[GMEV] NHK音楽祭2016 シンフォニック・ゲーマーズ

10月23日に開催されたゲーム音楽のコンサート「シンフォニック・ゲーマーズ -僕らを駆り立てる冒険の調べ-」に行ってきました。
会場は、NHKホール。
開演は18:00で、終演は20:25頃でした。
なお、本コンサートはNHK主催の「NHK音楽祭2016」のうちの1演目だそうです。

主催はNHKですが、演奏はゲーム音楽専門のプロオケ楽団「JAGMO」が担当。指揮は永峯大輔氏。
BSプレミアムの番組のための公開収録だったためか、抽選による無料招待制でした。
なお、放送は2016年11月6日(日)22:50~の予定だそうです。

7つのゲームによるアラカルト形式で、各ゲームごとに5~10曲ほどをメドレー形式で演奏。
かなりの曲数を、2時間以上に渡ってがっつり演奏されました。
これが無料でいいのか! というぐらいの大ボリューム。
これで無料のコンサートと考えると、かなりのお得感・満足感を得られました。

今回演奏された曲の原曲を全て知っているわけではないのですが、知っている曲はどれもそれなりのアレンジが加わっていました。
原曲が8bit音源(いわゆるピコピコ音)のものもあったので、どうしてもオーケストレーションは必要なのですが、そこに更にプラスアルファのアレンジが加わっていたと思います。
おそらく、原曲そのままに演奏された曲はないのではないかと。

編曲の方向性としては、原曲を十分に残した上で、より壮大に、かつドラマティックに、そしてインパクト強く、という印象。
原曲を踏まえた上で更に音を重ねて、より一層オーケストラ映えさせたような感じでした。
そのためか、原曲からの違和感はさほどありませんでした。

そういう意味では、クセの少ない編曲と演奏だったと思います。
ゲーム音楽のコンサートは初めてという方にとっても、聴きやすい演奏だったのではないかと。

基本的にどの曲も1ループの演奏でした。
曲数が多いので、テンポよくポンポンと次の曲へ移行していました。
もうちょっとじっくり聴かせてほしかった曲もありましたが、まぁ、思い入れは人それぞれだから仕方ないのかもしれません。

演奏自体は、すごく丁寧で綺麗でした。
JAGMOの演奏は昨年7月以来でしたが、そのときよりも綺麗な調べになっていたような気がします。

ただ、良くも悪くもNHKっぽいというか、NHK交響楽団っぽかったです。
数年前にN響の定期演奏会に行ったことがあるのですが、そのときに感じた印象を思い出しました。

良い点は、テクニックのレベルが高くて、演奏が綺麗なところ。
難しそうなフレーズも見事に弾きこなしていたところは、さすがプロオケ。
音が安定していて、安心して聴くことができました。

イマイチな点は、型にハマって面白みに欠けるところ。
綺麗な演奏を目指すあまり、音で何を伝えたいのかが抜け落ちているような気がしました。
アマチュアの楽団の演奏会でよくある「今こそ俺のゲーム音楽愛を見せるときっ!」というほどの強い情熱を感じられたわけでもなく。
さりとて、公式オケコンのプロオケの演奏のようなテクニックで魅せる感じでもなくて。
確かに演奏は綺麗だしゲームのBGMをしっかり演奏しきっていたけれど、なんというか、こう、心にグッとこないというか、面白みがイマイチ足りない感じがしました。

とはいえ、一方的なゲーム音楽愛や曲のクセがそれほど強くなかった分、すんなり聴けたというメリットも感じましたが。
原曲やゲームを知らなくても十分に楽しめて、知っていればより一層楽しめた演奏だったと思います。

話は変わって、ゲストトークについて。
ゲストは、第一部では糸井重里さんが、第二部では有野晋哉さんが登壇されていました。

糸井さんは、MOTHERに込められた想いについて、司会の質問に回答する形で語られていました。
中にはマニアックな質問もあり、「取扱説明書にSmile and Tearsの歌詞が書いてあるけれど、曲に合わせて歌ってみると1行余るのは何故?」というものまでありました。
ちなみに、回答は「歌声付きの曲にするつもりで作詞をして、後でメロディを合わせればいいと考えていたけれど、結局歌を付けること自体が叶わなくて、歌詞に込めた思いだけでも伝えたかったから、取扱説明書に載せた」だそうです。

