[GMEV] オニオン弦楽合奏団 第五回演奏会

10月16日に開催されたMelodies of Crystal(以下MoC)主催の「オニオン弦楽合奏団 第五回演奏会」に行ってきました。
会場は、小松川さくらホール。
開演は14:00で、終演は16:05頃でした。

今回のMoC主催の演奏会は、オール「サガ フロンティア」(以下サガフロ)。
オムニバス形式でストーリーが展開するサガフロの中でも、アセルス編にフォーカスした内容になっていました。

自分のサガフロ歴は、実は悲惨なくらいに貧弱です。
かれこれ2回ほどゲームに挑戦したことがあるのですが、2回ともあっさり挫折しました。
1回目はサガフロが発売されてまだ間もない頃、友人から借りてアセルス編からプレイしてみたものの、最初の城から脱出することすら出来ずに途中放棄。
2回目は比較的最近、心機一転してやり直そうとPS Storeで購入して、再びアセルス編にチャレンジしてみたものの、オウミでバトルしまくったせいか敵が強くなり過ぎて、次のシュライクでどうにもならなくなってアウト。
仕方ないので、アセルス編のシナリオだけでも追っておこうと、プレイ動画を漁った体たらくです。
とはいえ、プレイ動画を見ておいたおかげで、一応、大まかなシナリオは把握しています。

ただ、BGMに関しては、結構昔から知っていました。
大昔にひょんなきっかけでサガフロのバトル曲を耳にして、その格好良さに魅かれて、OSTだけはわりと早いうちに購入していました。
「Battle #1」「Battle #4」「Battle #5」「Last Battle -Asellus-」は、スルメのように何度も聴いています。

そんな、サガフロにわかな自分が今回の演奏会に足を運んだ理由は2つ。
まず1つ目は、サガフロの曲が好きだから。
ゲームはほとんど自力プレイしていないのでアレなのですが、曲は大好きです。特にバトル曲。
で、2つ目は、MoCの演奏だから。
過去にもMoCの演奏会には何度か足を運んでいますが、そのいずれもが予想の遥か上を行く編曲・演奏で、ハズレがほとんどありませんでした。
何より、ゲームに対する深い考察と情熱、そして曲でゲームを表現するという姿勢には、いつも感心させられっぱなしです。

そんな2つの単純な理由が合体した結果、「MoCの演奏で、サガフロのバトル曲が聴きたーい!」という願望が生まれて、チケットを取った次第です。
まぁ、自分の行動理由なんて、大体そんなもんです。

鑑賞前は、あの原曲を弦楽器だけでどうやって料理するのか、不思議でもあり期待でもあり、そして不安でもありました。
原曲、特にアセルス編に特化した曲は、チェンバロやオルガンなどを駆使した、ゴシック色の強い曲ばかり。
アセルス編のシナリオも、様々な妖魔の入り乱れる、妖艶で耽美な雰囲気が満載。
それをMoCは楽器だけでどう表現するのか、すこぶる気になるところでした。

結果から言えば、弦楽器+チェンバロだけで、見事に表現しきっていたと思います。
あのゲーム(アセルス編)とBGMの雰囲気を、4種の弦楽器+チェンバロという限られた音色だけで、あそこまで完成度高く表現しきるとは、さすがMoCです。
特に、チェンバロの貢献度が高かったです。
チェンバロの独特の高い音色が入ると、途端にバロック音楽のような荘厳な雰囲気に様変わりして、すごくアセルス編の雰囲気と合致していました。

また、今回も曲の構成力のレベルが非常に高かったです。
自分のようなサガフロにわかプレイヤーですら容易にシーンを想像できるくらい、曲の展開がゲームのシナリオを饒舌に語っていました。
ここまで曲だけでゲームの中身を表現するなんて、本当に感心しかできません。
言葉が拙くて恐縮ですが、とにかくすごかったです。すごいとしか言いようがない。

編曲も演奏技術力も、相変わらず圧倒的なまでにハイレベル。
構成・編曲・演奏の3つの力が高いレベルで揃っているからこそ、あそこまで曲でゲームを表現できているのでしょう。
この表現力、他に類を見ないのではないかと。

編曲は、ここ最近のMoCの演奏会に比べると、やや強めだったと思います。
1ループは原曲に寄せた形であっても、2ループ目以降は大きく変奏されていたり。
曲によっては、大胆にアレンジされているものもありました。
原曲に近いまま聴きたいという方には受け入れ難いところが多数あったと思うので、そういう点では人を選ぶ演奏会だと思います。

