのですが、演奏が始まった瞬間にそのイベントシーンを思い出せたぐらいに臨場感がありました。
その緊張感から続く「少女リディア」も、切なさたっぷり。
2ループぐらい演奏されたと思うのですが、1ループ目は原曲を忠実に再現、2ループ目は原曲にちょっと音を足してより壮大な展開になっていました。
あまりの壮大さに、2ループ目の演奏で涙腺を破壊されかけました。

06. ダムシアン城~ファブール国~疑惑のテーマ~黒い甲冑ゴルベーザ
「黒い甲冑ゴルベーザ」のパイプオルガンのソロが、痺れるぐらい格好良かったです。
原曲もパイプオルガンっぽい音でしたが、実際にパイプオルガンで生演奏されるとこんなにも生々しいというかリアルになるのかというぐらい。
パイプオルガン独特の音の響きと見た目の大きさも、まさにゴルベーザという感じ。
とにかく重厚で荘厳で、威圧感が半端なかったです。
これは本当に良いゴルベーザでした。

08. 一方その頃~試練の山~月の民~赤い翼
セシルが聖騎士になるシーンを再現。
「試練の山」は原曲も格好良いけれど、生オケもやっぱり格好良かったです。
ちなみに、ラストの赤い翼の演奏の後に、ジングル「パラディン」も演奏されました。
セシルって、意外と早く聖騎士になるんだなぁ。

09. バロン王国~ゾットの塔~ゴルベーザ四天王とのバトル
「ゴルベーザ四天王とのバトル」が、メチャクチャ格好良かったです。
ステージ上から発せられる熱量がものすごくて、それが自分の気持ちを煽ったようで、非常にたぎりました。
「ゴルベーザ四天王とのバトル」はこれまでにも何度か生演奏で聴いたことがあるのですが、今回の演奏が一番好きかもしれません。
少なくとも、「この『ゴルベーザ四天王とのバトル』を聴いてるだけで、ご飯三杯はいけるっ!」と思ったのは、今回が初めてです。
それくらい手に汗握る熱い演奏でした。

12. チョコボ~デブチョコボ登場~サンバ・デ・チョコボ
「サンバ・デ・チョコボ」の楽し気な雰囲気が如実に表現されていました。
とにかくパーカッションのみなさんがGJでした。
テンポが速くて腕の痛くなりそうなリズムでしたが、少しも狂うことなく、むしろノリノリで楽しそうに演奏されていたのが印象的でした。
聴いているだけの自分も気分が高揚して、すごく楽しい気持ちになりました。

15. キング・ジオットの城~踊る人形カルコブリーナ~黒い甲冑ゴルベーザ~ゴルベーザ四天王とのバトル
「踊る人形カルコブリーナ」の怪しげな雰囲気からの「黒い甲冑ゴルベーザ」の重厚さ、「ゴルベーザ四天王とのバトル」のたぎる熱さへの流れが、良い意味で卑怯でした。
しかも、第一部で演奏されたときとは違い、「ゴルベーザ四天王とのバトル」にもパイプオルガンが参戦。
重厚さがさらに増していました。
これはもう、「ゴルベーザ四天王とのバトル」で気持ちを燃やさざるを得ません。
とても、熱い戦いだったと思います。

18. もう一つの月
伴奏で印象的に飛び跳ねる旋律は、金管・木管楽器で分担して演奏されていました。
ハンドベルみたいに一音ごとに分担して、全員揃うと綺麗な旋律になる、みたいな感じ。
勝手が違うので合わせるのがたいへんだったと思います。
ちょっと音が外れていたりもしましたが、ちゃんと「もう一つの月」の旋律として聴こえました。
というか、よくあれを忠実に再現したなぁと、感心しきりでした。

19. 月の民~赤い翼~巨人のダンジョン~オープニング~最後の闘い
「最後の闘い」が、もう本当に格好良かったです。
音圧といい、音響といい、圧巻でした。
演奏者側からは、まさに死力を尽くした闘いという熱意が感じられて。
まさに「最後の闘い」という感じでした。

20. 月の民~エンディング・テーマ
「エンディング・テーマ」中の「愛のテーマ」で、軽く泣きそうになりました。
原曲以上に情緒豊かに歌い上げられていて、不意にぐわっと込み上げてくるものを感じました。
FF4のエンディングは正直あまりよく覚えていないのですが、演奏の何かが琴線に触れたようです。
そこから繋がる「オープニング」も、素晴らしい演奏でした。
やはりエンディングにFFのメインテーマが流れると、「もう、エンディングなんだ・・・」と感慨に浸れます。

そして、最後の「赤い翼」。
「俺たちの闘いはこれからだっ!」というような未来の始まりを予感させられるような、前向きな勇ましさからの大団円。
まさにエンディングらしい、盛大な終わり方でした。

もっとも、本当に「俺たちの闘いはこれからだっ!」を意味する曲だったとは思いもしませんでしたが。

この「エンディング・テーマ」で一つ残念だったのは、「オープニング」と「赤い翼」の間にあったフライング拍手。
指揮が手を下していないのだから、そこは拍手してほしくなかったです。

E-02. ラスボス戦メドレー
色々な意味で「ラスボス戦」だったメドレーでした。
というか、「エンディング・テーマ」の「俺たちの闘いはこれからだっ!」という感じは、まさかここに係っていたのでしょうか。
指揮者も演奏者もみなHPが0に近い瀕死の状態なのに、どう考えても全滅必至なメドレーに挑むって、どんだけドMなんですか。
どの曲も単体ですら不利な闘いになるのが目に見えているのに、それをまとめて連続で演奏するなんて。
少なくとも、アンコールに演奏する曲じゃないでしょう。

でも、それでも負けられない最後の闘いに挑んでしまうノリは、嫌いではありません。むしろ、わりと好きです。
いいぞ、もっとやれ(ヒドイ

そんなこんなで最後に登場したのは、FF4関連のラストバトルと、SFC版FF4と同時期に発売されたスクウェア作品のラストバトルをメドレー形式に繋げた、最強最悪の敵。
”ゲーム”音楽という視点で見れば、ある意味アンコールに相応しい、絶望的なまでに強大な裏ボスでした。
傍からは、無謀にしか見えない闘い。
そんな闘いに直面しても、臆せず死力を尽くして挑まれた楽団の皆さんの心意気は凄まじいものでした。
ステージ上から発せられた熱量と音圧が、とにかくすごかったです。
自分の席は2階席だったのですが、その熱や音は2階席まで余裕で届いていました。

まさか最後の最後で、こんなとんでもない演奏を聴けるとは思いませんでした。
確かに、「オールFF4の全曲演奏で、アンコールはなんだろう?」とは考えていました。
アンコールの1曲目でチョコボのメドレーが演奏されたときは、「あ、妥当だな」と思いました。
が、その後にこんな強大な曲を残していたとは、思い至りませんでした。

演奏は、それはもう、すごかったです。
残された力の全てを使い切る勢いで、まさに鬼気迫る演奏。
生演奏らしいダイナミックさもあって、ものすごい聴き応えでした。
そして、持てる力の全てを駆使して、鮮やかに裏ボスを打ち破っていたのも、見事でした。
演奏が終わった後には、ステージ全体が、本当に「精も根も尽き果てた」という感じでした。

個人的には、「世界変革の時」、「MEGALOMANIA」、「子午線の祀り」を、圧巻の演奏でまとめて聴けたのがうれしかったです。
LJOの演奏会で、演奏も選曲も豪華なメドレーを聴けるとは思わなかったので、すごく得をした気分です。
こういう素晴らしいアンコールがあるから、演奏会通いが止められないんだよなぁ。

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