第二部の有野さんのトークは、やはり「ゲームセンター○X」のネタが多かったです。
そして、司会の青木瑠璃子さんと2人で、「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」に関するトークでめちゃくちゃ盛り上がっていました。
時間が許すならば、30分でも1時間でもずっと喋っていそうな勢いで。
もう一人の司会の塩澤アナウンサーが、完全に置いてけぼりを食らっていました。
でも、司会のお2人も有野さんもとてもゲームが好きという雰囲気がトークから伝わってきて、微笑ましかったです。
ゲームあるあるネタが豊富に飛び出してきて、終始笑いの絶えないトークでした。

というか、司会の青木さんも塩澤アナも、本当にゲームが好きなようで、好感が持てました。
トークが取って付けたような受け答えではなくて、ゲーム好きのことがわかってる感じがしました。
青木さんは、「スプラトゥーンで1,000時間プレイした」「モンハンはプレイし過ぎて、シリーズを通したらもはや何時間プレイしたかわからない」「ゼルダのムジュラの仮面は年に数回無性にやりたくなるときがあり、繰り返しプレイし過ぎて攻略本暗記した」など語っていました。
また、塩澤アナも、「(クロノ・トリガーの)ルッカとクロノがどうしてくっつかなかったのか・・・っ!」「ドラクエ2の復活の呪文を間違えて、あれこれ文字を変えながら入力して一日が終わっていた」などなど、とてもNHKのアナウンサーとは思えないほどの濃い話題が盛り沢山でした。
ちなみに、オーケストラで曲を聴きたいゲームというネタに対して、青木さんは「スプラトゥーン」を、塩澤アナは「ときめきメモリアル」をあげていました。
「ときメモ」の名前が出てきた直後に、やや野太い歓声が上がったような気がします。

やや余談ですが、公開収録の様子について。
公開収録というものが(たぶん)初体験だったのですが、カメラの動きが非常に興味深かったです。
ホールの天井まで届きそうな巨大なクレーンまで導入されていて、その迫力にまず圧倒。
そして、それが演奏中にグイーングイーンと動きまくっていて、「TVで見る映像って、こういう風に収録していたのか」と内心興奮していました。
まぁ、1階のわりと前方の席だったので、演奏中によく目の前をクレーンが横切っていたのは若干邪魔でもありましたが。
でも、なかなか貴重な体験ができて、面白い体験でした。

そんなわけで今回のコンサートを総括すると、面白く興味深い要素が色々あり楽しかったです。
ゲーム音楽を生のオーケストラで、しかも無料のわりにはたっぷり聴くことができて、満足しました。
トークも面白くて興味深かったです。
来年も、ぜひNHK音楽祭の1演目として、ゲーム音楽のコンサートを企画してほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。


プログラムは以下の通りです。
-----
[第一部]
1-01. ポケットモンスター 赤・緑
~オープニング~
マサラタウンのテーマ
トキワへの道-マサラより
サイクリング
ロケット団アジト
最後の道
ラストバトル(VSライバル)


1-02. クロノ・トリガー
クロノ・トリガー
ガルディア王国千年祭
風の憧憬
海底神殿
カエルのテーマ
魔王決戦


1-03. MOTHER/MOTHER 2
Pollyanna
Bein' Friends
Saturn Valley
フォーサイド(摩天楼に抱かれて)
Eight Melodies
Smiles and Tears


1-04. ファイナルファンタジー
ビッグブリッヂの死闘
更に闘う者達
Shuffle or Boogie
この刃に懸けて
FINAL FANTASY ~FF XIIバージョン~


[第二部]
2-01. モンスターハンター
英雄の証
咆哮/リオレウス
絶対零度/ウカムルバス
閃烈なる蒼光/ジンオウガ
健啖の悪魔/イビルジョー
炎国の王妃/テオ・テスカトル&ナナ・テスカリ
闇に光る赤い残光/ナルガクルガ
灼熱の刃/ディノバルド


2-02. 大乱闘スマッシュブラザーズDX
ピーチ城
ジャングルガーデン
グリーングリーンズ
夢の泉
メニュー


2-03. ゼルダの伝説 時のオカリナ/ムジュラの仮面
時の神殿
ハイラル平原メインテーマ
森の神殿
ゲルドの谷
コタケ・コウメのテーマ
ボス戦闘
嵐の歌
デクナッツの城
「ゼルダの伝説」メインテーマ