1つの主題をバリエーションを持たせて幾通りにも変奏して表現を膨らませるところは、いつものMoCでした。
あのアレンジの豊かさや、そこに込められた考察の奥深さは、いつ聴いても感心しきりです。
幾多ものバリエーションで登場人物たちの複雑な心境を表現しているようで、「あ、なるほど、そうきたか」とか「そういう展開であの心情を表現してるのか」とか、想像力を良い感じに刺激されるアレンジに面白さを感じます。

そういえば、今回の演奏会は、MoCのこれまでの演奏会に比べて大所帯な感じがしました。
ステージに登られた演奏者の方々は、総勢40名弱でしょうか。
最近、シュデンゲンばかりだったから多く見えたのかな。

ただ、メンバーが多い分、音の厚みが増していたように感じました。
全員合奏になると音の洪水を感じられるほどの圧力でした。
その上、ステージ上からは溢れんばかりのゲームとゲーム音楽への情熱も迸っていて。
その合わせ技で、圧倒されることも多々ありました。

とはいえ、メンバーは多ければ良いというものではなかったようで。
若干ですが、音の出だしが揃っていなかったり、音が揃っていないような違和感があったりもしました。

そんなこんなで、今回のMoCの演奏会もとても面白くて、非常に満足しました。
サガフロについてはあまり詳しくなかったので、開演するまでは最後までついていけるか不安でしたが、始まってしまえばそんなことはどこ吹く風で、アンコールまで楽しく聴けました。

次回は、シュデンゲンアンサンブルのサロンコンサートが12月23日に開催されるそうです。
シュデンゲンの演奏で聴いてみたい曲がラインナップされているので、都合が付けばぜひ行ってみたいです。


セットリストはMoCのブログに掲載されていますので、そちらをご覧ください。
これより下の追記は、印象に残った曲についての感想になります。


第一楽章 二人の少女、アセルスとジーナ
曲のベースは「アセルスのテーマ」でしょうか。
所々で「アセルスのテーマ」の断片が聴き取れました。
ただ、かなり細かく解体した上で再構成されていたので、原曲の面影はほとんど残っていませんでした。

鑑賞していてふわんと思い浮かんだのは、過去を回想するジーナと、平穏な日常を送っていたアセルスに突如襲いかかった悲劇、でした。
どことなくノスタルジックな序盤。
人間として当たり前の平穏さを表現したかのような、のどかな空気感の中盤。
それが急転して、妖しげな旋律のうごめく終盤。
導入部として、上手く描いたなぁと感心しました。

第二楽章 ファシナトゥールにて
原曲ではわりと静かというか静謐な印象の「Dungeon #1」が、ここでは随分力強い曲になっていました。
力強いというか、低音が強めで野太いというか。
ロマサガのダンジョンの曲ってこんな感じだったなぁ、とふと思いました。

第三楽章 妖魔と人間の恋
冒頭から妖艶で緊張感のあるゴシック調の曲が立て続けに演奏された後の「オウミ」は、ようやく一息つけた感じがしました。
突然連れ去れて半妖にされたアセルスがファシナトゥールを脱出してようやくオウミにたどり着いたときには、似たような心境を抱いたのでしょうか。
そういうシンクロに成功している点で、やはり曲の構成が素晴らしいと思いました。

そんな束の間の休息を打ち破る「Battle #1」。
演奏自体はすこぶる格好良かったのですが、「オウミ」から直接「Battle #1」に繋がったので、領主の館の地下ではなく、オウミの街中で唐突にバトルが発生したかのような錯覚を覚えました。
間に「Dungeon #1」などのワンクッションが欲しかったかも。
でも、そうすると、第二楽章とのバランスが悪くなるのか。。。

間奏 逆鱗
「逆鱗」の文字通り、オルロワージュ様が激怒したとしか思えないほどの金切り声の不協和音。
あまりに強烈なヒステリックさで耳が痛かったし、神経を逆撫でされるというか心が委縮するというか何とも言えないゾワゾワした感じを受けたのですが、その分迫力がすごかったです。
主に、ソリストのヴァイオリンが。
あれ全部、計算した上で演奏していたんだよなぁ。やっぱり、すごいなぁ。

第四楽章 希望を抱いて~打ち砕かれた希望
1回目の「Sunset Town」(シュライクのBGM)の時点で、俺の知っている「Sunset Town」ではありませんでした。
この後に明かされる現実を予感させるような、不穏な和音がちらほら入ってきて。
その後に続いた「Resolution」で、「あ・・・」という気分にさせられました。

そんなどうしようもない運命に悲観している余裕もなく「Battle #4」へ。
原曲で印象的なティンパニーは、チェロやコントラバスが再現を試みていました。
かなりがんばっていたけれど、やっぱりティンパニーが欲しいなぁと思わないでもなかったです。

刺客を追い払った後は、再び「Sunset Town」へ。
1回目のような不穏さはなくなって、原曲に近いのどかな雰囲気になっていました。
ただ、アセルスの強さのようなものが、曲に薄く現れていたように思います。

この楽章で休憩に入るためか、曲の終わりは「アセルスの本当の闘いは、ここから始まる」のような、次回予告っぽい熱い幕引きでした。
まぁ好きですが、そういう幕引きも。

第六楽章 束の間の休息
全体的に重い曲の多い今回の演奏会においては貴重とも言える軽快な曲の「碧い街」。
原曲にかなり近い形で演奏されていて、この楽章だけはふっと肩の力が抜けました。
その肩の抜け具合が影響したのか、OSTで聴いていたときよりも「あれ、こんなに良い曲だったっけ?」と感じました。
構成力の成せる業でしょうか。
そういう意味で、この曲が演奏された順番・タイミングが絶妙でした。

第十楽章 三貴士~上級妖魔の死
三拍子のワルツ調の編曲された「Battle #5」。
パンフレットの「主催挨拶」の中でこの曲について触れられていたので、鑑賞前には既にワルツ調にアレンジされていることは知っていました。
とはいえ、「あのBattle #5がワルツ調?」とイマイチ想像できなかったし、正直不安でもありました。
しかし、聴いた後は「これは、アリだ!」と確信しました。

原曲をしっかりと残した上でのワルツ調になっていて。
踊ってもあんまり楽しくなさそうな妖しげな雰囲気たっぷりでしたが、それでも踊ろうと思えば踊れそうなテンポ。
原曲よりも優雅で、高貴で、耽美で、アセルス編ならではの編曲でした。
あの熱い「Battle #5」が、ワルツ調にすることでここまで化けるとは、全く思いもしませんでした。
この編曲は本当に面白かったし、「おっ!」と思わされたし、この曲だけでチケット代分の価値があったと感じました。

第十二楽章 白い薔薇、青い薔薇
生命科学研究所のBGM「ALONE」。
あまり詳しくは知らないのですが、アセルス編の没イベントが生命科学研究所にあるのでしたっけ。

1ループ目は、静謐で幾何学的で硬質な、原曲重視な編曲。
そこからループを重ねるごとに、なんとなく有機的になっていったような気がしました。
数値からも妖魔であることを突き付けられた現実から、次第にオルロワージュへ立ち向かっていく決心に変わっていく様を見ているようでした。

第十三楽章 再びファシナトゥールへ~ジーナ救出
力強く熱い演奏だった「針の城」。
原曲はもっと冷静なイメージでしたが、前曲「ALONE」と次曲との架け橋的な位置付けなので、この熱い展開はアリかと。
決意を固めたアセルスが針の城に乗り込んでいく様を、容易に想像できました。

第十四楽章 魅惑の君
展開の妙が輝いていた楽章でした。
まず、高貴さの溢れる原曲に近い形の「オルロワージュのもとに」が1ループ。
2ループ目にはそこに力強さが加わって、テンションアップ。
そのテンションを維持したまま、スムーズに「Last Battle -Asellus-」へ。
この流れでたぎらないなんて、俺の中ではあり得ませんでした。

「Last Battle -Asullus-」の格好良さったらもう、筆舌に尽くしがたいです。
アセルスにとってもそうですが、今回の演奏会においても最終決戦。
熱い想いの迸る、ラストバトルに相応しい演奏でした。

第十五楽章 人間として
楽章の名前からすると、人間ルートのエンディングでしょうか。
そういえば、ジーナ救出してたなぁ。

妖魔っぽい妖しげな耽美な感じが抜けて、穏やかなエンディング曲「走馬灯のごとく・・・ (Ending -Asellus-)」。
そのエンディング曲から、最後に「Sunset Town」に繋がるというニクい展開。
人間ルートのアセルスは、実家に戻れたんでしたっけ?
穏やかな日常に戻れた様子は演奏にも表れていて、聴いていて心の底からホッとしました。

アンコール アセルスのテーマ~旅の幕開け
本演奏会ではまだしっかりと「アセルスのテーマ」を聴けていなかったので、アンコールでがっちり演奏してくれてうれしかったです。
原曲重視の編曲で、もともと原曲が好きな身としてはたまりませんでした。

そして、オーラスは定番の「旅の幕開け」。
チェンバロの音色の余韻が美しい演奏でした。
これは、サガフロをちゃんと最初からプレイし直して自力でクリアしろ、という啓示でしょうか。
一度は自力プレイしておいた方が、今回の演奏会でより一層の感情移入ができたかもしれないと考えると、確かに惜しいことをしたかもしれません。

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