※アンコールは無し
-----

これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

1-02. クロノ・トリガー
今回演奏された曲の中では、一番好きなメドレーでした。
メリハリの効いた選曲と編曲で徐々に盛り上げる流れを作ってからの「カエルのテーマ」と「魔王決戦」。
たぎらないわけがありません。
特に「カエルのテーマ」が格好良かったです。
直前の「海底神殿」とのギャップもあってか、より一層格好良さが引き立っていたように思いました。

1-03. MOTHER/MOTHER 2
前半4曲の演奏中に、時々ピンポイントで1フレーズ分だけ、伴奏のボリュームが下がってソリストの演奏だけが響くという箇所がありましたが、あれはエイト・メロデーズを表現していたのでしょうか。
ソリストの音色をはっきりと聴き取れなかったので、あれが1か2のエイト・メロディーズのフレーズだったのかどうか、分からなかったのですが。

「Pollyanna」「Bein' Friends」とポップな曲が続いた後の「Saturn Valley」の泥臭さが、意外と強く印象に残りました。
「Pollyanna」と「Bein' Friends」とエイト・メロディーズ(1も2も)は、もはや自分が語るまでもない名曲だけど、今回演奏された「Saturn Valley」の意外な魅力に気付かされました。
予想外にオーケストラと合っていて、面白かったです。

「Eight Melodies」は、ラストの「Smiles and Tears」にたっぷり時間を割くためか、あっさり終わってしまったのが残念。
「Eight Melodies」も「Smiles and Tears」と同じくらい好きな曲な曲だったので、もっとたっぷり演奏を聴きたかったです。

それにしても、「MOTHER」は1も2も名曲が多いなぁ。改めて実感。

1-04. ファイナルファンタジー
分かっていたことだけど、「ビッグブリッヂの死闘」のイントロの弦楽器が、相変わらずの鬼畜譜面でした。
それでも、華麗に弾き切っていたのは見事です。

「ビッグブリッヂの死闘」からの「更に闘う者達」が、ユニークだけど自然な繋ぎで新鮮でした。
「ビッグブリッヂの死闘」と「更に闘う者達」のフレーズが2, 3回ほど交互に現れて、そしてテンションを維持したまま一気に切り替えるような、そんな感じ。
こういう繋ぎ方、面白いかも。

「Shuffle or Boogie」は、なんといってもハンドクラップ。
ハンドクラップが入るだけで、なんだかとてもワクワクした気分になりました。
あの絶妙な一体感がたまりません。

最後は定番の「ファイナルファンタジー」。
FF12版っぽさはあまりなくて、普通に「ファイナルファンタジー」のオケアレンジでした。
欲を言えば、もう1ループ欲しかったです。

2-01. モンスターハンター
「英雄の証」から始まって、モンスター曲が立て続けに鳴り響き、最後は再び「英雄の証」で〆るという、サンドイッチ構成。
このメドレーで、第二部初っ端から金管楽器のHPが相当削られたのではないかと思います。
それくらい、金管楽器大活躍な曲でした。

モンスター曲の連続なので、ほぼずっとフォルテの力強い演奏でした。
確かに迫力はあったけれど、もう少し緩急が欲しいなぁとも思いました。

2-02. 大乱闘スマッシュブラザーズDX
スマブラの曲はあまり知らなかったのですが、任天堂の各シリーズ作品のメインテーマのオンパレードで、知らなくても十分聴けました。
特にカービィとマリオは、なんだか妙にたぎりました。
マリオの曲は地下BGMと地上BGMが混ぜるな自然レベルで融合していたのですが、あれは原曲のまま?

2-03. ゼルダの伝説 時のオカリナ/ムジュラの仮面
両作品とも未プレイです。
そもそもゼルダは1作品しかプレイしたことがなくて、ちょうど今、先日発売された30周年記念CDを聴いているところという程度。
そのため、今回演奏された曲は、ほぼどれも初めて聴く曲でした。

主に「ムジュラの仮面」の曲だと思うのですが、オリエンタルな雰囲気の曲が印象的でした。
どの曲かわからないけれど、ゴムホースのようなパイプのような細長いものを頭上でぐるんぐるん回して「ひゅー」という風の音を表現していたのが、特に記憶に残りました。
あれ、楽器?

最後はゼルダのメインテーマをがっつり演奏。
ゲームはほとんど知らないのですが、この曲はすこぶる大好きです。
今回の演奏会でたっぷり演奏してくれたのは、すごくうれしかったです。
やっぱりこのメインテーマ、格好良いなぁ。

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